HOゲージ (エイチオーゲージ、エッチオーゲージ) とは、鉄道模型の縮尺と軌間を示す呼称のひとつ。国際的には縮尺1/87(3.5mmスケール) ・軌間16.5mmの鉄道模型の規格を指す。日本ではHOゲージ (エイチオーゲージ、エッチオーゲージとも) 、アメリカではHO (エイチオー) 、HOスケール、欧州大陸ではH0 (エイチゼロ) と呼ばれることが多い。HOとはハーフOゲージの略である。細かい規格・規定は各々の愛好者団体・業界団体によって差異がある。近年、日本ではNゲージの製品および愛好者の数が多く主流であるが、欧米では、HOゲージの製品および愛好者の数が最も多い。日本においては、縮尺1/87 ・軌間16.5mmの正式なHOゲージは新幹線車輛が多く、他に一部メーカーが軌間1435mm (標準軌)の私鉄車輛を製品化している程度である。軌間16.5mmの鉄道模型では、多くの日本型車輛は縮尺1/80 ・軌間16.5mmの16番ゲージ規格で製作されていて、16番ゲージをHOゲージと呼ぶこともある 。むしろ日本では狭軌の1067mm軌間を正確に模型化できるHOn3-1/2や軽便鉄道の模型化にちょうどよいHOn2-1/2といった、HOゲージの縮尺1/87を利用したナローゲージ規格の方が製品数が多い。1921年にイギリスにおいて、それまで主流であった縮尺1/43.5 (7mmスケール) ・軌間1-1/4インチのOゲージの半分の大きさとして登場した、縮尺1/87 (3.5mmスケール) ・軌間5/8インチのOOゲージは、当時の加工技術では小さすぎて満足に模型化することが困難であったため、製品の軌間や縮尺はメーカーによってバラつきがあった。軌間はOOゲージ登場当初はヤード・ポンド法で5/8インチ (≒16mm) であったが、後に16.5mmとなった。実物の鉄道において小振りな車体が主流であったイギリスを中心に技術的な都合から当初の縮尺1/87 (3.5mmスケール) を縮尺1/76 (4mmスケール) とした製品が展開されるようになったが、そのほかの国では縮尺1/87製品が作られ続けた。名称についても1935年頃から縮尺1/87を採用する国では「HOゲージ」という名称も使われるようになった。1937年にはバセット・ロークにより「OOゲージ」への呼称統一が呼びかけられたが、アメリカではOOゲージが縮尺1/76、軌間19mmの規格で製品化されていたこともあり、結局縮尺1/76 ・軌間16.5mmの規格を「OOゲージ」、縮尺1/87 ・軌間16.5mm規格を「HOゲージ」と呼び分ける事が定着した。その後イギリスではOOゲージが、アメリカやヨーロッパ大陸ではHOゲージが普及した。日本では軌間16.5mmで日本型車輛の縮尺を1/80とした16番ゲージが提唱され、戦後普及した。そのため縮尺1/87 ・軌間16.5mmのHO規格の日本型車輛の鉄道模型は東海道新幹線を模型化したものが最初となった。 一方、Nゲージの登場後、軌間9mmのナローゲージ「9mmナロー」が普及したが、縮尺1/87のHOナロー(HOn2-1/2 ) が主流となった。HOナローに対応して1980年代初頭からは縮尺1/87で日本の鉄道で主流の1067mmゲージ を正確に模型化したHOn3-1/2 (縮尺1/87・軌間12mm)も製品化され、縮尺1/87・軌間16.5mmでも標準軌の私鉄車輛など新幹線以外の車輛も製品化されるようになっている。当初はぜんまい駆動や手押しであり、電気モーターを使うようになってからは交流直巻モーターを用い三線式の線路を使った。後に直流モーターが開発されると直流三線式が登場し、現在は直流二線式が主流となっている。交流三線式はメルクリンが専業として残っているのみである。三線式では電源を片側のレールと中央レール (または架線) 、または反対側のレールと中央レール (または架線) のように分けることで多重制御が可能であった。デジタルコマンドコントロールの登場で二線式でも多重制御が容易にできるようになった。日本以外においては、車両から線路、電源装置、ストラクチャー、アクセサリー、シーナリー用品まで一手に生産する大手メーカーがある一方、車両やストラクチャー等、単一分野のみ生産する中小メーカーや個人が生産するガレージキットメーカーなど数多くのメーカーが存在する。大手メーカーからは初心者や入門者向けとして、車両、線路、電源装置等をまとめて入れたスタートセット (入門セット) が発売されており、初心者でも簡単にHOゲージを始められるようになっている。これら海外メーカーの製品は、百貨店、量販店、模型店、玩具店、鉄道模型専門店や通信販売で日本でも購入することができる。日本形車輛については新幹線車輛は16番ゲージの扱いのある百貨店、量販店、模型店、玩具店、鉄道模型専門店や通信販売で購入できるが、それ以外の製品は、鉄道模型専門店中心の販売となっている。線路・ストラクチャー・アクセサリーについては16番ゲージ用(縮尺1/80が多い)やOOゲージ用(縮尺1/76)も使用できる。HOゲージには様々な楽しみ方があるが、大きく分けると次のようになる。このほかにも、メーカーやクラブなどが開催するイベントや運転会を見学したり、製品について出来栄えや使い勝手などの感想を交換したり、スワップミートと呼ばれる交換会・中古市に参加するといった楽しみ方もある。メルクリンなど欧州のHOゲージの多くは最小通過曲線半径を360mmとして設計されており、省スペースで走行させる事ができる。また、車両の長さを短縮 (ショーティー) 化させたショートスケール車両がHOゲージ登場時から発売されている。短縮化することで、外輪差・内輪差を抑えることができ、編成も長くすることができるため、かつてはアメリカや欧州では一般的であった。現在では縮尺どおりのフルスケール車両が主流となっている。近年発売されはじめた細密成型のフルスケール車両では、最小半径 (360mm) を通過できない場合もある。日本においてはフリーランス車両、バンダイやリマから発売されたO系新幹線以外はほぼ縮尺どおりとなっている。日本国内は五十音順。詳しくは日本の鉄道模型メーカーの一覧を参照。日本国外はアルファベット順。詳しくは日本国外の鉄道模型メーカーの一覧を参照。
出典:wikipedia
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