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台風

台風(たいふう、颱風)は、北西太平洋に存在する熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速が約17m/s(34ノット、風力8)以上にまで発達したものを指す呼称。強風域や暴風域を伴って強い雨や風をもたらすことが多く、しばしば気象災害を引き起こす。気圧が最も低い位置を「気圧中心」といい、その位置と勢力で台風は定義される。北西太平洋の「東経100度線から180度経線までの北半球」に中心が存在するものをいう。海域としては北太平洋西部(北西太平洋)およびその付属海である南シナ海、東シナ海、フィリピン海、日本海などにあたり、陸域としては東アジア、東南アジア、ミクロネシアのそれぞれ一部が含まれる。同じ最大風速が17.2m/s以上の熱帯低気圧のうち、北インド洋と南太平洋にあるものは「サイクロン」と呼ばれ、北大西洋と北東太平洋の熱帯低気圧のうち最大風速が32.7m/s以上のものは「ハリケーン」と呼ばれるが、これらの熱帯低気圧が地理的な境界線を越えた場合は呼び方が変わる。例えば、2006年に北東太平洋で発生したハリケーン・イオケは、西進して経度180度を越えたため台風12号になった。このように、区域を跨って台風に変わったものを越境台風と呼ぶ。逆に1972年の台風29号は、マレー半島を通過してベンガル湾に抜けたことによりサイクロンに変わった。なお世界気象機関の国際分類では地理的な領域に関係なく、熱帯低気圧を最大風速によりトロピカル・デプレッション、トロピカル・ストーム、シビア・トロピカル・ストーム、タイフーンの4段階に分類している。この場合における「タイフーン」と本項で述べている「台風」は英語では共に"typhoon"と呼ぶが、概念としては異なる。低気圧域内の「中心付近の最大風速(10分間の平均)17.2m/s以上」のものをいう。台風の位置や中心気圧、最大風速、大きさの数値は過去の観測データの蓄積により確立されたドボラック法に基づいて衛星画像から推定し、地上や船舶で風速が観測できた場合にその都度修正していく方法を採っているため、「中心付近の最大風速」は必ずしも実測値ではない。例えば洋上にある台風中心の風速を実測するには航空機が必要となり、実際に1987年(昭和62年)までは米軍が航空機観測を実施していた時期もあるが、観測員や設備・運用等の負担が大きく、現在日本では航空機による観測は恒常的な手段としては行われていない(学術研究目的での観測例はある)。ちなみに世界気象機関 (WMO) の世界気象監視計画 (WWW) により、北西太平洋海域の台風監視活動を行う中枢として、日本の気象庁が「熱帯低気圧プログラムに参画する地域特別気象中枢」(RSMC for TCP) に指定され、気象庁の判断が国際的には公式のものとされるが、この海域では中国、台湾、フィリピン、ベトナム、アメリカなどの気象機関がそれぞれ台風の監視を行い独自に推定を行っているため、機関によって風速等に多少の誤差が出ることもある。台風の中心位置、最大風速、中心気圧、暴風域半径、強風域半径などを総称して台風諸元という。亜熱帯や熱帯で海から供給される大量の水蒸気が上昇して空気が渦を巻きできるのが熱帯低気圧で、これが最大風速17.2m/sを超えると台風となる。この点で冷たい空気と暖かい空気が混ざりあおうとして空気が渦を巻きできる温帯低気圧とは構造が異なる。温帯低気圧では冷たい空気と暖かい空気がぶつかりあっており前線を伴うことがあるが、台風本体は暖かい空気のみでできているため前線を伴うことがない。台風の北上によって冷たい空気が流入したときには温帯低気圧に変化する(#台風の発生と発達)。台風の中心が最も天気が荒れていると考えがちだが、中心付近は暴風が吹き荒れるものの風向きが乱れているために互いに打ち消し合い、最も荒れているわけではない。台風の中心付近の下降気流となっている風や雲がほとんどない区域を台風の目と呼び、勢力が大きい台風ほど明瞭に表れるが、勢力が衰えると判然としなくなる。