アメリカムシクイ科（アメリカムシクイか、学名 ）は、鳥類スズメ目の科である。アメリカムシクイと総称される。ムシクイ類の米州における収斂とみなされるが、ウグイス上科に属すムシクイ類とは疎遠である。南北アメリカにのみ生息する。生態・形態は旧大陸のムシクイ類に似るが、明確な相違点として、初列風切が10枚に対し9枚である。全長11–18cm。黄色・橙・緑や、白黒などの、鮮やかな羽色の種が多い。森林・草原などさまさまな環境に暮らす。ほとんどが昆虫食で、枝葉や草に止まった昆虫を捕食するが、種子や果実を食べる種もいる。アメリカムシクイ科 は の1科である。分類によっては、いくつかの科を統合しその中のアメリカムシクイ亜科 、あるいはアメリカムシクイ族 とする説もあるが、以下ではアメリカムシクイ科で統一する。アメリカムシクイ科内は Lovette "et al." (2010)などより。科間の系統関係（広義のアメリカムシクイ科内を含む）は Klicka "et al." (2007); Weir "et al." (2009)より。未サンプリングだが形態からズグロヤシフウキンチョウ属と近縁だと考えられているジフウキンチョウ属 を追加した。広義アメリカムシクイ科のうち伝統的にはフウキンチョウ科だった属には★（他は伝統的にアメリカムシクイ科）、伝統的なアメリカムシクイ科だった属を含む科には ☆ を付けた。オリーブアメリカムシクイ科にも ☆ を付けるべきだが、この図の範囲にない。アメリカムシクイ科は、9枚の初列風切をもつ の1科である。その中ではムクドリモドキ科、ホオジロ科と近縁である。伝統的にはオリーブアメリカムシクイ が含まれたが、George (1962)によりアメリカムシクイ科はもちろん からも除外され、現在は単型のオリーブアメリカムシクイ科となっている。アメリカムシクイ科+ムクドリモドキ科+ホオジロ科からなる単系統内には、アメリカムシクイ科に近縁ないくつかの属が見つかっている。これらは伝統的にはアメリカムシクイ科またはフウキンチョウ科に属していたが、新しい扱いは確立していない。これらをアメリカムシクイ科に含める（広義アメリカムシクイ科とする）説もあるが、国際鳥類学会議 (IOC) はアメリカムシクイ科に含めず、フウキンチョウ科に残すか、アメリカムシクイ科だった属は科不明に移している。広義アメリカムシクイ科の単系統性は高くない。一方、（狭義）アメリカムシクイ科の単系統性は強く支持されている。アメリカムシクイ科を広義に（あるいは伝統的に）とる場合、狭義アメリカムシクイ科は や （あるいはこれらの の代わりに など）と呼ばれる。Weir "et al." (2009)は伝統的なアメリカムシクイ科のうち、 + ズアカサザイ + オオアメリカムシクイ の単系統性を強く支持している。分子系統から、 内でいくつかの属が移動させられた。Weir "et al." (2009)による移動は次のとおり（ジフウキンチョウ属 を追加）。国際鳥類学会議 (IOC)・アメリカ鳥学会 (AOU)・AOU南アメリカ分類委員会 (SACC)の対応を示す（×: 伝統的な科に留める; ○: 系統的な科に移す; △: どちらでもない科; ?: 未定 ; Coe: マミジロミツドリ科）。彼らは広義アメリカムシクイ科を採用しており、これらはいずれも広義アメリカムシクイ科の基底群への移動である。伝統的なアメリカムシクイ科から基底群への移動も併せて記す。詳細は移動先の科を参照。過去の主な分類での扱いを述べる。属と種は国際鳥類学会議 (IOC)より。広義アメリカムシクイ科の基底群の属と種も記す。これらはIOCの分類では科未定 () かフウキンチョウ科かだが、この2つの区別は伝統的な分類の名残であり系統的ではない。

出典:wikipedia