グッピー(Guppy, 学名:"Poecilia reticulata")は、ラテンアメリカ原産のカダヤシ目(キプリノドン目) カダヤシ科(ポエキリア科) グッピー属(ポエキリア属)に属する魚。1858年頃、イギリスの植物学者グッピーによって発見され、1859年に学名がつけられた。和名としては一応「ニジメダカ」が与えられているが、ほとんど用いられていない。全長は約5cmで、雄のほうが雌に比べて色も形も派手。卵胎生を行う。古くから熱帯魚として広く親しまれている。日本にも帰化している外来種で、沖縄県や、温泉街の用水路で見ることができる。グッピーは小型の胎生メダカ類である。観賞用に飼育されているこの仲間のうちでは、ごく小型の部類にはいる。非常に丈夫で飼育が容易である。また、同類の他の魚との違いとして、個体ごとに色が異なることがあげられる。サザンプラティフィッシュなども様々な色彩のものがあるが、それらは品種として扱える程度の遺伝的な安定性があるが、グッピーでは変化が非常に激しい。しかもそれがひれの形にまで及ぶのが独特で、特に改良品種では大きな鰭を持ち、美しい。また、繁殖もごく簡単で、群泳させておけば勝手に交配し、子を産む。気をつけなければならないのは、生まれた子を親が共食いしないような配慮くらいであり、非常にやさしい。それらの特徴のため、熱帯魚における入門的な種としても人気がある。長く系統を維持するのは案外難しい。安易な飼育では繁殖はしても次第に勢いを失い、奇形が出現することが多く、系統の維持は容易でない。さらに美しいものを繁殖させるのはもっと難しい。美しい個体を作るためには遺伝的背景を考慮する必要があり、その辺の工夫に凝るときりがない。それゆえ、「熱帯魚飼育はグッピーに始まりグッピーに終わる」とも言われることがある。雄と雌で性的二形が著しく、大きさは雌が大きいが、彩りは雄が美しい。雄は体長3-4cm、雌は5-6cm。雌の形はメダカやカダヤシに似ている。野生種では薄い褐色の体に、透明な鰭を持つ。雄では雌よりやや細身ながら、ほぼ同じ形であるが、背びれと尾びれが大きく広がる。特に尾ひれは後端が不規則な形の旗のように広がり、また、胴体の側面と尾ひれに青や赤など様々な色の模様が出て、一部は金属光沢を帯びる。これらの斑点は個体変異が大きく、親子兄弟でも違ったものが見られる。また、尻びれは細長くとがる。この尻びれはゴノポディウム(gonopodium)とよばれる管状の交接器になっており、これによって精子のかたまりをメスの総排出腔に注入する。観賞用に改良された品種が多くある。品種により様々であるが、野生種より大柄で、鰭がより広がるものが多い。また、それらでは雌にも尾ひれなどに若干の模様が出ることが多い。日本へは昭和初期に輸入され今に至る。おもにシンガポールで養殖されたものを外国産グッピー、日本国内で繁殖・作出されたものを国産グッピーとよぶ。外国産グッピーのほうが安価だが、国産グッピーのほうが日本の水で育っていること、輸送ストレスが低いこと、大切に扱われていることなどから大変丈夫である。特に1990年代から俗に「グッピーエイズ」と呼ばれた病気により、外国産グッピーの死亡率が非常に高い現象が知られているが、国産グッピーではそのようなことはない。尾びれの形状は三角形に大きく広がる「デルタテール」が一般的だが、尾びれの上下、もしくは上下のいずれかが長く伸びるタイプや、楕円形のラウンドテール、尾びれの中央が伸びるピンテールなどが存在する。欧州ではラウンドテールやピンテールの品種に人気がある。グッピーは熱帯魚だけに耐寒性が弱く、日本本土の冬を野外で越すのは難しい。しかし、カダヤシより止水や汚水に強く、都市の下水ですら生育できる能力がある。そのために、温泉街などでは下水の流入する地域にグッピーが帰化している例がある。北海道の温泉地でも定着が確認されている。野生化した飼育個体グッピーは野生型に近い姿をしている。沖縄県では自然の流水にメダカが生息するが、郊外の流水から止水域でカダヤシが、都市の下水や汚染の進んだ河川でグッピーが生息し、いずれもメダカの生息環境に対する脅威となっている。先述のとおり、グッピーが国内で定着可能な水域は限定的であり全国的に問題化する可能性は低いが、環境省は要注意外来生物に選定し、飼育グッピーを野外へ遺棄することがないよう啓発している。アメリカ、オーストラリア、タイ、スリランカ、パプアニューギニアなどでも、在来種の魚類を駆逐して生態系を脅かしている。なお、沖縄の熱帯魚店では、捕獲された野生化グッピーが販売される例がある。主としてアロワナなど大型魚の餌とするためである。
出典:wikipedia
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