大洗鹿島線(おおあらいかしません)は、茨城県水戸市の水戸駅から鹿嶋市の鹿島サッカースタジアム駅に至る鹿島臨海鉄道が運営する鉄道路線。日本鉄道建設公団建設線(北鹿島線)を引き継ぎ、開業した路線である。PASMO・Suica等のICカード乗車券は使用はできず、導入予定もない。水戸の近郊エリアとして通勤・通学利用や、水族館(アクアワールド・大洗)や大洗マリンタワー、大洗サンビーチ、大洗リゾートアウトレットといったマリンスポットが多数点在する大洗へのアクセスに利用される。この区間の運転本数は1時間に2 - 3本ほどあり、第三セクターの地方鉄道線としては列車密度が高めである。水戸 - 大洗間の区間列車が多数を占めており、旅客輸送において大洗駅は重要な拠点駅となっている。大洗より先は鹿島灘に沿って進むが、5kmほど距離を置いて走行するため、車窓から太平洋が映る区間はない。農地が続く平地を直線状に路線が敷かれ、駅間距離も5kmほどと長いために、ローカル線の気動車ながら走行速度は高い。大洗より先は、列車本数は1時間に1本ほどと少なくなる。新鉾田は途中駅としては利用者数が多めであり、大洗鹿島線における拠点駅の一つである。大洗鹿島線の開通によって、鉾田市(開通当時は鉾田町)から水戸までの通勤・通学の所要時間は大幅に短縮された。鉾田市には鹿島鉄道(旧関東鉄道鉾田線、2007年廃止)の鉾田駅があり、鉾田市にとっては大洗鹿島線は初めての鉄道路線ではなかったが、開通時は大洗町と同様に地元からの歓迎を受けた。大洗鹿島線の新鉾田駅と鹿島鉄道の鉾田駅とは道のりで2kmほど離れており、両線をまたぐ利用者は少なかった。北浦と鹿島灘の間を走行し、大洋 - 鹿島サッカースタジアム間は鹿島灘の沿岸から2kmほどの距離を置いて走行する。大洗鹿島線の終点は鹿島サッカースタジアム駅だが、カシマサッカースタジアムでの試合開催日以外は旅客営業を行なわないため通過する臨時駅である。大洋 - 鹿島サッカースタジアム間は、県道242号と並行する。鹿島サッカースタジアム - 鹿島神宮間は東日本旅客鉄道(JR東日本)鹿島線に乗り入れる。改正鉄道敷設法別表第39号「茨城県水戸ヨリ鉾田ヲ経テ鹿島ニ至ル鉄道」である。国有鉄道(鉄道省)が路線決定したのは、1922年(大正11年)のことであった。日本国有鉄道(国鉄)の鹿島線(香取 - 北鹿島)は、1970年(昭和45年)に開業し、北鹿島(現・鹿島サッカースタジアム)以北の水戸へ至る鉄道を延伸する工事が続けられてきた。1980年(昭和55年)の国鉄再建法施行時には鉄建公団により建設中で、開業後の輸送密度が4000人以上見込めるとして工事が続行されたが、完成目前になって、大洗鹿島線の経営主体問題が生じた。当時の国鉄は、地方交通線の分離方針から国鉄直営での開業は不可能となり、第三セクター鉄道での運営を希望した。これを承け茨城県では、1984年(昭和59年)、鹿島臨海鉄道による引き受けを決定し、翌1985年(昭和60年)に開業した。建設途中の国鉄新線が、赤字経営の国鉄の工事凍結を免れ、第三セクター線として開業した全国で初めての路線であった。当初は特急列車を運行する計画があったため、単線ながら高規格な設計になっている。踏切は、水戸駅近辺の常磐線と並行する部分にJRが設置している2箇所以外には存在しない。路線上の終点である鹿島サッカースタジアム駅を通る水戸方面との列車はすべて鹿島臨海鉄道所有の気動車で運行され、JR鹿島線鹿島神宮駅まで一区間乗り入れる。列車は1両あたり定員120名・通常2両編成のワンマン運転で、途中ある13駅のうち、大洗駅と新鉾田駅を除いて無人駅である。鹿島サッカースタジアム駅はサッカー開催日のみ営業する臨時駅で、1994年に貨物駅であった北鹿島駅を改称して旅客扱いを始めたものである。旅客営業を行わない日はすべての列車が通過扱いで、一部が列車交換のために運転停車を行うだけである。列車としては、毎時1本の水戸 - 鹿島神宮間を運行する列車のほか、水戸 - 大洗間の列車も多く設定されており水戸周辺の地域輸送の便を図っている。