『鋼鉄ジーグ』(こうてつジーグ)は、1975年(昭和50年)10月5日から1976年(昭和51年)8月29日まで、NET(後のテレビ朝日)系で毎週日曜日18時00分から18時25分に全46話が放送された、原作:永井豪・安田達矢とダイナミック企画、製作:東映動画によるロボットアニメ、および作品内に登場する架空のロボットの名称。サイボーグ化した主人公が変形した頭部パーツに、磁石の力で体の各種パーツが合体して巨大ロボット化するというコンセプトが特徴的。2007年4月5日より、WOWOWで放送された『鋼鉄神ジーグ』はテレビアニメーションではなく、漫画版(安田達矢作画)の続編にあたる。玩具メーカーのタカラが、磁石を使った合体ロボット「マグネモ」の企画を、講談社の児童向け雑誌『テレビマガジン』編集部に持ち込んだところ、ダイナミック企画を紹介され、永井豪と安田達矢を中心にロボットがデザインされた。安田は、当時アシスタントとしてのキャリアは2年少々であったが、ライオンをモチーフにした印象的な顔のデザインが採用され、そのままマンガ作品を『テレビマガジン』にデビュー連載することとなる。漫画連載と合わせて、ジーグの玩具も誌上で推す形で好調なスタートを切る。さらにダイナミック企画と当時蜜月の関係であった東映動画への企画プレゼンテーションが行われ、アニメ化が決定された。この時期、東映動画で制作体制の再編成が行われ、本作と同日(1975年10月5日)に放送をスタートした『UFOロボ グレンダイザー』を『ゲッターロボG』のスタッフが制作することになり、それまでマジンガーシリーズを手がけていたスタッフが『鋼鉄ジーグ』の制作に移動した。詳細は「UFOロボ グレンダイザー#製作体制の変更」を参照。本作の立ち上げに際し、タカラは「鋼鉄ジーグ事業部」を設立、強い意気込みで制作に臨んだ。従来の東映動画-ダイナミック企画作品『デビルマン』や『マジンガーZ』などと異なり、玩具と漫画連載ありきでアニメ化が後に続く手法は、後年の『トランスフォーマー』『ビーダマン』『ミクロマン』『ベイブレード』などでも用いられ、『タカラの山』(ISBN 4-02-257797-5)はこれを「タカラ的な手法」としている。玩具はタカラから「マグネモシリーズ」として、ポピーの超合金シリーズに対抗する商品として発売された。レギュラーサイズで発売されたのは「鋼鉄ジーグ」(マッハドリル付)、「ビッグシューター」、「パーンサロイド」(鋼鉄ジーグと合体可)に留まり、他の形態は一回り小さい商品でスタンダードとして発売された。「メカドン」に関しては2号のみ玩具化されている。マグネモシリーズは、ライバル商品である超合金や他社の合金商品のようにダイカストは胴体等に使用していなかった(肘と膝の関節部のみに使用し強度を上げていた)が、磁石の球体関節により可動範囲が広く、シリーズ商品ではタカラのオリジナル商品「ミクロマン」など、別作品のキャラクターとも互換性があるため、自由度の高いパーツチェンジを楽しめることから人気を博した。売上げはポピーの「超合金」マジンガーシリーズを上回るほどであった。ジーグのマグネモは特に人気が高く、1998年にはコレクター向けに「鋼鉄ジーグ」「パーンサロイド」の復刻版が発売された。バリエーションとしてジーグの「クリアバージョン」および「ブラックバージョン」も後に発売されている。司馬宙を演じた古谷徹も、再発売されたマグネモ・ジーグを購入したという。『鋼鉄ジーグ』の後番組もマグネモシリーズをもとにした『マグネロボ ガ・キーン』『超人戦隊バラタック』が制作され、「マグネロボシリーズ」と総称されるが、ダイナミック企画が関与したのは『ジーグ』のみである。また、玩具のマグネモシリーズは、『ゴワッパー5 ゴーダム』など、東映動画以外の作品でも展開された。他にアオシマからは合体ロボ、合体マシンのジーグやビルドマシンが発売された。ビルドマシンの機首にジーグの頭が乗っているなどシュールなプラモデルであった。「ロボットがロボットの頭部に変形する」というアイデアは、後年、『トランスフォーマー』シリーズのヘッドマスターのヒントになった。この時期、東映動画で制作体制の再編成が行われた。横山賢二プロデューサー率いる『マジンガー』系列のスタッフが本作を、勝田稔男プロデューサー率いる『ゲッターロボ』のスタッフが『UFOロボ グレンダイザー』を担当した。