AV女優(エーブイじょゆう)は、日本のアダルトビデオ(AV。内容はポルノビデオ)に出演する専門の女優である。非アダルト系メディア出演時にはセクシー女優と言い換えられることがある。本項は日本あるいは日本系の性的映像であるAVの女優について記述するため特記ない場合は日本における状況である。現在(2012時点)、一説には6000 - 8000人のAV女優がおり、また一説には現在(2011年時点)、延べ20万人にものぼると言う。AV女優はビデオカメラの前で何らかの演技を要求されることも多いが、例えば映画やドラマの俳優などとは異なり、特別な演技訓練などを必要としない、誰にでも行えるものである。ただし性的な表現をいかにこなすかについてはやはり大切なところであり、作品の出来にとって重要な要素であることは確かである。例えば1985年頃人気を博したAV女優黒木香はアサヒ芸能のインタビューの中で、カメラの前で行っていることは自身にとってはセックスではなくパフォーマンスであると語ると同時に、あくまで性表現なのであって演技ではないとも語っている。現在(2012年時点)、AV女優はおおよそ「単体」、「企画単体」、「企画」に分類できる。詳しくは後述する。女優のほとんどが本名以外の別名を女優名(芸名)にして出演している。出身地は架空のものである場合が多い。DVD化による作品の長時間化(VHS時代は一般的に1本40 - 60分、たまに90分の作品もあった。DVDでは1本90分から2時間、長いと3、4時間以上)、インターネットの普及(ファン同士の情報交換、オンラインストアの購入者による商品評価によって作品の評判がすぐ広まってしまう)が環境の変化としてあげられる。インターネット利用者の拡大により、日本のAV女優は日本国内はもとより世界各国で人気も高い。アメリカ合衆国や台湾、韓国、中国などで大きな人気を集めている。これと同時にAV女優のアジア進出も進んでいる。なお、性行為は原則としてコンドームを用いて行い、村西 (2011)によれば、特記無き場合暗黙の了解として性行為は3回までとのことである。なお、かつて多く見られていた疑似本番については後述する。業界内恋愛は禁止されている。ほとんどのAV女優はAV事務所(AVプロダクション)に所属しており、マネージメントされる立場にある。一般的にAVメーカー(制作会社)からの出演依頼を取り付け、初めて撮影となり、収入が得られる。新人AV女優は仕事を得るためにマネージャーと共にメーカー回りをして、ようやく仕事(収入)が得られる。このメーカー回りのことを業界用語では「面接回り」と言うが、一般的に言えば「オーディション」である。また、プロダクションはマネージメントだけでなく、撮影現場でのトラブルの解決も重要な仕事の一つである。マネージメント料は相当な高額であり、村西 (2011) は折半としているが、いのうえ (2012) では事務所7、女優3が多く中には折半もみられるとしており、中村 (2012) は折半は良心的な方であり、60 - 70%はプロダクションに流れるとしている。プロダクションから独立して独自にAVメーカーと契約することも可能ではあるが、適切な出演料を提示できなかったり、あるいは逆に買い叩かれてしまうなど困難が多い。ただし企画女優においては長期間成功しているケースもみられる。桃宮ももは事務所の許可を得てフリーで自分で営業もしており、自分で営業して取った仕事のギャラは100対0で入るが、中々仕事がない。プロダクションはかつてに比べれば健全化しており、ギャラなどもある程度は明らかにされるようになってきているが、ギャラの持ち逃げや、AV女優に偽って劣悪な撮影現場に送り出すなどといった例もある。また過度のSMプレイにより刑事事件となったバッキー事件などもある。経済評論家の門倉貴史による「風俗産業で働く女性の時給ランキング(2006年版)」によると、風俗産業の中でもAV女優の時間あたりの給料が最も高い。トップは「単体もの」のAV出演で時給3万1000円〜、「単体もの」で、1回のビデオ出演毎に、80万円〜150万円程度のギャラを受け取ることが出来ると言う。撮影現場で拘束される時間は2日程度になるから、時給に換算すると、1万7000円〜3万1000円程度。ただし、AV業界には、「出れば出るだけ価値が下がる」と言う法則があると言われる。元AV女優の峰なゆか、小室友里も同様の指摘をしている。