新幹線500系電車(しんかんせん500けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が保有する新幹線電車である。JR西日本は、自社の路線である山陽新幹線の航空機に対する競争力強化の一環として、より一層の高速化を目指して「500系」を開発した。車体強度・台車強度・力行性能などすべて320km/h対応として設計・計画され、1996年1月から1998年12月にかけ、16両編成9本合計144両が製造された。当初は山陽新幹線区間限定で「のぞみ」運用を中心として運転を開始し、その後東海道新幹線での営業運転を開始し、後続系列である700系の最高速度が285km/hと低く抑えられたこともあり、「のぞみ」の中でも特に速達性を重視した運用に長く充当された。1996年1月に1編成、1997年7月から1998年12月にかけて8編成の全9編成・144両が川崎重工業車両カンパニー(旧1 - 6号車)・近畿車輛(旧7・8号車)・日立製作所笠戸事業所(旧9・10・13 - 16号車)・日本車輌製造(旧11・12号車)の各社が製造した。新製時はすべて16両で組成され、編成記号はW。3次に分けて製造された(W1:第1次車(量産先行車)、W2 - W6:第2次車、W7 - W9:第3次車)。1997年3月22日のダイヤ改正で営業運転を開始し、山陽新幹線区間での営業最高速度は300km/hを実現した。当初新大阪駅 - 博多駅間の「のぞみ」に投入され、最短2時間17分となった。高速化に伴う騒音、特にトンネル微気圧波対策のために、非常に長い前頭部形状と円形(回転放物面体)に近い断面型を持ち、歴代の新幹線車両のうちでも特異な部類に入る。これにより、運転台直後の乗降ドアがないことをはじめ、車両と客用扉の配置や車両ごとの定員が異なるなど他系列と共通使用できないという運用上の問題や、騒音対策として客室断面積を小さくしたため内壁が大きく内側に傾いており窓側座席の居住性に問題があった。また、軽量化と高強度化を両立すべくアルミニウム合金の銀ロウ付けによるハニカム構造を車体に採用するため、製造費が高価であった。徹底して高速性能を追求したために、製造コストや居住性の問題、特に東海道新幹線内での他系列との定員の違い、車両性能を持て余すなどの点が問題となった。2007年に最高速度300km/hの高速性能と居住性の両立を目指した後継車両として、東海旅客鉄道(JR東海)・JR西日本の両社が共同開発したN700系が営業運転を開始し、同系の増備により所要数が充足されたことから、500系は2010年2月28日に定期「のぞみ」運用から離脱した。これに伴い余剰となった全9編成のうち、量産先行車のW1編成を除く8編成(W2 - W9編成)については2008年から2010年にかけて8両のV編成に改造短縮され、山陽新幹線の「こだま」に転用され(8両短縮V編成を参照)、2010年2月限りで「のぞみ」および東海道新幹線での運用から撤退した。東海道新幹線内で「のぞみ」の停車しない駅(小田原駅・熱海駅など)にも非常時対応などのために、Wと表記された500系の停車位置目標が設置されていた。第41回(1998年)鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。1996年には通商産業省(現・経済産業省)のグッドデザイン商品選定(現在の財団法人日本産業デザイン振興会・グッドデザイン賞)の商品デザイン部門での選定を受けた。本系列のデザインは鉄道のみならず多くの工業製品などのデザインを手がけるドイツのアレクサンダー・ノイマイスター社によって行われ、それまでの車両と比べると高速性に主眼を置いたデザインとなっている。(同社は福岡市交通局3000系電車や、ドイツ鉄道 (DB) のICE3のデザインも手がけている。)内装のデザインについては、前述の構造上の制約から来る車内空間やシートピッチの減少を和らげるべく配慮されており、カラースキームや照明についても利用客の視覚に優しいものとなっている。