フォーセリアは、ファンタジー小説・ロールプレイングゲームの『ロードス島戦記』、『ソード・ワールド』、『クリスタニア』の舞台となる架空の世界。翻訳作品ではない日本国産の正統的な中世ヨーロッパ風ファンタジー世界としては、国内最大級の設定規模を持つシェアード・ワールド(共有世界)でもある。水野良が『ロードス島戦記』発表時に、それまで温めていた世界を公表したもので、『ロードス島戦記』の源流となった『ダンジョンズ&ドラゴンズ (Dungeons & Dragons)』や、さらにその源流となった『指輪物語』、また『ルーンクエスト』の背景世界であるグローランサの世界像を強く受け継いでいる。現在も水野良やグループSNEのメンバーによって設定が追加、拡張されている。神々の時代より更に太古の時代、世界は一人の巨人(後に「始源の巨人」と呼ばれる)がいる他は完全な無が広がっていた。全知全能の知性と永遠不滅の肉体を持つ巨人は長い年月を一人で過ごしたが、あるとき孤独に耐えられずに自分自身を焼き殺してしまう。その死骸(混沌)から生まれた神々によって作られた「精霊界」「物質界」「妖精界」などから成る世界がフォーセリアであり、これらの世界はその残滓である混沌界に浮かぶ小島に例えられる。最初に創造されたのが「精霊界」で、混沌の中から地水火風の四大元素を始めとするさまざまな自然現象の基になる秩序立った精霊力が選り分けられ、それを制御する精霊が創造され住んでいる。次に創造されたのが現在人間の住む「人間界」をはじめとする物質界で、人間界は元々神々が住むために作られた特別な場所といわれる。そのため「神々の大戦」では主戦場となり、戦いの過程で他の世界から様々な種族が召喚され、他に類を見ない多種多様な種族が住むようになったとされる。他の物質界の研究は主に古代王国時代に盛んに行われ、ファラリスに従う者達が住む「魔界」が発見されている。また「星界」の存在もこの時代に確認されており、強力な破壊魔法として知られる「メテオ・ストライク」の魔法は、「星界」から隕石を呼び寄せる召喚魔法の一種である。ただ共に魔法王国時代の政争によって発見者が処刑されており、殊に「星界」の研究は以後禁忌とされてしまっている。他にも各教団は死後の世界として「冥界」の存在を説いており、代表的なものとしてはマイリー教団の「喜びの野」、チャ・ザ教団の「至福の島」などがある。それらいくつもの世界をラーダが統べるとされる「星界」が取り囲んで物質界を構成しているとされている。この他にも確認されていない物質界が存在すると考えられており、代表的な例としては「魔界」と対になるファリスに従う者達が住む「天界」や、「神々の大戦」で竜族が“召喚”されたと伝えられていることから「竜族だけが住む物質界」などがある。最後に「精霊界」のさまざまな力が「物質界」に届くように、その仲介となる「妖精界」が作られたとされる。エルフやドワーフ・グラスランナーなどは、元々この「妖精界」の住人であり、「神々の大戦」の時に物質界に召喚されている。また「夢幻界」と呼ばれる世界もあり、混沌界と同じ意味なのかどうかで意見が分かれている。大地は地球のような球体ではなく正方形をした平面であり、その4つの頂点はそれぞれ東西南北を差しているとされる。ただし、理由は解説されていないが地平線は存在する。北に氷の門(あるいは大地の門)、南に炎の門、東に風の門があり、険しい気象条件や精霊力によって扉を閉ざしているが、唯一西の水の門だけは閉じられておらず、水が滝となって零れ落ちているとされている。この水の流れが時の流れを作っている。一方、クリスタニアはこの不完全であった世界から一つの大陸を隔離することで、完全な世界を作ろうとしたものである。クリスタニアの世界にとって「時間」という概念は存在せず、歴史はあらかじめ決まっているもの、繰り返すものであり(これを「周期」という)、人々は神の定めた周期に従って生きていた。