福岡市交通局(ふくおかしこうつうきょく 英称:"Fukuoka City Transportation Bureau")は、福岡県福岡市内で公営交通事業を行う福岡市の地方公営企業の一つである。地下鉄事業のみを行い、3線区29.8kmの鉄道路線を営業している。 福岡市の地下鉄事業は正式には福岡市高速鉄道という。旅客案内上は福岡市営地下鉄ではなく福岡市地下鉄の呼称が使用される。JRの座席予約システム「マルス」では福岡市交通局は福岡市高速鉄道で登録されている。福岡市では、市内中心部のバス事業や路面電車は市営ではなく、民間会社である西日本鉄道(西鉄)による運営であった。そのため、交通局は地下鉄建設に伴い初めて(開業前は福岡市高速鉄道建設局として)発足した組織である。当初は路面電車(西鉄福岡市内線)の廃止で余剰になった西鉄の従業員を交通局が採用していたが、その全員が定年退職を迎え、現在の正規職員は一部の技術系職員を除けばほぼ全員が福岡市直接採用職員である。地下鉄開業後、西鉄バスは地下鉄が所要時間で圧倒的優位を持つ福岡市中心部と福岡空港を結ぶ空港連絡バス路線を廃止したのをはじめ、並行路線の整理・廃止・減便などを行う一方、地下鉄沿線の郊外部と市中心部を福岡都市高速を経由して結び所要時間で地下鉄に真正面から対抗するバス路線も新設しており、互いに激しい競争を繰り広げている。福岡市には市営の交通事業として福岡市営渡船も存在するが、こちらは港湾局(総務部客船事務所)の管轄であり、交通局と直接の関係はない。福岡市の地下鉄は年間148,202千人(1日当たり406,035人)(2014年度:365日)が利用している。2004年度は約14億9600万円の黒字を確保した。黒字を確保したのは2003年度から2期連続のことであるが、七隈線が開通した2005年度以降再び赤字となっている。その後、2011年度の決算においては約7億9700万円の黒字、2012年度は約6億4900万円の黒字、2013年度は約15億4700万円の黒字、2014年度は公営企業会計制度の見直しなどによる特別損失約82億6300万円が生じたため約63億200万円の赤字決算である。なお、2012年度の運営費補助金として約26億9400万円を、2013年度の運営費補助金として約21億2300万円を、2014年度の運営費補助金として約18億2000万円を、福岡市から受けている。(単位:千人)以下の3路線で構成されている。空港線と箱崎線は狭軌、七隈線は標準軌の鉄輪式リニアである。電化方式は全路線で直流1500Vとなっている。なお、福岡市南区には路線が通っていない。空港線ではJR九州筑肥線との相互直通運転が行われている。福岡市交通局の車両は姪浜駅 - 筑前深江駅間で筑肥線に乗り入れ、JR九州の車両は空港線全線に乗り入れる。福岡市交通局・JR九州の車両ともに、地下鉄線内はすべてATOによるワンマン運転を行い、筑肥線ではJRの車掌が乗務しツーマン運転を行う。箱崎線および七隈線では他社との相互直通運転はない。箱崎線と接続する西鉄貝塚線との相互直通運転が検討されているが、未だ計画決定には至っていない。七隈線では、全体計画として天神南駅から中洲川端駅を経て築港方面を結ぶ計画と、渡辺通1丁目付近(薬院駅東方)で分岐して住吉通り経由で博多駅に乗り入れる計画があった。その後、天神南駅からキャナルシティ博多付近を経由して博多駅に乗り入れる計画も検討された。このうち3番目の計画が採用され、天神南駅から博多駅までの区間の鉄道事業許可が取得されており、2020年度に開通する予定となっている。2009年9月19日の西日本新聞記事によると、福岡市の試算だと薬院駅から博多駅に向かうルートや中洲川端駅経由でベイサイドプレイス博多埠頭方面(築港方面)に向かうルートと比較して、キャナルシティ博多経由は開業6年で黒字化できるとされている。また空港線でも、福岡空港駅から東平尾公園方面への延伸構想がある。ほかにアイランドシティへの鉄道路線整備構想があるが、事実上凍結されている。