近鉄1400系電車(きんてつ1400けいでんしゃ)とは、1981年に登場した近畿日本鉄道の一般車両(通勤形電車)の一系列である。本項では1200系電車(2代)及び1201系電車、2050系電車、6600系電車についても記述する。1981年2月に登場した大阪線用4両編成の界磁チョッパ制御車両で、4編成16両が製造された。大阪上本町寄りからク1500形(奇数・Tc1)-モ1400形(奇数・M1)-モ1400形(偶数・M2)-ク1500形(偶数・Tc2)と編成を組む。電算記号はFC。1C8M制御の三菱電機製FCM-214-15MRDH界磁チョッパ制御装置と回生ブレーキおよび抑速ブレーキ併用電磁直通ブレーキを採用。160kWの直流複巻整流子電動機MB-3270-Aを装備する。歯車比は4.72である。台車は両抱き踏面ブレーキ式のKD-88形を採用。パンタグラフは下枠交差型のPT-48をモ1400形(奇数)に2基装備。1401Fでは電動発電機・圧縮機共にク1500形(奇数)に設置されていたが、1403F以降はク1500形(偶数)に圧縮機が設置されるようになった。性能面では起動加速度2.5km/h/s、最高速度110km/hを確保している。車体は断面形状を変更して肩部のRを小さくし、切妻に近い断面となり、軽量化が図られた。前面を従来車とは大幅に変更して、窓上部の前照灯の周りにはステンレスの飾り板が付けられ、通過標識灯・尾灯も新型のものに変更されている。1405F以降は製作当初から側面に方向幕を設置した。車内は新仕様の化粧板を採用し、座席はロングシートである。1984年製造の1407Fではク1508にトイレを装備して製造された。全編成が2000年から2003年にかけて車体更新を施工している。更新内容は車体外装の交換、乗降扉の複層ガラス化を中心に、2001年以降の更新車はL/Cカーに準じた内装材に交換された。1407Fでは上記の他に車内連結側の車椅子スペース設置、トイレの洋式化・処理方式の真空式化・窓の封鎖も行われている。その他、車体連結部の転落防止幌設置、座席モケットの交換も順次行われた。2004年3月に1407Fが高安検車区から明星検車区へ転属した。2016年4月現在、1401F - 1405Fが高安検車区に、1407Fが明星検車区に配置されている。1982年に名古屋線用2両編成として登場した界磁チョッパ車。1200系1201F - 1210Fとして落成し、当時2両編成で名古屋線系統のローカル運用に多用されていた2250系の代替を兼ねて1983年までに10編成20両が登場した。名古屋寄りからク1300形(Tc)-モ1200形(Mc)と編成を組む。電算記号はRC。2016年4月現在の配置は明星検車区。1C4M制御の三菱電機製FCM-214-15-MRDH界磁チョッパ制御装置を採用、回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキと抑速回生ブレーキを備えている。主電動機は1400系のMB-3270Aを1C4M用に仕様変更したMB-3277ACを搭載する。1205Fから製作当初から側面に方向幕を設置。車体と車内設備は基本的には1400系に準じているが、集電装置はMc車に2基搭載された。台車は1400系と同一のKD-88であるが、1982年製の1202F - 1206Fのク1300形には廃車となった2250系のKD-78A形台車が流用されている。また1207F以降(1983年以降製造分)は車内内装材が新しいデザインになっている。2000年から2003年にかけて1400系と同様の車体更新が行われ、1209F・1210Fでは車内連結側に車椅子スペースが整備された。後年、車体連結部の転落防止幌設置や一部編成は座席モケットの交換も行われ、2250系から台車を流用した車両は廃車発生品のKD-66C形に交換された。車体更新と並行して2両編成の全車(1201F - 1210F)にワンマン運転対応改造が行われており、運転席後ろの座席を撤去して運賃箱と運賃表示器を設置した。なお、初期にワンマン運転対応改造が行われた車両と後期にワンマン運転対応改造が行われた車両では車外スピーカーの設置位置や転落防止幌の形状が違っている。ワンマン表示については1201F・1203F - 1205Fは方向幕の「ワンマン普通○○」表示で、1202F・1206F - 1210Fは電光式ワンマン表示器で対応している。これらワンマン対応編成は1201系に正式系列名を変更している。登場時から名古屋線を中心に運用されており、ワンマン改造後の数年間は名古屋線白塚駅・山田線宮町駅 - 志摩線賢島駅間の運用が多かったが、1253系や1437系、9000系のワンマン対応編成が増えた2008年ダイヤ変更以降は、名古屋線の普通列車(ツーマン運転)や準急、急行の増結車運用も増加している。ワンマン改造以前は、急行や快速急行の増結編成として大阪線でも運用されていた。