発達した台風では背の高い積乱雲が中心部を取り巻いておりアイウォールと呼ばれている。構造としては、台風の目の周囲付近は中心に向かって周囲から吹き込んだ風が強い上昇気流をつくっており積乱雲が壁のように取り囲んでいる(内側降雨帯)。そして、その外周には外側降雨帯が取り囲んでいる。また、台風本体から数百キロ程度離れた場所に先駆降雨帯が形成されることがあり、さらに、この位置に前線が停滞していると前線の活動が活発になり大雨となる。なお、台風は一般的にその中心よりも進行方向に対して右側(南東側)のほうが風雨が強くなる。これは、台風をめがけて吹き込む風と台風本体を押し流す気流の向きが同じであるために、より強く風が吹き荒れるためである。気象学上ではこの台風の進行方向右側半分を危険半円と呼ぶ。また、台風の左側半分は吹き込む風と気流の向きが逆になるために相対的に風は弱く可航半円と呼ぶ。しかし、可航半円という概念はかつて帆船が台風の中心から遠ざかる針路をとるとき台風の進行方向左側に入っていれば右舷船尾に追い風を受けながら避航できたこと(逆に、帆船が台風の進行方向右側に入っていると右舷前側に向かい風を受けながら中心に引き込まれないよう保針しなければならなくなる)の名残であり、あくまでも右側半分と比較して風雨が弱いだけであり、可航半円の範囲といえども風雨は強いため警戒を要する。台風の勢力を分かりやすく表現する目的などから、台風は「強さ」と「大きさ」によって階級が定められ分類されている。強さによる分類は、国際的にはWMOが規定する分類法が使用されているが、それに準じた多少差異のある分類法もいくつか使用されていて、同じ台風でも気象機関によって異なるレベルに分類される場合がある。具体的には、米軍の合同台風警報センター (JTWC) では1分間平均の最大風速、日本の気象庁では10分間平均の最大風速によって分類する。例えば同じ台風の同時刻の観測において、米軍の合同台風警報センターがtyphoonの強度に達したと判断しても、日本では強い台風の強度に達せず並の強さと判断する場合も生じる(1分間平均風速は10分間平均風速よりも1.2〜1.3倍ほど大きく出る傾向にある)。また、最大風速で強さを分類しているが過去には中心気圧が用いられており、その名残りから、日本で発表される台風情報には中心気圧も網羅される。なお、台風のうち風速が約70m/sを超えるものは特に「スーパー台風」と呼ばれる。また日本の気象庁は、大きさによる分類も行っている。風速15m/s以上の強風域の大きさによって分類する。15m/s以上の半径が非対称の場合は、その平均値をとる。なお、以前は1,000ミリバール(現在使用されている単位系ではヘクトパスカルに相当)等圧線の半径で判断していた。これらを組み合わせて、かつては「大型で並の強さの台風」というような言い方をしていた。しかし、組み合わせによっては「ごく小さく弱い台風」となる場合もある。1999年(平成11年)8月14日の玄倉川水難事故を契機に、このような表現では、危険性を過小評価した人が被害に遭うおそれがあるという防災の観点から、気象庁は2000年(平成12年)6月1日から、「弱い」や「並の」といった表現をやめ、上記表の(新)の欄のように表現を改めた。したがって、「小型で『中型で・ごく小さく』弱い『並の強さの』台風」と呼ばれていたものは、単に「台風」、「大型で並の強さの台風」は「大型の台風」と表現されるようになった。ほとんどの台風は北半球に於ける夏から秋にかけて発生する。最盛期のコースを例にとると、発生当初は貿易風の影響で西寄りに北上しつつ、太平洋高気圧の縁に沿って移動し、転向した後は偏西風の影響で東寄りに北上し、ジェット気流の強い地域に入ると速度を速めて東進し、海水温や気温の低下に起因する中心部上昇気流勢力の低下、海上に比べ起伏が激しくまた昼夜の温度差が大きい陸への上陸によって勢力を弱めていく。ただこのような教科書的なコースを辿るものはそれほど多くなく、太平洋高気圧の影響により西進し続けたり、停滞したりと、複雑な経路をとるものもしばしば現れる。日本列島やフィリピン諸島、台湾、中国華南・華中沿海部、朝鮮半島などに大きな被害を与える。