マヨネーズ()は、食用油・酢・卵を主材料とした半固体状ドレッシング。卵は卵黄のみ使用するものと全卵を使用するものがある。当初はフランス料理の肉用のソースの一種であったが、サラダなどの料理における調味料として利用されている。「マヨ」と略されて呼ばれることもある。英語でもmayoと略されることが多い。日本農林規格(JAS)における「ドレッシングの日本農林規格」、および「ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料品質表示基準」では、マヨネーズを「半固体状ドレッシングのうち、卵黄又は全卵を使用し、かつ、必須原材料、卵黄、卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、調味料(アミノ酸等)及び香辛料抽出物以外の原材料を使用していないものであつて、原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のものをいう」と定義している。また、このため海外産のマヨネーズの多くは日本の基準ではマヨネーズに該当せず、マヨネーズという商品名にも拘らず「半固体状ドレッシング」という分類で販売されている。日本のメーカーが販売しているマヨネーズは全卵タイプのものも存在するが、最もシェアの高いキユーピーの製品は卵黄タイプである。一方、世界では全卵タイプのものが主流である。また、日本人の好みに合うよう菜種油、大豆油等のくせのない植物油と米酢を主原料にしており、この点でも欧米のものとは風味が異なる。欧米の人々には日本でマヨネーズを使用したピザが売られていることや何にでもマヨネーズを使用するマヨラーの存在は奇異に映るが、日本製のものを使用すると理解を示すという。油分を少なくしてカロリーやコレステロールを抑え「肥満防止」を謳った製品や、アレルギーへの配慮から卵を使用せずに大豆など植物性原料のみで作った「大豆マヨネーズ」あるいは「豆腐マヨネーズ」も販売されている。アメリカでは、 が良く知られる。ただし、油分を少なくしたものや卵を使わないものはJAS基準から外れるため、JASマークの表示および「マヨネーズ」としての販売はできず、「半固体状ドレッシング」や「マヨネーズ風ドレッシング」などの品名で販売されている。マヨネーズには多くの食用油と不飽和脂肪酸や酸が含まれている。卵や酢の影響で油臭さを感じないように工夫されているが、約70%が脂肪であって、カロリーが高く1日あたり大さじ1杯以上のマヨネーズを食べることは、摂取者の体質にもよるが一般的にはカロリー過多となり栄養学上好ましくないとされる。これは登山中の遭難や大地震で倒壊した建物内に閉じ込められるなどの非常事態から生還した人の中にマヨネーズを摂取し続けて飢えをしのいだという証言があるなど、マヨネーズのカロリーは非常に高く、通常状態の人にとっては摂取量を考慮しなければならないレベルの高エネルギー食品である。だが日本の市販マヨネーズは糖質制限という立場から考えると、糖質が含まれておらず脂質が多いため、非常に扱いやすい調味料・食品となる。アメリカの市販マヨネーズにはホワイトソースと掛けあわせた製品などもあり、名前が同じマヨネーズでも組成は一様ではなく、食餌療法に使用する場合には個々の製品で成分の確認が必要となる。また、極度のマヨネーズ好きのことをマヨラーといい、あらゆる食品にマヨネーズを使用する人もいる。詳しくは当該記事を参照。ロシアが世界一マヨネーズを消費している。マヨネーズには様々な製法があるが、基本的なマヨネーズ350mlの製法は以下の通り。すべての材料を常温に戻してから作業する。保存は1か月程度まで冷蔵庫で可能。実際は、夏場でも開封後に常温で1か月くらいは平気(酢の殺菌力による)。マヨネーズは卵黄に含まれるレシチンの乳化作用を利用したソースなので、本来、卵白は不要。マスタードにも弱い乳化作用があり、ベースにマスタードを加えると、マスタードの種皮に含まれる成分がマヨネーズの油滴を包んで安定が良くなる。精製していないエクストラ・バージンなどのオリーブオイルを使ってマヨネーズを作ると、上手に作っても1~2時間すると油が分離してしまう事が多い。これは、オリーブオイルの持つ油の分解物が卵黄の乳化成分を邪魔して、油滴の結合を促してしまうためである。ソフトチューブ入り、瓶入り、小型の個包装のパックなどの形で販売されている。