トーナメントとは、競技会で勝者や順位を決める方式。ただ一人の勝者を選ぶ・順位を決める・興行として面白いものにする等の目的の違いや、期間・場所等の制限に応じて、さまざまな方法が考案されている。トーナメント (tournament) とは日本語の「大会」に近い意味の言葉である。 それ自体、大会の形式とは無関係である。言葉のルーツとなったものは中世の騎士が行った「馬上槍試合」である。実際の戦争の代わりに行われ、名誉のみならず、金品、時には領土まで賭けたため死者が出ることもあった。日本で単にトーナメントと言った場合、一般的には「勝ち残り式トーナメント(いわゆる勝ち抜き戦)」のことを指す。(同様にリーグ戦の「league」も英語では「競技団体」の意味しかないが、日本語で「リーグ戦」は「グループ トーナメント(総当たり戦など)」のことを指している。)これらは日本独特の用法であり、注意を要する。ゴルフやテニスなどでは英語の「tournament」の意味に近い「大会」という意味で使われている。勝ち残り式トーナメント方式は、1対1の戦いによる勝ち抜き戦である。多くの変種が存在するが、基本形は均等な「シングル イリミネーション トーナメント」である。この方式では、勝負に負けた選手(チーム)はその時点で脱落し、勝者同士で対戦を繰り返しながら勝者を決定する。日本語で単にトーナメントといえばこの方式を指すことが多い。英語では「knockout system」などでも通用する。なお陸上競技の短距離走・競泳など、一度の予選に複数人が参加し上位が上のステージに進出する形式もこれに類する。対戦表の下の段から順に第n回戦と呼ぶ。最後の3回戦は第n回戦ではなくて準々決勝(クォーター・ファイナル、quarterfinal)→準決勝(セミ・ファイナル、semifinal)→決勝戦(ファイナル、final)と呼ぶ。また、準決勝の敗者同士の試合が行われる場合がある。これを3位決定戦 (third-place play off) と呼ぶ。なお、陸上競技のトラック種目、競泳、スキークロスのようなレース形態のスポーツ競技の場合、準決勝2ゲーム(1組と2組)を行い、各組の上位半数の者が決勝へと進み、下位半数の者が下位の順位決定戦に回ることになる。この場合に、上位者の参加する通常の決勝戦を「A決勝」または「ビッグ・ファイナル (big final)」、下位者の参加する順位決定戦(上の例では5~8位決定戦)を「B決勝」または「スモール・ファイナル (small final)」と呼ぶ。特殊な方式としてHBCカップジャンプ競技会では16人をペアで競わせて8人、続いて4人に絞込み、決勝戦はその4人全員で一度に競技を行い優勝者を決めている。対戦表は、勝ち抜いたときの試合数が同数となるようにバランスをとって構成する。ただし、参加者数が2とならない場合、対戦表が完全二分木構造とならず、一回戦に参加しない選手(チーム)が出てくる。その場合は、などの処理をする。n人(チーム)でシングルイリミネーショントーナメントを行うと、総試合数は (n-1) 試合になる(引き分け再試合・3位決定戦などは除く)。これは試合数が敗者数と一致し、1敗もしない選手(チーム)が1人(1チーム)だけ残って優勝者となるからである。例えば、20人(チーム)なら、どんな構成の対戦表でも全試合数は常に19試合となる(引き分け再試合・3位決定戦などが無い場合)。メジャーリーグベースボールのポストシーズン等、番勝負と併用したトーナメント方式も存在する。UEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメントや全国高等学校ラグビーフットボール大会の準々決勝以降等、一回戦毎にその都度抽選で対戦相手を決めるトーナメント方式も存在する。この場合、くじ運が左右される。強豪選手(チーム)同士が序盤で対戦しないように、選手(チーム)を実力順にばら撒くように配置することをシードと呼ぶ。シード (seed) = 種まき が語源である。対戦表が完全二分木構造でない場合、多くの場合はシード対象者の初戦を対戦表上の二回戦目以上からの参加とするが、これはシード対象者への付加特権として無条件に与えているものに過ぎないもので、「対戦表上で対戦数が少ない=シード」ではない。特別出場枠や一部の選手の予選を免除するケースがあり、これも広義には前述の対戦数を減らす特権の一種であり、実質的にはシードの一種となっているが、本選で語源本来の意味での「対戦表上でのばら撒き配置」の対象になるかどうかはその大会の運営に拠る。対戦表上で機械的にシードを設定するアルゴリズムとして次のような方法が知られている。例えば6人の参加者をこれに従って配置すると、{1 − (5 − 4)} − {(3 − 6) − 2} という組合せが得られる。