『鋼鉄天使くるみ』(こうてつてんしくるみ)とは、介錯作の漫画作品並びにそれを原作とする一連のアニメ及び実写からなるシリーズ作品を指す。本作は漫画家・介錯による漫画作品を原典とし、これを基にした下記の映像作品が存在する。その作風は作品によって若干の差はあるものの、基本的には鋼鉄天使と呼ばれるアンドロイドの少女達が周囲の人間と若干お色気の入ったドタバタ気味のコメディ(ラブコメ)を繰り広げるという展開が大部分を占め、萌えとSF設定によって味付けされたコメディ作品である。鋼鉄天使のくるみとサキは特段の理由もなくメイド服を模した衣装を着用している。本シリーズはアニメ化を担当したポニーキャニオン、及びそのレーベルのm.o.e.が展開に力を入れていた。角川書店の「月刊少年エース増刊・エースダッシュ」1997年vol.1から1998年vol.7および「月刊エースネクスト」1999年3月号から2002年5月号および「月刊少年エース」2002年7月号から2004年2月号に連載。全67話+読切1話、単行本は全11巻。連載中においては自分の鋼鉄天使ならびにそのマスターをデザインするという読者参加企画が同時進行され、優秀作は実際に漫画本編に登場。キャラクター名が投稿者のペンネームと共にテロップ方式で示された。本作の連載中に前述の映像作品が製作されたため、それらのオリジナル設定等の一部をフィードバックする形で取り込んでいる。設定が完全消化されないノリ優先の展開が目立ち、緊迫した状況をギャグ的展開や楽屋オチで収拾するなどの緊張感に欠ける描写も少なくない。また、未来編におけるタイムパラドックスなどの作内矛盾はパラレルワールド形式の樹形列式世界観が示されているが、それを勘案しても矛盾が解決しきれず説明が完全ではない部分があるほか、綾小路博士やワルスキー博士などの一部のキャラクターは連載途中で基本設定が変更されており、その前後で辻褄の合わない状態になっている。また、張られた伏線のうち幾つかは回収されないまま連載が終了している。当初の舞台は大正時代中期。陰陽家の少年・神維仲人が秘密の研究所に迷い込み、その中で眠っていた少女くるみと偶然キスをしたことがきっかけで、くるみが目覚め、以降仲人をご主人様と慕うようになる。くるみは帝国陸軍が秘密裏に進めていた「鋼鉄兵士計画」に基づき、軍の協力者・綾小路鉄男博士が開発した絶対永久自動人形「鋼鉄天使」の壱号機であった。そしてくるみは人間の少女と変わりのない外見にもかかわらず、陸軍の最新鋭戦車「金剛」をたやすく退けるほどの絶大な力を持っていた。鋼鉄天使とは「アカデミー」と称する科学者集団によるオーバーテクノロジーであり、綾小路鉄男とは未来人であるアカデミーの総帥・綾小路博士の別人格であった。綾小路博士は世界の先進各国に供与した技術によって鋼鉄天使の開発競争を行なわせ、より優れた兵器を建造すると共にその主人となる優秀な術者を発見しようとしていた。綾小路博士の目的は、未来世界で人類を滅亡させる敵となる「魔族」に対抗し得る兵器を開発し、かつ、歴史を改変し魔族によって滅亡しない世界を作り上げることにあった。これを察知した魔族はカオスマインドを持つ鋼鉄天使リルリルことアビス1を送り込みアカデミーを襲撃。基地要塞ラグナロクの壊滅作戦は失敗するものの、アビス1はいずれ強大な敵と成り得る仲人に死の呪いを打ち込み未来に逃走する。死の呪いを破るには術者を倒す以外にないことが判り、仲人・くるみ・サキ・カリンカ、そしてアカデミーの鋼鉄天使・加賀はアビス1を追って未来に移動。その世界は、各国での鋼鉄天使の本格運用により世界大戦が発生せず、大正時代がずっと続いている大正100年の世界だった。しかしこの世界には神維家もアカデミーも存在せず、その名を知る者すら誰一人なかった。そしてすべての鋼鉄天使とその主人たちは日本に置かれた鋼鉄学園と呼ばれる組織の所属下にあった。この世界は所謂パラレルワールドであり、この世界の仲人は呪いを解くことができず既に死亡。それが原因でくるみたちも機能を停止していた。