牛乳(ぎゅうにゅう、)とは、ウシの乳汁である。ただし、牛乳と一口に言っても、生乳を指す場合や、これを原料として脂肪分増減したものや、乳糖を分解したものも含める場合もある。さらに人によっては、様々な食品を混ぜて作った嗜好飲料(いわゆるコーヒー牛乳、イチゴ牛乳、フルーツ牛乳、レモン牛乳など)を言うこともある。なお、牛乳はしばしば脱脂粉乳、バター、生クリーム、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどに加工される。タンパク質、カルシウム、脂肪、必須アミノ酸などの栄養成分がバランス良く豊富に含まれる。特に、アミノ酸スコアは100である。牛乳にビタミンCがほとんど含まれていないのは、子牛が自らビタミンCを合成できるので摂取する必要がないためである。逆に、ヒトの母乳にビタミンCが含まれているのは、ヒトの乳児がビタミンCを合成できないので摂取する必要があるためである。牛乳中の必須脂肪酸の含有比率については、牧草等の葉には微量ではあるもののリノール酸に比べてα-リノレン酸が比較的多く存在しており、このため牧草を飼料として与えられている乳牛の乳ではα-リノレン酸とリノール酸との比率が高くなり、α-リノレン酸をほとんど含まない穀物の飼料を多く与えられている乳牛の乳はα-リノレン酸とリノール酸との比率が低くなる。水分中に離散している脂肪やカゼイン(タンパク質)の微粒子が光を散乱して白く見える。コロイドのチンダル現象の好例として、理科の教科書などで引き合いに出される。牛乳を温めると表面に膜が張るが、これをラムスデン現象と呼ぶ。食物としての乳の利用は、動物の家畜化とともに始まった。ウシの乳が飲料として最初に利用されたのは中東においてである。ヤギ、ヒツジが家畜化されたのも、紀元前9000年 - 紀元前8000年頃の中東であった。ヤギと羊は反芻動物であって、乾燥した草を食べることに適応した哺乳類である。このような草は、人間にはそのまま利用できないが、蓄積が容易である。当初、動物の飼育は、食肉および衣服製作のために行われたと思われる。しかし、後に、耕作されていない草地を食料源として利用するためには、より効率的な酪農という方法が存在することが明らかになった。ある動物を肉のために殺すとする。その栄養価は、例えばその動物から1年間に採れる乳と同等かもしれない。しかし生きていれば、その動物からはさらに何年もの間、乳が採れるし、1頭丸々の肉と違って、乳は1日1日にちょうど利用しやすい分量だけ使うことができるのである。紀元前7000年頃、トルコの一部でウシの遊牧が行われていた。新石器時代、ブリテン諸島で乳が利用されていた証拠が見つかっている。チーズとバターの利用はヨーロッパ、アジアの一部、アフリカの一部に広まった。ウシの畜養はもともとユーラシア的な習慣であったが、大航海時代以降、世界に広がるヨーロッパ諸国の植民地に導入された。日本同様に、例外的に牛乳の飲用が普及しなかった国としては、中華人民共和国が挙げられる。金によって監禁された欽宗の悲劇として、茶を飲ませてもらえず、牛乳(という粗末なもの)を与えられたというエピソードが存在する。ただし日本同様、現在の中国でも酪農と牛乳は一般に普及している。牛乳は腐敗しやすく保存が困難だった事から長年に渡り各農家の小規模な生産に頼っていたが、輸送技術や冷蔵技術の進歩、そして風味を損なわない低温殺菌法(パスチャライゼーション)の実用化により、今日では世界的に牛乳がひとつの産業として大規模に生産されている。先進国では、自動化された搾乳設備を持つ酪農業者によって、その大部分が生産されている。牛の品種のあるものは、ホルスタインのように、牛乳生産量の向上に特化して改良された。マクジーによれば、アメリカ合衆国の乳牛の90%、イギリスの乳牛の85%がホルスタインである。アメリカの代表的な乳牛品種は、ホルスタインのほか、エアシャー、ブラウンスイス、ガーンジー、ジャージー、ミルキング・ショートホーンなどである。