コースによってはベトナムやマレーシア、マリアナ諸島、ミクロネシアなどを通ることもある。稀ではあるが冬季にも、海水温の高い低緯度で発生する。コースの北限はジェット気流であり、その流路変化に伴って暖かくなるにつれコースは北に移り、夏を過ぎると南に下がってくる。日本へのコースの詳細は、#日本へのコースを参照。台風やハリケーン・サイクロンなどの熱帯低気圧を発生する機構については様々な説が唱えられてきた。熱帯の強い日射により海面に生じた上昇気流によるという説、熱帯収束帯(赤道前線)上に発生するという説などが出されたが、どれも不完全であった。現在では、「偏東風波動説」が多くの支持を集めている。南北両半球の北緯(南緯)30度付近には、赤道で上昇して北上(南下)した空気が上空に滞留して下降し、「亜熱帯高圧帯」が形成される。北太平洋高気圧もその例であるが、これらの高気圧から赤道方向に向けて吹き出した風はコリオリの力を受けて恒常的な東風になる。これが偏東風で、この風の流れの中にうねり(波動)ができると渦度が生じ、熱帯低気圧となるという考えである。なぜ波動が出来るのかはまだはっきりしないが、実際の状況には最もよく合致した説である。ただし、そうして発生した波動の多くは発達せずにつぶれてしまう。1万メートル以上の上層に高気圧を伴う場合には高気圧の循環による上昇気流の強化により台風に発達すると思われる。また海水の温度が26度以上であることも重要な条件であり、高温の海面から蒸発する水蒸気が放出する潜熱が原動力になっている。北緯3度以南ではコリオリの力の働きが小さいため、台風はほとんど発生しない。台風の発達過程はかなり詳しくわかっている。台風の原動力は凝結に伴って発生する熱である。温暖な空気と寒冷な空気の接触等による有効位置エネルギーが変換された運動エネルギーが発達のエネルギー源になっている温帯低気圧との大きな違いはここにある。上昇気流に伴って空気中の水蒸気は凝結し、熱(潜熱)を放出する。軽くなった空気は上昇する。すると地上付近では周囲から湿った空気が中心に向かい上昇し、さらに熱を放出しエネルギーを与える。このような条件を満たすときに台風は発達する。このような対流雲の発達の仕方をシスク(CISK、第2種条件付不安定)という。なお、台風が北半球で反時計周りの渦を巻くのは、風が中心に向かって進む際にコリオリの力を受けるためである。2個の台風が1,000km以内にある場合、互いに干渉し合って複雑な経路をたどることがある。これを提唱者である第五代中央気象台長の藤原咲平氏の名前をとって藤原の効果と呼ぶ。その動きは、相寄り型、指向型、追従型、時間待ち型、同行型、離反型の6つに分類されている。一般に、台風は日本の南海上で発達し日本列島に接近・上陸すると衰える傾向がある。これは、南海上では海水温が高く、上述した台風の発達に必要な要素が整っているためで、日本列島に近づくと海水温が26℃未満(真夏〜初秋は日本列島付近でも26℃以上の場合があり、台風が衰えない場合もある)になることにより台風の発達は収束傾向になる。初夏および晩夏〜秋に日本列島へ近づく台風の多くは高緯度から寒気を巻き込んで、徐々に温帯低気圧の構造へと変化し、前線が形成されるようになる。温帯低気圧化が進んだ台風は南北の温度差により運動エネルギーを得るため、海水温が25℃以下の海域を進んだり上陸してもほとんど衰えない場合がある。さらに高緯度へ進み、前線が中心部にまで達すると温帯低気圧化が完了となる。もしくは、台風内の暖気核が消滅することで温帯低気圧化することもあるが、この場合は必ずしも低気圧の中心まで前線が描かれない場合がある。純粋な台風の場合、上陸すると山脈や地上の建物などによる摩擦によって台風はエネルギーを消費し、急速に勢力が衰えるようになる。これが日本に近づく台風の特徴といえよう。