しかし、紆余曲折の末にこの周期は作中で終わりを告げている。世界設定の根底に流れる世界観は、国々の設定の多くに中世ヨーロッパ風のイメージを取り入れながらも善悪二元論で語られることは少なく、むしろ陰陽思想に近い。フォーセリアで最終的に越えるべき障害として立ちはだかるものは、パワーバランスが「善悪」や「秩序と混沌」、またはそれ以外であっても、ある一方に偏ったときに出現している。これに対抗する思想がロードス島戦記に登場するカーラに代表される。これについては、カーラを参照のこと。文章中に東西南北などの表現がみられるが、フォーセリアにおいて気候風土はその土地でより強く影響を及ぼしている精霊によって様々である。ソード・ワールドの中心舞台。フォーセリア世界の北部に位置する。世界で最も広大な大陸。古代魔法王国の中心地でもあった。その広さからほぼ7つの地域(東から「極東地方」「北東地方」「無の砂漠」「南部地方」「中部地方」「中原地方」「西部諸国」)に分けられる。無の砂漠を除外し、中原地方を北部と南部に分ける数え方もある。アレクラスト大陸の中央部からやや西よりに位置する地域。北東部は遠く無の砂漠へと続き、南東部は巨大な湖であるエア湖と接する。中原で最も南部に位置するロマールには「自由人たちの街道」が通っており、東部は中部地方のザインと、西部は西部諸国のベルダインと繋がっている。ロマールからは北部にむかって「いにしえの街道」が伸びており、順にファンドリア、オーファン、ラムリアースと結んでいる。また、オーファンからはヤスガルン山脈とクロスノー山脈の間を抜けるように西部諸国のタイデルと結ぶ道も存在するが、これは冬の間は閉ざされて使用することができない。北部と南部に分ける場合は、それぞれオーファンとラムリアースが北部、ロマールとファンドリアが南部に分類される。中部地方は、新王国暦300年代に整備された「自由人たちの街道」によって東部地方と西部地方が結ばれてから、街道沿いに誕生・発展した地域である。よって東西の文明圏が交じり合い、言語もこの地方が分岐点(西のロマールと接するザインは西方語圏、東のオランと接するエレミアは東方語圏)となる。現在はオラン王国しかないため、オラン地方とする呼び方もある。文化面では大陸で最も先進的な地域であるとされ、10の都市国家が存在することから「10の子供たち(テン・チルドレン)」と呼ばれている。この呼び名は、東の大国などから小国であることを揶揄する意味で使われだしたが、現在では一般的な通称として定着しており、当初の蔑称的な意味合いは希薄になっている。東隣の中原での状況(ファン王国の滅亡とファンドリア・オーファンの建国、ロマールのレイド併合)から、新王国暦500年のタイデルの盟約によって、東の大国に対する同盟関係を結んでいる。ただし、軍事面は総じて貧弱であるため、実際には10国併せたところで東の大国(オーファンやロマール)の武力には遠く及ばない。アレクラスト大陸の南東に位置する諸島。大小4つの島があり、シナリオ集『虹の水晶宮』の舞台となっている。文化形態は大陸のものと全く同じで、交易も盛んに行われている。ソード・ワールドRPGリプレイ風雲ミラルゴ編、ソード・ワールドRPGリプレイアンマント財宝編ではアザーン諸島の商人が大陸で活動していることも描写された。アレクラスト大陸の東にある細長い島。形状が日本列島に似ており、独自の文化が発達しているといわれている。ロードス島より遥かに近い位置にあるが、閉鎖的な社会のためか交易はあまり行われていない。土着の太陽神「天照神シャナ」を奉じる「神宮」が治める神官政治が行われている。『ロードス島戦記』の舞台、通称「呪われた島」。島の随所に呪われたと表現しても過言ではないような場所が存在する。アレクラスト大陸の南に位置する。アレクラスト大陸とはわずかながら交易が行なわれている。大まかに7つの地方に分けられる。