なお、design()という語には元来機構の設計といった意味も含まれているが、日本語の「デザイン」ではもっぱら表面形状や彩色、インテリアやエクステリアなどのみについてを指していることが多いこと(なお、こちらを特に区別する語としては「スタイル」がある)、といった背景がある。高速時のトンネル微気圧波問題のため、先頭車両は全長 (27m) の半分以上の15mにわたり断面を徐々に窄めており、尖ったジェット戦闘機のような外観である。この15mという長さは、320km/h営業運転を前提にして、航空宇宙技術研究所のCFDで解析を行っている。空力上の問題を解決した形状であるものの、先頭車の客席減少や運転席からの視野も限られるなど、マイナス面もある。また、同じく300km/h超での微気圧波対策として、車体高を300系と同等まで維持しつつ車体断面積を縮小するため、客室自体に影響の少ない部分(車体の裾や荷棚部分)を削り、300系比1割減の10.2m²まで縮小した。そのため、車体断面も他の車両と一線を画す円形である。運転室のガラスは各種の航空機や電車にガラスを納入している Saint-Goban-Sully(本社フランス)社の製品を用いている(700系の前面ガラスも同社の製品)。車体(天井)の傾斜により、乗務員室から1・2列目の座席は棚の空間が狭くなるため、座席配置を2-2(C席なし)とし、専用の荷物置きを設置することで対処している。高剛性を保ちつつ軽量化し、車両の防音性能を向上させるため、厚さ30mmのろう付けしたアルミハニカムパネルを側構体と気密床に使用したアルミハニカムパネル構造を採用している。これは、六角形のハニカムコアを2枚のアルミ合金で挟み、ろう付けしてパネルにしたものを組上げて車体を製造する方式で、これにより、1両あたりの車体構体重量は300系より0.6tの軽量化を実現しており、その他にも、制振材付きアルミ押出形材、吸音材、遮蔽板を使用して、従来と比べて1割以上の騒音低減を実現している。しかし、この構造は製造時において使用される炉の関係で大型パネルを製作することができず、結果的には、車体の製造コストが大幅に上昇したため、次に登場した700系はアルミ中空大型押出形材による中空構造の大型アルミパネルを使用して、支柱や垂木を不要とし、製造コストを低減させたアルミダブルスキン構造を採用したため、500系のみの構造となっている。床下機器は、ユニット化されたものを床面から吊り下げ、車体下側の気流に配慮して、ボディの形状に合わせた点検ふたを兼ねたカバーで車体下半分を覆う構造とした新ボディマウント構造を採用しており、床下機器の配置もそれに応じてパターン化され、メンテナンスが必要な機器を山側に揃えて、メンテナンス性を向上させている。また車体断面も円形に近く、それに伴い側窓も曲面ガラスを用いる。このため、車体とホームに若干の隙間が生じてしまったため、W2編成製造以降に隙間を埋めるための小さなフィンが取り付けられた。これはW1編成でテストを行って騒音値について調べてから装着された。車体側面の段差をなくし、空気抵抗や騒音を低減するため、旅客乗降用ドアは閉じた時に車体側面との段差を生じないプラグドアを採用し、客室窓のガラス外側にポリカーボネートを張ることで段差を小さくしている。出入口付近に設置してある行先表示器は100系V編成に引き続き3色LED式を採用。新たに自由/指定席表示部分もLED式に変更された。行先表示器に関しては、上部に列車名と行先を表示しながら下部での停車駅のスクロール表示などを可能にした。2004年に東海道新幹線区間へのデジタルATC導入に備えて、全編成にデジタルATC対応の車上設備が増設されたが外観上の変化はない。製作費は1両当たり約3億円、1編成46億円と700系よりも10億円弱余分にコストが掛かったことや、当時「のぞみ」運用の受け持ちの関係(9編成そろった後の東海道・山陽新幹線大型ダイヤ改正である1999年3月13日時点では東京駅 - 博多駅の定期「のぞみ」運用は14往復、それをJR東海の300系・700系と折半して7往復ずつ担当、加えて新大阪駅 - 博多駅間を1往復を運用できる数が予備編成を含めて9編成)があったため、9本が製造された。