準特急(じゅんとっきゅう)とは、日本の私鉄における列車種別の一つである。本稿では準特急に近似する種別についても同類の種別として扱う。2015年現在、日本の鉄道事業者では京王電鉄でのみ運転されている。かつては近畿日本鉄道や小田急電鉄でも準特急という列車が運転されていた。特急より停車駅を多く設定した停車駅の違いによるものと通常の特急形車両よりランクが劣る車両を使用したものがある。同等の列車として「快速急行」という表記をする鉄道会社が大半であるため、「準特急」という種別が使用される例は少ない。京王電鉄ではおもに、新宿駅 - 高尾山口駅間を運行していた急行(平日夕方は通勤快速)を速達化する目的で、2001年3月27日に登場した。略称は準特。英語表記は正式にはSemi Special Expressであるが、スペースの関係上駅電光掲示板ではSemi S.Exp. 、LED式の車両行き先表示器ではS.S.Exp.である。方向幕に関しては、Semi S.Expressとされている。また7000系、8000系の正面フルカラーLED改造を受けた車と9000系の正面に関しては、方向幕と同じである。但し、側面においてはS.S.Exp.のまま変わりない。設定当初は当時の特急停車駅に加え分倍河原駅・北野駅に停車する種別として設定された。また、新宿駅 - 府中駅間は特急と、府中駅 - 高尾山口駅・京王八王子駅間は急行と停車駅が同じであり、府中以西は列車運行システム上は急行扱いとなる(2013年2月22日以降の特急についても同様)。2006年9月1日以降は平日夕方・土休日には特急を置き換える形で京王八王子駅行き電車が設定され、土休日のみ北野で種別変更を行い高尾線内は各駅停車として運行する列車も設定されていた。2011年7月のダイヤ改定で節電ダイヤでは全ての特急が準特急となり、特急が休止となるが、2011年9月のダイヤ改定では土休日の早朝に新宿駅 - 高尾山口駅間の特急が1往復のみ復活したものの2012年8月のダイヤ改定で同列車は準特急となり、特急が再び休止種別となったため、事実上の最上位種別になっていた。2013年2月22日のダイヤ改定で高尾線の京王片倉駅・山田駅・狭間駅が停車駅に加わり、高尾線内においては下位種別である急行と停車駅で逆転現象が生じ、システム上も高尾線内では「普通列車」となる。同時に運転が再開された特急は分倍河原駅と北野駅が停車駅に加わり、京王線内の特急と準特急の停車駅に差がなくなったため、準特急は全列車高尾山口駅発着となり京王八王子駅発着の準特急は特急に統合され消滅した。2015年9月25日のダイヤ改正で笹塚駅・千歳烏山駅が停車駅に加わる。再び京王線内にて特急と停車駅に差が生じることとなったため、京王八王子駅発着の列車の復活し、相模原線にも運転を開始する。平日昼と夜の京王八王子発着の特急を、平日昼と土休日の橋本発着の特急を置き換える。また、橋本発着の列車は笹塚で都営新宿線直通急行と接続をする。小田急電鉄には1953年から運行していた料金不要の座席定員列車であるサービス急行を格上げする形で1959年から1963年まで、週末に特急を補完する列車として運転されており、後に設定される近鉄や京王の事例とは異なり、停車駅の違いよりも特急用車両の絶対数不足と車内設備の格差によるものであった。新宿駅 - 小田原駅間無停車で車両もセミクロスシート車である2320形電車及び特急から格下げ改造された2300形電車が使用された。これは、ロマンスカー NSE 3100形電車が特急に導入されロマンスカー SE 3000形電車と合わせ増発可能になったことにより、廃止された。近畿日本鉄道においては、1960年に主要駅に停車駅する特急列車を設定し、こう呼んでいたが、種別統合により種別名称としては廃止され、現在の特急列車には派生種別の設定はないが、この列車を内部では「乙特急」という。また、「名阪ノンストップ特急」に代表される始発駅と終着駅との間をほとんど止まらない列車を「甲特急」といい、準特急が運行されていた時代にはこれが特急であった。準特急の近似(同格)種別(もしくは特急の下位種別)は以下のものが挙げられる。特急と急行の中間に位置づけられる種別には準特急の他に「快速急行」がある。近畿日本鉄道大阪線には、下位種別の区間快速急行が存在した。