かつてはアレクラスト大陸の一部であったが、神話の時代の「神々の戦い」において破壊神カーディスの呪いを受け、呪いの拡大を防ぐべく大地母神マーファによってアレクラスト大陸から切り離された、とされている。ロードス島の南にある小島マーモが破壊神カーディスの封印された地とされ、大地母神マーファもロードス島にて力尽きたと伝えられる。アレクラスト大陸の西にある大陸。「混沌の地」と呼ばれ、大陸の北部は混沌を司る存在(あるいは混沌そのもの)であるジャカオに飲み込まれつつある。ジャカオを信奉する混沌の勢力と、神話の時代に他の神々が混沌から逃げ去った後も唯一この地に踏み留まってジャカオと戦った「バルキリーの女王」を信奉する氏族との間で争いが続いている。それ故に六大神を始めとする他の神々は、混沌から逃げた存在であるため信仰の対象とされていない。創世神話では、西の果てにある「水の門」が閉じられて世界創造が完成する前に神々の大戦が勃発し、結局「門」は閉じられずに終わったとされているが、西方に位置するケイオスランドで混沌からの干渉が強いのは、このことと関係があるのかも知れない。「水の門」からは、世界そのものが虚空へと流れ落ちており、これが時の流れを作り出している、とされる。つまりフォーセリアは巨大な水時計なのだという。古代魔法王国時代には版図に含まれていた模様で、失われた混沌魔術の発祥に深く関わっていたと思われるが、魔法王国崩壊と共にその記録も失われ、長らくアレクラスト大陸の住人からは忘れられた存在であった。しかし501年に時のベルダイン王リカルド・ハディスが派遣した「混沌の地」遠征隊が、ケイオスランドに到達したことで様相が大きく変わる。冒険者出身の騎士プライア・ウルグを隊長とする遠征隊は到達直後に船を失い、現地のオークレイ氏族との争いや侵攻してきた混沌の勢力との戦いで多くの犠牲を出しながら、ついに最初の村(十一番目の子供:イレブンスチャイルド)を確保することに成功する。そしてマーファの司祭マリク・ポストが「リターンホーム」により、唯一アレクラスト大陸への帰還を果たす。それから3年後、彼がケイオスランドで体験した出来事を纏めた“帰還者の手記”を発表したことにより、広くケイオスランドの存在が世に知られるようになる。その後、満を持して航路図が発表されると、様々な理由で新天地を求める人々がベルダインに集まり、海路でケイオスランドへ向かうことが可能となった。また、“墜ちた都市”レックスの遺跡でケイオスランド北部の都市ゾディークに通じる「移送の扉」が発見されたが、「ある理由」により発見した冒険者達の手によって直後に破壊されてしまった。これ以後、新たな「移送の扉」は発見されておらず、ケイオスランドに行くには海路が唯一の方法となっている。尚、この地でマイリーの神官が神に祈ると「女王」が答えるという深刻な事態に遭遇するが、他の神々については大陸と特に相違点は見られない。ロードス島のさらに南に位置する大陸。大きく北クリスタニアと南クリスタニアに分けられる。神話の時代の神々の大戦において中立を貫いた中立神たちが、闇の陣営の放った「神殺しの竜」から身を隠した大陸で、現在公表されているフォーセリア世界の大陸の中では最も南部に位置すると考えられている。中立神達は神の肉体を捨て、獣の体に魂を移すことで追手の目をごまかした。この神の魂を宿した獣を「神獣」と呼び、神獣達はクリスタニアを外界から遮断することで完成させた世界を創ろうとした。この大陸を舞台とするクリスタニアシリーズは、ソードワールド及びロードス島戦記の時代から300年以上後の年代とされている。プレイヤーに対して、完全に解放されている大陸。公式の設定は何一つなく(「公式設定は永遠に作られない」と言うのが、この大陸に関する唯一の公式設定)、プレイヤー間で自由に設定、使用が認められている。フォーセリアには、概念としてでなく、神が実際に存在する。勿論信者もおり精神体も存在している。