物理学の運動学における速さ（はやさ、）は、速度ベクトルの大きさを指す用語である。各時刻の位置が特定できるような何らかの'もの'があって、その'もの'が時間とともに移動していく場合に、その（道のりとしての）移動距離が時間的に増していく変化のすばやさ（変化率）を表す量である。速度が一定の場合は、単位時間あたりの移動距離であると考えてよい。物体の位置ベクトルをformula_1、時刻をformula_2で表すとき、物体の速度 formula_3 に対する 速さ formula_4 の定義は以下のとおりである。速さは、移動の方向（含前後進の別）を考慮しない（問わない）正のスカラー量であり、その次元は、速度と同じく、[距離] ÷ [時間] となる。以下、簡単化した例で説明するために、ある物体が一つの直線上を運動する場合を考え、この直線をformula_5軸にとることにする。この場合、時刻がformula_6だけ増加する間に物体が移動した道のりは、その間の物体のformula_5座標の増加分 formula_8となる。ここで、道のりが時間に対して一定の割合(変化率)で増していくときには、（1次元的な）速度は formula_9 によって表される。一般には、道のりの時間に対する変化率は一定ではない（落体, 加・減速する乗り物, 飛翔する昆虫などを思い描くとよい.）。その場合には、formula_5の 時刻formula_2に対する変化を表すグラフを考え、そのグラフの（各時刻における）勾配をもって速度formula_12の定義とする。これは、数学的には formula_5をformula_2で微分した量に他ならない。このように、速度が一定でない場合に、ゼロでない時間間隔における比の量 formula_9 を、formula_6の間の平均速度と称する。ここにおいて、速度の絶対値を速さ formula_4、平均速度の絶対値を平均の速さ formula_19 とする。以上の例で、速度（平均速度）は符号付きのスカラー量、速さ（平均の速さ）は正のスカラー量になっていることに注意されたい。速さの単位には次の様なものがある重要な単位相互間の変換「」は「、速さ」を意味する英語接頭辞（仮名書きは日本語外来語）。同義の古代ギリシア語 （ラテン文字化:、タコス）を語源とする。この接頭辞を持つ語には「」（タコメーター）、「」（タコグラフ）などがある。

出典:wikipedia