『ワイルドアームズ』(WILD ARMS)はメディア・ビジョンが開発しソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が販売したPlayStation用ロールプレイングゲーム。シリーズの第1作であり、SFと西部劇を融合させた世界観は後の作品にも受け継がれた。『ポポロクロイス物語』『アークザラッド』とともにSCE三大RPGの一作である。2003年11月27日に『』としてPlayStation 2で大幅な改修を受けてリメイクされた。帯のフレーズは「誰もが初めて体験するバトルシーン、RPG新世代を切り開く話題作の登場!」。トータルゲームデザイン&シナリオは金子彰史。音楽はなるけみちこ。かつてこの世界「ファルガイア」の支配を目論んだ「魔族」という存在がいた。故郷である星を失ったため、ファルガイアを第二の故郷にするべく侵攻を開始。世界を守るべく「人間」「守護獣」「エルゥ」の3種族は協力して魔族と戦い、その結果「ガーディアンブレード」を生み出し魔族との戦いに勝利。その代償としてファルガイアは荒廃した大地と化してしまった。しかし魔族は死滅したわけではなかった。生き残った魔族の幹部「ナイトクォーターズ」は母である「マザー」を復活させ、再びファルガイアの覇権を狙わんとしていた。強過ぎる力を持った故に周囲から迫害されてきた少年ロディ。魔族に仲間たちを殺され、復讐のために「絶対たる力」を求める青年ザック。公女という立場から誰も自分自身を見てくれない(愛してくれない)と偏見を抱く少女セシリア。「ひとりぼっち」だった3人の運命はやがて一つに重なり、魔族の目的を挫くべく協力して旅立つことに。一行は魔族との戦いで製造された兵器「ゴーレム」の一つを入手する。それは「神々の砦」の異名を関するゴーレム「アースガルズ」だった。どうやっても起動しなかったが、セシリアの想いに呼応するようにアースガルズは目覚め彼女たちの仲間となったのだった。一方、ナイトクォーターズは着々とマザー復活の準備を進め、ついにマザーが目覚めてしまう。しかしナイトクォーターズは驚くべき事実をマザーの口から聞かされる。母星を滅ぼしたのは他ならぬマザーであり、ファルガイアも滅ぼすつもりだという。「滅びこそが幸福」をうたうマザーにとってナイトクォーターズも例外ではなく、世界を滅ぼした後は彼らも喰らうつもりだった。それを知ったナイトクォーターズのトップ・ジークフリードはマザーとロディたちを衝突させることで同士討ちを狙うが失敗。マザーは討伐されたがロディたちは窮地から脱し生き残った。その後、ジークフリードとの戦いの中、ロディは片腕を失ってしまう。実はロディは人間ではなく、魔族をベースにして生み出された戦闘兵器「ホムンクルス」であった。自分が人間ではないことを知り彼は心を閉ざし、意識が戻らない状態になってしまう。そんなロディを救うべくセシリアは彼に呼びかけ、その心に救っていた夢魔と対峙。ロディの心を閉ざさせていたのはこの夢魔だと知り、セシリアは夢魔を打ち破る。そして自分が誰も愛していなかったことに気づき、「誰かに愛されるためには、まずは自分が誰かを愛さなければならない」と考えるようになる。同時にロディに対する気持ちに気づき、彼を愛するようになる。ザックは、想い人であり仲間であった女性エルミナが魔族に改造され敵となっていたことを知り苦悩。最も守りたかった存在を守れず、それどころか戦うことになった現実に翻弄される。しかしロディとセシリアという仲間の支えを受け、エルミナと決着をつけることを決意。互いに死力を振り絞った一騎討ちの末、ザックはエルミナに勝利。そして自分の中に「勇気」が芽生えていたことを知る。死の寸前にエルミナは語る。復讐のためではなく、今の仲間とその未来を守るために剣を振るうことこそが「絶対たる力」——「勇気」であると。こうして絶対たる力を手にしたザックは復讐心と決別。過去に囚われることなくエルミナの犠牲を乗り越え、魔族との最終決戦に臨む。その頃、ジークフリードはかつて守護獣が封印した天をも突く巨大な魔塔「カ・ディンギル」を復活させる。カ・ディンギルとは過去の大戦において秘密裏に建造されていた天体コロニー「マルドゥーク」への転送装置であった。ジークフリードはマルドゥークが持つ絶大な攻撃能力を利用しファルガイアを滅ぼさんとしていた。一方、ロディもまた自分を受け入れてくれた仲間たちの触れ合いにより、誰よりも優しい「人の心」を手に入れいれていた。3人の絆はナイトクォーターズを次々と打ち破り、最終決戦の地「マルドゥーク」へと辿り着く。ついにジークフリードを追い詰めるが、その瞬間、彼は聖母にも似た巨大な女神の姿へ変異。