今日、乳製品と牛乳の生産量が最も大きい国はインドで、これにアメリカと中国が次ぐ。『日本書紀』に「牛酒」と言う記述が見られる。一般には、560年(欽明天皇21年)に百済の智聡が、日本に来た際に持ってきた医薬書に、搾乳などについての記述があり、これによって広まったとされる。考古学的には、日本列島では2015年時点で弥生時代における牛の飼育は確認されていない。古墳時代には牛を形象した埴輪が出土しており、奈良県御所市の南郷遺跡群からは5世紀頃の牛臼歯が出土しており、この頃から家畜利用されていたことが考えられている。その後、酪・蘇・醍醐といった乳製品に加工され一部の階級層には食べられていたものの、奈良時代に聖武天皇が肉食の禁を出したことで、以降は仏教の普及とともに、次第に牛乳を飲む風習は薄れていったとされる。一方で、考古学的には古代における牛肉食の存在も指摘される。牛乳を飲むと牛になるという迷信があり、それを知った少年時代の織田信長が、「実際に牛になるかどうか試す」と言って牛乳を飲んだという逸話があるが、これは牛乳が一般的な食品では無かった事を意味する。江戸時代末期に来日した、初代駐日アメリカ合衆国大使のタウンゼント・ハリスが所望した時も、「あんなものを飲んでいるから、獣のように毛深いのだ」と噂したほどである。江戸時代には陸奥国北部の盛岡藩で寛永21年/正保元年(1644年)から天保11年(1840年)に欠けて書き継がれた「雑書」に牛乳に関する記録が見られる。「雑書」によれば、対馬藩における国書偽造事件(柳川一件)において対馬藩主・宗氏の外交僧である規伯玄方(きはく げんぼう)が盛岡藩にお預けとなっていた。盛岡藩は南部馬の産地として知られるが、馬利用の一方で南部牛の利用も盛んに行われており、牛角や皮革も利用されていた。「雑書」によれば盛岡藩主の南部重直は慶安3年(1650年)に規伯玄方の奨めにより牛乳を用いたという。享保の改革を実施した将軍・徳川吉宗は乳牛の輸入を行い、それ以来、薬として僅かばかり使用されていた様子である(ただし、当初は馬の薬として用いられ、人間の為の薬ではなかったと言う説もある)。将軍・徳川家斉は、『白牛酪考』と言う本を作らせているが、この本には、腎虚、労咳、産後の衰弱、大便の閉塞、老衰から来る各種症状に効く、と言う効能が書かれている。ただし当時の日本には、通常の食品としては忌避されるものを薬として服用する習慣があり、牛乳もそういった位置づけであった。幕末の文久年間(1861年 - 1864年)には、開港地である横浜で本格的な牛乳の国内生産が始まり、その後、次第に広大な原野を持つ蝦夷地(北海道)に拠点が移される。明治維新を経て、1875年(明治8年)には、当時の北海道開拓庁において、国産第一号の欧米ヨーロッパ風チーズが試作された。このとき、元来の農家は家畜から乳を搾り取るような行為を嫌ったとされ、牛乳販売を事業として行ったのは主に士族出身者であった。牛乳販売は、失敗が多かったとされるいわゆる「士族の商法」の代表的な成功例である。これにより、北海道で大規模な酪農としての牛乳の生産が行われるようになった。第二次世界大戦後には、アメリカの救援食料である脱脂粉乳による学校給食への導入などによって、食生活の欧米化により広く飲まれるようになった。日本における生乳の生産量は、年間約820 - 840万トン(うち、市乳向けは400万トン弱)で、約4割が北海道で生産されている。近年は、少子化による学校給食用牛乳の消費減少や、消費者の牛乳離れ等により消費が低迷、2006年(平成18年)には、北海道で1000トンが廃棄される事態も発生し、問題視された。この牛乳離れを食い止めるとともに、特に若年層の牛乳需要の拡大を図る為、2005年(平成17年)より、中央酪農会議が「牛乳に相談だ。」キャンペーンを実施している。日本では牛乳について、食品衛生法の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号)いわゆる乳等省令で定めている。