川越富洲原駅(かわごえとみすはらえき)は、三重県三重郡川越町大字豊田にある、近畿日本鉄道(近鉄)名古屋線の駅である。駅番号はE16。1929年(昭和4年)の伊勢電気鉄道四日市 - 桑名間開業時に、伊藤平治郎の誘致により富洲原駅が開業した。近鉄名古屋駅(名古屋市)方面から三重郡富洲原町の天ヶ須賀にあった須賀浦海水浴場に来る観光客で賑わっていたという。当時の富洲原駅は、現在の駅より300m南側に離れた四日市市平町に立地していた。1945年(昭和20年)、隣の三重郡川越村の朝明川付近にあった無人駅の川越駅が富洲原駅と統合され、両駅の中間の距離である300m北の川越町豊田地区に富洲原駅が移動した。昭和20年代、川越村(現在の川越町)は養殖と農業と水飴産業しかない一寒村であった一方、富洲原は東洋紡績富田工場や平田紡績本社工場など紡績業で賑わいを見せていた。商店街や上下水道が整備され、政治的にも経済的にも強力な富洲原の名を駅名に冠するのは自明の理であった。しかし1990年代には、紡績工場の相次ぐ閉鎖や商店街の衰退、さらには水害による富田一色地区の急速な人口の減少により、富洲原地区は急激に衰退していった。対する川越町は、昭和末期に中部電力川越火力発電所が誘致されて大企業の施設が建設された事や、道路網の相次ぐ整備で人口が急増、それに伴って法人税や固定資産税も急増して財政にゆとりができ、もはや富洲原と川越町の力関係は逆転していた。川越町は富洲原を町の玄関口と位置付けており、1983年(昭和58年)に川越町議会議員で富洲原駅付近(豊田地区)出身の飯田勝祐議員が問題提起をした。それ以後、川越町の議会で「富洲原駅の名称問題」が幾度も取り上げられ、川越町駅に改称するように近鉄に陳情を繰り返したが、川越町駅への改称は近鉄及び四日市市の理解が必要であり、富洲原地区民の反発が予想されることや、埼玉県川越市と同一地名であるなどの問題があった。竹下内閣のふるさと創生事業の一環として、川越町の資金援助で三重県立川越高等学校付近の川越町(豊田一色地区内)に川越町駅を建設するように求めたこともあったが、近鉄はダイヤ上の都合を理由に「川越町駅」の建設を断った。川越町民による富洲原地区民への嫌がらせも発生し、1993年(平成5年)には川越町民による四日市市立富洲原小学校の講堂への放火未遂事件まで発生している。現在の駅の所在地が四日市市富洲原地区ではなく同町豊田地区である事から、平成初期は『富洲原川越駅』を提案していたが、のちに駅名を『川越富洲原駅』とする条件に変え、川越町が駅整備事業を全額負担する前提で近鉄と交渉を行ってきた。この結果、2009年(平成21年)3月20日に駅名を「富洲原駅」から「川越富洲原駅」に改称した。東口広場と西口広場には駅前広場が設けられ、「川越富洲原駅前交番」が設置された。なお、近鉄が所有するのは改札内のみであり、橋上のその他の施設はエレベーターも含め、川越町道となっている。富洲原駅時代は鯉が泳ぐため池が駅舎の付近にあった。富洲原駅の西側は三重郡川越町の豊田地区であり、運河型の河川に田んぼなど広大な農地があったが現在はアパートなど住宅開発がされている。富洲原駅の東側は富洲原駅前の商店街である天神町商店街がある。富洲原駅の構内は踏切で1番ホームから4番ホームまでを横断する構造で、踏切に安全性の問題があり、高齢者の女性が踏切を横断するのに時間がかかり通過列車にひかれる死亡事故が多発していた。川越富洲原駅に駅名が改称されてからは安全性の向上のための改修工事の結果橋上駅となり、駅の安全性が向上した。富洲原駅時代は富洲原地区を中心とする案内図があり、天ヵ須賀地区の各自治会名の案内図があった。川越富洲原駅に駅名が変更されてからは、川越町によって設置された川越町中心の川越町案内図と川越富洲原駅周辺案内図の2つの案内図が設置されて富洲原地区関係の紹介が削除された。駅の通路には川越町の物産品紹介コーナーや、川越町の歴史などを紹介する展示コーナーが設置されている。島式ホーム2面4線を持つ待避可能な地上駅である。ホーム長は停車目標上は5両編成だが、駅改良工事の際に延伸されて6両編成の停車に対応している。ラッシュ時を中心に準急・普通列車の乙特急、日中に名阪甲特急の待避が頻繁に行われる。橋上駅舎が2010年(平成22年)4月3日より供用され、1945年(昭和20年)に建築された旧富洲原駅の駅舎は切り妻風の木造平屋建てであり、面積は約150mで現存する駅舎では数少ない木造駅舎建築物であり、貴重な近代化遺産として文化財レベルの価値がある事から、文化財として移設して保存する運動もあったが、同月中に取り壊された。トイレは改札内にある。近年における当駅の1日乗降人員の調査結果は以下の通り。「三重県統計書」によると、1日の平均乗車人員は以下の通りである。当駅の利用状況の変遷を下表に示す。
出典:wikipedia
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