「職業としてのAV女優」の著者・中村淳彦によると、志望者数の増加などで競争率が上がっており、容姿や学歴など採用条件は厳しくなる一方、供給高状態で待遇は悪化傾向であり、企画女優では複数回の本番を行う場合でもプロダクションの取り分を引いた手取りが時給換算で2000円といった例も見られるようになった。前述の峰によれば、一時期と比べるとAV1作あたりの売上本数が減り、その制作費は下がっており、それに伴い真っ先にAV女優の出演料も低下している。ちなみに進行形で出演料は下がり続けているという。また、AV女優人口が増え1人あたりの仕事量が減ったことも背景として挙げている。中村 (2012) によれば出演料は辛うじて横ばいであるものの、長引く不景気により作品のクオリティや内容の過激さが要求されるため、AV女優の仕事内容も以前より過酷となってきている。年々悪化してきており、バイトしながら続ける者や自主制作する者もいる。ファンクラブの運営からもぎりまで自分でやる女優もいる。小室友里は、『くだまき八兵衛』の中でAV界の出演料の裏事情を明かしている。小室は現役時代に出演料のうち3分の2が所属事務所の取り分となっていた。前述の通り、AV女優は出演本数を重ねていくごとに出演料が減る。出演料が減額しても女優には毎月同額を支払えるように、事務所は減額分を補填しているのだ。風俗関連のライターの中村淳彦は著書の中で以下のように言説している。、かつては社会の底辺と言った扱いで女性にとって最後の手段とも取られていたこのAV女優と言う職業は、近年そのネガティブイメージは薄まってきており、業界も健全化してきている。また、それに伴いAV女優志願者も増え、AV女優の質は概して向上してきている。それに伴い競争率も高くなり、かつてままみられた精神疾患・人格障害、あるいは幼少期の(性的)虐待経験などを持つAV女優を起用する例は少なくなってきているという。ただし、自身及び家族の生活費や弟妹の学資等を稼ぐためにAV女優となる者は存在する。AV女優が所属事務所を変更して芸能活動を継続・再開させる場合、それまで使用していた芸名は使えない(芸名変更)という慣例がある。アダルトビデオに出演契約を勝手に結ばれ、拒否した女性が契約違反の違約金として2460万円請求された訴訟の判決が2015年9月に確定した。東京地裁によると女性は高校生の時、タレントとしてスカウトされ「営業委託契約」を原告の会社と結んだ。しかし、意に反して露出度の高いグラビア撮影をされ、20歳に会社が無断でAV出演を決定。出演後、さらに出演契約を結ばされた。前述のことを理由として精神的なショックもあって女性の体調が悪化、AVの出演を拒否したところ「違約金が1千万円かかる」と言われた。契約解除を会社に告知したところ本件訴訟が提起された。判決で裁判官は「(AV女優は)本人の意に反して強要できない性質の仕事だ」として原告の請求を棄却した。被告の担当弁護士は「高額の違約金で脅され、AV出演を強要される事例は多い。重大な人権侵害だ」と述べている。AV女優はその職業の性質上、おおよそ若く、穢れていない、性交経験が少ない、濡れやすい方が商品価値が高い。このため将来の保証などは無い職業であり、その職業としての寿命は一般にはあまり長くない。またAV女優の方の職業意識にも疑問が呈される向きもある。人気が落ちると契約更新が行われなくなるか出演依頼が来なくなり引退となるのであるが、そう言ったケースでなくともAV女優契約更改時の待遇悪化(あるいは企画落ち)・身内バレ・目標としていた貯金の達成・撮影が過激になりすぎた、などを理由に引退を選ぶケースも見られる。デビューするときはデビュー作が用意されている女優は多いが、引退作があるのは一部の人気女優だけであり、ほとんどは何の告知もなく姿を消している。名前を変えて再デビューする事が多々ある。一方で、AV業界黎明期には一般的なものではなかったインターネットの普及や匿名掲示板の登場と共に、AV女優としての活動が親に露見するいわゆる「親バレ」や、インターネット上で本名・通学先・勤務先などといった個人情報やプライバシーが晒され露見したことなどをきっかけに、AV女優が契約期間内であっても活動停止したり、引退に追い込まれるケースが多く見られるようになった。現役大学生がデビュー作の発売直前に通学先を暴露されて発売中止となった事例もある。このようなインターネット上での「暴露」が起きた際に、AV女優本人やAVメーカーがその内容について事実であると認めたことは無いが、実際に数多くのAV女優がこのようなことが起きたのを境に活動を停止したり引退をしている。