1200系のうち、1984年に製造された1211F・1212Fはサ1380形(T) - モ1200(Mc)で登場し、在来型の2410系・2430系の冷房化と同時に同系と組成されたため、編成中で車体断面や前後の正面形状が大きく異なり、長距離急行運用を考慮してサ1380形にトイレ(和式の貯蔵タンク式)を設けている。そのため、1211F・1212Fを1211系と呼んで既存の1200系1201F - 1210F(現1201系)と区別することもあった。現在はこの4両のみが正式形式を1200系と称する。近鉄名古屋・大阪上本町寄りから、ク2590形 (Tc) - モ2450形 (M) - サ1380形 (T) - モ1200形 (Mc) で編成を組む。電算記号はFC92・FC93。2016年4月現在の配置は富吉検車区。主電動機や台車、制御装置、歯車比、集電装置と補機類の配置は1201F - 1210Fと同一である。1C4M(モーター4台制御)編成であるため、回生ブレーキの有無を除けば、編成を組む2430系モ2450形と性能・運用面での不均衡はない。登場時は大阪線高安検車区に配属され、上本町駅(現・大阪上本町駅) - 青山町駅間の普通列車を中心に運用されたほか、乙特急より停車駅が少ない臨時列車「高速・伊勢志摩号」に使用されることもあった。2002年に大阪線から名古屋線富吉検車区に転属している。名古屋線転属後は、2610系・2800系改造L/Cカー及び5800系5812Fと共通運用で、他形式の2両編成車を1編成増結した6両編成で近鉄名古屋駅 - 鳥羽駅間の急行を中心に運用されている。間合い運用でラッシュ時の準急、平日朝の山田線普通列車、大阪線でもトイレ付き編成の車両不足時や夜間と翌朝の急行で1往復のみ運用されている。繁忙期には団体貸切列車等に使用される場合もあり、その際は志摩線などの定期運用が無い線区にも入線する事がある。特に、2009年以降は志摩線活性化の一環として、「ペンギン列車」、「サイクルトレイン」といった臨時・団体列車で志摩線へ乗り入れる機会が多くなっている。2003年から2004年2月にかけて1400系1407Fと同様の車体更新を完了したが、トイレは従来の和式で存置され、窓の封鎖と室内改修に留まっている。1983年に登場した大阪線用3両編成の界磁チョッパ制御車両で、大阪・名古屋寄りからク2150形(Tc)-モ2050形(奇数・M)-モ2050形(偶数・Mc2)と編成を組む。2編成6両が製造された。電算記号はRC。1200系とは異なりM - Mcでユニットを組成し、主電動機と制御装置、台車、歯車比、ブレーキ方式は1400系と同一である。車体と車内設備は1200系1207F以降に準じた新しい車内内装材デザインを採用した。全編成製作当初から側面に方向幕を設置している。登場時は1480系や2430系等3両編成系列の冷房化、車体更新工事の関係で大阪線上本町駅 - 青山町駅間の急行や準急などに運用されていたが、大阪線での最小編成両数が4両編成以上とされたことで3両編成の需要が減少し、1990年と1991年に名古屋線富吉検車区に転属した。2012年3月20日に明星検車区へ所属変更されている。2016年4月現在は明星検車区に配置され、主に名古屋線の準急・普通列車を中心に、平日の近鉄四日市駅発着の急行でも運用されている。2002年に1200系と同様の車体更新を受けている。現時点で湯の山線・鈴鹿線用ワンマン改造工事はされていない。1983年に登場した南大阪線用2両編成の界磁チョッパ制御車で、南大阪線系統(道明寺線・御所線単独運用)最後の釣掛車6411形および経年を迎えた6800系の置き換え目的で4編成が製作された。阿部野橋寄りからク6700形(Tc)-モ6600形(Mc)と組む。電算記号はFT。2016年4月1日現在は配置検車区は古市検車区。車体や車内設備は1200系(1201系)の1207F以降に準じており、車内化粧板はサンドウェーブ柄、天井化粧板はこもれび柄である。台車はMc車にKD-90形、Tc車にKD-90A形を採用。主電動機は150kWの角形複巻電動機MB-3287形を装備したため、M台車の車輪径を910mmと大きくしている。歯車比は6.20 (93:15) となっている。MG、CPはTc車に集中設置。制御装置は日立製作所製で、GTO素子を使用したMMC-HTR-10Eを搭載。集電装置はPT-48形をMc車に2基設置。本系列が投入された南大阪線や吉野線は、大阪線や奈良線ほどの長距離連続勾配区間が少ないために1200系・9000系とは異なり、抑速制動は搭載しておらず、パターンは力行と停止用回生制動のみである。2001年から2003年にかけて全編成に2050系と同様の車体更新工事が施工され、6602F以降は車椅子スペースや転落防止幌が設置されている。車体更新で設置されなかった6601Fにも2010年に転落防止幌が設置されている。登場から現在まで、本系列や他形式併結の4両 - 8両編成で幅広く運用されている。南大阪線系統全域で運用されているが、ワンマン運転対応改造は行われておらず、道明寺線では運用されていない。注釈出典
出典:wikipedia
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