実はマザーは滅びておらず、ジークフリードの体内に巣食うことで生き延びていたのだった。既にジークフリードはマザーに喰らいつくされており、今までロディたちが戦っていたのは「ジークフリードであってそうでない、抜け殻」であった。完全復活を果たしたマザーは自ら「マザーフリード」と名乗り、マルドゥークの兵器によって自らが持つ闇をファルガイアに降り注がせ、光のない死の世界へと創り変える。そしてロディたちと最後の一戦を繰り広げる。しかし破壊の力では未来を掴むことはできず、ロディたちの持つそれぞれの想いによって今度こそ滅ぼされた。その想いの力は守護獣と共鳴し合い、マザーの現身である闇をも駆逐したのだった。戦いは終わりマルドゥークから脱出するべく一行は亜空間エレベーターを起動させる。その直後、死に行くマザーの肉塊から抜け出したジークフリードが追いかけてきた。彼は半壊した肉体と魔槍グラムザンバーを融合させることで「逆襲の刃ジークツヴァイ」として復活を果たし、ファルガイアとマルドークを隔てた亜空間を最期の決戦の場として勝負を挑んでくる。しかし「勝者となるために戦う」ジークツヴァイが「未来のために戦う」ロディたちに勝てるわけがなく敗北。亜空間にて散った。しかし、不安定な亜空間で戦ったことにより負荷がかかり、それはカ・ディンギルの崩壊という形でロディたちに襲い掛かる。「勝者がいなければ敗者もいない」これこそがジークツヴァイの目的だった。カ・ディンギルの爆発からロディたちを守ってくれたのはアースガルズであった。アースガルズは自らの意志で駆けつけ、その防御能力を駆使して仲間たちを守り、機能を停止したのだった。戦いは終わり、ロディとザックはコンビを組んでファルガイアを旅していた。そこへ現れたのは故郷に帰ったはずのセシリアであった。彼女は公女としてではなく、ロディたちの仲間として生きることを決意し、あとのことは叔父に任せて追ってきたのだ。こうして3人は平和となったファルガイアへと旅立っていったのであった。1000年前に彼らの母星ヒアデスに代わる居住地にしようとファルガイアへやってきた異世界からの侵略者。鋼の肉体に水銀の血を持ち、構成物質こそ違うものの、ファルガイアの生き物に類似した身体を持つ、半生命半機械の存在。1000年前の人間とエルゥ、そして守護獣の合同軍との戦いの末に敗北するが、近年復活の兆しを見せ始める。ナイトクォーターズと呼ばれる面々以上の魔族は守護獣以上の力を持ち、主人公達を苦しませる。1000年前に起こった魔族との大戦時に、魔族の体を研究して人間とエルゥ族が造り上げた人型兵器。悪意ある使用を恐れたエルゥ族によって現在は各地に封印されており、人間の手に渡ったゴーレムは破損して動かなくなったものばかりである。万全ての万物、果ては事象、概念にまで宿るとされる「意思ある力」。「世界を支える力」とも称される超越存在。司る力を際限なく自在に操り全能級の能力を持ち、ファルガイアという星を守護する神と言える存在。エルゥや人間と共に「秩序の輪」と呼ばれる星のエネルギーの循環システムを作り、星を繁栄させ、また守護してきた。しかし魔族の侵攻とその戦いによる星の生命エネルギーの減少、そして荒廃した環境に人々の心が疲弊した事で、その力はどんどん失われており、エルゥの残したほこらによりガーディアン同士の力を、相互に循環させる事でなんとか存在を保っている状況である。特にガーディアンロードと呼ばれるファルガイアに生きる命の心に関係するガーディアンは、ルシエドを除いてその存在さえ危うくなっている。ガーディアンの力を秘めたパワープレートを身に付ける事によってガーディアンの加護と助力を得られ主人公達は魔族にも対抗できるようになる。ガーディアンの加護や力は大戦時に魔族の重鎮達に傷つき倒され全盛期のような力は無くなっているもの、その力は今でもは絶大である。ファルガイアの均衡と繁栄を保つための生命エネルギー循環システム。星の自然が豊かである事で、そこに住まう生命が繁栄し、その生命の持つ心の力により万物に宿るガーディアンの力が増し、そしてガーディアンの力により星の生命エネルギーは満ち、自然は豊かになるという物。この作品に限らず、WA2やWA3、にも同様のシステムがファルガイアに構築されていたが、いずれも崩壊している。基本はオーソドックスなターンバトルだが、独自要素も多い。ターンごとに上記のガーディアンを含む装備を変更することが出来る(その際の能力値変更も表示される)など、戦術的な幅は広い。前述項目のFP(フォース・ポイント)を蓄積することにより、各キャラごとに3つずつのフォースアビリティというものが使用できるようになる。