引退後はソープランドなどの性風俗産業へと転じていく者も多い。この場合元AV女優と言う肩書きが付加価値として働く。残りは一般人に戻るのであるが、AVメーカーの広報あるいは撮影現場やプロダクションのマネージャーと言った職もあり、名前と経歴を生かしてフリーライターへの転身なども見られる。1987年から1989年、AV業界では一つのブームが巻き起こる。淫乱ブームである。それまではどちらかと言えば女性は、される側、受け手の側であったものが、自ら積極的に性的快楽を求める、そのようなAVがブームとなったのだ。藤木 (2009)では、その前段階として、1986年頃から起こった、激しいセックスの最中に自らの快楽を笛をプープー吹くことで現すと言う作品「SMっぽいの好き」で著名な黒木香のブームがあったのではないかとする。代表例としては豊丸が挙げられよう。彼女のデビュー作は1989年5月、『吸淫力 - 史上最強のワイセツ』。膣にダイコンを挿入しアナルセックスまでこなし、自らも感じまくると言う作品である。豊丸は自らも感じまくると言う淫猥な演技で人気を博し、1988年には20本以上のAVに出演する。文献ではその他、淫乱の嚆矢となった咲田葵 『いんらんパフォーマンス GINZAカリカリ娘』(1987年5月)、膣にバイブを実に7本挿入すると言うプレイを見せた亜利沙、痙攣失神・潮吹きの沖田ゆかりなどが紹介されている。なお潮吹きは1990年代以降、アダルトビデオの一つの要素として確立されている。深夜放送のドラマやバラエティ番組に有名AV女優がレギュラーやゲストで出演することも珍しくなくなって来ている。一般芸能界で最も成功した例として飯島愛(1972 - 2008、タレント・『プラトニック・セックス』)や黒木香 (1965 - ) が挙げられるが、及川奈央 (1981 - ) が子供向け特撮番組やNHK大河ドラマに出演するなど大きな活躍を見せ、また2008年以降はメンバーの多くがAV女優で構成されたアイドルグループ恵比寿マスカッツ・恵比寿★マスカッツが人気を得た。また執筆した小説が映画化・漫画化されたほか舞台・映画の主演などを行うみひろ、海賊版の流通をきっかけに香港・中国・台湾で大きな人気となっている蒼井そら、小澤マリアなども活躍している。以下に芸能人・著名人のAV女優への転向の例を一部示す。AV女優を対象とした賞イベントを以下にまとめる。また出演した作品が受賞する事によりその関連で表彰される、いわゆる作品賞もまとめる。AV女優の中で最もランクが高いと見なされるのは極一部のであり、その女優の持つ外見・魅力・人気・知名度などで十分なヒットを見込める。こう言った女優を単体女優と呼ぶ。特定のメーカーと複数本あるいは長期の契約を持つケースが多く、(メーカー名)専属女優と呼ばれることもある。またメーカーとの契約が何らかのかたちで継続されなかった場合、女優は企画単体または企画となり、これを「企画落ち」と言う。専属契約が切れた時点で引退する事が多い。出演料は比較的高く、中村 (2012) によれば、100 - 250万円(一本)。村西(2012)によれば50万円からである(ただしいずれもプロダクションに支払われる出演料であり、AV女優の手に渡る金額はこれの数割。また金額は撮影内容と契約により大きく異なるため、あくまで比較のために記すものである)。なお、ビニ本の世界では1980年頃、「単体モデル」「単品モデル」と言う語が既に使われていた。しかし藤木 (2009) によれば、この場合は、女性が一人で登場し、男性との絡みが無いと言う意味での、単体であり、そうでない女優が出演するビニ本は「カラミ本」と呼ぶ。AVの単体とは異なり、何れの場合にせよ女優は一人である。企画女優の中でも単体女優並みに人気が出て、出演依頼が殺到し多数の作品に全く無制限で出演する場合がある。このような女優を企画単体女優・キカタンと呼ぶ。1998年-2002年頃にセルビデオのブーム・メーカー急増と時を同じくして登場した。企画単体女優もその女優を主役として商業が成立するのであるが、特定メーカーとの複数本・長期の契約を持つものではなく1本単位の契約であり、2012年現在日本のAV業界ではこの企画単体女優の作品を軸として商品を展開している。AV女優全体の15 - 20%を企画単体女優が占める。代表的な企画単体女優として、長瀬愛、堤さやか、笠木忍、立花里子、紅音ほたる、成瀬心美、つぼみ、さとう遥希、大槻ひびき、波多野結衣、上原亜衣などがいる。