ライトグレーを基調に、窓部分にブルーとダークグレーの帯を配し、ノーズ上部から天井部分にかけてはグレイッシュブルーで塗装された。この塗装は、一部色を変更のうえで山陽新幹線区間限定列車となる「ひかりレールスター」(ライトグレー地に、窓部分がダークグレーとサニーイエローの帯)や「こだま」(ライトグレー地に、窓部分がダークグレーとフレッシュグリーンの帯)にも踏襲された。先頭車両の運転席両脇には、“JR500 WEST JAPAN”の文字が施されている。なお、W1編成落成時には施されていなかった。旧8 - 10号車はグリーン車、ほかは普通車で、基本的な座席配置・サービスは300系と同じである。普通車は、瀬戸内海をイメージしたバイオレットでまとめられている。奇数号車の座席にはローズ系の、偶数号車にはブルー系のモケットが使用されている。座席背面にテーブルが設置されている。グリーン車は、グレイッシュベージュでまとめられている。肘掛け部分にテーブルが内蔵され、取り出して使用することができる。照明は半間接照明が採用された。旧3号車博多寄り、旧7号車の東京寄り、旧11号車の博多寄り、旧15号車博多寄りには車販準備室が設けられた。そのうち旧7・11号車には車販準備室を兼ねたサービスコーナーを設置していたが、2003年10月のダイヤ改正時に廃止され、車販準備室のみになった。前述のとおり高速化を追求した円筒形状の車体断面であることから、特に窓際の席の居住空間がやや狭くなっている。反面、インテリアカラー、グリーン車の座席、側窓吹寄せ部の処理などに居住性改善のための工夫が伺える。この形式から車内の電光掲示板の駅名の表示が上から降りてくる形式になっている。これは700系のJR西日本編成(JR東海から移籍した編成を除く)とN700系の8両編成(JR九州所属の編成を含む)でも行われている。旧偶数号車の博多寄りにはデッキと独立した電話室が設置された。吸音化粧板を使用し、騒音の低減を図っている。携帯電話の普及に伴って一部号車のものは撤去され、最終的に旧2・6・12・16号車まで削減された。奇数号車にある洗面台と洗面台の間には冷水器と紙コップが設けられていたが、700系には当初から設けられていなかったこともあり、700系デビュー以降は300系とともに冷水器は使用停止となり、冷水器の箇所は板で塞がれた。ロングノーズのため運転席を大きく後ろに下げる必要があり、先頭車の乗車定員が300系より12名減少する。このため、JR東海から設計段階で300系の定員(1,323人)を下回らないことが強く要請された。その対策として運転席寄りの客用扉を廃止したり、普通車座席の前後間隔(シートピッチ)を詰めたり(1,040mm → 1,020mm)、洗面所を2箇所から1箇所に減らすことによって300系と同等以上の総座席数(300系より1名多い1,324名)を確保したものの、車両ごとの座席数が300系と異なりダイヤでも他車種と区別する必要が生じたため、ダイヤが乱れた時の運用変更にも問題が生じることになった。さらに2003年10月のダイヤ改正で「のぞみ」の1 - 3号車が自由席となったが、先頭車に客用扉が1箇所しかないため乗降に時間がかかってダイヤの乱れにつながる要因にもなっていた。ブレーキハンドルは、従来の新幹線車両の縦軸・水平回転式と異なり、マスコンハンドルと同じく横軸・前後回転式である。前後回転式のブレーキハンドルを採用しているのは、国内の新幹線車両では500系が唯一である。また、700系の派生形式である台湾高速鉄道700T型も同様のハンドルが採用されている。また、側窓は天井部分にまで及ぶ曲面となっているため、遮光幕は従来のロールアップ式ではなくアコーディオンカーテンとなっている。