それによると「直接飲用に供する目的又はこれを原料とした食品の製造若しくは加工の用に供する目的で販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む(略))する牛の乳」を牛乳としている。添加物、成分調整の有無によって大まかには次のように分類される。生乳(原乳)に含まれる成分を調整していないため、季節による成分の変動があり、冬場は成分が高まる(無脂乳固形分8.7%以上、乳脂肪分4%以上になることがある)。逆に夏場は、牛が乳脂肪分の元となる繊維質の含量の少ない青草を多く摂る為に、脂肪分が減り、味が薄く感じられるケースもある。乳脂肪分の一部を除去したり水分を一部除去して濃くするなどして、生乳から乳成分などを除去したもの。無脂乳固形分8.0%以上。2002年(平成14年)より制定されたもの。以前は、加工乳や乳飲料であっても一定以上の成分(無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上、生乳50%以上)が含まれていれば、商品名に「牛乳」という名称を使用できたが(濃厚牛乳、カルシウム牛乳、コーヒー牛乳など)、2000年(平成12年)の雪印集団食中毒事件をきっかけに、消費者から「ややこしい」という声が起こり、2001年(平成13年)に公正競争規約が改正され、生乳を100%使用していないものは「牛乳」とは名乗れなくなった(2年間の経過措置あり)。この結果、商品名から「牛乳」を外したり、「ミルク」への言い換えなどを余儀なくされ、コーヒー牛乳は「コーヒーミルク」「カフェ・オ・レ」「カフェ・ラテ」またはただの「コーヒー」などに商品名を変更した。主にホルスタイン、ジャージー種などの乳牛から得られる生乳(搾っただけで何もしない乳)のみを原料として、均質化(ホモジナイズ)や加熱殺菌工程(後述)を経て、ガラス瓶(牛乳瓶)や紙パックに詰められて製品(市乳)となる。「均質化処理」の事である。多くの場合は、ホモジナイザー(乳化機、均質機)と呼ばれる主に高圧ポンプを使用して牛乳の脂肪成分を均一化する「ホモジナイズ」を行う(これを行ったものを「ホモ牛乳」とも言う)。これによって脂肪組織が2マイクロメーター以下の大きさに破壊されて均一となり、製品内のクリーム層など分離を防ぐとともに、製品間のばらつきを抑える。また、過酸化水素は殺菌および漂白効果があるが、発がん性が認められている為に未検出とされており、この工程により検出できなくなる場合がある。(低温殺菌牛乳#特徴も参照)一方、脂肪分の香りやコクなど味が変化する事から、いわゆる牧場のしぼりたて生乳とは異なってくる。例えば、脂肪球が微細化され絞りたての生乳では濃さ(同時に水っぽさ)を感じるが、ホモ牛乳では濃さを感じにくくなっている。それを、絞りたての生乳は濃く成分無調整のホモ牛乳は薄めたものだと誤解する人もいる。ホモジナイズを行っていない「ノンホモ」牛乳では、瓶詰めから数日経つと白いトロリとしたクリーム状のものが浮く事があるが、これは一般の牛乳や低脂肪乳、加工乳では通常見られない。搾乳された後に均質化処理をしていないため、粒子の大きな脂肪球が壊されずそのまま残っているために、分離してクリーム状の物として残る為である。この浮いたものが本来の意味でのクリームであり、遠心分離を用いる近代工業的な製法が普及する前は、クリームとはこのように生乳を静置して表面に浮上するものを採取したものであり、これを撹拌して脂肪球をさらに大きくしたものがバターである。窒素を使うなどして、溶存酸素による酸化を抑制しながら加熱殺菌した商品が多い。ごく少数ながら、、加熱殺菌をしない「無殺菌牛乳」も存在する。LTLT法およびHTST法による牛乳は、パスチャライズド牛乳(パス乳)と称されることがある。これは、フランスの細菌学者ルイ・パスツールが開発した加熱殺菌法(パスチャライゼーション)を行った牛乳という意味である。