ディスペンパックのものもある。ソフトチューブ入りのものはスプーンなどの器具を使わずに搾り出すことができる、中の空気を追い出してから蓋を閉めることで空気に触れると変質が進むマヨネーズの鮮度を保てるなどの特徴がある。また、搾り出しノズルが星型になっているものが多く、料理の飾り付けなどに便利になっている。一方、瓶入りのものは密閉性が高く外気圧に影響されない点が特徴である。日本ではソフトチューブ入りのものが多く出回っているのに対して、欧米では瓶入りのものが普及している。" はフランス語であるが、語源に関しては多くの説がある。最も有力とされている地名だけでも、メノルカ島のマオン、マヨルカ島などいくつもの説が存在する。マオン説では、18世紀半ばに小説『三銃士』でも知られるフランス宰相リシュリューの甥の息子ルイ・フランソワ・アルマン・ド・ヴィニュロー・デュ・プレシが、七年戦争の際に名付けたとされている。ミノルカ島マオン(Mahón)が起源とする伝承によると、18世紀中頃、当時イギリスに占領されていたミノルカ島をリシュリュー公率いるフランス軍が攻撃し(1756年、ミノルカ島の海戦)、サン=フェリペ要塞に立籠もるイギリス・スペイン連合軍を包囲した。布陣を終えたリシュリュー公は当地の飯屋に食事を求めたが、そこで出された、卵と油とレモン果汁を使ったドロっとしたソースをかけた肉料理を激賞した公がそのソースをパリに伝えたとか。当時の名称は "salsa de Mahón" (マオンのソース)であって、マヨネーズの名で料理に登場するのは19世紀中ごろである。『世界ウルルン滞在記』(毎日放送)では、マヨルカ島がマヨネーズの語源として紹介されていた。一方『クイズ$ミリオネア』(フジテレビ)では、人名説も有力であるとして訴訟になった例も存在する。当初、マヨネーズに使われる油はオリーブオイルが一般的だったが、マヨネーズがヨーロッパ全体に広まるに伴って、オリーブオイル以外の油も利用されるようになった。また、製造過程で卵黄・酢・油を完全に混ぜ合わせて乳化させるのに手間がかかるため、マヨネーズはもともとは高価なソースであった。しかし電動ミキサーが発明され、完全に乳化させたマヨネーズが容易に製造できるようになったため、マヨネーズは安価なものとなり、一気に普及した。日本では1925年(大正14年)3月9日にキユーピーが発売した「キユーピーマヨネーズ」が国産マヨネーズの元祖とされる。このことから、日本初の「1」にちなんで毎年3月1日をマヨネーズの日としている。1923年(大正12年)の関東大震災からの復興後における生活の洋風化の中で発売したものの、当初はマヨネーズの馴染みのなさや価格の高さから売れ行きは芳しくなく、ポマードと間違えられることもあったという。しかし積極的な宣伝展開により売り上げを伸ばしていく。ただし第二次世界大戦による原材料不足で製造の一時停止を余儀なくされた時期もあった。なお、大日本帝国陸軍の兵食(給食)でもマヨネーズは野菜サラダに和えるソースとして食されており、昭和初期に陸軍糧秣本廠が編纂した陸軍公式レシピ集『軍隊調理法』では「軟食」の分類にて卵黄・西洋酢・サラダ油を主体とするマヨネーズの製法が記されている。昭和30年代以降、キユーピー以外にもマヨネーズ製造へ参入するメーカーが現れる。撤退したメーカーもあったが、味の素は卵黄タイプのものを発売していたキユーピーに対抗して全卵タイプのマヨネーズを1968年(昭和43年)に発売する。味の素製品の発売はその後の日本のマヨネーズ市場が拡大する結果となった。マヨネーズは水分活性が低く、酸性度が高いため、細菌が生存できる環境ではない。市販のマヨネーズにサルモネラ菌などの食中毒菌を付着させても、1日〜数日で死滅する。ただし、撹拌が十分でない、酢が少ない、水などで薄まっているといった場合には雑菌が繁殖する。界面化学上はO/Wエマルションに分類されており、水の中に油が分散している状態である。水は卵の中のわずかな水分、界面活性剤は卵黄中のリン脂質である。マヨネーズを製造する際、O/WからW/Oに相転移すると、なめらかな食感は得られず、マーガリンのようなべたついた食感となる。元々は肉料理用のソースであるが、魚介類や野菜に使われることも多い。
出典:wikipedia
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