一般形車両(いっぱんがたしゃりょう)とは、日本国有鉄道(国鉄)・JRにおける車両区分の一種であり、構造の定義としては「客室に出入口を有し、横型(ロングシート)及び縦型腰掛(クロスシート)を備え、通勤輸送に適した性能を有する車両形式のもの」を指すものである。元来は国鉄の特急形や急行形以外の液体式気動車で使われ始めた呼称であり、客車においては50系客車で、電車においては東日本旅客鉄道(JR東日本)のE231系電車においてこの区分が採用された。広い意味では特定の目的に供されない車両を意味する場合もある。当項目では国鉄・JRにおける上記の定義による車両のほか、私鉄における一般形車両、旧型客車や機関車において使われる一般形の呼称についても解説する。旅客車においては昭和20年代までは気動車と電車は普通列車用のみで客車については一部を除いて優等列車と普通列車双方に使用されていたため、明確な用途区分を定めていなかった。昭和30年代に入ると動力近代化計画の取り組みにより新性能電車や液体式気動車が実用化され、動力分散方式の車両が優等列車にも進出するようになり、用途が多様化されたことから車両区分が定められ、優等列車用として特急形車両や急行形車両が登場し、電車では、普通列車用の車両には座席配置や性能が異なる近郊形と通勤形が主に使用された。国鉄時代には新性能電車には一般形車両の区分は存在しなかった。一方、気動車については、普通列車用の車両が一般形と呼ばれるようになるが、特急形・急行形・通勤形以外の車両は一般形に分類していた説と、特急形・急行形以外の車両は一般形に分類していたいう説がある。客車については昭和30年代以降、新製車は静粛性が追求される夜行列車向け及び需要が限られる波動用の優等列車用以外製造されなかった。普通列車へは10系以前の客車(旧型客車)が長らく使用され、国鉄の現場などではこれを一般形客車と呼ぶことはあったが、正式な呼称ではなく座席配置や客室構造も急行形と同様なものである。その後、電車化、気動車化されなかった、交流電化線区や非電化幹線の普通列車用に新製された50系客車が、客車としては唯一、一般形に分類されている。JR発足後は電車においても一般形の区分が使用されるようになり、近郊形と通勤形の機能を兼ねる車両の区分としても使われ、東日本旅客鉄道(JR東日本)ではE231系以後の普通列車用電車の区分としても使われている。その結果、一般形には大都市圏で使用されるものとローカル線で使用されるもので二分されたが、装備や仕様は大きく異なり、車両によって輸送力の差が大きく表れる車両区分である。車両用途としては優等列車専用車両(特急形・急行形車両)との対比で一般的な普通列車で使用することを主目的とした車両が一般形車両とされるが、あくまで特定の種別に供されるわけではないので必ずしも普通列車のみに充当しているわけではない(詳細は遜色急行を参照)。普通列車の他に優等列車用の機能を兼ねる車両も一般形車両の一種とされる。北海道向けのキハ22形や汎用気動車と呼称されたキハ66・67形は普通列車だけでなく、急行列車にも使用され、キハ54形とキハ110系では優等列車向けの車内設備を持つ車両も製造されているが、系列内の一部が優等列車用という位置づけであるため、一般形車両にカテゴライズされている。客車については長編成での使用が前提とされ、元来は長距離列車で使用するために登場したが、10系以前の客車には用途上の区分を定めていなかった。20系以降の客車(新系列客車)では列車用途により明確に区分するようになり、系列ごとに運用されるようになったが、静粛性を追求され、夜行列車への使用が主体となる特急形・急行形は製造されたが、普通列車用の客車の製造には消極的であった。正式な意味で一般形に分類される客車の登場は遅く、50系については10系以前の客車のシステムを踏襲し、1両単位で管理されているが、自動ドアを採用したことから系列単位で使用することを前提としたため、新系列客車の範疇に入ることもあり、本系列の客車だけでまとめて組成することで旧型客車と併結することもでき、通勤輸送を主目的として設計されていたが、車内設備はデッキこそあるものの導入先である地方での実情に合わせて座席もセミクロスシートとしたため、通勤形でも近郊形でもない車両であることからこの区分に分類している。