拝島線(はいじません)は、東京都小平市の小平駅から東京都昭島市の拝島駅までを結ぶ、西武鉄道の鉄道路線である。駅ナンバリングで使われる路線記号はSS。終日にわたり新宿線田無・西武新宿方面との直通運転を行っている。日中は直通列車に加えて車両基地を併設する玉川上水駅を起点とした小平駅 - 玉川上水駅間や玉川上水駅 - 拝島駅間の区間運転もある。過去には上りの最終列車のみではあるが小川行きの列車も存在していた。車両編成は10両編成(主に速達列車)と8両編成が中心だが、小平駅を始発・終着とする列車には6両や4両編成の列車も存在する。2007年3月6日のダイヤ改正で昼間の小平駅折り返しの列車がすべて西武新宿駅発着に統一されたが、2012年6月30日のダイヤ改正で小平駅折り返しの各駅停車が復活した。基本的には小平駅で新宿線(所沢・本川越方面発着)の列車との相互接続が考慮されている。急行は新所沢駅・本川越駅発着の各駅停車に、各駅停車(小平止まりの列車も含む)は新所沢駅・本川越駅発着の急行・準急と相互接続を行う。また、準急については朝夕時間帯に設定されている。昼間は1時間あたり西武新宿駅 - 拝島駅間の急行3本(20分間隔)、拝島線内折り返しの各駅停車3本(20分間隔、3本のうち2本は小平駅 - 玉川上水駅間、1本は小平駅 - 拝島駅間:小平駅で本川越駅発着の急行と相互接続)で、小平駅 - 玉川上水駅間は10分間隔のパターンダイヤとなっている。また、萩山駅で多摩湖線西武遊園地方面からの列車を併結・分割する列車が存在していた。かつてはほぼ終日(急行または各駅停車)にわたって運転されていたが、当路線での乗降者数が大幅に増加していることから年々減便され、また2012年6月30日のダイヤ改正では下り列車の分割が、2013年3月16日のダイヤ改正では上りの急行の併結が廃止された。なお、併結・分割を行う列車に限り2000系が使われ、一番前(西武新宿寄り)の西武遊園地発の車両には女性専用車両が設定されていた。2013年3月16日のダイヤ改正以降は平日は終日、急行・準急のすべてが10両編成、一部8両編成となった。これに伴い、拝島線(萩山以西)に初の女性専用車両が導入されたと同時に、多摩湖線から女性専用車両は消滅した。これにより拝島線の混雑が緩和され、利便性が向上している。しかし、未だに西武遊園地方面からの西武新宿方面へ直通する各駅停車が3本あるため、拝島線の朝のラッシュ時の本数が減便された要因ともなっている。また、小平駅 - 萩山駅間には多摩湖線西武遊園地方面の各駅停車の一部が乗り入れている。土休日には西武新宿駅 - 西武遊園地駅間の急行も運転される。この列車はかつては快速急行として運転されていた時期もあった。2011年12月12日から12月18日まで、期間限定で西武新宿発拝島行の臨時特急が運転された。拝島線内の途中停車駅は玉川上水駅のみ。拝島線で特急が運転されるのはこれが初めてであった。2012年も8月24日から8月30日まで運転された。2012年の運転では東大和市駅にも停車し、全区間均一料金の号車指定制がとられることになった。さらに同年12月10日から12月16日にも同様の内容で運転された。この時の運転では土曜、休日の運転時間が19時台から17時台に繰り上げられることになった。2013年は12月12日・13日・19日・20日のみの運転となるが、途中駅で乗車できるようになっている。2014年は9月16日から9月26日の平日に運転された。12月11日から26日までの木曜・金曜日にも運転された。現在の形態になったのは1968年と比較的歴史が浅く、異なる経歴を持つ複数の路線を後から新線により連結して全通させたものである。小平駅 - 萩山駅は、多摩湖鉄道が旧・西武鉄道線への接続のため1928年に支線として開通した。その後、多摩湖鉄道→武蔵野鉄道は旧・西武鉄道と合併し、村山貯水池への観光客輸送を目的として1958年に萩山駅を移設。小平駅 - 萩山駅 - 多摩湖駅(現西武遊園地駅)間の直通運転を開始した。一方、小川駅 - 玉川上水駅は北多摩郡大和村(現東大和市)にあった日立航空機立川工場への専用鉄道として敷設したものを第二次世界大戦終了後に西武鉄道が取得し、1949年に上水線として開業したものである。開業当時は非電化で気動車が走っていたが、後に電化されたものの暫くは支線の地位にとどまっていた。1962年に小川駅 - 萩山駅間が開通し、同時に小平駅 - 萩山駅も上水線に編入。小平駅 - 萩山駅 - 玉川上水駅間の直通運転を開始し、新宿線直通列車も設定された。この区間は、元々陸軍施設への引き込み線として1944年に開通したもので、その後陸軍施設跡にできたブリヂストン東京工場でも利用していた。このため小川駅 - 萩山駅間は現在でも工場の敷地内を通っており、工場内の連絡橋が線路を跨いでいる。その後、1968年に玉川上水駅 - 拝島駅が開通し拝島線として全線開通するが、この時玉川上水駅構内の線路をつけ替えて延伸したことから後述するように玉川上水駅からキロポストが始まっている。前述のような歴史的経緯から、拝島線では距離を示すキロポストが4つに分かれている。全線東京都に所在。特急は臨時特急のみ運転。拝島線内は臨時特急をのぞく全列車種別がすべての駅に停車。小平駅を出るとしばらくして左へカーブし、新宿線と分かれる。