だが、その全ては神話の時代に起こったといわれる「神々の大戦」によって肉体を失い、現実世界に直接干渉することはできなくなっている。司祭がこの神々に祈り願うことによって、間接的に神の力を借りて奇跡を行使することができ、これを神聖魔法と呼ぶ。このほか、クリスタニア大陸では獣の身体に神の魂が宿った神獣が現存している。これについてはクリスタニア#神獣で扱う。アレクラストやロードスで特に信仰されている神々の内、主要な存在である6柱の神を「六大神」という。以下に示す。上記のような数多くの神々が知られており、それぞれに信者や司祭も存在する。ただし、六大神以外の神々には大きな神殿や高位の司祭があまり存在しない傾向がある(ブラキ神は例外的に神殿・信者ともに多く、特にドワーフに信仰されている。邪神の側ではニルガル神の教団がその教義から整った階級制度、組織体系を持ち、大組織を作り上げる例がある)。また、当然ながら「邪神」の教団や神殿は公にはされず、地下活動で組織を維持していることが多い。また、「邪神」が必ずしもファラリスの協力神というわけでもない。例えば、ニルガルは元々光の陣営の神であったものの、ラーダやチャ・ザとの諍いから光の神々の主流派と開戦したと伝えられており、自由を司り妖魔などの人間外種族に対しても肯定的なファラリスとは現在でも不倶戴天の敵同士である。破壊神カーディスの勢力に対しては、ファラリス教徒も危険視しており、マーモ島における終末戦争では他の五大神の信徒と協力してカーディス教団との戦いに参戦している。神話の時代に起こった出来事は、正確に人間たちに伝わっているとは言いがたく、神話や教義の解釈は神殿間や地域間で必ずしも一致していない。六大神が上位の神であり、それ以外の神々は従属する下位の神というのがアレクラストやロードスでの一般的な信仰(六大神信仰)だが、ケイオスランドやクリスタニアのように六大神信仰とは大きく異なる信仰が主流の地域も存在する。クリスタニアの神獣王の一柱、周期の神獣王フェネスは、ファリスとファラリスの兄弟神であり(始原の巨人のどの部分から生まれたかは知られていない)月を司る存在であるとも、邪神「名も無き狂気の神」の正体であるともいわれる。また、戦いの神獣王ブルーザはマイリーの従属神であったらしい。神々の間のささいな諍いを、恨みと復讐を司る邪神ミゴリが煽り立てて不和を助長し、遂には「大戦」にまで発展して互いを滅ぼす結果になってしまった、という伝承も存在する。無論真偽は定かではない。光や闇、中立の神々と本質的に異なるのが破壊の女神カーディスである。他の神々が「始源の巨人」に属しているのとは異なり、未来に存在する「終末の巨人」に属しているといわれている唯一の神である。「終末の巨人」はこの世界の終わりに姿を現すとされ、この世界が無に帰したあと次の「始源の巨人」となり、新たな世界を創世するとされている。カーディスはこの世界を破壊することで「終末の巨人」を出現させ、次の世界を誕生させるために存在しているといわれる。そして新たに生まれる世界では創造の神(大地母神マーファの位置付け)として生まれ変わるとされている(そのためマーファとは本質的には同じ神でありながら、その存在理由から対立することになる)。また、不死者達の支配者であるともされ、強力な死霊魔術を行使する際にその助力を得るために魔術師達が交信を行うこともある。しかし現世におけるカーディスは破壊の女神であり、存在理由に反して来世すら破壊された無を良しとして、死と破壊と否定を司る。(終末に属する物を破壊したことさえある)「終末の巨人」との関係はほとんど知られておらず、ファラリスなどと同じ邪神で闇の神の一柱である、という認識が一般的である。カーディスの司祭であっても終末信仰や後述の転生を行わず、破壊神としてのカーディスを崇拝するものも多い。信者達は死後は虚無界に堕ちて消滅する、あるいは転生を繰り返し新たな世界に生まれ変わるとされている。