フィボナッチ数(フィボナッチすう、)は、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチ(ピサのレオナルド)にちなんで名付けられた数である。 番目のフィボナッチ数を で表すと、 は再帰的にで定義される。これは、2つの初期条件を持つ漸化式である。この数列 はフィボナッチ数列(フィボナッチすうれつ、Fibonacci sequence)と呼ばれ、と続く。最初の二項は であり、以後どの項もその直前の2つの項の和となっている。1202年にフィボナッチが発行した『算盤の書』(Liber Abaci) に記載されたことで「フィボナッチ数」と呼ばれているが、それ以前にもインドの音楽家であるヘマチャンドラ (Hemachandra) が和音の研究により発見し、書物に記したことが判明している。フィボナッチは次の問題を考案した。つがいの数は次の表のようになる。どの月のつがいの合計も、その前の2つの月での合計の和となり、フィボナッチ数が現れていることがわかる。フィボナッチ数列の一般項は次の式で表される:ただし、は黄金数である。この式は1843年にビネ () が発表したことからビネの公式と呼ばれるが、それ以前の1730年 (ド・モアブル)・1765年(オイラー)にも発表されており、ビネは最初の発見者ではない。この式の第2項は のときの formula_3 が最大で、それを超えることはない。従って、第2項を略した次の式は の値を 0.447 以下( のとき1%以下)の誤差で与える近似式である。この誤差は ±0.5 未満なので、 の正確な整数値は以下の式で得られる。ただし、formula_6 は床関数である。フィボナッチ数列の漸化式は次のように行列表現できる:隣り合うフィボナッチ数の比は黄金比 formula_8 に収束する。この性質は初期値 (, ) に依らない。これは次のように導出される: が収束するとすれば、formula_102つの自然数 と の最大公約数が であるならば と の最大公約数は である。このことより以下を導くことができる。 が偶数となるのは が 3 の倍数となるときと一致する。フィボナッチ数の累和や累積について以下の式が成り立つ。また、次の関係式が知られている。フィボナッチ数のうち平方数であるものは , のみ (Cohn 1964)、立方数であるものは , のみ (London and Finkelstein 1969) である。フィボナッチ数のうち累乗数であるものはこれしかない (Bugeaud, Mignotte, Siksek 2006)。()フィボナッチ数が素数であるものは 2, 3, 5, 13, 89, 233, 1597, 28657, … である ()。フィボナッチ数が三角数であるものは 1, 3, 21, 55 ()。フィボナッチ数がハーシャッド数であるものは 1, 2, 3, 4, 5, 21, 144, 2584, … ()。フィボナッチ数の逆数の総和はある一定の値に収束し、記号 で表される。この が無理数であることは証明されているが (André-Jeannin 1989)、超越数であるかどうかは分かっていない。任意の正の整数は、1つ以上の連続しない相異なるフィボナッチ数の和として一意に表すことができる(ゼッケンドルフの定理)。再帰的処理の例としてよく紹介される。以下はC言語での例。しかし、上記のプログラムでは が与えられてから が求まるまでに formula_13 回の関数呼び出しが発生する(すなわちの計算となる)ため、実用的ではない。したがって通常は、で計算するためにメモ化などの手法を用いる。さらに、 が大きい場合には一般項の公式や行列表現を利用してでの計算を行う。フィボナッチ数列は、漸化式 を全ての整数 に対して適用することにより、 が負の整数の場合に拡張できる。そして が成り立つ。この式より、負の番号に対する数項は次のようになる。トリボナッチ数とは、次のように定義されるトリボナッチ数列に現れる数のことである。フィボナッチ数列が「前の2項の和」なのに対し、トリボナッチ数列は「前の3項の和」である。最初のいくつかの項は、次のようになる。トリボナッチ数列の一般項は次で表される。ただし、, , は方程式 の3解であり、ここには1の虚の立方根の1つである。また、上の3つの根のうち、実数解 のことをトリボナッチ定数という。これはフィボナッチ数列の黄金比にあたる定数で、トリボナッチ数列の隣り合う2項間の比は、トリボナッチ定数に収束する。テトラナッチ数は、トリボナッチ数列と同様に次のように定義される、テトラナッチ数列に現れる数のことである。フィボナッチ数列が「前の2項の和」、トリボナッチ数列が「前の3項の和」なのに対し、テトラナッチ数列は「前の4項の和」である。最初のいくつかの項は、次のようになる。フィボナッチ数列の最初の2項を 2, 1 に置き換えた数列の項をリュカ数という。この数列の一般項はと表される。フィボナッチ数列やリュカ数の列を一般化したものがリュカ数列であり、1878年にエドゥアール・リュカが体系的な研究を行い、1913年にがその結果を整理、拡張した。これらの研究が現代のフィボナッチ数の理論の基礎となった。
出典:wikipedia
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