ブーツ(英語:boots)とは、靴(履物)の一種で、踝までの足やそれ以上の脚を覆うもの。漢語表現では長靴とも。一口にブーツといっても各々種類や用途やデザインや作りによって形が異なり、丈の長さによっては踝や膝や腿、尻を覆うもの、ヒールの種類、素材に違いがあり千差万別である。乗馬ブーツなど、概ねある程度の脛部分を覆う丈のブーツは近代より日本語では長靴(ちょうか、ながぐつ)とも呼ばれているが、現代では一般に「ながぐつ」と言うと雨具としての長靴(ゴム長靴、レインブーツ)を指す事が多い。多くのブーツでは、同じ素材から作られたヒールであっても、はっきりとソールのほかのパーツと区別がつく形をしている。ブーツは周囲の環境から足を守るために作られているものが多く、革やゴムなどの強靭な素材を使用し、水や泥、砂がブーツの隙間から入り込まないように設計されている。特に登山や木材の間伐や工事などの時に、破片や鋭い物体から足を保護するために設計されている頑丈な労働用ブーツもあり、一部は、パンクファッションに取り入れられている。また、スキーやスケート、スノーボード、オートバイ、水上オートバイなどのスポーツ用に特別に設計されたブーツが数多く存在する。また、ブーツを愛玩の対象とするフェティシズムも存在する(ブーツフェティシズム)。女性用のブーツはファッション性を意識して作られたものが多い。ハイヒールやピンヒールのもの、高下駄のようにソールが高いもの(厚底靴)、レースアップの編み紐やリボン、ベルトによる装飾(一部のジョッキータイプには拍車の留革を模した物等)が施されていることもある。主に乗馬ブーツには紐や取っ手がついていて、着用を容易にする仕掛けが施されている。ドイツにはブーツを履こうとしていた子供が、この紐を引っ張っていて気がついたら空を飛べるようになっていたという物語がある。この取っ手や紐を諺として様々な場面で用いている。ブーツには様々な言い回しや諺、慣用句がある。熟練した労働者を作業用に履いている頑丈なブーツに喩えて、"tough as old boots"(古びたブーツと同じくらい頑丈だ)と言う。また、漫画などでは釣りに行ったのに1匹も魚が釣れずに困っている状態を、ソールが壊れたボロボロのブーツを釣り上げさせることで表現する。捨てられたブーツを利用して作られたメンドーザ(mendoza)と呼ばれる楽器がある。日本の積雪地域では藁製の長靴が使用されていた。おもにブリティッシュスタイルの馬術において、騎乗時に騎手が着用するブーツ。本革製で膝下くらいの高さまであるものが多い。馬場馬術競技などにおいてはほとんどの大会、競技会において着用が必須とされている。ブーツの種類としては古くから存在するもので、特にデザインや形状などで通常のロングブーツと大きく異なる点はない。物によっては鞍や馬体にフィットするように意図して作られており、特にブリティッシュスタイルでは騎手の脚に密着するきつい装着感のあるものが用いられる。踵のやや上に、拍車台と称される突起がある。鐙(あぶみ)に足が入り込むことのないよう、ヒールは必須である。足首を締めるための編みこみの有無は障害飛越競技においては問われないが、馬場馬術競技では通常編みこみ無しの長靴が義務付けられる。多くは黒の一色だが茶色も用いられ、全体が黒色で最上部5~10cmだけを茶色革を使ったものは障碍飛越などで好まれる。日本における馬術用語としての呼び方は正式には「革長靴(かわちょうか)」といい、略して「カワチョウ」と呼ばれることも多い。対してゴム製の乗馬用長靴は「ゴムチョウ」と呼ばれる。ウエスタンスタイルの馬術においては、カウボーイブーツ(ウエスタンブーツ)を用いる。軍隊においては、軍服(軍装品)の一種たる軍靴としてブーツが採用されることが極めて多い。この軍用ブーツの場合、日本では上述の乗馬ブーツを長靴(ちょうか)、脛の中間のあたりまでの長さのものを半長靴(はんちょうか)、踝まであるレースアップ(編上げ)タイプの物を編上靴(へんじょうか、自衛隊においては半長靴と呼称)と主に称する。編上靴には脚絆(ゲートル、レギンス。巻脚絆、革脚絆)を合わせて着用されることがある。脚、足部の保護、足を挫いて捻挫することの防止、保温、ズボン裾の汚れの防止、制服上の差別、儀礼等を目的に着用されている。軍馬に跨る乗馬本分の軍人(騎兵など)は長靴を履きまた拍車を付けていたが、軍隊の機械化(自動車化)により馬が軍隊で使用されなくなるにつれて拍車共々乗馬ブーツは余り使用されなくなっていった(アメリカ陸軍、イギリス陸軍など)。反面、概ね第二次世界大戦までの近代各国軍(日本陸軍、ドイツ国防軍・武装親衛隊、ソビエト労農赤軍、イタリア王立陸軍、フィンランド陸軍など)では乗馬文化の名残や未だ続く軍馬の利用を含め、乗馬本分の関係無しに乗馬ブーツと対になる乗馬ズボンの組み合わせは将校准士官を中心にポピュラーであった。第二次大戦後は一部の軍隊(ソビエト連邦軍、東ドイツ軍など)で引き続き長靴が採用されているところもあったが、冷戦終結後の現代の今日では、昔ながらの長靴を採用している軍隊は、栄誉礼やパレード(観兵式・観閲式)などといった式典・行事における儀丈用としてのみ使用されていることが大半で(ロシア連邦軍、フランス共和国軍、ドイツ連邦軍、中国人民解放軍、朝鮮人民軍など)、戦闘用(戦闘服)としては編み上げの半長靴が主流である。なお、戦地や訓練・演習以外の通常勤務(常勤)では、主に普通の紳士靴である革靴(ビジネスシューズ)、古くはトラッドなサイドゴアブーツが主に着用され、これらは半靴(はんか)や短靴(たんか)と呼ばれる。日本の警察においても外勤での活動性の良さからブーツ着用が奨励されている。警察官の制服のなかには編上げブーツも含まれ、制服支給の際に同時に配布される。アメリカ合衆国の警察でもブーツ着用が奨励されており、ハイウェイパトロールのうちオートバイ要員や騎馬警官など、革長靴が正式な制服になっている組織も少なくない。ブーツは靴紐やベルト、ファスナー、マジックテープ以外にもブーツジャックやブーツプルなどのブーツの脱ぎ接ぎをする台を用いることもある。
出典:wikipedia
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