総武快速線(そうぶかいそくせん)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)総武本線のうち、総武本線の起点である東京都千代田区の東京駅から千葉駅までの区間を指す。運行系統名称としては「総武快速線」「総武線快速」「総武線(快速)」などと案内され、直通運転を行っている横須賀線と合わせて「横須賀・総武快速線」と呼ばれることもある。車内放送においても、常磐線や中央線の快速列車と異なり、特別快速や通勤快速、他線への直通列車などの例外をのぞき「総武快速線」と案内され、日本語で種別は案内されない。東京地区の電車特定区間内(E電)の運行系統の一つで、千葉県中・西部の各都市から東京都心への通勤路線のひとつとなっている。東京駅から馬喰町駅までは地下路線、錦糸町駅以東は線路別複々線のうちの快速線を走行して千葉駅に至る。JRの前身である日本国有鉄道(国鉄)の通勤五方面作戦の一環として建設が行われ、1972年(昭和47年)の東京駅 - 錦糸町駅間の新線と錦糸町駅 - 津田沼駅間の複々線化の完成と同時に運転が開始された。その後1976年(昭和51年)の品川駅延伸を経て1980年(昭和55年)からは横須賀線との直通運転が始まり、1981年(昭和56年)7月の複々線区間の千葉駅延伸、同年10月の稲毛駅停車開始によって現在の運行形態が築かれた。一部の列車は千葉駅から外房線・内房線・総武本線(千葉以東)・成田線へ直通運転を行っている。全区間が電車特定区間内であるが、編成の一部にクロスシートやトイレを備えた近郊タイプの電車が用いられ、グリーン車も2両組み込まれている。運転される列車は快速電車が主であり、このほか、銚子市など千葉県東部方面への特急列車や、成田国際空港への空港アクセス特急「成田エクスプレス」の走行ルートともなっている。新小岩駅以東では日本貨物鉄道(JR貨物)による貨物列車も運行され、また2010年(平成22年)3月まで日本国内最後の荷物列車が走っていた。終夜運転は基本的に行われない(中央・総武線各駅停車は行われる)。ラインカラーは横須賀線と共通であり、快速電車の車体色(通称:スカ色)の一部に近い色である青()で案内されている。房総方面の国鉄の鉄道路線は、1953年(昭和28年)に「気動車化モデル線区」に選定されてある程度の近代化が進展していたが、電化の進展は1968年(昭和43年)までは総武本線の御茶ノ水駅 - 千葉駅までに過ぎず、他の路線は非電化の状況であった。千葉・房総方面において機関車牽引でない“電車”は中央緩行線に直通する総武線国電(御茶ノ水駅から千葉駅までの各駅に停車)と私鉄である京成電鉄の路線だけであり、それ以外は蒸気機関車やディーゼル機関車が走る、関東でも電化整備の遅れた地域であった。1968年(昭和43年)3月28日に総武本線・成田線の千葉駅 - 佐倉駅 - 成田駅間の電化が完成し、同年7月13日に千葉駅 - 木更津駅間の電化が完成。同区間に電車が走れるようになり、同年10月1日のダイヤ改正から中央線の中野始発で成田駅・木更津駅へ毎日1時間に1 - 2本程度、総武線電車快速が走り始めた。国電区間内の停車駅は中野駅 - (中央緩行線内各駅停車) - 御茶ノ水駅・秋葉原駅・両国駅・新小岩駅・市川駅・船橋駅・津田沼駅・千葉駅で、車両は各駅停車と同じくカナリアイエロー色の101系電車を使用していた。このころは複々線化される前であり、この快速は現在の総武快速線とは本質的には異なるものといえるが、停車駅など後の総武快速線に踏襲されている部分もある。高度経済成長を迎えたころ、総武線も朝のラッシュ時を中心に他の東京近郊の主要路線同様、混雑をきわめていた。千葉鉄道管理局でも様々な計画案が立案されていた。一例として 1962年(昭和37年)に発表された段階案では、このほかにも、当時最高混雑区間であった亀戸駅 - 新小岩駅を先行して複々線化する案などがあった。1964年(昭和39年)になると「通勤五方面作戦」と称する都市近郊各線輸送力増強計画の一環として、総武本線では快速線と緩行線を分ける複々線化を計画した。快速線新設に関する計画は以下のとおりである。以下では2015年3月14日改正までに至る総武快速線の運行形態について述べる。複々線区間である錦糸町駅 - 千葉駅間では、すべての旅客駅にホームが設置されている総武緩行線に対し、総武快速線は快速停車駅にのみホームが設置されている。中央本線緩行線との直通運転を行う総武緩行線とはほぼ完全に分離されたダイヤが組まれており、緩急接続は特に考慮されていない。