『高校教師』(こうこうきょうし)は、1993年1月8日から3月19日まで毎週金曜日22:00 - 22:54に、TBS系の「金曜ドラマ」枠で放送された日本のテレビドラマ。脚本は野島伸司。主演は真田広之と桜井幸子。同年に東宝系で映画版が公開され、2003年には同名タイトルの続編が制作、放映された。本稿ではこのうち1993年のテレビドラマと、映画版について述べる。教師と生徒の恋愛・同性愛・強姦・近親相姦・自殺など、当時に問題となっていた「社会的タブー」を真正面から扱った作品として、非常に話題になった。「登場人物らの背景に何があるのか」「最終回の結末はどうなったのか」など、サスペンスの要素を織り込んだことも、それに拍車をかけた。野島伸司より「近親相姦」をテーマとした作品が提案されたが、当初プロデューサーらは嫌悪感を抱いていた。しかし、野島の「ギリシャ神話のような作品を作りたい」という言葉に感銘を受け、直接的な性的描写を抑えた、繊細で透明感のある作品づくりを目指した。なお本作では、真田広之演じる主人公の教師・羽村隆夫と婚約者の三沢千秋、羽村と彼を慕う教育実習生・田辺里佳との大人同士を除いてキスシーンがなく、全てそれを連想させるだけにとどめた演出になっている。テレビドラマとしては珍しく、ドラマ撮影前に「シナリオ」が全て完成していた。これにより出演者たちは、登場人物の「運命や世界観」などを完全に理解して演技することができたことに加え、きめ細かな裏設定を実現することができ、伏線を演技で表現できたという。野島作品の中では唯一、この作品のシナリオだけ「ラストの展開の手直し」が行われた。ヒロイン役の二宮繭は当初、観月ありさを予定していたが、台本の内容に賛同を得られなかったため、桜井幸子に変更された。また、ヒロインの親友・相沢直子の役も何人かの女優に出演拒否され、持田真樹が担当した。相沢直子を強姦する教師・藤村知樹の役を演じた京本政樹はそれまで『必殺仕事人V』など、時代劇俳優としてのイメージが強かったが本作で狂気じみた役どころを演じ、そのイメージを一変させた。また、繭の父親役を演じた峰岸徹の近親相姦も辞さない演技も話題となった。作中で、繭の「私このお菓子好き」というセリフとともに、ブルボンのエリーゼ(スティック状のウェハースの中にチョコレートが入ったお菓子)が映されたため、当時ヒットした。高校のロケ地は、日本基督教短期大学(一部シーンでは宗教団体の施設を利用している)である。また、最終回に登場した青海川駅に、一時期ではあるがロケ地巡りに来た番組視聴者の来客が増加した。放送終了から8年半後の2001年(平成13年)9月19日には、全話+特典映像などが収録されたDVD-BOXが販売された(ポニーキャニオン・PCBX-50260)。 主題歌は森田童子の「ぼくたちの失敗」が使用され、一部から人気を得ながらも引退状態だった森田が注目されるきっかけになった。このヒットをきっかけに、過去の隠れた名曲を取り上げる作品が増えるなど、主題歌的にもメディアに大きな影響を与えた。作中、羽村によるモノローグが「過去形」になっていることから、過去の出来事を振り返っていることがうかがえる。しかし、最終話におけるラストシーンのモノローグでのみ「僕は今…」と「現在形」で語る。最終話のラストシーンについては、当時から謎とされて視聴者により議論がなされ、下記のようにさまざまな解釈がなされている。羽村の夢・空想説、繭の幻影・亡霊説については、繭が知っているはずも間に合うはずもない羽村の乗っている特急列車に、突如として繭が現れることが理由である。また、心中説については当日繭が起きたのは朝刊が届くころの時間だったのに対し、特急電車が駅を出るのは正午ごろだったため、電車には間に合ったものの青海川駅からのった電車の車内で心中(ラストで小指に赤い糸を付けた繭の手が亡くなっているかのようにぶら下がること、駅員が声をかけても起きなかったことから)したという可能性が理由である。また死亡したとしても、二人がどのようにして命を絶ったのかについても不明であるため、謎の残るラストとなっている。だが、最終話のサブタイトルが「永遠の眠りの中で」であることから死亡したとみられ、羽村役の真田広之は放送終了後に出演したトーク番組で続編のオファーがあったことを紹介した際、「死んだはずの人間が生きていたという話はおかしい。見てくれた人にも失礼」という趣旨の説明をし、オファーを断ったことを明かしており演じた真田も羽村は死亡したと解釈している。なお野島伸司は、以下のようなコメントをしている。平均視聴率 21.9%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)サブタイトルは「もうひとつの繭の物語」。テレビドラマの好評をうけ、高校教師と女生徒との道ならぬ恋愛を映画化した。ヒロインの名が「繭」であるという点以外は、テレビドラマとのつながりはない。ヒロイン柏木繭に抜擢された遠山景織子は、本作の演技が高く評価され、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞を始めとする主要な新人賞を総なめにした。ロケーション地は武蔵丘短期大学。VHS版は発売されているが、2015年現在DVD版は未だ発売されていない。(理由は不明)
出典:wikipedia
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