出演料は中村 (2012) によれば30 - 80万円(日当)、村西 (2011) によれば10万円(ただしいずれもプロダクションに支払われる出演料であり、AV女優の手に渡る金額はこれの数割)。単体女優と異なり出演依頼さえあれば制限無く出演できるため、一度火が点くと、爆発的な人気を得、月産20本を越えるなどする場合がある。代表的な例を述べると、朝河蘭が2年で516本(月21本)、桃井望が2年で160本(月6本)、長瀬愛が3年で120本(月3本)、笠木忍が6年で200本(月2.7本)と言った具合である。特に1998年 - 2002年の企画単体登場初期にこの様な過酷な出演が多く見られた。上原亜衣は月25本、引退直前は60連勤と語っている。人気が出ると多忙になり2・3年で休業や引退する事が多い。企画女優はAV制作側の作品コンセプトに沿ってカメラの前でセックスを行う。多くの女性の中の一人として出演する。パッケージで名前が推されることすら稀で、女優の質や知名度だけでは客を呼べない状態である。AV女優全体の80 - 90%はこの企画女優である。出演料は中村 (2012) によれば15 - 25万円(日当)、村西 (2011) によれば5-6万円(ただしいずれもプロダクションに支払われる出演料であり、AV女優の手に渡る金額はこれの数割)。日本にAVが発生したのは1981年、一般家庭にビデオデッキが普及しブームとなるのはおおよそ1982年以降となる。なお当時の人気女優に「ドキュメント ザ・オナニーPART2 女優・田口ゆかり」など約40本の表ビデオと10冊の裏本、その他裏ビデオにも出演し「裏ビデオの女王」と呼ばれた田口ゆかりがいる。当時はビデ倫のモザイクが非常に濃かったこともあり、モザイクの向こうで本番行為、すなわち陰茎の膣への挿入が行われていないことは半ば当たり前であった。特にルックスの良い、ランクの高い女優にとってこれが当てはまる。東良美季は『別冊宝島211 1億人のAV』で"「当時は<本番>と言えば<SM>や<スカトロ>とさほど変わらない、かなりキワモノ的な行為だったのだ」"と語っている。ただしこれには、モデルプロダクション側の意向もあったとも言われている。プロダクションは女優が人気を博せば通常の芸能界への売り込みを考えており、その為質の高い女優には、本番などのプレイを行わせることはよしとしなかったとされる。またある人気AV女優は1986年、男性誌GOROでのインタビューで堂々と、撮影時には(モザイクの向こうでは)前張りを付けている、フェラチオ時には(モザイクの向こうでは)ガムテープで作られた物体を使用している、本番はやりません、などと答えていた。実際は本番をせずに本番をしている様に見せる行為は疑似本番と呼ばれるようになった。いずれにせよ、本番行為を行うのはワンランク下とされる女優の仕事、と言う傾向があった。しかし疑似本番の全盛にも転機が訪れる。ひとつはAV監督、村西とおるの登場である。彼はある時期より作品の中身が性行為・本番行為しか無いと言うビデオを月産6本と言う勢いで量産する。これは海外ロケのスケジュールの都合上、演出のこだわりや撮り直しが行えなかったと言う事情もあるが、SMドキュメントシリーズなどは大ヒットし、村西の本番ビデオは市民権を得た。もうひとつは1993年以降に発生したセルビデオブーム(と言うよりは、セルビデオと共に登場したビデ倫に捕らわれないシースルービデオ・薄消しの概念の一般化)である。モザイクのかけられる面積は小さくなり、モザイクの一辺も小さくなり(2000年以降には一辺1mm以下などと言う最早丸見えのものもあった。ただし大規模には流通しなかった)、透過性が増した。そのため疑似本番でごまかせず本番を行うようになった。ビデ倫の強かったレンタル業界では疑似本番女優が多くいたが、彼女たちはセルビデオで用いられることはなかった。なお1998年にはセルビデオ専属女優森下くるみがデビューしている。彼女はソフト・オン・デマンドで活躍し、またその彼女の活躍が、レンタル女優のセル流出を加速させた。※2016年6月時点。パッケージに「専属」表記があり、各メーカー専属女優の中でも専属状態が1年を超える女優をまとめる。太文字は2社専属。※2016年6月時点、DMM.R18検索結果を基準とする。太字女優は総作品数・単体作品数ともに歴代10位以内を達成。
出典:wikipedia
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