破壊神としてのカーディスに仕えるものは前者、終末の眷属としてのカーディスに仕えるものは後者の教えを支持する。未来と同義語である「終末の巨人」に属しているという特異性から、その高位の司祭達の中には現世での死を超越した「転生者」となり、繰り返しこの世に生を受けて世界を破滅に導くために暗躍するものもいる(未来に属しているため、現世での死は意味が異なる、ただし転生に失敗した場合は未来が消滅することを意味し、魂の完全なる消滅となる)。また彼ら転生者達はカーディスと共に次の世界への転生が約束されているという。ロードスにはこうした終末信仰の転生者たちによるカーディスの大規模な教団が存在し、『新ロードス島戦記』などでは、これら「終末のもの」達との熾烈な戦いが描かれている。世界が完全に安定して永続してしまうと次の世界が生まれなくなってしまうので、終末の者は安定に対抗する形で発生する。そして出現する終末の者は、安定を支えていた力に反する者として存在する。神の創造と完成の時代が安定しすぎた結果として破壊の女神カーディスが生まれたのと同様に、魔法の支配によりカストゥール王国が安定しすぎて天地万物を司る精霊をも支配した結果としてあらゆる精霊を喰らい尽くす魔精霊アトンが生じ、クリスタニアでは神獣の支配が安定しすぎた結果として魔神獣が誕生した。つまりどのような形態であろうとも世界が安定すればするほど、その対抗として終末の巨人に属する勢力が誕生してしまうと考えられ、どのように努力してもいずれはフォーセリアは終末を迎えると考えられる。ただし、これまでの歴史の中で出現した終末の眷属は全て一時的なものであるにせよ退けられており、最終的な終末は避けられずとも努力することによってその到来は遅らせられるというのもまた確かなようである。またこの現象を逆手にとってわざと安定を崩すことで終末を遅らせることも出来るらしく、ファラリスが神々の大戦を引き起こしたのは神々の時代の安定を崩すことで終末を遅らせようとしたのではないかという推測もある。フォーセリアには、「始原の巨人」から生まれた種族およびその眷属である太古種族や、神話の時代に神々が創造した数多くの古代種族、およびそれらの種族の子孫として派生した下位種族が住んでいる。どの種族も「進化」のように環境に適応していく能力を持っているが、物質界での適応は繁殖力などが高まる代わりに、魔力や知性や寿命を減らしていく傾向にあるようだ。そのため太古の姿を残した種族ほど個体としては高い能力をもち、上位種とも言われる。誕生時から物質界に生を受けた種族だけでなく、本来は神々が「妖精界」の住人として創造した種族も、「神々の大戦」時に召喚されて以来、物質界に暮らしている。この他にも、多くの種族が存在する。この分類はどちらかと言うと人間側の勝手な分類であり、古代語魔法(創成魔術)で作られた人工的な生物と、自然な生物がごちゃ混ぜにされていたりする。暗黒神によって召喚された妖精族は妖魔と呼ばれる。闇の種族であるゆえか、ほとんどすべての妖魔は暗視能力を持っている。「始原の巨人」が自らの怒りの炎に焼かれて死んだ後、「始原の巨人」の鱗から生まれたとされる種族。未分化の精霊力を宿していて、基本的に巨人の鱗を焼いた火の精霊力を強く宿していてどのドラゴンも炎のブレスを吐けるが、他に精霊力を強く宿しているかによって、火竜(ファイアドラゴン)、水竜(ウォータードラゴン)、氷竜、風竜(エアードラゴン)、地竜(アースドラゴン)などと分類される。また光や闇の神々によって聖別された光竜(ライトドラゴン)、闇竜(ダークドラゴン)といった種族もある。その咆哮は聞く者の魂を傷つけ恐慌をもたらし、その身を覆う鱗は鋼を超える強度を持ち、鉤爪はあらゆる生き物を引き裂き、尾の一振りは一軍を蹴散らすとされる、最強の魔獣にして幻獣、比類するものの無いフォーセリア最強の存在が竜である。幽霊やゾンビなど、すでに死んでいるにも関わらず、この世に留まり活動する死者のこと。