日本列島に上陸せず対馬海峡を通過し日本海南部に入った場合、または台風が日本列島に一端上陸し、勢力が衰えた後に日本海南部へ出た場合は、暖流である対馬海流(海水温が26℃以上の場合のみ)の暖気が台風へエネルギーを供給し、且つ高緯度から上空に流れる寒気の影響を受けるために、台風は勢力が衰えるどころか再発達し、普段は台風による被害を受けにくい北海道、東北地方に甚大な被害を与える場合もある(日本海北部はリマン海流(寒流)の影響で海水からのエネルギーが供給できないために台風自体は衰えるが、寒気の影響を受けて台風から温帯低気圧に変わった後に再発達する場合がある)。1954年の洞爺丸台風(昭和29年台風第15号)や1991年の台風19号(りんご台風)、2004年の台風18号などがその例である。台風が日本本土を襲う経路は様々であり、類型化は難しいが、典型的な台風として、北緯15度付近のマリアナ諸島近海で発生して西寄りに時速20キロメートル程度で進み、次第に北寄りに進路を変えて北緯25度付近、沖縄諸島の東方で転向し、北東に向けて加速しながら日本本土に達するというパターンが考えられる。台風の経路として書籍にもしばしば掲載される型であるが、実際にはこのような典型的な経路を取るものは少なく、まれには南シナ海で発生してそのまま北東進するもの、日本の南東海上から北西進するもの、あるいは狩野川台風(昭和33年台風第22号)のように明確な転向点がなく北上するものなどもある。さらに、盛夏期で台風を流す上層の気流が弱く方向も定まらないような時期には、複雑な動きをする台風も見られる。日本の気象庁の定義によれば、台風の上陸とは、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸に達することをいう。したがって、台風の中心が上記4島以外の島の海岸に至っても上陸とは言わないため、沖縄県に台風が上陸することはない。台風の中心が、小さい島や半島を横切って、短時間で再び海上に出ることは、台風の通過と呼ばれる。また、ある場所への台風の接近とは、台風の中心がその場所から半径300km以内に達することである。日本には、平均して、毎年11個前後の台風が接近し、そのうち3個くらいが日本本土に上陸する。2004年には10個の台風が上陸し、上陸数の記録を更新した(2004年の台風集中上陸参照)。その一方で2008年、2000年、1986年、1984年のように台風が全く上陸しなかった年もある。台風が日本本土に上陸するのは多くが7月から9月であり、年間平均上陸数は8月が最も多く、9月がこれに次ぐ。8月は、太平洋高気圧が日本付近を覆い、台風が接近しにくい状況ではあるが、台風発生数も最も多く、また高気圧の勢力には強弱の周期があるため、弱まって退いた時に台風が日本に接近・上陸することが多い。無論、西に進んでフィリピン・台湾・中国に上陸したり朝鮮半島方面に進んだりするものも少なくない。6月や10月にも数年に1度程度上陸することがある。最も早い例では1956年4月25日に台風3号が鹿児島県に上陸したことがあり、最も遅いものとしては、1990年11月30日に台風28号が紀伊半島に上陸した例がある。台風が過ぎ去ったあとは、空が晴れわたってすがすがしい天候となることがある。このことを「台風一過(たいふういっか)」と呼ぶ。アメリカでは1943年にテキサス州ヒューストンを襲った「」の際に敢行された直接観測をきっかけとして、アメリカ軍が航空機により台風を直接観測するためハリケーン・ハンターと呼ばれる専門部隊を編成した。当初は空軍と海軍が個別に観測していたが、1993年からはアメリカ海洋大気庁のに移管された。NOAAでは士官部隊が運用する観測機で直接観測を継続している。日本の気象庁は緯度では赤道から北緯60度、経度では東経100度から180度までの範囲にある台風の位置決定と予報を担当する。現在、台風の観測では気象衛星ひまわりが重要な役割を果たしており、雲画像の連続的な解析により台風の中心や風速などの観測がなされる。日本付近に接近あるいは上陸した台風については気象レーダーやアメダスも利用される。2017年からは名古屋大学や琉球大学などの研究グループが航空機・投下式の観測機器・観測ドローンなどで直接観測を予定している。得られたデータを衛星やレーダーからのデータと合わせることで予報精度の向上を目指している。