それぞれレベル4までの各々違ったアビリティが存在し、レベル1のフォースアビリティ以外のものはストーリーが進行する中で手に入れることができる。ただし、レベル2の「マテリアル」だけは特殊なので後述する。フォースアビリティのレベル2に該当する「マテリアル」は、3人共通のフォースアビリティである。これはストーリーが進む中で使用することができるようになるのは他のフォースアビリティと同様だが、このマテリアルを使用するには他にパワープレートと呼ばれるものを装備していなければ発動はできない。パワープレートを装備した状態でマテリアルを実行すると、現在装備中のパワープレートに宿ったガーディアンが実体化して攻撃及び補助をしてくれる。このパワープレートは全部で21枚存在し、ストーリーの進行中または各イベントで手に入れることができる。ARMとは「Ancient Relics Machine」の略。古代の遺跡から掘り出した機械の総称。精神をシンクロさせないと起動せず、シンクロさせられる人間は限られている。魔族の体組織を利用して作られた1000年前の大戦の兵器であり、そして上記の限られた使用者が原因により、一般人の間では今もなお忌避されている。上記の「忌避されている」といった背景はタイトル毎に違っているが、全シリーズを通して「銃」という印象が強い。下記はロディの使用できるARM一覧。超自然的な現象や奇跡ではなく、単純に方程式の解として捉えられている。術式に地水火風といった要素(エレメンタル)を組み込む事で得られる結果が魔法という力なのである。通常は地面に魔法陣を描き、その場所のエレメンタルを集め、複雑な術式に則った儀式をしなければならないが、特に戦闘ではそんな悠長な時間は取れない。そこで予めエレメンタルの力が込められた2つの紋章(クレスト)を組み合わせ、クレストグラフというカードに(縦軸と横軸にどのエレメンタルを組み合わせるか、レベル1or2、白or黒かといった術式を)記入しておく。そうすればクレストグラフに魔力を注入することで瞬時に発動させることが出来るので、比較的扱い易い魔法として普及している。これが紋章魔法クレストソーサーであり、その術者の女性形がセシリアのキャラクタークラスのクレストソーサレスである。ゲームシステムとして見れば、本作では初期では32種類の中から必要とするものを選んで魔法が持てて、そしてまた別の場面では任意に書き換えることが出来る。特に初期は所持しているクレストグラフの数が少ないので(最終的には全種類分入手できる)、目的に合った魔法に書き換える事が重要になる。この世界では特にクラン修道院が魔法学校として機能している。一般的に魔法の資質は女性の方が上で学ぶ者も大半が女性のため、全寮制の女子校となっている。本作では、メインキャラクター3人がそれぞれ使用できるグッズを用いたアクションでダンジョンの道や謎を切り開いたりトラップを回避したりというシステムが存在する。各グッズは使用キャラのイメージに合わせたものが多く、ストーリーを進める中で手に入れることが可能。該当グッズが無いと先に進めなかったり、特定のイベントや会話ができなかったりする。このシステムはRPGとしての謎解き要素に一役買っている形で登場する。1000年前、ファルガイアはエルゥの力により発達した文明を築いた、緑溢れる豊かな惑星だった。均等に科学と魔道が行き交い、守護獣による守護の下でエルゥと人間が共存する世界としてファルガイアの真の姿を体現していた。そこに侵攻してきたのがマザーと、それに連なる魔族たち。魔族たちは殺戮と破壊の限りを尽くし、ファルガイアを窮地に追い込んだ。しかしエルゥと人間は魔族に対抗するために立ち向かった。これが後に大戦と呼ばれる戦いの幕開けとなる。当初は人間、エルゥ、守護獣はそれぞれの領域でそれぞれの戦いをしており協力し合うことはなかったが、魔族の計り知れない力を前にして知恵や技術、資源を共有するようになり、やがて三種族の混成部隊が魔族に対抗することになった。守護獣は現在のように疲弊した力ではなく、エルゥもまた高度な技術は持っていたが人間同様に個体数もまだ多く、人間も高い精神力を持っていたということから協力関係はほぼ自然な流れと言える。しかしそれでも上位魔族の守護獣を上回る力の前では混成部隊も劣勢に立たされることになる。魔族の身体構造はほとんど機械そのものであり、凄まじく強靭であり致命的なダメージを与えることが難しい或いはすぐに修復してしまうがファルガイア軍が劣勢に立たされた最大の要因となる。足止め程度の攻撃しかできないファルガイア軍に魔族は土着生物から魔獣を作り出すことを開始した。これら魔獣を使役して戦いに投入することでさらなる戦力の増強を可能としたのだ。魔族は瞬く間に大戦の優位に立つ。