普通列車用の気動車は元来、輸送量が小さい比較的閑散な支線区(いわゆるローカル線)で使用するために登場した。総括制御が可能な液体式気動車の実用化後は汎用性も追求されたため、弾力的な車両運用に対応できるよう1両単位で管理され、運転台付きが原則であり、中間車については需要が限られることと使い勝手が良くないことから日本では編成単位で使用することが多い特急形を除いてあまり普及していない。室内は着席利用と通勤輸送の兼ね合いからそのほとんどが2ドア及び3ドアセミクロスシート(またはロングシート)で製作されている。優等車については需要が限られるため、一般形気動車においては普及していない。普通列車用の電車については首都圏・関西圏いった大都市圏への導入が優先されたため、通勤形と近郊形に用途を二分していたが、明確な意味で一般形の概念を採用した車両は存在しなかった。JR発足後は一般形に分類される車両も登場しているが、電車では大都市圏向けと地域輸送向けに二分され、装備や仕様が大きく異なっている。大都市圏向けのものについては4ドアロングシート及びセミクロスシートで製作されている。一方、その他の地域ではそのような混雑線区を有さないため、単純に地方の地域普通列車輸送に供するための電車として解釈され、2ドアもしくは3ドア(セミ)クロスシートで製造されている。戦前の気動車は機械式で単行での運用が基本とされていた。キハニ5000形が最初とされる。キハ41000形で実用化され、キハ42000形で大型化された。戦時中には多くの地方私鉄が国有鉄道に編入され、多くの買収気動車が国鉄に車籍編入されたが、規格が統一されていないことから使い勝手が悪く、買収気動車は1950年(昭和25年)頃までに淘汰された。客車については国有化以前に製造された客車および鉄道国有化後製造であっても、車両標準化以前の旧式構造を継続して1911年頃まで製造された客車は雑型客車と呼ばれ、1910年以降製造の、鉄道院/鉄道省/国鉄制式形式の客車は制式客車と呼ばれるが、使用の区別が明確でなく、雑多であったことから国有化以後~10系以前に製作された客車も含めて雑型客車と呼ばれることがあるが、10系以前の客車を雑形客車と呼称するのは誤りである。終戦後までは展望車など一部を除いて優等列車用と普通列車用の明確な区別がなく、普通列車用の客車は終戦後の車両不足に対処する形で戦災を受けた客車や電車の台車・台枠・鋼体を再利用して車体のみを新製した戦災復旧車である70系が製作されたが、室内は必要最小限の設備を設けた程度でその車内設備の悪さから早い内に荷物車などに改造され、後に救援車などの事業用車に再改造されたりした。また、木造客車も未だに在籍していたため、木造客車の台枠や台車、連結器などを再利用し、鋼製車体を新製した鋼体化改造車である60系が製作されたほかは優等列車への後継車両の増備や置き換えで捻出した中堅車や古参車が普通列車に充当されていた。これは客車の新車は優等列車への投入が優先されたためである。戦時中は燃料統制で製作が行われなかったが、戦後においては輸送量が増加し、気動車においても2~3両編成での運用も増えたことから総括制御できる気動車として電気式気動車と液体式気動車が製作された。電気式においてはキハ44000形・キハ44100形・キハ44200形、液体式においてはキハ44500形が製作されたが、液体式が実用化され、これを基にキハ10系が製作され、本格的に量産化した車両であった。本系列以後の一般形気動車は特急形や民営化後の新系列気動車など一部を除いて互換性が重視され、他系列との併結も考慮されている。制御系統・制動装置などについては通勤形や急行形も一般形と同一とされたため、実際、急行形や通勤形との混結も多かった。