台風の進路予報表示では、平均風速が15m/s以上の強風域を黄色の円、同じく25m/s以上の暴風域を赤色の円で表す。12、24、48、72、96および120時間後の到達予想範囲は点線の予報円で記す。台風の進路が予報円の中に入る確率は70%である。また、台風の中心が予報円の中を通った場合、暴風域に入る恐れがある範囲を赤い線で囲む。これを暴風警戒域という。台風が上陸、あるいは接近すると、暴風(強風)、高潮、高波による看板や標識、樹木などの倒壊や、落雷、建物の損壊(屋根が飛んだりするなど)のほか、大雨による洪水、浸水や道路、橋などの流出、土砂崩れ、地すべりなどの被害が発生する。台風が日本海側を通った時接近時の日本海側や、台風が太平洋側を通った時の離れていく時の太平洋側で、台風によるフェーン現象が発生しやすく(特に前者)乾燥した熱風による火災や急激な気温上昇による雪崩なども起こりやすい。なお、雨による被害が大きな台風を雨台風(カスリーン台風など)、風による被害が大きな台風を風台風(平成3年台風第19号など)と呼ぶが、勢力が強い台風の場合は、雨と風の両方で甚大な被害が出ることも多い。日本における台風の被害は、記録が明確な20世紀中盤以降、確実に減少してきている。これには、学術面では台風研究の発展、行政では予報の充実や経験等をもとにした防災体制の構築、民間では災害記録の伝承や自主防災活動による効果と考えられる。上陸時勢力が日本史上稀に見る強さであった伊勢湾台風以降、災害対策基本法制定をはじめ、伊勢湾台風クラスあるいは「スーパー伊勢湾台風」クラスの台風に耐えられるような防災体制が目標とされてきた。しかし、現在においても大きな被害が出て、さらなる防災の強化が行われている地域もある。また、日本の周辺諸国、特に東南アジアでは防災体制やインフラ等がまだ成熟していないため、地すべりや洪水等により多数の死者を伴う甚大な被害が発生することがある。被害という視点で語られることの多い台風も、日本では、梅雨以後夏期の水瓶(各地のダムや山間部の川)への重要な水源にもなることから、来なければそれでいいというものでもない。2005年の台風14号は大きな被害を生んだが、それまで渇水によって貯水率0%となっていた早明浦ダムを、たった一日で一気に100%まで回復させた。2007年の台風4号も同様である。台風は災害ではあるが、定期的に襲来するものであり、それなりに地域の自然の中で位置づけを持つものでもある。たとえば沖縄では台風の降水は地域住民にとっては水確保の上で重要な意味を持つ。同様に、沖縄における森林の物質循環を考える場合、落葉量に関しては、台風時のそれを無視することが出来ない。また、台風に乗って移動する動物もある。定着している分布域ではないところに見つかるチョウを迷蝶というが、日本では熱帯域の種が本土で見つかる例があり、往々にして台風の後である。たとえばメスアカムラサキやカバマダラなどが、このようにして出現し、冬までに世代を重ねる例が知られる。それらは冬を越せない死滅回遊の例でもある。ウスバキトンボなどもこの例である。同様に、沖縄以南で繁殖し、本州付近ではまれにしか観察されない野鳥が迷鳥として台風の後に観察されることがある。また、台風が太平洋上の生物を日本沿岸に吹き寄せる例もある。台風通過後に砂浜にそれらが打ち上げられる場合があり、カツオノエボシやカツオノカンムリなどのクラゲ類、アサガオガイやルリガイ、あるいはササノツユやマルカメガイなどの翼足類などが見られることがあり、貝類採集家などがこれをねらう。日本で「台風」という呼称・表記が定まったのは1956年(昭和31年)のことである。日本では、古くは野の草を吹いて分けるところから、野分(のわき、のわけ)といい、11世紀初頭の『枕草子』『源氏物語』などにもその表現を見ることが出来る。ただし、野分とは暴風そのものを指す言葉であり、気象学上の台風とは概念が異なる。江戸時代には熱帯低気圧を中国にならって颶風(ぐふう)と訳した文献(伊藤慎蔵によってオランダ語から翻訳された日本初の気象学書「颶風新話」)があるが、明治の初めにはタイフーンまたは大風(おおかぜ)などと表していた。