いくつかの兵器の開発成功によりファルガイア軍が劣勢状態から徐々に持ち返すことができるようになった時期を大戦中期と呼ぶ。特に強力だったのが対魔族殲滅兵器「ゴーレム」の存在。守護獣よる攻撃以外、ほとんどダメージを成さない事を悟ったエルゥと人間の作り出したこのゴーレム一号機「リリティア」は魔族との戦いに投入される。ただしゴーレムは凄まじい能力を持つが稼動数が少なく汎用性にも欠けたため、戦局を覆すには至らなかった。ファルガイアそのものへのダメージにより戦況が変化してきた時期が大戦末期。人間たちは星そのものを活性化するために兵器開発の傍らユグドラシルシステムを開発するが、これをマザーにそのまま取り込まれてしまい新たに大量の魔族が戦力として増加してしまった。この時に開発されたもうひとつの物がARMと呼ばれるもので、これはエルゥの物理魔道体系を大いに利用して開発された兵器。魔族の身体機能を模して作られたこのARMは現在、銃という形で残されているものと同一。ホムンクルス計画が提唱され、同時に開発された兵器がガーディアンブレードと呼ばれる。この兵器自体は禁断の技で作られており当時開発を担当したエルゥ、バシムにもこの兵器がもたらす結果は不明だったが、敗北色が濃厚となっていた当時議論の余地はなくこの兵器はすぐ稼動状態に置かれた。タウンロゼッタ付近で振るわれたガーディアンブレードはたった一振りで魔族を壊滅させ、ファルガイア軍の勝利で大戦は終結するもその後ガーディアンブレードは暴走。大陸を破壊し、全てを無にした。大戦自体はファルガイア軍の勝利と終わったが実際にはファルガイア側が受けたダメージも深刻なもので、ガーディアンブレード暴走によるファルガイア側の死者も相当数にのぼり、ファルガイア自体も広大な土地が居住不可能な荒野、砂海となった。守護獣も最後の力でマザーを封印したために生体活動すら危うい状態に陥った。辛うじて生き残った魔族は勝利をいつか得るために休息の眠りについた。ファルガイアが人の暮らせる大地ではなくなったことをきっかけとし、エルゥたちは残った力で自分たちだけが住む空間を創造する。エルゥ界と呼ばれたそこは閉鎖空間であり、ファルガイアに残された僅かな自然と共にエルゥたちは全員がこのエルゥ界へと移動する。この時を境にファルガイアにてエルゥが存在することはなくなり(マリエルを除き)、伝承にのみその名を残すことになる。ファルガイアからエルゥ界へ行くことのできる転送装置は聖森の塚に存在するが、エルゥがいなければ起動させることは不可能である。残された人間の力で世界が復興し始めたのがこの頃。人間たちはどこにも逃げ場がなく、この傷ついた世界で生きながらえる選択肢しか取れなかった。力を失った守護獣やいなくなったエルゥの代わりに人間を導いたのは七人委員会と呼ばれる組織。有力な七人の人物が新たなる指導者となり七つの国を作るが、現在まで残っているのはクラン派のアーデルハイド公国とフォトスフィアの発掘により技術大国となったアークティカ城のみ。それ以外の国家は歴史の中で消えて行った。高度文明の崩壊共に衰退していく人間たちとファルガイアにより、一度力を失った守護獣たちも元の力を取り戻すことはかなわなかった。星そのものの生命力の低下だけでなく、人間たちの信仰心が落ちたこともそれに大きく起因している。人間、星、守護獣の三つの繋がりが崩壊し、ファルガイアは疲弊し衰退する一方となった。魔族がその存在すら御伽噺となった現代、ファルガイアの衰退は引き続いていた。それでも生き残っている人間たちはアーデルハイド公国とアークティカ城の二つを先端にして過去の遺産の発掘・研究を重ね、文明を少しずつ復活させていく。その時、かつて未来の勝利を願って眠りについていた魔族たちが復活してしまう。アークティカ城を襲撃したアルハザードたち魔族は一夜にしてアークティカを滅ぼし(ゲームスタートの2年前)、大戦期と比べて弱体化した人間たちにとって絶望的な戦いが始まってしまう。シリーズに共通する用語はワイルドアームズシリーズの項目にて。CD1枚、全36曲。「ワイルドアームズ」のサウンドトラックだが、使用楽曲の半数以上が未収録。作曲はなるけみちこが担当している。一部楽曲の編曲に外山和彦が参加。エンディングテーマの歌唱は渡辺真知子。CD2枚組、全79曲。「ワイルドアームズ」発売10周年を記念して発売された、サウンドトラック完全版。「ワイルドアームズ オリジナル・サウンドトラック」に収録されているものも含め、ゲーム中で使われている全ての楽曲が収録されている。
出典:wikipedia
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