福岡市営地下鉄各線では、各駅の駅名や駅周辺の観光地、名物、自然にちなんだシンボルマークが制定されている。例えば天神駅のシンボルマークは、地名の由来となった「天神様」にちなみ、菅原道真が愛した梅の花をモチーフにし、天神南駅では通りゃんせをする子供を描いている。これらは福岡市出身のグラフィックデザイナー、西島伊三雄がデザインしたものである。七隈線各駅のシンボルマークについては伊三雄が2001年に死去したため、それ以前に描かれていた原案を元に、息子で同じくグラフィックデザイナーの西島雅幸が完成させた。2011年3月までに駅ナンバリングの導入が完了し、従来のシンボルマークと併用されている。福岡市営地下鉄は当初シンボルマークがあるため、ナンバリングは不要としていたが、ナンバリングをしている国が多く、外国人にはナンバリングがないと分かり辛いという面があり、国際化により外国人にも分かり易くという流れによりナンバリングを使用することになった。乗客がプラットホームから線路へ転落する、あるいは飛び降りるのを防ぐため、ホームドア(防護柵)を地下鉄全駅に設置している(三菱電機製。空港線は2004年、箱崎線は2005年末に全駅設置完了、七隈線は2005年の開業時から全駅設置)。地下鉄車両が駅に来ると、車両扉とホームドアが開閉し、乗客は乗降ができる。ホームドアは、ATOを搭載している福岡市交通局の車両とJR九州の303系、305系は車両扉と連動して開閉するが、JR九州103系1500番台は車掌のボタン操作により開閉する(ボタンは防護柵線路側の乗務員室付近に設置されている)。空港線・箱崎線用の車両はJR筑肥線直通にも用いられる。福岡市交通局では運賃を「料金」と呼んでいる。大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定。福岡市高速鉄道連絡運輸規程に基づき、九州旅客鉄道(JR九州)及び西日本鉄道(西鉄)の間で以下の連絡運輸(相互連絡運輸)が設定されている。また、JRとは片道・往復・連続乗車券、JR線の乗車区間が100km以内定期券・団体券において、以下の通過連絡運輸が設定されている。西鉄との通過連絡運輸(天神大牟田線 - 地下鉄 - 貝塚線など)は設定されていない。2009年3月7日よりICカード乗車券「はやかけん」を導入している。九州旅客鉄道(JR九州)のICカード「SUGOCA」のほか、西日本鉄道のICカード「nimoca」および、東日本旅客鉄道(JR東日本)のICカード「Suica」とも互換性を持たせる方向で、2008年2月「九州IC乗車券・電子マネー相互利用に関する協議会」を発足させ、2010年3月13日に相互利用を開始した。他には全日空 (ANA) と提携し、2009年12月16日より「ANAはやかけん」を発行している。2013年3月23日にはIC乗車カード全国相互利用開始により、北海道旅客鉄道(JR北海道)のKitaca、首都圏私鉄などのPASMO、中京圏私鉄などのmanaca、東海旅客鉄道(JR東海)のTOICA、西日本旅客鉄道(JR西日本)のICOCA、関西私鉄などのPiTaPaとも相互利用が開始された。ICカードに統一という理由で、「よかネットカード」、1回乗車毎20円引きの「ワイワイカード」および、高割引「えふカード」が順次廃止された。みまもりタッチは、福岡市交通局が2010年7月27日より提供中の、ICカード乗車券「はやかけん」を利用して、通学児童の所在確認を提供するサービス。FeliCaポケットの領域を利用し、端末とシステムは日本信号社製。類似のサービスにあんしんグーパスがあるが、システムが異なる。事前に登録が必要。各駅のICカード対応改札機および公共施設77ヶ所(2010年10月現在)に設置された読み取り機に、児童がICカード乗車券をかざすと、親権者にメールで連絡が行く。当面は無料で利用できる。
出典:wikipedia
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