キョンシー()とは、中国の死体妖怪の一種。硬直した死体であるのに、長い年月を経ても腐乱することもなく、動き回るもののことをいう。広東語読みは「キョンシー」、普通話読みは「チャンシー」。日本語の音読みで「きょうし」。もともと中国においては、人が死んで埋葬する前に室内に安置しておくと、夜になって突然動きだし、人を驚かすことがあると昔から言われていた。それが僵尸()である。「」という漢字は死体(=尸)が硬直すると言う意味で、動いても、人に知られたり、何かの拍子ですぐまた元のように体がこわばることから名付けられた。ミイラのように乾燥した尸体は中国でも出土しているが、これは「」と呼び、(妖怪としては)下位分類あるいは別種として区別される。となると尸体であるにもかかわらず一切腐敗せずに生前同様にふっくらとしていて、髪の毛も長く生えている。性格は凶暴で血に飢えた人食い妖怪である。さらに長い年月がたつと、神通力を備えて、空を飛ぶ能力などももつとされる。清朝の野史である『述異記』も湖南省の村で出たという記録を残しているが、伝説の域を出ない。中国湖南省西部よりの出稼ぎ人の遺体を道士が故郷へ搬送する手段として、呪術で歩かせたのが始まりという伝承があり、この方法を「」と称する。清の徐珂『清稗類鈔』方伎類の「送尸術」では、貴州省の材木商人が林業従事者の死体を運ぶ際、先導する者と、加持符咒した水を満たした椀を持った者に付き従わせて家まで送るという。文学作品としては明代から清代にかけて多くが存在するが、有名なもので清代の志怪小説で袁枚の『』に5巻「畫工畫僵屍」他20作あり、『続子不語』第4巻、紀暁嵐の『』、『聊斎志異』1巻がある。また、『西遊記』でも()が登場し一行に三度おそいかかり、2度偽の死体を残し逃げ去り3度目に孫行者(孫悟空)の如意棒に打殺された後に「」と孫行者がであると説明し、背骨に白骨夫人という名をもつ本相をあらわした。日本では1980年代後半から『霊幻道士』、『幽幻道士』等の映画作品が多く公開されて知られるようになり、関連商品が販売されるなどの流行を見せた。「キョンシー」という呼称は、『霊幻道士』の当時の映画配給会社、東宝東和の菅野陽介によって命名された。主に映画によって吸血鬼、ゾンビのイメージに当てられたキョンシー像が作り上げられているが民俗学上根拠は薄い。『霊幻道士』はキョンシー・ブームの火付け役となった最も有名な作品。手を前方に真っ直ぐ伸ばしてピョンピョンと飛び跳ねるお馴染みのキョンシー像はここから広まった。『幽幻道士』は香港映画『霊幻道士』にインスパイアされて製作された台湾製の映画およびテレビドラマ作品。日本では80年代に起きたキョンシーブームにおける二大シリーズの一つとして挙げられ、キョンシーのほか、美少女道士や特殊霊魂という新たなキャラクター像が人気を博した。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。