なお、東武鉄道では伊勢崎・日光線において1976年から1991年まで有料の快速急行を運行していたが、こちらは料金不要列車の最速達種別である快速と当時有料列車であった急行の中間種別であることと快速用のセミクロスシート車両である6000系・6050系をしていたため、準特急の近似種別というより急行の下位種別に相当するものでむしろ国鉄の準急に相当する種別であり、車両面でも小田急の準特急に近似していた。京阪電気鉄道本線には快速急行と特急の中間種別として「通勤快急」がある。平日朝ラッシュ時のみ運行され、快速急行との違いは守口市駅を通過する。山陽電気鉄道では、特急の下位種別として「S特急」があり、特急より停車駅を増やし、末端区間を各駅停車としているが、直通特急・特急が停車する西元町駅と舞子公園駅は通過する。他社における急行に相当する列車であるが、営業戦略上、特急の派生種別とされ、準特急に近似する。京成電鉄・東京急行電鉄東横線・阪急電鉄では通勤時間帯に通勤特急を運行しているが、特急が停車しない駅に停車することから準特急に近似する。なお、阪急京都本線の通勤特急は快速急行の停車駅に特急も停車する淡路駅を通過するものである。過去には山陽電鉄でもS特急の前身でこの種別が使われたことがある。阪神電気鉄道本線では特急の下位種別として「区間特急」があり、全列車が御影駅発梅田駅行で魚崎駅-香櫨園駅間の各駅に連続停車し、直通特急・特急が通過する今津駅、野田駅には停車するが、直通特急・特急が停車する西宮駅は通過するため、上位種別である特急と異なる駅に停車する千鳥停車を行なっており、山陽電鉄のS特急に近い運転形態をとっている。区間の付く下位種別であるが、平日の朝ラッシュ時に運行しているため、実質的には通勤特急に近い。神戸電鉄有馬線で運行している特快速は元々は特急と快速の中間種別として1995年に登場したが、1998年に特急が廃止されたため、2012年時点では最速達種別であるため、厳密な意味での準特急の近似種別ではなくなった。現在ではむしろ、国鉄・JRの特別快速に相当する。名古屋鉄道と近畿日本鉄道では有料特急列車を補完する料金不要列車の種別として「高速」を使用していた。近鉄では臨時列車で使用され、快速急行と(乙)特急の中間種別であった。小田急電鉄では国鉄御殿場線直通優等列車の種別として特別準急が使われ、後に連絡急行を使用していた。国鉄線内では準急・急行の種別が使われるが、小田急線内ではこの種別が使われ、特急と同格の種別であった。列車種別としては特急と同格であるが、使用車両に格差があったり、停車駅が特急より多く設定されているために準特急に近い形で運行している事例もある。停車駅の違いによるものでは近畿日本鉄道の特急列車は現在では前述のように案内上では特急としているが、停車駅の違いにより、甲特急と乙特急に分けられ、乙特急は甲特急より停車駅が多く設定されているため、現在でも準特急時代の停車駅を踏襲している。長野電鉄では特急列車は停車駅の違いにより、A特急とB特急に分けられ、B特急はA特急より停車駅が多く設定されているため、準特急に近い運転形態となっており、こちらも近鉄の甲特急と乙特急の関係に類似する。接客設備の格差によるものでは東武鉄道が伊勢崎・日光線で運行している特急列車である「きりふり・ゆのさと・しもつけ」は元々は急行列車として運行していたが、2006年に特急に格上げされたものの、車両面では元々急行用として登場した300・350系を使用しているため、特急用車両に比べて車内設備や最高運転速度に格差があるため、急行時代の料金を踏襲しており、実質的に準特急に近い運転形態となっている。また、東上線に運行されている「TJライナー」も有料の定員制列車ではあるが、一般の特急用車両とは違い通勤形車両をベースに一方向きクロスシートとロングシートに変換が可能な座席(デュアルシート)を備えた車両(50090系)を使用しているため、こちらの方も準特急に近似した列車といえる。日本国有鉄道(国鉄)・東日本旅客鉄道(JR東日本)が東北本線・高崎線において運行していた列車愛称に「新特急」を冠する特急列車は、使用される185系電車の車内設備が転換クロスシートで他の特急形車両と格差があり、停車駅も従来の急行列車と同等かそれ以上に多く設定されていたため、準特急に近似する。
出典:wikipedia
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