電気式として製作された車両も液体式に改造されたが、貫通路がないため使い勝手が悪く、中間車も含めて次第に郵便・荷物車やその合造車に改造されていった。1950年代半ばまでは普通列車用しか製作されなかったため、用途分類の概念は特になかった。1956年には優等列車で使用することを前提とした気動車として準急形気動車であるキハ55系が登場し、それ以降に製作された優等列車向け(特急形・急行形)気動車との対比と区別する必要が生じたため、便宜的に一般用の表現が使われたが、キハ20系以前の気動車はキハ10系の一部を除いて扉付近にロングシートがあるものの、扉が片開き式で狭く、必ずしもラッシュ時の使用に適した車両とは言えなかった。使用地域の輸送事情に適合させる例が登場し、閑散線区においてはレールバスであるキハ01・02・03形が投入されたが、車体の小ささから乗車定員が少なく、総括制御ができないことによる増結運転の難しさや耐用年度の低さなどから1968年(昭和43年)までに全廃されている。1958年には北海道向けにキハ22形が登場した。本形式以降の北海道向けの一般形気動車は国鉄末期まで二重窓とデッキ付きで製作され、急行列車にも使用されていた。気動車が不足していた時期にはそれに対応するため、オハ62系客車から改造したキハ40系(初代。後のキハ08系)が製作されたが、改造コストの問題で大量製作に至らず、出力不足や使い勝手の悪さから1970年(昭和45年)までに全廃されている。1966年(昭和41年)には通勤形との折衷タイプとし、近郊形に相当するキハ45系が製作され、キハ45系は通勤形と一般形の中間に位置づけられたことから名目上は近郊形に位置づけられることもあるが、カテゴリとしては一般形であり 、北海道向けを除いて両開き扉を採用した点からすれば通勤輸送にも適した車両といえる。当時は気動車が過剰状態であったことと電化を推進する方針としたことから大量製作には至らなかったものの、その後の一般形気動車や2ドア近郊形電車に影響を与えた。一般形気動車は1970年(昭和45年)以降製作が行われなかったが、昭和50年代に入るとキハ10系の老朽化が深刻になっていた。また、客車においても新系列客車(20系以降)登場以後は動力近代化の取り組みで波動用車両と静粛性を追求される夜行列車を除いて動力分散方式の移行を推進したことから普通列車用の客車は長らく新製されず旧型客車が使用され、老朽化や手動ドアによる安全性の問題、電車や気動車に比べて陳腐化していた。1975年(昭和50年)には大出力エンジンに広幅車体、転換クロスシートを採用し、一般形気動車としては初の冷房車であるキハ66・67形が九州地区に投入された。両開き扉や転換クロスシートを採用した点や近郊形電車である117系や115系3000番台に近似する点に着目すれば近郊形とされるが、本形式は急行列車から普通列車に至るまで幅広い運用にも視野を入れて設計され、近郊形でも急行形でもないことから汎用気動車と呼称されたが、本形式は扉付近にロングシートがあり、両開き扉であることから通勤輸送にも適していることからこの概念を採用している。軸重制限の問題からその後の製作は行われなかった。1977年(昭和52年)にはキハ10系の置換え用としてキハ40系が製作された。1982年(昭和57年)までに製作され、大型車体の割には出力が非力なものであったが、分割民営化後に高出力エンジンに載せ替えた車両もある。同時期に客車では通勤輸送に難がある旧型客車置き換え用として50系が製造され、機関車の有効活用と製造コスト面で有利なことから大量に投入され、交流電化線区や非電化幹線を中心に導入されたが、分割民営化後は機関車の付け替えを必要としない動力分散方式に移行すると淘汰の対象とされ、廃車もしくは気動車に改造されたりした。1983年(昭和58年)には直噴式エンジンを採用したキハ37形が製作されたが、ロングシートにしつつも通勤輸送と閑散時に考慮した設計としたことからこの概念を採用したが、試作的要素が強かったことと特定地方交通線廃止の取り組みで気動車の新製が抑制されたことから少数派に留まった。