初代新幹線である0系以来となる、16両全車に主電動機が1両あたり4基ずつ搭載される全電動車方式を採用している。高速走行によって増大する走行抵抗に対応するため、64基の電動機による出力は300系の約1.5倍である18,240kW(約2万5千馬力)(W2編成以降は17,600kW)にも上り、地上を走行する旅客輸送機関として史上空前の動力を備えている。また、M-M1-Mp-M2の4両を1単位として主変圧器(Mp車に搭載)や主変換装置(M1・M2車に搭載)といった主要機器を各車に集約分散搭載するユニット方式を採用、前述した車体軽量化の努力と合わせて、編成重量も後継となるN700系と同等な700tに抑えられ、車輪駆動方式鉄道車両としては世界最高(最小)の重量出力比を実現している。また、乗客定員1人あたり車体重量も約520kgと、より軽量である。発車から4分程度で300km/hに達することが可能な加速力があり、また曲線や駅通過時の減速から素早く加速することによって、他国に比べて線路条件の厳しい山陽新幹線で世界記録となる表定速度を実現した。320km/hでの運転でも環境面での条件を十分にクリアしていた。しかし、W1編成が完成する前に起きた兵庫県南部地震後に非常制動距離の厳守が必須になったことや、総合的な費用対効果の検討から若干の余裕を見て300km/hとなった。架線からの単相交流25kVを主変圧器で降圧した上で、主変換装置で直流に整流、その後三相交流に変換して主電動機を制御するVVVFインバータ制御方式である。主変圧器 (WTM205) は強制風冷式を採用し、5,400kVAの容量を備える。主変換装置 (WPC5) は500系900番台のシステムを踏襲し、GTOサイリスタ素子を使用した、PWMコンバータ2基+VVVFインバータ1基で構成されており、制御方式を3レベル制御にすることにより、電圧・電流波形が交流の正弦波により近い形となり、電流波形がひずむことにより発生するひずみ成分(高調波)の抑制を図っている。M1・M2車に2基ずつ搭載され、各装置が1両分4基の主電動機を制御する1C4M方式である。機器の軽量化を図ることを目的に、主変換装置1台で8基の主電動機を制御する1C8M制御方式も検討されていた。しかし、半導体技術の進歩によるGTO素子の大容量化がなされ、それによってコンバータ・インバータ間の直流電圧を上げることが可能になり、インバータの軽量化を実現した。そのため、1C8M制御方式は採用されなかった。補機類の電源は主変圧器の3次巻線(単相交流440V 60Hz)である。空気圧縮機、空調装置などはこれを電源とするが、ATC、列車無線、補助空気圧縮機などが利用する電源は定電圧装置、補助変圧器、整流装置などを介して交流100V、直流100Vが供給される。空調機器 (WAU601) は、効きの悪さを指摘された300系から改善するため、室外機を床下に2台、室内機を天井部分に8台搭載した、マルチエバポレーター・セパレート方式を採用した室内機から客室へのダクトを短くすることで空調の効きの悪さを改善した。WMT204形かご形三相誘導電動機を1両あたり4基搭載する。W1編成は連続定格出力285kWであったが、W2編成以降は走行抵抗の予想以上の低下により連続定格出力は275kWとなっている。軽量化のため、フレームレス構造、アルミブラット構造を採用した。また、軸受けの電蝕防止のために、セラミック絶縁軸受けを使用している。300系に続き主電動機を発電機として用いることでブレーキ力を確保する回生ブレーキを主体としつつ、従来どおりの空気圧動作のディスクブレーキも併用する回生ブレーキ付き電気指令式ブレーキを搭載する。なおディスクブレーキについては、W1編成による試運転の結果を反映して、セラミック噴射装置を1・8・9・16号車に搭載している。これにより、悪天候時に300km/hで走行している状態からブレーキを掛けても、270km/h走行時の300系と同等の制動距離で停止できる性能を確保している。