水戸 - 新鉾田間の区間列車も数本設定されている。1985年の開業時は、水戸 - 鹿島神宮駅間(約56キロ)を所要時間1時間15分で1日14往復し、快速列車も朝夕1本ずつ設定され、同区間を56分で結んだ。2002 FIFAワールドカップ開催時に東京方面からJR東日本の電車を鹿島サッカースタジアム駅まで運転する輸送計画が立てられたが(鹿島サッカースタジアム駅までの鹿島線は直流1500V電化されており、電気機関車EF65形が定期列車で入線する)、前年に起きた兵庫県明石市の歩道橋圧死事故を教訓に、警備上の問題から見送られることとなった。その後、2006年7月15日の2006JOMOオールスターサッカーに際して、初めてJR東日本の旅客車両が鹿島サッカースタジアム駅まで営業運行(臨時列車)され、多客が見込める場合は、JR東日本の臨時増発列車が乗り入れることもある。開業後の数年間、海水浴シーズンにJR東日本常磐線上野駅からの気動車による臨時急行「おおあらい」(後に快速になる)が水戸駅から大洗駅まで乗り入れていた。また、大宮駅から東北本線・水戸線経由の臨時普通列車「大洗エメラルド」も機関車牽引の客車列車で大洗駅まで運転された。1992年から1998年まで、7000形で定期運行されていた有料快速列車。水戸 - 鹿島神宮間に2往復、水戸 - 大洗間に2往復が運行されていた。潮来市で行われるあやめ祭り開催中はJR鹿島線潮来駅まで延長運転を行うことがあった。なお、乗車の際には乗車券のほかに「マリンライナーはまなす券」(乗車整理券)200円が必要だった(券は車内で販売)。定期券では乗車できないため、通勤・通学利用向きの列車ではなかった。当時の停車駅は以下のとおり。水戸 - 大洗 - 鹿島旭 - 新鉾田 - 大洋 - 鹿島大野 - 鹿島神宮 (- 潮来)定期運行廃止後も、あやめ祭り期間等に臨時列車として運転したことがあった。なお、このときは水戸 - 潮来間各駅停車(JR鹿島線内の延方駅も停車)で、特別料金は不要であった。なお、「マリンライナーはまなす」とは別に1985年の開業時から、水戸 - 鹿島神宮間に6000形による料金不要の快速(1986年から「はまなす」の愛称が付く)が1往復運転されていたが、これも1998年に廃止されている。列車名のハマナスは鹿嶋市の市の花である。ハマナス自生南限地域が鹿嶋市内にあり、国の天然記念物に指定されている。最寄り駅は鹿島灘駅。2009年5月2日 - 5月6日にも、臨時列車として水戸 - 大洗間を運行していた。路線上の終点(境界)は鹿島サッカースタジアム駅であるが、通常は旅客扱いを行わず、JR鹿島線に乗り入れて鹿島神宮駅まで運転され、鹿島神宮駅が佐原方面との乗換駅となる。そのため、大洗鹿島線で鹿島神宮駅を経由する場合、JRの鹿島サッカースタジアム駅までの運賃と鹿島臨海鉄道の運賃が発生する(最短区間である鹿島神宮 - 荒野台間は特別連絡運賃が設定されている)。このため、JRの在来線を乗車可能な特別企画乗車券(青春18きっぷ、北海道&東日本パスなど)で鹿島神宮駅から大洗鹿島線へ乗り越す(あるいは大洗鹿島線から鹿島神宮駅を経由してJRへ乗り越す)ために、鹿島サッカースタジアム駅が旅客営業していない日にも、鹿島サッカースタジアム駅発着の乗車券が発売(あるいは乗り越し精算)される。Suica、PASMOは利用できない。なお、大洗鹿島線を経由した通過連絡運輸の扱いが、区間を限定して(成田 - 成田線・鹿島線 - 鹿島神宮 - 大洗鹿島線 - 水戸 - 常磐線・水郡線方面)設定されている。大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2014年4月1日改定。1985年の開業当時は、水戸 - 大洗間が240円、水戸 - 鹿島神宮間が1220円かかった。※注記
出典:wikipedia
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