1986年(昭和61年)にはバス用の部品と廃車発生品の台車を使用し、ワンマン運転にも視野を入れ、地域密着形としたキハ31形・キハ32形・キハ54形が登場した。一般形気動車は輸送量が小さい線区への導入が多かったため、国鉄時代は一般形の高出力車両は一部を除いて製作されず、基本的な性能は国鉄分割民営化直前まで変更がなかった。国鉄分割民営化後は気動車においては国鉄継承の車両は陳腐化に対処するために塗色変更や更新工事を施したり、路線の実情に合わせてワンマン化した車両も登場したが、キハ20系・45系などは非冷房車が多い上に老朽化し、キハ45形に至っては片運転台で使いづらいこともあり、これら気動車の置き換え用としてローカル線向けにワンマン運転にも対応し、一般形にも高性能な新系列気動車が製造され、性能面では電車に近づいた。ブレーキ装置においては電気指令式ブレーキが採用され、連結器も密着連結器を採用した車両も登場するなど、在来車とは互換性がなくなり、運用も新系列気動車と在来車で明確に区別されるようになる。北海道旅客鉄道(JR北海道)ではキハ150形、東日本旅客鉄道(JR東日本)ではキハ100・110系、西日本旅客鉄道(JR西日本)ではキハ126系・キハ127系などが製作された。地方都市圏では通勤輸送にも適した3ドア車も製作された。四国旅客鉄道(JR四国)では1000型が製作され、クロスシートとロングシートの配置を工夫し、適度な収容力を確保した。東海旅客鉄道(JR東海)のキハ75形・キハ25形や九州旅客鉄道(JR九州)のキハ200系のように快速列車の使用にも視野を入れた転換クロスシート車も製造された。JR東日本でもセミクロスシートとしたキハE130系が製作された。ローカル線ではNDCシリーズを基本とした車両が導入され、JR北海道ではキハ130形、JR東海ではキハ11形、JR西日本ではキハ120形、JR九州ではキハ125形が製造された。キハ130形を除いてコスト面からトイレなしで製造されたが、乗車距離の長い線区でも使用されたことが問題となり、キハ120形とキハ125形では後年トイレが設置され、キハ11形では300番台でトイレを設置している。客車から改造した気動車も再び製作され、JR西日本ではオハ50形からキハ33形が製作されたが、種車の関係で改造コストが掛かり、2両で製作が打ち切られた。また、12系客車からはキサハ34形が製作され、氷見線で使用されたが、早い時期に廃車となっている。JR北海道ではオハフ51形からキハ141系が製作されたが、こちらは種車が必要最小限の改造で済むことから客車改造車としては多く製作された。2000年代以降は環境保護の観点から環境対策がなされた気動車が製作され、JR東日本ではハイブリッド化したキハE200系が製作された。この概念は観光用ジョイフルトレインであるHB-E300系や3ドア車であるHB-E210系にも受け継がれた。JR四国では環境負荷を軽減した1500形が製造された。優等列車用車両への格上げではJRにおいてはキハ40系を急行列車用に高出力化と座席をリクライニングシートに交換したキハ400・480形が存在した他、九州旅客鉄道(JR九州)では観光特急列車である「はやとの風」「指宿のたまて箱」用に格上げ改造した車両がある。ジョイフルトレインへの改造では国鉄末期に50系客車から「アイランドエクスプレス四国」に改造された例があるほか、JR発足後は急行形車両が老朽化したことや枯渇したこともあり、キハ40系からの改造車が増加している。JR東日本ではキハ100系からの改造車も登場している。普通列車用の電車については新性能電車登場以後、最高速度や車内設備の違いなどから長らく通勤形と近郊形に区分され、通勤形は4ドアロングシート、近郊形は3ドアセミクロスシートが原則であり、大都市圏の近距離列車には通勤形、大都市圏の中距離列車や地方都市圏には近郊形が使用されていたが、分割民営化後は電車においても一般形の区分が使われるようになる。