明治末頃、岡田武松によって颱風という言葉が生まれたとされており、1956年の同音の漢字による書きかえの制定にともなって台風と書かれるようになったが、その由来には諸説がある。主な説としては、以下のものが挙げられる。英語の「typhoon」は、古くは「touffon」と綴り、中国語の「大風」が由来とする説は不自然とされており、アラビア語起源、ギリシア語起源の二つの説が有力である。ちなみに沖縄のウチナーグチでは「カジフチ(風吹き)」または「テーフー(台風)」と称される。アメリカ合衆国ではハリケーン(北大西洋、カリブ海、メキシコ湾、北東太平洋地域)の名称として英語圏の男女の人名リストを用いるが(詳しくはハリケーンの命名を参照)、北西太平洋領域に発生する台風にも1999年まではアメリカ軍の合同台風警報センターによる英語名が国際的名称として付けられていた。前述の通り、日本でも終戦直後から1953年の台風2号(ジュディ台風)までこの英語名を採用していたが、当時のアメリカでは女性名のみを使っていたので、日本での台風の命名もすべて女性名であった(カスリーン台風、ジェーン台風など)。ハリケーンを女性名で呼ぶことはの1941年の小説『Storm』を由来として1940年代から海軍の気象学者などによって行なわれており、米軍は1945年に西太平洋で発生するタイフーンについて女性名のリストを採用したが、アメリカ気象局(現・アメリカ国立気象局)の採用は1953年にまでずれこんでいる。のちに、この命名法は男女同権に反しており性差別につながるなどとして、世界気象機関 (WMO) から改善の要求があり、1979年からは男性名・女性名を交互につける方法に改められている。2000年1月1日からは台風の国際的な呼称として、それまでの英語名に代わって「アジア名」を用いることとなった。このリストは大西洋海洋気象研究所のサイトなどで見ることができる。アジア名は、米国とアジア各国で構成された台風委員会によって定められたもので、国際的には広く使用されているが、日本国内では台風番号による呼び方が一般的であり、報道機関でも台風番号で呼称している例が大多数である。ただし日本以外のアジア地域で被害が出た場合などで、台風番号とアジア名を併用して報道する場合もある。ちなみに東経180度以東で発生したハリケーン等の熱帯低気圧が東経180度以西に進んで台風となったものにはアジア名は命名されず、発生地点で命名された名称がそのまま使用される。アジア名は繰り返しの使用を原則とするが、大きな災害をもたらした台風などについては以後は同じ名前を使用しないよう変更することがある。大西洋北部などの他海域、また1999年までのアメリカ式の命名において、顕著な影響を与えたものの国際名を名前リストから削除して、次回以降から別の国際名が使用される「引退」という慣例があり、この慣例が2000年に導入された「アジア名」にも受け継がれているためである。この慣例の目的は、大きな影響を与えたために将来にわたって言及されるであろう台風が同じ国際名となってしまうと混同の恐れがあるためである。逆に顕著な影響を与えなかった名前については繰り返し使われ、例えばArleneというハリケーン名は過去9回も使用されている。アジア名の変更は台風委員会加盟国からの変更要請を受けて、台風委員会が行う。例えば、2002年に朝鮮半島に大きな被害を与えた台風15号の国際名Rusaは、次回はNuriに変更になることが決まっている。また、2003年に朝鮮半島に大きな被害を与えた台風14号の国際名Maemiも、次回はMujigaeに変更になることが決まっている。ただし、顕著な影響を与えても変更の手続がなければ変更されない。アジア名導入以前の例であるが、1959年の伊勢湾台風(昭和34年台風第15号)の国際名Veraは、「引退」扱いとならず、以降も何度か使用されている。2周目からは、以下の10個が変更されている。(49) Vamei→Peipah、(55) Chataan→Matmo、(64) Rusa→Nuri、(73) Pongsona→Noul、(80) Imbudo→Molave、(87) Maemi→Mujigae、(95) Sudal→Mirinae、(107) Rananim→Fanapi、(132) Matsa→Pakhar、(137) Nabi→Doksuri。