原作者・介錯によると、本作は「第一部・鋼鉄の三姉妹編(三姉妹の章)」「第二部・未来からの使者編(アカデミーの章)」「第三部・大正100年編(エクセリアの章)」「第四部・天使たちの黄昏編(加賀の章)」に大別される。なお、「第五部・関東天魔大震災編(最終章)」の構想があるとのことだが、これについては未執筆。大正中期。帝国陸軍では奇才・綾小路博士の指揮の下鋼鉄天使計画と呼ばれる人造人間兵器の開発計画が始動していた。しかし、博士は自らの研究成果が戦争に使われ、鋼鉄天使たちが人殺しの兵器となる事に耐えられず、自ら事故死を装い開発中の鋼鉄天使2体と共に失踪してしまう。一方、日本最強と言われる陰陽師の家系に育つ神維仲人は、その家名ゆえに同級生たちからいじめられていた。ある時、仲人はその一環として幽霊屋敷の肝試しに無理矢理引っ張り込まれる。しかし、廃墟と思っていたそこは綾小路博士の隠れ家であった。仲人はそこで呪符にまみれた怪しい機械と、その中に眠る少女・くるみを見つける。それを前後に屋敷が激震し、その拍子に仲人は倒れてきたくるみにキスをしてしまう。強力な潜在能力を持つ術者が口づけを媒介として鋼鉄天使に呪力を吹き込む時、鋼鉄天使は術者をマスターと認め、これを守護する。かくて、くるみは仲人を主人とする鋼鉄天使として起動した。屋敷を襲ったのは、陸軍で綾小路博士の部下であった天城博士だった。彼女は綾小路博士失踪後に鋼鉄天使計画を推進していたが、その完成を果たす事ができず、綾小路博士を必要としていたのだ。屋敷にいた綾小路博士と共に逃げる仲人とくるみ。一方で天城博士は屋敷の破壊跡から起動されなかった鋼鉄天使弐号機・サキと、いまだ鋼鉄天使に組み込まれていなかった鋼鉄天使の心臓回路、感情生成型パワーアクセラレーターであるエンゼルハートを2つ見つける。陸軍と天城博士は高名な科学者ブランドー博士に協力を依頼。サキを起動させくるみにぶつける。しかし、そのドサクサをついて綾小路博士はブランドー博士にさらわれる。ブランドー博士は、実は綾小路博士のライバル、ワルスキー博士の変装だったのだ。そしてワルスキーは軍からくすねた2つのエンゼルハートを使い、自らの研究成果である人造生命術師ミハエルを主人とした鋼鉄天使カリンカを創り上げる。綾小路博士を助けるために天城博士と仲人は軍をバックアップとした共闘を開始した。が、2つのエンゼルハートを持つカリンカは出力だけではくるみやサキの二倍の力を持つ。サキは倒されくるみも手が出ず、あわやピンチと思われたその時、既にくるみを姉と慕っていたサキは自らのエンゼルハートをくるみに移植するよう申し出る。サキはくるみの願いを叶えるため。くるみは仲人を護るため。二人の想いは奇跡を起こし、エンゼルハートの力によって融合する。かくてカリンカを退けたくるみとサキの2人。ワルスキーの居城に乗り込む。しかし、綾小路博士は依然、行方不明のまま。それどころか、加賀とよばれる謎の鋼鉄天使まで登場する。カリンカは結局、仲人たちの預かりになったものの、事態は想像を絶する方向へと動いていく。実は鋼鉄天使計画の技術は、謎の組織アカデミーの手によって各国に流布されていたものだった。加賀はアカデミー直属の鋼鉄天使だったのだ。そして、そのアカデミーは各国にて発展した鋼鉄天使の技術をぶつけ合い切磋琢磨させる場として鋼鉄ファイトを提案。ファイトに優勝した国に、さらなる技術を与えると約束した。日本ではこれに海軍が名乗りを上げた。神維家と勢力を二分する陰陽師家系・神宮寺家が海軍と協力して創り上げた鋼鉄天使・葵。紆余曲折の末に、くるみたちは彼女と協力してファイトの勝ち抜きを目指す……と思いきや、仲人大事のくるみたちと、戦いの嫌いな仲人はそんなコトなどお構いナシに日々を過ごす。ところが、どうしてもくるみたちの愛の力を求める者たちがいた。そう、加賀をはじめとするアカデミーである。アカデミーは仲人に綾小路博士の行方を自分たちが握っている事を伝え、鋼鉄ファイトへの参戦を要求してきた。