台車は直進安定性に優れた走行特性を示す軸梁式の軸箱支持機構を備えたボルスタレス台車である、WDT205を装着する。駆動方式は300系以前と同様、信頼性の高いWNドライブを採用する。乗り心地の改善を図り、軸箱剛性のアップ、空気バネ左右間隔の拡大、非線形バネの採用、ヨーダンパー減衰係数の変更などを行ってあるが、先頭車両運転台寄りの台車は、先頭形状との兼ね合いで、他の台車に比べて空気バネ間隔が250mm縮小されている。メンテナンスフリー化を図るため、軸受けには密封グリス潤滑円錐ころ軸受を採用している。両先頭車両とパンタグラフ搭載車両、それにグリーン車の各台車には車体に働く左右方向の振動加速度を抑えるセミアクティブサスペンションが搭載されている。先行量産車のW1編成に関しては、比較検討を行う目的から車両動揺の大きい1・16号車にフルアクティブサスペンション、5・8・9・10・13号車セミアクティブサスペンションが搭載されていたが、営業運転開始を前に全車セミアクティブサスペンションに換装されている。車輪径、軸距は300系と同じく860mm、2,500mmである。編成中の2か所(W編成の5・13号車)に設置された集電装置 (WPS204) も騒音低減のため、伝統的な菱形の構造を廃し、公式には「翼型パンタグラフ」と呼ぶ、断面が楕円形の支柱上部に翼型の舟体を設けた構造(T字型)とした。これにはF1で蓄積された空力技術や、音もなく滑空するフクロウの羽根を参考にした騒音低減のためのボルテックスジェネレータも使われている。ホーン部分に5mmの穴を開けることによって、エオルス音と呼ばれるカルマン渦が引き起こす空力音を低減する。これに用いられているダンパーは、F1用ショックアブソーバーの製作で300km/h以上でのデータとノウハウを数多く持つ、ショーワに依頼された。集電装置からの騒音を低減させた結果、300系で採用されていたパンタグラフ下部まで覆う大型のパンタグラフカバーではなく、碍子のみを覆う小型の碍子カバーが採用された。ほかの新幹線車両のパンタグラフは金属ばね上昇式であるが、翼型パンタグラフでは空気上昇式を採用している。このため、長時間の停電などにより車両の圧縮空気が減圧した場合には、パンタグラフが自然降下し、保護接地スイッチ (EGS) による架線地絡ができなくなってしまう。そのため、EGS用にバネ上昇式の予備シングルアームパンタグラフを碍子カバー内に設けている。また、東海道・山陽新幹線を走行する車両のうち、0系から300系までは静電アンテナが運転席直上(700系・N700系は先頭車連結面寄り)にあったが、500系では碍子カバー内に設置され、目視確認できなくなった。落成時のW1編成は9号車516形東京寄りにも集電装置を搭載していたが、試験・予備用としての扱いであったため、後に撤去された。W2編成以降には新製時から搭載されていない。本系列に属する各形式名とその車種は以下の通り。奇数形式と偶数形式2両ずつ、計4両の電動車 M+M1+Mp+M2 で1ユニットを構成する。車両の製作・整備費の低減と軸重の分散化を図るため300系より1ユニットあたりの両数が増えている。2007年にN700系が営業運転を開始と同系の増備により、500系は2010年2月に定期列車の「のぞみ」の運用から離脱し、余剰となった9編成のうち、量産先行車のW1編成を除く8編成(W2 - W9編成)については、2008年から2010年にかけて8両編成の7000番台(V編成)への改造が行われた。このため、V1編成は欠番となっている。2007年10月20日付の各社報道で、500系を16両から8両に減車(余剰となる中間車は廃車)するとされたが、2007年12月のJR西日本定例社長会見で5編成を順次8両化し、2008年12月以降は山陽新幹線内の「こだま」として運用すると正式発表された。このうち、W3編成が最初に営業運転から離脱し8両化改造工事を受けたのちV3編成を名乗り、2008年3月28日(改造日も同日付)に博多総合車両所で報道公開された。