快速・通勤快速は11両または15両編成で運転されている。快速・通勤快速・特別快速はいずれも総武快速線及び横須賀線内では電車ダイヤであり、運転上の主要駅以外では採時を行わない。列車番号は上2桁が始発駅の出発時刻、下2桁が運用番号(東京駅到着まではその-1)を示している。末尾には総武快速線内ではF、横須賀線内ではSが付されている。総武快速線は特急列車の走行経路ともなっており、2015年3月14日現在のダイヤでは、成田国際空港へのアクセス特急「成田エクスプレス」・東京駅と千葉県東部地区とを結ぶ特急「しおさい」・千葉駅 - 甲府・松本方面を結ぶ特急「あずさ」が運行されている。このほか、臨時列車として、「新宿わかしお」・「新宿さざなみ」が年末年始をのぞく毎週土曜・休日に、「日光」が多客期週末を中心に運行されている。詳細は、各列車の記事を参照。1984年(昭和59年)7月23日より、夜に運転される座席定員制の通勤ライナーとして「ホームライナー津田沼」の運行が開始された。後に運行区間の延伸により「ホームライナー千葉」と愛称が変更された。現行ダイヤでは千葉方面に1日5本運転されており、そのうち4本が東京発、1本が中央本線新宿発となっている。2016年(平成28年)3月26日より停車駅に船橋が加わった。東京駅・秋葉原駅 - 船橋駅間は途中の駅には停車しない。運行されるのは平日のみである。特別快速は、2015年3月14日のダイヤ改正から、東京駅 - 内房線館山駅間で平日のみ1往復運行されている。過去にも臨時列車として特別快速が運行された実績はあるが(「過去の列車」節を参照)、定期列車として運行されるのは初めてである。東京駅 - 館山駅間の途中停車駅は錦糸町駅・船橋駅・津田沼駅・千葉駅・蘇我駅・五井駅・木更津駅・君津駅・佐貫町駅・浜金谷駅・保田駅・岩井駅・富浦駅である。なお横須賀線との直通は行わない。下りは市川駅で先行の東京始発千葉行き快速を追い抜く。一方上りは市川駅での追い抜きはなく、千葉駅で成田空港発久里浜行き快速に連絡し、東京駅で成田空港発大船・池袋行き特急成田エクスプレス44号と横須賀線東京始発逗子行き普通に連絡する。通勤快速は、平日朝夜の通勤時間帯に運行されている、通常の快速よりも停車駅が少ない速達列車であり、1994年(平成6年)12月3日改正より運行を開始した。上りは朝に成田線成田発横須賀線大船行きが1本・成田線成田空港発横須賀線逗子行きが1本と、下りは夜に東京発成田行き2本が運転されている。錦糸町駅 - 千葉駅間では船橋駅のみに停車し、千葉駅 - 成田駅間では東千葉駅・物井駅を通過、逗子駅・東京駅 - 錦糸町駅では各駅に停車する。上り列車は先行列車を追い越さないため通常の快速と所要時間がほぼ同じである。下り列車は先行の快速千葉行きを市川駅で通過追い越しするため、快速よりも所要時間が短い(東京駅 - 千葉駅間の所要時間上り39分、下り33分)。2015年3月14日ダイヤ改正より、成田発の逗子行き1本が成田空港発に延長された。2016年3月26日ダイヤ改正より、成田発の逗子行き1本が大船行きに短縮された。快速は、総武快速線での最も主要な列車種別である。東京駅 - 錦糸町駅間は各駅に停車し、錦糸町駅 - 千葉駅間は快速線上にホームのある駅すべてに停車する。東京駅 - 千葉駅間を基本に運転されている。大半が東京駅から横須賀線に直通し、逗子駅・横須賀駅・久里浜駅まで運転するが、1時間に1 - 2本程度は東京駅発着となる。これは、横須賀線品川駅 - 西大井駅間の蛇窪信号場以南で湘南新宿ラインが同一の線路(品鶴線)に直通しており、ダイヤが干渉するためである。朝夕には、横須賀線品川駅・大船駅発着、(横須賀線 - )東京駅 - 津田沼駅間および津田沼駅 - 千葉駅間の区間列車も設定されている。平日朝夕ラッシュ時は約2 - 5分間隔、日中時間帯は1時間あたり5 - 6本程度(このうち1 - 2本程度は東京駅発着)が運行されている。千葉駅からは以下の各線への直通列車も設定されている。以下に示す車両はすべて電車である。快速・通勤快速はすべてグリーン車を2両連結した15両または11両の編成である。多くの列車が、15両編成で運転される。東京駅 - 千葉駅間のもの。以下は東京駅 - 千葉駅間の快速線上の停車場(駅・信号場)および停車種別・接続路線などを一覧表としてまとめたものである。各駅停車および錦糸町駅 - 御茶ノ水駅間については「中央・総武緩行線#駅一覧」参照。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。