仲人は天城博士の綾小路博士への思いを慮り、参戦を決意する。過熱していく鋼鉄ファイト。ところが、その最中、謎の悪意ある存在がファイトを脅かす。魔属。アカデミーは彼らをそう呼んだ。そしてアカデミー中枢までたどり着いた仲人たちは、そこで綾小路博士に再会する。そして綾小路博士は、アカデミーを指揮していたのが彼であること、仲人たちと共にいた綾小路博士は、日本に鋼鉄天使技術を供与するために自ら作り上げた別人格であったこと、そして自らが未来人であり、遠い未来に人類を滅ぼす魔属に対抗するため、歴史を変えるためにこの時代にやってきたことを明らかにした。アカデミーを襲う魔属。くるみたちは必死に抵抗する。しかし、その核となる人物が仲人である事に気付いた魔属は、仲人に死に至る呪いを打ち込み、自分は時の扉を開いて遥かな未来へと逃亡する。仲人が助かるには、自分たちも未来へ行くしかない。そう聞かされたくるみたちは仲人と共に魔属を追って時の扉の中へと飛び込んでいった。時の扉の向こうは百年後の世界だった。しかしこの世界にはアカデミーも神維家も存在せず、仲人たちの世界とはどこか様子が違っていた。仲人は天城博士の研究所のあった場所へ向かうが、そこは喫茶店になっており経営していたのは天城博士の子孫だった。仲人たちは天城店長の元に厄介になりながら、全ての鋼鉄天使とそのマスターが通わねばならないとされる鋼鉄学園に通い、学園生活を営みつつ魔属を探す活動を開始する。鋼鉄学園では、常時、鋼鉄天使たちの戦いが行われ、その中でも優秀なる者はエンゼル・オブ・エンゼルと呼ばれる。仲人たちは学園と店との生活の中で、どこか影を持ち影を使うエンゼル・オブ・エンゼルの鋼鉄天使、エクセリアと出会う。本作は最初の映像化作品であり、SFバトルアクション色とラブコメ色が強い。後半には兵器としての鋼鉄天使達の悲哀を交えたシリアスな展開に傾倒したものの、全体的にはコメディとシリアスを組み合わせた展開やそれに対応するキャラクター配置、デフォルメ化したキャラクターの多用等によってコミカルな作品として仕上がっている。また、本作品で確立された、ご主人さまを愛するくるみ、くるみに同性愛感情を抱くサキ、くるみに対抗してご主人さまにちょっかいを出すカリンカ、という三姉妹の関係は、シリーズを通じて(零を除く)のパターンとなっている。なお、本作品には本編の後日談的な内容である4巻のOVAが追加されている。前3巻はそれぞれカリンカ、サキ、くるみに焦点を当てたエピソードで、最後の1巻は全鋼鉄天使を登場させるというものとなっている。2012年9月にブルーレイボックスが発売された。時は大正時代。悪友に強いられ肝試しとして綾小路博士の屋敷に忍び込んだ神維仲人が、そこで試作品の鋼鉄天使のくるみを発見して偶然起動させてしまう。そのくるみは自分を目覚めさせた仲人をご主人さまと認識し、彼にベッタリとなる。一方、くるみの目覚めの直後から、彼らは途方もない力を秘めた鋼鉄天使である彼女を狙う諸勢力に追い回され、それらと闘っていくことになる。1話約12分。本作品は、鋼鉄天使くるみの好調を受けて制作されたオリジナルの続編である。しかし、主人公が少年から少女になり、しかも「はにはにだよ〜」という狙いすました口癖までついた萌えキャラであったことからSFバトルアクション色とラブコメ色は大幅に後退している。また、後述の鋼鉄天使くるみ零と同時進行であったため、前作・鋼鉄天使くるみでのキャラクターデザイン・総作画監督であった千羽由利子が今作では退いている。なお、くるみ達三姉妹の関係は前作とほぼ同じである。しかし、サキはご主人さまの皇うるかと姉のくるみとの間で揺れ動く複雑な乙女心が加味されている。その皇うるかも主人公の少女・神維那己に同性愛感情を抱いているなど、全体的に百合的な色合いが強くなっている。本作から制作レーベルがポニーキャニオンからm.o.eとなっている。時は現代。神主の娘である神維那己は、幼馴染で友人の皇うるかとともに神社の倉庫から続く隠し地下通路を偶然発見する。