非耐熱性の菌は基本的に死滅するが、一部の耐熱性の菌は残存するので、後述する方法に比べ、期限表示(ほとんどが消費期限)は短め(4 - 6日程度)になる。一方で、タンパク質の熱変性は抑えられるので、牛乳本来の風味を損なうことが少ない。LTLT法およびHTST法は、欧米の市販牛乳の主流といわれているが、殺菌工程に時間がかかることや良質の原乳が必要となるため、日本では全国規模の大手の乳業メーカはほとんど手がけておらず、農協系を中心とした地場ローカルメーカの一部商品や観光牧場で販売されている商品で、限定的に行われているだけである。ヨーロッパではイギリス、フィンランド、スウェーデン、ギリシャ、デンマークなどでの主流である。LTLT法では、一定量の牛乳をタンク等に入れ、加温の後一定温度に保持するバッチ方式の殺菌機械が主流であるが、それ以外では細管を通しながら蒸気と熱交換する方法や、成型されたプレートの間に牛乳を流して熱交換する方法(連続方式)が採られる。また近年では、LTLT法でも熱交換方式による方法が開発されている。UHT法およびUHT滅菌法とLTLT法およびHTST法とでは製品としての牛乳の風味に若干の差異があるが、優劣というよりは好みの問題である。また、UHT法およびUHT滅菌法では失われる栄養素がLTLT法およびHTST法では失われないとされるが、双方の成分の違いによる人体に対する影響に有意な差が存在するとした研究は存在しない。一般にUHT法およびUHT滅菌法よりLTLT法およびHTST法の方が流通まで含めれば高コストとなるため、そのコストを付加価値と思わせるための宣伝であることがほとんどである。製品は、1リットルや500ミリリットルパック(主に屋根型の紙パック)がスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売されたり、200ミリリットルパック(主に四角柱型の紙パック)が鉄道駅のミルクスタンドで販売されたり、学校や病院などの給食に出されたり、200ミリリットルや1リットル瓶が新聞と同様に牛乳店から早朝に個別宅配されたりする。製品の種類によって価格帯が異なるが、2010年(平成22年)現在、1リットルパック1本が、約90 - 280円程度で販売されている。昔は180ミリリットル(1970年(昭和45年)まで) - 200ミリリットルのガラス瓶(=牛乳瓶)で、給食や銭湯、ミルクスタンドなど、一部の販売個所以外では牛乳店から早朝に個別宅配されていたが、1970年代にはテトラパック(三角錐型の紙パック)の商品が主流になり、1980年代以降はブリックパック(四角柱型の紙パック)に変わり、販売ルートもスーパーやコンビニ経由にシフトしている。一部にはガラス瓶も残るが、薄くなって軽量化された新形態の瓶に移行されつつある。かつては食品衛生法により、紙パックとガラス瓶以外への牛乳の充填は禁止されていたが、現在はペットボトルへの充填も認められている。しかし、設備投資に多額なコストがかかるため、実際にペットボトルで販売している企業は存在しない(プラスチック製の瓶やテトラパックで販売する企業は存在する)。沖縄県では、かつて米軍統治下にあった関係で、ほとんどのパックの容量がヤード・ポンド法に従って946ml(1クオート=1/4ガロン)、473ml(1/2クオート)となっている。これは牛乳に限らず、紅茶飲料などほぼ全ての紙パック飲料で共通である(ただし、沖縄県でもリウボウの牛乳などごく一部に1リットルの製品が存在する)。なお、メーカーによっては視覚障害者への配慮(バリアフリー、ユニバーサルデザインの一環)のため、スーパーやコンビニで多く販売される、1リットルや500ミリリットルパックについては、写真のように飲み口の反対側の部分を丸く切り取って、他の飲料(低脂肪乳、フルーツ飲料、コーヒー、お茶など)と区別している。