JR東日本においては首都圏では混雑路線が多く、近郊形でもロングシート車が導入されたり4ドア化されたりするなど、編成の過半数を4ドアロングシート車で占めるE217系では通勤形である209系と主電動機が同一であり、編成の一部にセミクロスシート車やグリーン車があるために近郊形に区分され、中距離電車においても常磐線中電では通勤形であるE501系が導入され、地方都市圏においても107系や701系、E127系は短編成で通勤輸送に対応でき、ワンマン運転時において運転士の車内監視や運賃支払い時に利用客の移動の面から3ドアロングシートを主体とし、これらは中・長距離運用に使用することも前提にトイレ付きで製造され、JR東日本の公式ウェブサイト上では通勤形に区分されているが、701系とE127系については後にセミクロスシート車も製造され、資料によっては近郊形や一般形にカテゴライズされたこともあるなど、普通列車用の車両区分の実態が曖昧になっていた。JR東日本ではE231系で初めて通勤形と近郊形の形式上の区別を廃止し、一般形電車に区分を統一した。この車両区分をJR東日本では「それまで近郊形電車と通勤形電車との性能を両方併せ持ち、仕様を共通化させた車両」と説明している。また、理由は以下の通りである。E231系以後の多くの普通列車用電車はこの概念を採用し、交直流対応のE531系や、主要機器を二重化・電動車比率を高くし、故障に強い車両とした後継車両であるE233系、山手線用の4ドアロングシート車であるE235系にも受け継がれた 。ただしE231系とE233系においては、トイレの有無やセミクロスシート車・グリーン車の有無などといった車内設備の違いにより、同一系列内での近郊形仕様と通勤形仕様の区別がなされており、運用上の区別も徹底されているまた東北地方で使用されるE721系や新潟地区で使用されるE129系は、3ドアセミクロスシートという以前の近郊形の仕様で製造されているが、JR東日本はこれらも一般形に区分している。JR東日本以外の事例では、西日本旅客鉄道(JR西日本)の125系はローカル線用の標準タイプとして一般形に区分され、小浜線や加古川線の電化用として製造されたことから置き換え対象であった一般形気動車と同種の用法として使われているものとされる。以下の車両は一般形だけでなく、他の車種に分類されることもある形式である。以下の車両は明確な意味で一般形に分類されるものではないが、慣例的な表現として使われることがある。広義では優等列車専用以外の車両そのものを指し、近郊形と通勤形も含まれる概念となる。国鉄時代の液体式気動車では、通勤形や近郊形に区分された車両もあるが、国鉄気動車の車両形式では特急形であるキハ80系のみにしか定義をしていなかったことと、通勤形・近郊形として製作された車両も他の一般形と混用され、新性能電車とは異なり1両単位で管理され、使用の区別も明確でなかったことから通勤形・近郊形も含めて一般形とされることもある。JR東日本を除くJR旅客会社各社の普通列車用電車では2014年(平成26年)現在でも列車や路線の実情に合わせて通勤形や近郊形の区分を明確にしているが、JR西日本では2005年(平成17年)度以降に新製された車両形式区分の第2位(十の位)の数字「0 - 3、5、6」の用途を通勤形及び近郊形とし、実質的に一般(普通列車)用の領域としたが、前述の125系を除いて列車・路線の実情に合わせて通勤形・近郊形と明確に区分されており、運用も明確に区別されている。JR東海とJR四国はJR発足後は近郊形のみの導入であるため、近郊形が実質的な一般形の区分という状態になっている。313系は1つの形式で列車や線区の実情に合わせて車内設備が異なり、転換クロスシート車、セミクロスシート車、ロングシート車が導入されている。JR北海道では近郊形である721系と通勤形である731系・733系・735系は基本的に共通で運用されており、JR東日本やJR西日本とは異なり、通勤形と近郊形の運用上の区別はされていないため、実質的に一般形という状態になっている。