その後、V2, V4 - V9編成も改造工事を終え、試運転を経て営業運転に充当された。V編成は全車普通車で、4 - 6号車(このうち6号車は元グリーン車516形改造の526形7200番台)は2列+2列の指定席、そのほかの車両は3列+2列の自由席である。V編成を組成する車両はW編成の号車番号によるところの、博多方から1・2・3・4・13・10・11・16号車に当たる。車両番号は元番号+7000(6号車の526形7200番台は元番号+7200)とされた。カラーリングはW編成時代から変更されていない。なお、組成から外れた車両は廃車となった。なお、最高運転速度は285km/hとされている。8両編成化に伴い、パンタグラフの変更だけでなく、車体形状によりパンタグラフのカバー側壁の設置がなされなかったことや、短い編成中に重量機器が集中し300km/h運転が環境基準の面で不可能とされたことも最高285km/hに落とされた理由とされている。V編成は2008年12月1日から運用が開始されたが、このときは主に0系と入れ替わる形になっていた。2009年3月14日改正からは、通勤・通学や帰宅時間帯の朝晩に重点的に運用が組まれた。これは、ほかの「こだま」用車両よりも定員が多いためである。16両編成から8両編成に改造されたときの主な内容は以下の通り。このほか、2009年9月19日から8号車の新大阪寄りに、一部座席(12・13番ABDE席)を撤去のうえ、子ども用の擬似運転台が設置された。ハンドルやスイッチを設置しており、これらを操作することで速度計やATC信号などが対応して点灯する仕組みとなっている。まず、V6編成に擬似運転台が設置された。さらに、2013年10月から12月にかけて、6号車及び700系E編成とのサービス格差を解消するため、従来より多客期などに指定席に変更されることがあった4・5号車を1列4席に改造した。座席も700系E編成の指定席車と同等のもの(座席は新製)に交換し、6号車との格差はシートピッチ(6号車は1,160mm、4・5号車は1,040mm)を除いて解消した。また仕切り扉位置の変更はないことから、車端部では山側に1人席も誕生した。同年12月19日をもって全編成の改造が完了し、同日より5号車が通年指定席となった。2014年3月15日のダイヤ改正以降では、4 - 6号車が指定席となっている。山陽新幹線区間の「こだま」として使用されるV編成組成時に、以下の各形式について改造による番台区分が発生している。上記8編成のうち、V2編成については2014年から一部の車両を改造を受けて特別な編成として運用されている。山陽新幹線区間における「こだま」に充当される。2012年3月のダイヤ改正では500系での定期「ひかり」運用が初めて設定されたことで話題となった。その後、2013年3月のダイヤ改正で500系の定期「ひかり」運用は消滅している。1996年1月31日に落成した先行量産車であるW1編成は、同年2月から1年間に及ぶ性能試験及び長期耐久試験を開始した。320km/hまでの車両性能及び営業運転速度(300km/h)における地上設備との整合性に関わる試験を含んだ長期耐久走行(走行キロは約42.5万km)を行い、営業運転を行うにあたり問題のないことを確認した。約1年に及ぶ試運転の後、1997年3月22日から山陽新幹線区間で、同年11月29日からは東海道新幹線でも運転を開始した。山陽新幹線で新大阪駅 - 博多駅間で定期1往復と臨時1往復で営業運転開始。途中、岡山駅・広島駅・小倉駅に停車し、所要時間は山陽新幹線区間最短の2時間17分である。W2編成以降の増備にともない、1往復の臨時列車が夏季に運行された。W2 - W4編成の増備により、東海道新幹線東京駅までの乗り入れ(東京駅 - 博多駅間3往復と新大阪駅 - 博多駅間1往復の定期「のぞみ」)を開始した。同時に東京第二車両所での夜間滞泊も開始された。「のぞみ」1・13・18号は東京駅 - 博多駅間を最速(2009年現在)の4時間49分で走破した。