8人だと {(1 − 8) − (5 − 4)} − {(3 − 6) − (7 − 2)} となる。なお、2回戦以降の対戦カードも順次シード順で決めていくという方式もある(NFL, NHLのプレーオフなど)。この他、近隣地区や関係が悪い地区同士は早期の対戦が無いように振り分けられる場合もある。最大の特徴は、一度負ければそこで敗退というギャンブル性の高さである。実力を正確に評価することよりも、一発勝負の面白さを優先した方式だと言える。即決性が高く、最後に決勝戦(直接対決)で優勝者が決まるため、各種競技(スポーツ、アトラクション、ゲームなど)における、決勝ラウンド・本選などで使用されることが多い。また、比較的容易に運営でき、観戦者にとって状況把握が容易であるため、アトラクションやバラエティ番組企画での競技や選抜などにも用いられやすい。日本でいう「リーグ戦」「総当たり戦」は、英語では「group tournament(グループ トーナメント)」となる。特に、完全総当たりで、同一カードの対戦が2回(いわゆる「ホーム アンド アウェイ方式」)または1回の場合は「round-robin tournament(ラウンド ロビン トーナメント)」と呼ばれる。また「リーグ戦」「総当たり戦」ではないスイス式トーナメントもグループ トーナメントの一種である。まずある組合せの対戦を行い、次にその勝者と新たなプレイヤー、次にまた、と行っていき、最終的な勝者が優勝となる方式。極端に山の偏った勝ち残り式トーナメントである。一般には強いプレイヤーほど後に登場する組合せが用いられる。これは公平な組合せ方法ではない。しかし興趣などのため、強いプレーヤーになんらかの優先権を与える必要がある場合に用いられる。最終的な勝利者だけでなく勝ち星総数が多いものにもなんらかの権利を与えたり、敗者復活戦を導入した複雑な方法も存在する。例えば、4人(組)で行う場合はパラマストーナメント(ステップラダー)にダブル イリミネーション方式を組み合わせており、敗者復活でも優勝できる可能性を持つ変則的な方式である。ラウンド ロビン トーナメントなどによる予選を行い、1位から4位の順位を決定し、以下の手順を汲んで行われる。予選で2位以内に入れば、その時点で3位以内が確定し、たとえ本戦の初戦で負けてもまだ優勝の可能性が残る。逆に予選3位以下が優勝するためには、1度も負けずに3連勝する必要がある。予選2位以内に入ることで非常に有利な条件を得ることができるシステムである。ソフトボールで用いられている。Vリーグの2005-2006年シーズンのファイナルラウンド、都市対抗野球大会と社会人野球日本選手権大会の四国地区代表決定戦で2006年より、この方式が採用された。オーストラリアサッカーAリーグのファイナルシリーズでも採用されている。カーリングの日本選手権や世界選手権でもこの方式が採用されているが、日本選手権では(2)の敗者と(3)の敗者の間であらためて3位決定戦を行うという、変則的な方式で行われている。また2008年の世界カーリング選手権も、同様の変則的な方式が採用された。1度負けたらそこで敗退となるシングルイリミネーション方式と違い、2敗した時点で敗退となる方式。eliminationの発音は もしくは であり、カナ表記はイリミネーション、エリミネーションのいずれでも構わない。また、日本のプロボウリング競技においてはダブルイルミネーションと表現される。これは日本のボウリング界が電飾の意味の「イルミネーション ("illumination")」と混同したことによる。通常のシングルイリミネーショントーナメントを行い決勝進出者を決め(勝者サイド)、それと同時に1敗した者同士の間でもシングルイリミネーショントーナメントを行い決勝進出者を決める(敗者サイド)。この2者で決勝戦を行い優勝者を決定する。完全ダブルイリミネーションの場合、決勝戦で敗者サイドを勝ち上がった者が勝った場合、決勝の再戦を行う。将棋の棋王戦が「挑戦者決定戦で勝者側は1勝でよいが敗者側は2勝必要」という方式を採用している。予選等で勝者サイド・敗者サイド共に次ラウンドに進める場合、決勝戦で敗者サイドを勝ち上がった者が勝った場合でもそのまま優勝者とみなされる場合や、決勝戦は行わずに勝者サイドを勝ち上がった者を1位、敗者サイドを勝ち上がった者を2位とする場合もある。組合せによる有利不利を軽減することができるが、試合数が倍になる。また、同じ対戦カードが複数回起こりやすい。また、決勝戦に進出するチームのどちらかは、必ず1敗していることになる。
出典:wikipedia
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