一般形に該当する客車は50系のみであるが、旧型客車(10系以前の客車)については明確な用途を定めていないが、国鉄の現場ではもとより鉄道ファンからは便宜上、一般形客車・在来形客車と呼ばれることもある。旧来の客車は幹線の長距離列車で使用することが前提であり、戦災復旧車である70系がロングシートで製作された他はそのほとんどがデッキ付きの2ドアクロスシートで製造され、独立した便所と洗面所を備える。定員重視で製作された60系の三等車(普通車)を除いて優等列車への使用することも前提としていた。10系以前に製造された客車は優等列車への使用を目的とした車両は一等車と特急列車向けとされたスハ44系くらいであり、70系と60系の三等車(後の二等車。現在の普通車)が実質的な一般(普通列車)用であり、その他の形式は三等車については列車や種別ごとに用途を限定しているわけではないが、そのほとんどが優等列車で使用することを前提にデッキ付き2ドアクロスシートで製造されており、登場後しばらくは優等列車優先で運用され、優等列車への後継車の増備や置き換えにつれて捻出された中堅車や経年車は次第に普通列車にも運用されたりするなど汎用的に使用され、特に○○形といった車両区分の概念がなく、列車用途による明確な定義・区分すらされなかった。したがって、旧型客車に国鉄が定義した一般形の区分を当てはめるには難があり、通勤輸送に適した車両とは言い難く、旧型客車には明確にこの用法は使われるものではない。旧型客車に対してこの用法が使われた理由として、以下の説が挙げられる。電気機関車においてはEF60形、EF64形、EF65形、EF70形、ED75形、ED76形の基本番台(0番台)のことを慣例的に一般形と呼称することがある。ディーゼル機関車においては仕様区分として寒冷地で使用されるA寒地仕様・B寒地仕様に対して温暖地で使用される機関車を慣例的に一般形と呼称している。なお、ディーゼル機関車ではSGの有無で番台区分しているため、A寒地仕様・B寒地仕様・一般形での番台区分は存在しない。私鉄の車両については国鉄・JRのように事業者はもとより国土交通省や日本民営鉄道協会でも明確な規程はしていないが、特別車両や優等列車専用以外の車両に対する表現として使われる場合がある。一方、専用車両がなく、運用上の区別が明確でない場合はこの概念すら存在しない場合がある。説としては、「特急料金などを必要としない車両」に対して表現する場合と、列車種別や接客設備によって車両を定義することがあり、特定の列車や種別(特に特急・急行列車等の有料列車や優等列車)などに専用で充てる車両があり、営業・運用上の区別が明確な場合、そのほかの列車(特に普通列車・各駅停車などの料金不要列車に用いる車両)に使用する車両のことを表現する場合があるが、定義としては恣意的であり、実際には優等列車における料金徴収の有無や一般車両の分類は事業者ごとに異なり、その事業者が運営する線区の実情に合わせた車両が導入され、同類の区分に近い表現として特定の車種に分類されない車両(優等列車専用以外の車両)として解釈されており、便宜的にこの表現が使われているものとされる(一般用車両、一般車、一般車両とも呼ばれる)。また、私鉄には近郊形の概念が存在しないため、JR東日本E231系以降の電車のような通勤形と近郊形の機能を兼ねるタイプの車両も事実上存在しないことから大手・準大手私鉄では単に通勤形車両そのものを指す場合もある。近畿日本鉄道では特急用車両と団体用車両以外の車両(料金不要列車に充当される車両)を案内上一般車両と呼称しているが、この場合は乗車券のみに乗車できる列車に使用する車両を意味する。ただし長距離急行列車を運行している大阪・名古屋線系統においてはトイレの有無や接客設備の違いにより、長距離急行用と近距離用の区別はされている。京阪電気鉄道では「京阪グリーン」と呼ばれるグリーン系統に塗装されたロングシート車両が一般車とされる。