3周目からは、以下の名前が変更されている(ただし、53番は綴りの変更)。(2) Longwang→Haikui、(7) Chanchu→Sanba、(10) Bilis→Maliksi、(11) Kaemi→Gaemi、(14) Saomai→Son Tinh、(20) Xangsane→Leepi、(25) Chebi→Jebi、(26) Durian→Mangkhut、(53) Noguri→Neoguri、(67) Changmi→Jangmi、(81) Koni→Goni、(82) Morakot→Atsani、(90) Ketsana→Champi、(91) Parma→In-fa、(107) Fanapi→Rai、(131) Washi→Hato。また、甚大な被害以外の理由で変更されたものもある。アジア名は全部で140個あり、140番目の「サオラー」まで使用されると最初の「ダムレイ」に戻るループ。名称の順番は、2012年台風第10号より3周目に入っている。第二次世界大戦後のアメリカ軍占領下では、アメリカ式の女性名(詳しくは後述)を用いていたが(カスリーン台風など)、サンフランシスコ講和条約発効後の1953年の台風2号(ジュディ台風)以降、日本国内では番号が導入された。日本では、気象庁が毎年1月1日を区切りとして、台風が発生した順に台風番号を付けており、日本国内では通常はこの台風番号で呼ばれる。尚、台風は事後解析により2つ以上のものの発生日時が逆転することがある。当年12月31日までに発生した台風は発生した順番で台風番号を付けるが、翌年1月1日以降に発生した台風については、前年の12月31日までに発生した台風がまだ残っている場合でも1号からの付番にリセットして付けることになっている。気象庁では、情報文等においては元号年と組み合わせて「昭和60年台風第10号」のように表記し、天気図等においては西暦年の下2桁と組み合わせて「台風8510」、「T8510」のように表記している(いずれも1985年(昭和60年)に発生した10番目の台風の例)。民間では「第」を省略するとともに、特定する必要がない場合には年号も省略して「台風10号」のように呼ぶことが多い。特に災害の大きかったものについては上陸地点などの名前を付けて呼ぶこともある(伊勢湾台風など)。戦後、気象庁によって命名された台風は以下の8つである。「気象庁が命名した自然現象の一覧#台風」も参照。あくまで俗称であるが、著名なものとして「五輪台風」がある。これは、1960年の8月23日15時から翌日3時 (JST) にかけて台風14 (Bess)・15 (Carmen)・16 (Della)・17 (Elaine)・18 (Faye) 号が天気図上に、まさに五輪マークのように並び(ただし、実際の五輪マークとは上下逆である)、この年がローマ五輪の開催年だった事などからマスコミなどからこう名づけられた。このうち、台風17号について台風7号であるとする文献もあるが、台風7号が発生していたのは7月25日-30日 (JST) であり、誤りである。フィリピンでは、アジア名よりフィリピン独自の名称(フィリピン名)の方が一般的に使用されている。例えば、フィリピンに大きな被害をもたらした平成20年台風第6号については、地元ではアジア名の「フンシェン (Fengshen)」よりフィリピン名「フランク (Frank)」の方が広く使用された。(統計資料がある1951年からの統計。2013年11月26日現在の記録)海水温が最も低くなる2月が台風に関する年変わりの時期ともいえ、下記に示す1月1日基準は社会的な区分であることには注意が必要である。各番号の台風についてはそれぞれ各項目を参照。各年度の台風についてはそれぞれ各項目を、年度別の一覧については年度別台風記事一覧を参照。

出典:wikipedia

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