雲(くも、)は、大気中にかたまって浮かぶ水滴または氷の粒(氷晶)のことを言う。地球に限らず、また高度に限らず、惑星表面の大気中に浮かぶ水滴や氷晶は雲と呼ばれる。雲を作る水滴や氷晶の1つ1つの粒を雲粒と言う。地上が雲に覆われていると、霧となる。気象学の中には雲学という分野も存在する。これは、気象観測の手段が乏しかった20世紀前半ごろまで、気象の解析や予測に雲の形や動きなどの観測情報を多用しており、雲の研究が重要視されたことを背景にしている。気象衛星などの登場によって重要性が薄くなり雲学は衰退してきている。また、雨や雪などの降水現象の発生源となる現象であり、雲の生成から降水までの物理学的な現象を研究する雲物理学というものもある。地球上においては、基本的に雲は水から成ると考えてよい。微量ながら水以外の成分、例えば土壌成分や火山噴出物、塵埃などからなる微粒子(エアロゾル)が混ざっているほか、空気の成分(窒素、酸素、二酸化炭素など)が溶解している。その成分も、雲が発生・成長する際に存在した場所に左右されるが、比率からしても水がほとんどを占める。雲を構成する水滴は液体か固体である。固体の場合、独特の結晶を形成する。ただし、超低温・低圧環境の成層圏や中間圏では、主成分が硫酸塩や硝酸塩からなる雲が発生する。本項では、以下より地球上の雲について説明する。空気中の水蒸気が凝結(凝縮とも言う)されて液体(水)になるか、凍結(凝固)または昇華されて固体(氷)になることで雲が作られる。主な雲の発生の種類3つを挙げる。雲を作る雲粒は、空気中に浮かぶ塵やほこりなどのエアロゾル微粒子を凝結核もしくは氷晶核としてつくられる(凝結核と氷晶核をまとめて雲核という)。そのため、エアロゾルが多いと水蒸気が凝結(固)しやすくなり雲は発生しやすくなる。また逆に、エアロゾルが少ないと過飽和となっても水蒸気が凝結(固)しにくいため、雲もできにくくなる。ふつう、凝結や凍結、昇華直後の雲粒は1〜10μmくらいと小さい。これが、雲粒同士が衝突したり、雲粒にさらに水蒸気がくっついて凝結(凍結)していくなどして雲粒は成長し、最大で200μm(0.2mm)、さらに雨粒クラスでは直径が1mm前後になる。詳しくは降水過程参照。また、雨粒の成長の計算はメイスンの方程式()などにまとめられている。雲粒ひとつひとつに働く重力や下降気流による力と、雲粒ひとつひとつを支える上昇気流による力がつりあうことで、雲は大気中に浮かぶ。雲粒が大きくなって重力が増したり、下降気流の力が大きくなると、雲粒は雨粒や雪の結晶として落下することとなる。上昇気流が強い場合は、上昇や落下を繰り返すうち、雨粒や雪の結晶同士が衝突してさらに大きな粒となって落下する。また、上昇や落下を繰り返すと霰や雹などの大きな氷粒になり、氷粒同士の衝突で静電気が発生し、それが蓄積されて雷の原因になる。形成される雲の形は、空気の対流構造や、温度差のある空気の衝突面の形によって左右される。強い上下対流がある場合は積雲や積乱雲が形成されることが多く、大気が安定している場合は水平方向に層雲や高層雲などが均一に広がることが多い。また、山などの地形の影響を受けた場合は、レンズ雲や波状雲などの特徴的な雲ができる。気象学的な観点から雲の発生・成長・消滅を説明する。雲の成因はいくつかに分けられる。小規模なものであれば、雲を製造することは容易であり、理科の実験や身近にできる科学実験として、広く行われている。密閉可能な容器の中を少し濡らし、線香の煙などの凝結(固)核を充満させて密閉し、ポンプなどで気圧を下げると、減圧冷却によって中の温度が露点を下回って凝結(固)をはじめ、雲ができる。熱湯から立ち上る「湯気」、ドライアイスや氷から流れ落ちるような白い冷気、冬の寒い日に白くなる吐いた息、工場や排気などから出る白い蒸気なども、人工的に作ることができる雲だといえる。また、普通の雲に比べて粒が大きい、霧吹きで作る水滴でも、風をうまくコントロールして空中に浮かべることができれば、雲だといえる。ただ、雨を降らせるような大規模な雲の製造は容易ではない。現状では、ヨウ化銀などの凝結(固)核を大量に散布することで雲の素をつくる「雲の種まき」が実用化の限度となっている。しかも、「雲の種まき」においても空気中の水蒸気が過飽和あるいはそれに近い状態になければ雲はできにくく、条件も限られる。雲は、その形状や高さにより以下のように分類される。
世界気象機関は、雲を10の基本形と数十の主・変種・副変種に分類している。雲には多くの俗称があるが、混乱を避けるために学術分野では呼称が統一されている。詳しくは雲形を参照のこと。対流圏以外にできる雲として、以下のものがある。一般的に、雲は可視光線(光)を反射しやすいため、白く見える。これをミー散乱と言う。雲の厚さや内部の雲粒の密度、太陽光の角度によってさまざまな色に見える。白い雲は、粒が小さな雲粒が比較的混み合って密に浮かんでいる状態のため、太陽光の反射率が高いために白く見える。そのため、白い雲は雨粒があまり成長していないことになり、雨が降ることは少ない。積雲や層雲などは、鉛直方向に発達し厚みを増し雲底付近が次第に暗くなる。これは、雲を構成する水滴や氷晶などの粒子は可視域の太陽放射をほとんど吸収しないのだが、これらの粒子によって雲内部で主に散乱、多重反射及び屈折され雲底付近に至るまでに、エネルギーがかなり減少してしまう為である。日光が水滴で回折し、雲が虹色に輝いて見えることがあり、これを彩雲という。雲は測雲器若しくは測雲気球などの器具を用い、または目視によって観測される(気象業務法第1条の2、気象業務法第1条の3も参照)。雲量は、晴れかくもりかといった天気の目安となる。また、レーダーでも雲を観測できる(雲高計)。雲粒は雨粒や雪片よりも小さいため、レーダー電波の波長は降雨レーダーより小さいものを用いる。波長1mm〜10mm程度のミリ波を用いることが多い。ただ、地上や航空機搭載のレーダーによる雲の観測は、観測範囲が狭く、用途は規模の小さい気象現象の観測や飛行用などに限られる。広い気象状態を捉えるには、気象衛星による観測が行われる。可視光線の観測、雲が放射する赤外線の観測などを通して、雲の分布を推定している。赤外線に関しては、大気成分に吸収されて観測できない波長が多いので、その影響が少ない大気の窓領域の波長を観測している。大気汚染によるエアロゾルなどの増加により雲の量が増加して、地球薄暮化が引き起こされると考えられている。雲は地球の表面を覆って太陽光を吸収・反射し、地球をある程度冷ます役割をもっている。雲の厚さ、雲粒の大きさや形状などによって吸収率や反射率は異なる。特に反射率(アルベド)については、その変化が地球全体の太陽光の吸収率を大きく左右し、気候に影響を与える。大気を持つ太陽系の惑星のほとんどでは、地球と同じように雲が発生する。金星には分厚い硫酸の雲が高度50㎞から70㎞の地点に広がっている。火星は水、木星や土星はアンモニアなど、天王星や海王星はメタンでできた雲がある。また、土星の衛星のタイタンにもメタンの雲らしきものがあることが分かっている。出典:wikipedia
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