そして、そこで迷っているうちに、偶然鋼鉄天使くるみ2式を発見し、起動させてしまう。くるみ2式は改良型の鋼鉄天使として未来から送られてきたものであった。そして彼女らのドタバタに満ちた学園生活が始まる。1話約12分。本作品は、鋼鉄天使くるみの好調を受けて制作されたオリジナルの続編として発売されたOVAである。また、2式がコメディ一色だったことに対し、本作品はシリアスかつ抑揚に欠けたきらいのある室内劇であった。そして、本作品は、登場キャラクターが鋼鉄天使ではないという点で、他の鋼鉄天使シリーズとは大幅に異なっている。なお、くるみ達の関係も他の鋼鉄天使シリーズとは異なり、共同生活を営む人間の少女達である。このため、姉妹というよりはルームメイトの友人という関係という方が適切で、しかもその友人関係もごく普通のものである。例えば、他の2人はくるみの初恋の相手に普通に興味を持ち、その恋の成就を応援するような間柄である。本作品はいわばアニメシリーズの前日談であり、最終的には無印くるみに繋がっていく話であることが示唆され、原作でも作者が言及している。無印、2式には登場しないエクセリアは後に原作に鋼鉄天使として登場する。人間と文明が滅びかかっている遠い未来の地球で、くるみ、サキ、カリンカ、エクセリアの4人の人間の少女が共同生活をしていた。ある日くるみは道人という少年と恋に落ちる。そしてメールのやり取りなどでくるみと道人の付き合いが始まっていく。"2式のスタッフとほぼ同じであるため省略"本作はアニメコンプレックス枠の人気作品『鋼鉄天使くるみシリーズ』を換骨奪胎して製作された実写番組であり、作中の映像表現にごく簡便なビデオ合成等が使用されているため特撮番組に分類される場合がある。独特の世界観の構成のためレギュラーキャラクター4名には当時中学生の子役が起用された。本作は「中心キャラクターの仲人が引きこもり」という設定のため、各話のストーリー展開は仲人の住居内か外であっても玄関前程度の場所で終始し、一部の話数を除いて原則的に舞台が外部に及ぶことはない。また、登場する鋼鉄天使はくるみ・サキ・カリンカのいわゆる「三姉妹」のみである。従って、ジャンルとしてはシチュエーションコメディに該当する。三姉妹の衣装は基本的には原作初期のデザインに沿ったものが使用されたが、露出度の高いカリンカの衣装のみアニメ「2式」のデザインとの折衷案に近いものに変更されている。ただし、腹部や背部に黄色を配色するなど、違和感を最小限に抑えるための配慮は行なわれた。また、そのキャラクター設定も原作等のそれに準じ、くるみの独特の口調・サキの百合系の感情・カリンカの勝気な性格なども原則的に踏襲されている。一方で、本作での「鋼鉄天使」は兵器ではなく一般家庭用に開発された看護用アンドロイドの試作品であること、仲人が特別な家系の血統ではないこと、舞台が(本放送当時から見て)近未来であることを始めとして、世界観に関しては他シリーズとはほとんど共通しない。ごく普通の中学生の少年・神維仲人は、ある事件をきっかけに引きこもりの生活を送っていた。仲人の元には時折り叔父である綾小路博士の発明したおかしな品々が送り付けられ、仲人はそのモニターとして迷惑な日々をすごす。そんなある日のこと、仲人の元に叔父の運営する大手医療機器メーカーから、看護師ロボット・通称看護ロイドの家庭用試作一号機・開発コードネーム “鋼鉄天使” の「くるみ」が届けられる。仲人の身長ほどもある箱に納められたくるみは人間の少女と見紛うばかりの姿をしていた。そして面倒なことに、くるみを起動させるには仲人がその唇にキスをしなければならないのだった。こうして始まった仲人とくるみの奇妙な共同生活は、追って届いた二号機のサキと三号機のカリンカを加えてさらにエスカレート。しかし、4人で送るドタバタ共同生活は仲人の心境に少しずつ変化をもたらしていくのである。
出典:wikipedia
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