W5・W6編成増備に伴い、300系で運転されていたのぞみ2往復を500系に置き換えて、東京駅 - 博多駅間5往復に増加。「のぞみ」1・13・14・18・21・30号」は東京駅 - 博多駅間を最速(2009年現在)の4時間49分で走破した。さらに3編成(3次車:W7 - W9編成)増備に伴い、300系で運転されていたのぞみ2往復を500系に置き換えて、東京駅 - 博多駅間7往復に増加。「のぞみ」1・10・13・14・18・21・30号は東京駅 - 博多駅間を最速(2009年現在)の4時間49分で走破した。東京駅 - 博多駅間の「のぞみ」は700系と2時間おきの運転となった。さらに、2000年10月1日改正によって、全列車が新横浜駅に停車することとなり、「のぞみ」13・17・21号の東京駅発車時刻が56分から52分に、「のぞみ」10・14・18号の東京駅到着時刻が24分から28分に変更された。東海道直通「のぞみ」がすべて新神戸駅に停車するようになり、東京駅 - 博多駅間の最短所要時間は4時間53分となった。品川駅の開業に伴って、東海道直通「のぞみ」のうち1号以外が停車するようになった。また、500・501号を除き、徳山駅もしくは新山口駅のどちらかに停車するようになった。2005年に発生したJR福知山線脱線事故に伴い、ダイヤの余裕時分が見直され、山陽新幹線区間は最短で2時間23分で運転されるようになった。また、新山口駅に停車する500系「のぞみ」は2・49号のみになった。N700系の営業運転が開始されたことに伴い、従来500系で運用されていた「のぞみ」3本がN700系となったが、従来700系で運用されていた「のぞみ」3本が500系に変更された。その結果、500系の運用本数に変化はなかったが、運転間隔が2時間毎ではなくなった。また700系から500系に変更になった列車でも、運行ダイヤは700系が運用されていた改正前と同じであった。そのため、所要時間が4時間台の500系のぞみ(従来ののぞみ1号)はなくなった。その後、N700系が増備されるにつれて2007年10月から段階的に置き換えられた。(※)は、後にN700系に置き換えられた列車。東京駅 - 博多駅間2往復のみとなった。ただし、ダイヤ改正の前日となった2009年3月13日は、車両運用の関係上「のぞみ」50号はN700系が代走した。この時期、不定期運用として、通常300系が充当されている「こだま」2本や、多客期の臨時「のぞみ」や「ひかりレールスター」の代走となる臨時「ひかり」に充当されている。2008年11月30日、0系の最後の定期運用となる「こだま」659号に続行する臨時列車として、「こだま」697号(W8編成を使用)を岡山駅 - 博多駅間で運転した。同列車は、急遽運転を決定したもので、普通車は全車両自由席、グリーン車は当日車内販売というものであった。この列車の送り込みのため、博多駅 - 岡山駅間に回送列車が運転された。2008年12月1日からは、短編成化改造を済ませたV編成が0系に代わり山陽新幹線内の「こだま」での定期運用(こだま628号・V4編成)を開始し、博多南線への運用も始まった。一部の「こだま」は1日ではなく、翌2日から500系での運転となった。500系「こだま」運用が開始されたことにより、定期列車同士で500系「のぞみ」が500系「こだま」を追い越すシーンを、徳山駅と新山口駅で見ることができた。また、臨時500系「のぞみ」が運転された場合、姫路駅でも見ることができた。★印の列車は12月1日は100系K編成で、12月2日以降は500系で運転。W編成(16両)は定期運用では、東京駅 - 博多駅間2往復(2009年11月10日以降は1往復)の「のぞみ」や、繁忙期の臨時の「のぞみ」があったが、2010年2月28日の「のぞみ」29号をもって定期運用を終了し、2010年3月1日からN700系に置き換えられた。該当列車の博多到着時には、さよなら式典が開催された。2010年1月時点では、W編成はW1・W8の2本が営業運転に使用されていた。