負の生命の精霊力で活動している。世界樹には「正の生命の実」と「負の生命の実」が生っており、前者から生物が、後者からアンデッドが創造されたといわれている。一般に通常の生物としての寿命を持たず、破壊されない限りは半永久的に活動しつづける。有る意味不老不死とも言える存在であり、「不死者」「生ける屍」などとも呼ばれている。ファリスやマーファをはじめ、光の神々はその存在を不浄で正しからざるものとして否定している。主に死んだ人間が何らかの理由で変異して生まれるが、たいていの場合生前の人格や記憶などは残っておらず、生者を襲う危険な存在である。バンパイアのように生前の人格や意思を保ったアンデッドも一部存在しており、一部の人間が不老不死を求めて自ら望んでそういったアンデッドに成るケースもある。人間界とは別に存在する物質界とも言われる世界。暗黒神ファラリスの信じる者は死後、魂が闇に溶けるとも、魔界の魔神(デーモン)に転生するとも言われる。また、魔界は冥界と同一であるという説もあるが、定かではない。魔神はファラリスの神聖魔法(暗黒魔法)を使うことから、ファラリスと関係深い世界だと思われる。人間界に召喚された魔神の肉体は仮の器でしかなく、破壊されても死ぬことなく魔界の本体へと帰る。魔神はその強さにより、4段階に大きく分類されている。魔神だけでなく、魔界の魔獣(アザービースト)なども存在している。クリスタニアには、以上の種族のほか神獣によって創造された亜人が存在する。リザードマン、バードマン、ウィングミュルミドンらの種族もPCとして選択することができる。フォーセリアでは、特定の手順を踏んで意図的な奇跡、魔法を行使することができる。その者らを総称して「魔法使い(ルーンマスター)」と呼ぶ。ロードス島伝説におけるウォートの解説によると、人間が古代語魔法、精霊魔法、神聖魔法を使用するために必要な適性を有している可能性は各20%であるとされている。即ち人間の約半数が何らかの魔法の適性を有している計算になるが、環境によってコツを学べないこともあるため、実際社会での魔法使いの比率はこれよりも低い。クリスタニア大陸では、神獣として神が実在するため、神獣の民は「神聖魔法」ではなく神獣から授けられた特殊な「能力(タレント)」として発揮されている。タレントの使い手は「ビーストマスター」と呼ばれる。フォーセリアで使われる主な言語には以下のようなものがある。この他にも、地域によって異なった言語が存在する。主なものは以下の通り。いずれの言語も、下位古代語が基になって派生したものとされる。特にケイオスランド語は、文字や単語に下位古代語との共通点が多い。しかし、言語同士の互換性は無きに等しい。人間以外の種族も、住んでいる地域の人間の言語(主として共通語)を用いる。この他にも、ケンタウロス語・ミノタウロス語・マーマン語・ハーピィ語・インプ語・フェアリー語・グラスランナー語・ジャイアント語など、様々な種族に固有の言語が多数存在する。なお、グラスランナー語は知られていない。彼らは故郷である妖精界から物質界へとやってきた際に、人間との交流の中から自分たちの言語を忘れてしまい、人間の言語を使用するようになったらしい。フォーセリアの魔法は言葉によって世界や自然に働きかけるものなので、関連するいくつかの言語が存在する。以下は過去には用いられていたが、現在では使い手がほとんど、もしくは全くいない失われた魔法言語である。ソードワールドやロードス島戦記より500年以上前に栄えた王国。残された遺跡やダンジョンには、当時の魔法の品や書物などが今も残されており、魔法の品の多くは現在では作ることが出来ず、書物には今では喪われた高度な知識が書かれており、手に入れば極めて高価な値段で取引される。ただし、当時の魔法生命体やトラップが残されていたり、実験動物の末裔であるモンスターが生息していることが多く、遺跡を探索することは非常に危険なこととされている。