そのため、『グレートマジンガー』の戦闘を重視したハードな空気は本作に受け継がれている。また、宙のサイボーグとしての宿命や敵側の悲劇など、ストーリーもかなり過酷かつ壮烈なものだった。放送時間枠は、30分バージョンと26分バージョンの両方が作られた。詳細はマグネロボシリーズ#放送規格を参照。国内放映後、海外にも輸出された。イタリアでは人気の高いアニメ作品であり、日本版オープニングテーマはルノーのCMにも使われ、イタリア版オープニングはイタリアロック界の重鎮ピエロ・ペルーなどがカヴァーしている。2016年には「鋼鉄ジーグ」が物語の重要な要素である映画『Lo chiamavano Jeeg Robot 皆はこう呼んだ「鋼鉄ジーグ」』(超常的な力に目覚めた一匹狼の小悪党が、「鋼鉄ジーグ」のファンの女性と出会い、その交流を通じて、力を正しく使うことに目覚めていく、というストーリー)が製作され、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の新人監督賞、主演・助演男女優賞を総取りする等、計7部門を受賞した。考古学者の司馬遷次郎は古代日本を支配した邪悪な国家「邪魔大王国(じゃまだいおうこく)」と「女王ヒミカ」の復活を察知したが、王国の放った「ハニワ幻人(げんじん)」の襲撃を受ける。優秀な科学者でもある彼は、死の間際、コンピュータに自身の意識と記憶を移し替える。一方、カーレースで大事故を起こしながら無傷であった息子の宙は、既にサイボーグへと改造されていたことを父に告げられる。宙が頭部に変身する巨大ロボット「鋼鉄ジーグ」は、日本の支配をもくろむ邪魔大王国に立ち向かう。身長:10m、体重:12.5t(2.5tという説もあり)。サイボーグである司馬宙が頭部に変形。支援機のビッグシューターから射出された身体パーツと合体(ビルドアップ)して、鋼鉄ジーグとなる。磁流波エネルギーを動力源としており、「マグネロボ」という異名を持つ。出力は75万馬力。各関節部が球状の磁力関節になっており、ジーグバズーカ、マッハドリルなどの武器を装備することが可能。しかし、磁気異常の空間ではエネルギー回路が混乱し、武器が一切使えなくなる。このため「ビルドアップ」が解除される弱点も孕んでいる。第27話より、司馬宙のサイボーグ体は強化され、新サイボーグとなり、馬型の支援メカ パーンサロイド、様々な環境に適応したスカイパーツ、アースパーツ、マリンパーツといったオプション装備が換装可能となった。宙は高校時代は柔道部で格闘能力が高く、サイボーグ宙に変身前でもハニワ兵士程度なら互角に戦える。鋼鉄ジーグに変身後は宙の動きがトレースされるため、高い格闘能力もそのまま反映する。当時のアオシマの模型パッケージの記述によれば「ジーグ」の名前の由来は「Gathering organization」の略称の「Gorg」から来ているとのことである。BGMおよび歌の作曲・編曲は全て渡辺宙明が行った。一部『グレートマジンガー』のBGMも流用された。OP、EDともに擬音(スキャット)を多用した構成になっており、特にOPでは曲の半分近くに「ダンダン」「バンバン」などのオノマトペが使用されている。EDにはアニメソングには珍しいドラムソロも入っている。なお、キー局とローカル局の間での放送時間の相違に対応するため、正副主題歌と予告編のサイズが調整された。時間が比較的短かったキー局でEDが完全にカットされた一方で、ローカル局ではOPが2番まで、EDにいたってはフルコーラスあり、予告編も長めだった。このフォーマットは『マグネロボ ガ・キーン』、『超人戦隊バラタック』でも引き継がれた(詳細は「マグネロボシリーズ#放送規格」を参照)。ただし、キー局でも再放送時にはローカル局サイズ(EDのフルコーラス含む)が使われた。児童誌や幼年誌に漫画が掲載された。当時の映画「東映まんがまつり」では、永井豪原作の別番組のロボットが共闘する作品が上映されていた。本作も『グレンダイザー』とともに活躍する(共闘はせず別々に登場する)作品『UFOロボ グレンダイザー対鋼鉄ジーグ』が企画され、企画書も存在するが実現には至らなかった。
出典:wikipedia
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