多摩湖自転車道と平面交差し、右カーブすると、多摩湖線が左から合流して萩山駅に到着する。周辺は住宅地である。同駅はカーブがあり、車内放送などでしばしば注意を促している。また同駅はバリアフリー化されており、駅舎の改修工事が2009年2月に完成した。萩山を出ると多摩湖線と平面交差する形で左にカーブし、ブリヂストン東京工場の敷地内を通過して工場施設の連絡通路をくぐる。この付近では停止信号でよく特に上りが減速したり停車したりする。途中で、府中街道(埼玉県道・東京都道17号所沢府中線)を越える踏切があったが、同踏切は2012年10月7日に立体交差化され解消された。なお、これは西武鉄道の事業計画には載っておらず、府中街道の拡幅事業の一環として行われたものである。進路を南にとると国分寺線と合流して小川駅となる。島式ホーム2面4線のうち、外側を拝島線、内側を国分寺線が使用する。小川駅は、日によっては工場からの臭いがしてくることもある。小川駅では、国分寺、本川越・西武園・東村山方面への国分寺線の乗り換えができるが、国分寺へは多摩湖線の方が早く着くこともある。小川駅を出ると国分寺線と平面交差しながら右へカーブし、進路を西に取る。ここから先は比較的長い直線であり、小川 - 東大和市間は駅間距離が比較的長いため、速度を上げて走行していく。住宅と畑、雑木林が混じった景観であるが、線路の北側は区画整理されており、宅地化進行中といった風情である。かつては途中に西小川信号所があったが、1991年に廃止されている。北側に東京電力多摩青梅橋変電所がみえてくる。その付近から高架化された部分へと差し掛かる。やや左寄りにカーブしながら高架になると相対式ホームの東大和市駅となる。なお、この区間の高架化は青梅街道・村山街道の混雑を解消するためになされ、当時の青梅橋駅はやや北寄りに位置しており、若干の線路の形状改良が行われた。その面影をヤサカの駐車場付近で見受けられる。それまで線路の南を通っていた青梅街道はここで同線を潜り、北北西に進路をとる。東大和市駅は高架となっており、出口が一箇所しかない。かつて、駅ビル計画があったが、現在は予定地はコイン駐輪場・駐車場となっており、駅ビル計画は進行していない様子である。南には駅のすぐそばに薬用植物園があり、商業施設などが位地できない状態であるが、憩いの場としての機能は果たしている。青梅街道の信号付近には長寿のイチョウの木があり、秋には銀杏が実り、銀杏拾いしている光景も見られる。グリーンロードのポイント地点でもある。東大和市駅を過ぎると再び地上に降り、北側に玉川上水車両基地や、かつての大和基地跡地が広がる。基地の跡地は区画整理され、公共施設やマンションなどがみられる。南側にはゴミ焼却場がみえてくる。駅名となった玉川上水が寄り添ってくると、小平監視所があり、そこから多摩川からの純粋な流れから、下水再処理水へと切り替わる。小平監視所では玉川上水に降りることができ、清流復活事業のことについて示した記念碑などがある。多摩都市モノレールとの乗り換え駅である玉川上水駅は島式ホーム2面3線で、駅の西側で高架の多摩都市モノレールとアンダーパスの芋窪街道(東京都道43号立川東大和線)と立体交差する。アンダーパスは、多摩モノレールの建設の際につくられた。付近には大学や高校が多く、近年、宅地やマンション開発も進んでいる。玉川上水駅を出ると単線となり、国立音楽大学の敷地を突っ切る。そのまま住宅地を進み、盛土高架上を走るようになり、高架駅相対式ホームの武蔵砂川駅に到着する。駅北側にあった日産自動車村山工場の跡地に建設されたイオンモールむさし村山の最寄り駅である。武蔵砂川駅から複線となり、盛土高架上を暫く進み、五日市街道(東京都道7号杉並あきる野線)と立体交差すると地上に降りる。島式ホームの西武立川駅に到着する。西武立川駅は2011年3月に橋上駅舎が整備され北口も設置された。西武立川駅から再び単線となり、緩やかに左カーブしながら進路を南西に取る。玉川上水を渡り、盛土区間になると右カーブしながら進路を南西から北西へと変える。その途中で南側にJR八高線が寄り添うと、在日米軍横田基地への専用線と交差し、終点の拝島駅となる。JR東日本の青梅線・五日市線・八高線との乗り換え駅で、橋上駅舎となるまでは南口がJR東日本、北口が西武鉄道それぞれの管理であった。多摩南北道路の一つである都市計画道路の府中街道(埼玉県道・東京都道17号所沢府中線)の拡幅事業の一環として、萩山駅 - 小川駅間の「萩山第3号踏切道」が高架化によって解消された。2011年2月27日に下り線が高架化され、2012年10月7日に上り線が高架化された。東京都道5号新宿青梅線や東京都道144号中島十番線が交差する青梅橋交差点の慢性的に渋滞を起こす構造を解消するために、多摩青梅橋変電所付近から東大和市駅を超えて玉川上水車両基地東端部にかけて高架化が行われている。玉川上水駅の下を芋窪街道がアンダーパスで通過している。さらに上空を多摩モノレールが通過している。武蔵砂川駅から開業当初から盛り上げてあり、複数の道路が交差して慢性的に渋滞を起こしやすい構造の天王橋交差点(東京都道7号杉並あきる野線、東京都道59号八王子武蔵村山線、東京都道162号三ツ木八王子線等)を超えている。
出典:wikipedia
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