1957年(昭和32年)から2008年(平成20年)までは上半分が若草色(ライトグリーン)で下半分が青緑色(ダークグリーン)であったが、2008年(平成20年)以降は上部が濃緑色(レストグリーン)、帯線が黄緑色(フレッシュグリーン)、下部が白色(アーバンホワイト)に変更されている。なお、京阪ではロングシート車両をクラス3と位置付け、「シティ・コミューター」と呼称している。優等列車用車両(特急および急行用車両)であった車両が優等列車(特急・急行列車等)の運用を離脱した場合、状態の良い車両は一般列車に転用される場合があり、この場合も一般車格下げ、通勤車格下げ、特急(急行)車格下げと称する場合がある。優等列車用車両はその性質上、快適性や速達性が重視され、接客設備や性能は時代とともに変化するため10数年も使用すれば見劣りすることがあり、状態が良くても性能や接客設備に遜色のある車両は格下げの体制で一般車の体質改善(性能向上や冷房化、経年車両の置き換えなど)に充てることがある。かつては優等列車には10数年ごとに新車を投入し、捻出した車両は一般車に格下げする傾向があった。中には通勤形車両に近づける改造を受けた車両もあり、この種の改造では料金不要の優等列車を運行している西日本地域の私鉄で見受けられた。他にも本来の優等列車専用車両導入後に一般車両への格下げすることを前提とした車両もあり、この種の車両では小田急2300形、京成3200形(開運号用)などが挙げられる。しかし近年(概ね2000年代以降)では一貫して優等列車で使用する方針に転換しつつあり、一般車への格下げは見られなくなりつつある。これとは別に車両そのものは用途を明確に定めていないが、登場間もない頃は優等列車で使用され、後継車両の増備や置き換えにつれて普通列車にも使用される車両もある。この種の例では6000系登場以前の名古屋鉄道の電車などが挙げられる。一方、その他の私鉄では通勤形の概念がないことから、単に地方の地域普通列車輸送に供するための鉄道車両として考えられている。三陸鉄道ではイベント用以外の車両を一般形車両と表現しており。車両自体はJRの一般形気動車そのものであり、ここでも輸送量の差が大きく表れている。名古屋鉄道では座席指定車両である特別車との対比で無料の自由席車両を特急用車両も含めて一般車と呼称している。この場合には乗車券のみで乗車できる車両を意味するものであり、列車用途による車両区分ではなく、座席区分として使われているものである。また、かつて運行していたJR直通特急「北アルプス」には有料の自由席車両が連結され、自由席といえばそれを意味するものであったため、それと区別する意味合いもある 。南海電気鉄道においても通勤形車両を一般車両と呼称している。こちらも一部座席指定特急「サザン」を運行していることから座席指定車両との対比で使用されているものとされる。欧州では着席通勤が主流とする国もあるため、幹線においては通勤輸送と近郊輸送を両立した2階建車両を使用する国も存在する。フランスのRERでは3ドアの2階建車両も存在する。一方、ローカル線においては日本と同じく、単純に地方の地域普通列車輸送に供するための鉄道車両として考えられ、閑散線区では両運転台車やレールバスが導入されている。ここでも旅客の量が大きく影響している。東南アジアの普通列車は動力分散方式の車両はあるものの現在でも客車が使われている。運賃体系が等級制の国もあり、客車においては下等車両では座席は木製で冷房すらない車両が使われている。台湾では電化区間では1990年代以降電車が使われ、各駅停車である区間車と日本における快速と同種の列車である区間快車があり、区間車にはロングシート車、区間快車にはセミクロスシート車が使用され、運用上の区別も徹底されている。でも、今の運用はほぼ同じ。非電化区間において支線では両運転台の気動車が以前から使われているが、普通列車用の気動車は長らく製作されず、冷房もなく、老朽化・陳腐化したため、1998年にDR1000型 (2代)が導入された。
出典:wikipedia
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