ダイヤ改正前まで行われていた東京交番検査車両所での夜間滞泊の運用がなくなり、定期列車に関しては東京駅で直接折り返す運用となった。V編成(8両)は、定期列車7往復のほか、臨時に100系K編成(6両)の運用を置き換えることがある。定期列車同士で500系「のぞみ」が500系「こだま」を追い越すことはないが、東広島駅では500系「のぞみ」が運用変更となった500系「こだま」を、新尾道駅と姫路駅では臨時の500系「のぞみ」が500系運用の「こだま」を追い越すシーンが見られることがあった。W編成(16両)は定期運用は設定されていない。V編成(8両)は、定期列車7往復のほか、2010年5月以降に100系P編成(4両)の運用を置き換えた。山陽新幹線区間の修学旅行や団体専用の「集約輸送臨時列車」に運用されることもあった。営業最高速度は、山陽新幹線区間(姫路駅以西)における300km/hで、2001年までフランス国鉄 (SNCF) のTGVと並び鉄車輪・鉄軌道方式の鉄道車両では世界最速であった。平坦均衡速度は365 km/hである。また、運転開始時の表定速度(始発から終点までの平均速度)242.5km/hと2停車駅間の平均速度261.8km/hはTGVを上回る世界最速であり、1997年のギネス世界記録に掲載された。また、300km/h走行時には車内案内表示器に「ただいまの速度は300km/hです。」の表示が流れる。営業運転開始当初の一時期は運転士による300km/h実況アナウンスも行われていた。2007年7月以降はN700系も最高速度300km/hで運転しているが、山陽新幹線区間の速度種別においては、500系がU49(算出349km/h)であるのに対しN700系はU43(算出343km/h)であり、日本最速の営業運転用車両の座を譲ってはいない。2010年2月現在の最短所要時間は、東京駅 - 新大阪駅間で2時間36分、新大阪駅 - 博多駅間で2時間35分(福山駅・新山口駅にも停車)である。1997年の営業運転開始時の新大阪駅 - 博多駅間の所要時間は2時間17分(岡山駅・広島駅・小倉駅停車)であったが、2003年10月1日のダイヤ改正で全列車が新神戸駅に停車し、2時間21分に延びた。その後JR福知山線脱線事故の影響によるダイヤの見直しで2006年3月18日のダイヤ改正で2分の余裕時分を持たせ、これが現行の所要時間である。N700系の営業運転開始により、500系は東京駅 - 博多駅間を4時間台で運転する列車(当時の「のぞみ」1号)には充当されていない。なおN700系はデビュー以来長らく東京駅 - 博多駅間最速列車の所要時間は4時間50分で、500系のかつての最短所要時間4時間49分より1分遅かったが、2015年3月14日以降はのぞみ64号が所要時間4時間47分運転となり500系より2分早くなった。"世界の高速鉄道について詳細は高速鉄道を参照。"日本国内では、JR東日本が東北新幹線新青森駅延伸をにらんで405km/h(営業最高速度360km/h)の営業試作車E954形「FASTECH(ファステック)360 S」・E955形「FASTECH(ファステック)360 Z」を開発し長期試験に供したあと、そのE954形・E955形をベースに最高320km/h(投入当初は300km/h)対応の新型車両「E5系」・「E6系」を開発し、2011年3月5日より営業運転を開始した。一方、JR東海とJR西日本ではN700系を2004年5月に共同開発し、2005年より試験走行を開始、2007年より山陽新幹線区間で最高300km/hにて営業運転を開始した。その後N700系は2011年後半の実現を目指し東海道新幹線の一部区間で最高速度を270km/hから330km/hに引き上げることを検討しているという報道が出たが、2015年3月のダイヤ改正で一部の列車が最高285km/hに引き上げられたに留まっている。
出典:wikipedia
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