『大怪獣バラン』(だいかいじゅうバラン)は、1958年公開の東宝が制作した怪獣映画。モノクロ、東宝パンスコープ作品、82分。原作は怪奇小説家として知られる黒沼健。後にゴジラシリーズの脚本に多く携わる関沢新一が最初に手がけた怪獣映画である。当初、アメリカからの注文で全4部のテレビドラマとして制作が始まり、フィルムもスタンダードサイズだったが、途中から劇場公開が決まり、東宝特撮初のシネマスコープ版映画(東宝パンスコープ)となった。好評であればシリーズ化も予定されていた。準備稿でのタイトルは『東洋の怪物 大怪獣バラン』となっており、この副題は公開時のキャッチコピーや怪獣バランの二つ名としても用いられている。東北地方、北上川上流の秘境でシベリア地方にしかいないはずのが発見された。ただちに杉本生物研究所の所員2人が調査に向かったが、原因不明の怪死を遂げる。杉本博士の助手の魚崎、犠牲になった所員の妹で記者の由利子、カメラマンの堀口の3人は真相を解明すべく現地へ向かい、外部から隔絶された排他的で独自の神をあがめている岩屋村の人々と出会う。突如、彼らの前に湖から眠りを覚まされた怪獣バランが出現し、集落を破壊する。直ちに自衛隊が出動して攻撃を加えるが、バランは攻撃をものともせず、それどころか手足から皮膜を広げて飛び去ってしまう。その後、銚子沖に現れたバランは東京湾から羽田空港に上陸する。バランの都心侵攻を阻止すべく、自衛隊が羽田空港に布陣する。果たして人類はバランを倒せるのだろうか。中生代の恐竜(劇中では単に怪獣としか呼ばれない)バラノポーダの生き残りで、北上川上流の湖に棲み、外部から隔絶された集落で婆羅陀魏山神(バラダギサンジン、「バラダギサマ」とも)として崇拝されていた。顔の周りの角と背筋に並ぶ透明な長いトゲが特徴で、通常は四足歩行だが二本足で立ち上がることや、ムササビのように飛膜を広げて滑空することもできる。研究員たちが襲われたことがきっかけで、その正体が判明する。眠りを覚まされて集落を破壊して空に飛び去った後、銚子沖から羽田空港に上陸して暴れたが、光る物を飲み込む習性を利用され、科学者の藤村博士が作った強力な爆薬が仕込まれた照明弾を飲み込み、内部から爆破され死亡。頭部は利光貞三、胴体は八木勘寿、八木康栄、表皮、背中のトゲは村瀬継蔵による。背中のトゲは、生物の一部らしい透明感を表現するため、村瀬のアイディアで切ったゴムホースの切り口にビニールテープを貼って作られた。目には電飾がなされている。背中のウロコは、ピーナッツの殻を押し付けたもの。体色は、数少ないカラースチールから茶系であることが確認できるが人工着色スチル写真では緑色となっている。着ぐるみのほかに飛び人形、ギニョールも作られた。飛行シーン用の3分の1サイズの小型のバランは、1966年から1967年に東宝倉庫に現存しているのが確認されていて、『週刊少年マガジン』などに写真が使われている。1966年7月19日に放送された『11PM』の大阪、よみうりスタジオで収録された「怪獣供養」ではバランの飛び人形が祭壇に飾られている。『怪獣総進撃』にはこの3分の1サイズのミニチュアも使用されており、富士のふもとのシーンで確認できる。並行して『総進撃』には新造形の90センチモデルが使用されている。『総進撃』の90センチモデルは1980年代に同サイズのゴロザウルスやモスラ成虫、『ノストラダムスの大予言』の大コウモリなどとともに東宝特美倉庫に保存されていたのが確認されており、現在も首のみ現存し、関連イベントで展示されることがある。※映画本編クレジット順※映画本編クレジット順『僕は三人前(フランキーの僕は三人前)』アメリカでも『Varan the Unbelievable』の題でシネスコ版の映画として公開された。監督はジェリー・バーウィッツ、脚本はシド・ハリス。音楽は儀式の曲以外は全て変更されている。1958年10月に六社協定により劇映画のテレビ放映が禁止となり、テレビ映画として製作された作品でも劇場公開されたものはこの範疇に含まれ輸出の際もテレビ放映権を付与しないことが決定された。これにより、前述の通り本来はアメリカからの依頼でテレビドラマとして製作された本作も劇場公開されることとなった。主人公は日本在住のアメリカ軍将校ブラットレー司令(演:)、ヒロインは彼の秘書シズ子(文献によってはシズカになっている、演:小林ツル子)に変更され、ストーリーもバラン撃破に出動したブラットレー司令がバランの逆襲に遭い、シズ子と共に洞窟に追い詰められる、最終的にバランは死なないなど、かなりオリジナル要素が含まれている。『大怪獣バラン』あかしや書房 書き下ろし単行本 1958年10月5日発行 作画:藤田茂
出典:wikipedia
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