カストゥール王国においても神話時代〜暗黒時代の歴史は、なかば伝説や神話のように扱われている。神々の大戦の後、魂だけの存在となった神々は物質界に直接介入する手段を喪い、「神話の時代」は終わりを告げ、神々の庇護を失った「暗黒の時代」が始まる。始源の巨人から生まれた太古種族や、神話の時代に誕生した古代種族など、遥かに強大な力を持つ種族の脅威にさらされる中で人間は上古の魔法語(ルーン)による魔法で対抗した。しかし神より授けられたのは魔法の基本でしかなかった。古代王国滅亡より4000年前とも5000年前とも言われる過去において、後に「創設者」と伝えられる十人の賢者により、神々が人間に与えた言語を再編して上位古代語(ハイエンシェント)としてこれを解析、強大な古代語魔法が作られた。(十系統の魔法はこの十人の「創設者」から始まる)。そして古代語魔法を習得した者達がアレクラスト東部に都市を築き、これが人類最初の王国でありカストゥール王国の礎となったと伝えられている。後のカストゥール王国の歴史観では、十人の賢者による研究開始の時を以って建国としている。古代語魔法は絶大な威力を発揮したが、太古種族や古代種族もまた圧倒的な力を持つ存在であり、三千年間とも四千年間とも言われる永きにおいてカストゥール王国は興亡を繰り返すことになる。暗黒の時代で最後に大きな滅亡をすることになったのは古代王国滅亡より1200年ほど前、単眼の巨人族(サイクロプス)による大破壊であった。古代王国滅亡より約1000年前、大破壊から200年ほど後にアレクラスト大陸の中央山地に興った王国がカストゥール王国の最後となる王朝となる。数々の太古種族や古代種族が滅亡したり衰退して下位種族へと変遷するなか、成長を続けるカストゥール王国の前に立ち塞がったのが、「暗黒の時代」を生き抜いた古代種族であり、なかでも特に上位巨人族であった。現在では数も少なく人間の世界からは離れた地域に生息しているが当時は、「始源の巨人」から生まれた太古の巨人族の子孫である各種の上位巨人族も「暗黒の時代」を生き抜き各地に独自の王国を築き上げ、人間と地上世界の覇権を争う一大勢力となっていた(妖魔に属する下位巨人族は除く)。また、古代種族から下位種族への種としての衰退が人間にとっても深刻な問題となっていた。古代王国滅亡より500年ほど前には80%の人間が魔法を使う才能を有していたが、古代王国滅亡より300年前から減少傾向にあり、古代王国末期には2%ほどの人間だけが魔法を使える貴族であり、98%は魔法を使う才能を持たない市民もしくは蛮族であった。(繁栄による人口増加で、滅亡の100年ほど前から魔術師の絶対数は増加傾向にあった)。また、魔術師としての質が高い者も年々減少していったという。その状態が激変するのは、カストゥール最後の魔法王国時代の末期に登場した召喚魔術師アズナディールによる魔界の発見と魔神軍団の召喚であった。アズナディールによって支配された魔神王とその軍団は、巨人族の中でも最大の強敵でカストゥール王国を滅亡に追い込んだ事もある「サイクロプスの王国」を短期間で滅ぼしてしまう。また同時期、拡大魔術師メルドラムゼーにより「魔力の塔」が建設され、それまでの個人の魔力に比べ無尽蔵とも言うべき魔力を行使することが可能となった。これにより、それまで「理論上は可能」とされていた幾つもの強大な魔法が現実のものとなり、宿敵巨人族のみならず、遥かに強大だった上位精霊や古竜を始めとした竜族なども次々に支配下に収め、ここにカストゥール王国は絶頂期を迎え、この時代は「魔法の時代」と呼ばれるに至った。 そして、その版図はアレクラスト大陸を超えて西のケイオスランドにおよび、更に南方のロードス島、果てはクリスタニア大陸にまで侵略の手を伸ばすことになる。その絶頂期から僅か50年後に、カストゥールは滅亡のときを迎える。きっかけは新たに王都となった精霊都市フリーオンから始まる。