欧米では、超高温殺菌処理をしてプラスチックボトルに入ったものが一般的で、常温で1ヶ月以上保存できるものが一般的である(フランスの例)。飲用のほか、各種乳製品の原料や、ヴィシソワーズなどのスープやクリームシチューなどの煮物、粥、フレンチトースト、飛鳥鍋などの料理、ケーキ、洋菓子などの製菓原料にもなる。砂糖を加えて煮詰め、ミルクジャムを作る家庭もある。飲用にする場合、加熱したり冷却して、そのまま飲むほか、砂糖、鶏卵、蜂蜜、ジャム、ジュース、きな粉、はったい粉、ゴマなどを好みで加える場合がある。ミルメークなど牛乳専用の調味料も発売されている。また、コーンフレークなどのシリアル食品にかけて食べることも一般的である。特殊な例では、入浴剤として利用される場合もある。美容に効果があるとされるが、真偽は不明。様々な用途に用いるため、各種タンパク質が分離されている。カゼインは食品用途、工業用途、印鑑、繊維などに、ラクトアルブミンはワクチン製造などの医療用途に用いられる。最近は、中華人民共和国などで需要が増えて、チーズなどの価格が高騰する一方で、日本では生産過剰によって牛乳が大量に廃棄されるほどとなっているため、他にも医薬製造など、さまざまな用途が模索されている。牛の命を奪わずに採取できる事から、ベジタリアンの一部流派は動物性栄養の摂取のため牛乳や乳製品の飲食を認めている。牛乳は食物アレルギーを引き起こす可能性があるので、特に乳幼児期の大量摂取には注意が必要であるが、これは他の食物についても同様のことが言える。また、乳脂肪を含む牛乳は「太る」というイメージがあるため、ダイエットを行う人の間では無調整牛乳や成分調整牛乳が敬遠される傾向にある。低カロリー高タンパクというイメージを持たれることの多い豆乳と比較するとカロリーは1.45倍、脂質は1.9倍ほど牛乳が高い。栄養学者や医者の中には、様々な観点から牛乳の安全性に問題があるとの主張もあり、一般向けの書籍も数多く出版されている。主な主張とそれに対する反対の主張は下記のとおりである。いずれが正しいのかは未だ定説となっておらず、牛乳が人体にとって特別に有害であるかどうかの証明は未だなされていない。乳製品をたくさん摂取しても、あまり摂取しない人と骨折のリスクは変わらないが、乳製品の摂り過ぎは前立腺癌や卵巣癌のリスクを高めると言われる。日本の国立がん研究センターが4万3000人を追跡した大規模調査でも、乳製品の摂取が前立腺癌のリスクを上げることを示し、カルシウムや飽和脂肪酸の摂取が前立腺癌のリスクをやや上げることを示した。世界がん研究基金の報告では、牛乳は大腸癌のリスクをおそらく (Probable) 下げる、膀胱癌のリスクを下げる限定的な証拠がある (Limited - suggestive)、牛乳および乳製品が膀胱癌のリスクを上げる限定的な証拠がある (Limited - suggestive) とされている。NHSなど、アメリカ、イギリス、スウェーデンでの7つの前向きコホート研究で、カルシウム摂取量が増加しても骨折率が低下していない。牛乳1日2杯の飲用は大腿骨頸部を骨折するリスクを上げる。ハーバード大学の公衆疫学部は、乳製品は骨粗鬆症と大腸癌の危険性を低下させる一方で、前立腺癌と卵巣癌のリスクを上げ得るとして、乳製品以外のカルシウムの摂取源としてコラード、チンゲンサイ、豆乳、ベイクドビーンズを挙げている。全年齢では鶏卵38.7%、牛乳20.9%、小麦12.1%が3大アレルゲンである。主に牛が食べた飼料(牧草など)に含まれる放射性物質が牛の体内で生体濃縮されるため、牛乳などの摂取による内部被曝の危険性がある。チェルノブイリの原発事故ではウクライナの子供に多くの甲状腺癌患者が現れ問題になったが、(海藻などの摂取量が少ないため)もともとのヨウ素摂取量が少ないところへ、高濃度の放射性ヨウ素に汚染された牛乳を飲み続けていたことも一因とみられている。
出典:wikipedia
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