この都市は様々な精霊の力によって維持されていたが、その内の地の上位精霊ベヒモスが突如変異、他の精霊達を次々と吸収し、ついに魔精霊「アトン」へと変貌した。この魔精霊はフリーオン周辺を「無の砂漠」に変え、更に増殖を続けていった。カストゥール王国の魔術師達はこの危機に総力を結集し、魔精霊を滅ぼすために当時の魔法王の肉体を素材にファーラムの剣を作って魔精霊を滅ぼすが、その際に予想を遥かに上回る魔力が消費され膨大な魔力の供給に耐えられず「魔力の塔」が崩壊してしまう。「魔力の塔」の建設以後、魔術師は額に黒水晶を埋め込み、自身の魔力が使えなくなることを代償に「魔力の塔」から魔力を供給されていた。そのため「魔力の塔」が崩壊した時点で魔法を使える者は居なくなってしまったのである。魔術師が無力化した機に乗じて、それまで蛮族として支配されていた民の反乱が勃発。突然魔法を喪ったカストゥールの民に対抗手段はなく、極めて短期間で強大無比を誇った古代魔法王国カストゥールは滅亡する。そして蛮族と呼ばれていた民によって、サーダイン王国が建国された年を新王国暦元年として、「剣の時代」が幕を開ける。10人の創始者から始まった10系統の系統魔術(ブランチ)の使い手は、それぞれの系統を深く研究するために魔術師(メイジ)の一門(カレッジ)を作り上げた。しかし時が経つにつれてそれぞれの一門は派閥化して権力争いに明け暮れ、能力よりも血統を重んじるようになっていった。各一門の上首は門主と呼ばれる。またカストゥール王国の魔法王は世襲ではなく30年を任期として次王が各門主の中から功績あるものが選ばれるため、門主は王位継承者としての側面も持ち合わせる。各一門ではそれぞれ決まった色の長衣(ローブ)を着ることになっている。ただし魔法王は一門のローブではなく、紫紺色のローブを着る。古代王国の後期には、魔法に力により幾多の特殊な都市が作られている。アレクラスト大陸で主に流通している貨幣の単位はガメル。かつて中原に存在したモラーナ王国のガメル伯爵が大きさや純度などの規定を定め、他の諸国にも貨幣制度とともにこの基準が普及した。1ガメルは銀貨1枚に相当し、日本円にして約100円程度の価値をもつ。一般庶民の1日の生活費の最低水準が約10ガメルとされている。現実世界のユーロ貨幣のように、生産は各国で行われておりデザインも様々であるが、銀貨1枚あたりの銀の量は規格化されており、ガメルを採用している地域であれば、どの国のガメル銀貨でも問題なく使用できる。また、あまり一般的ではないが、1枚が50ガメルに相当する金貨も流通している。銅貨などの補助貨幣の存在も確認できるが、作品中の記述があまりに乏しく、どの程度の価値があるのかいまひとつはっきりしていない。貨幣の代わりに宝石や金・銀塊などが使用されることもあるが、鑑定の手間や、両替時の手数料による目減りなど不便な点が多く、あくまで貨幣による取引が主流となっている。ロードス島では金本位制による独自の貨幣が流通している。金貨の他に銀貨や銅貨なども流通している。なお、ロードス島に貨幣経済が普及した過程については、作中では特に語られていない。ケイオスランドでは貨幣経済がほとんど発達していない。古代魔法王国では、魔晶石と呼ばれる、魔力を蓄えた宝石が貨幣の代わりだったと言われている。魔晶石は古代王国の遺跡などから比較的大量に発見され、各種の魔法を唱える際に精神の疲労を肩代わりしてくれる。使い捨てで、製法は伝わっていない。時代が異なるが、クリスタニア大陸でも貨幣経済はほとんど発達しておらず、傭兵部隊「獣の牙」への報酬は主に食料の現物支給で支払われるほどである。ただし、北の「故郷の島」(ロードス島のこと)「呪われた島」(マーモ島から逃れたアシュラム一行)からの移住者たちの間では貨幣が流通している。
出典:wikipedia
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