赤い靴(あかいくつ、)は、ハンス・クリスチャン・アンデルセン作の創作童話である。孤児カーレンと赤い靴(みなしごカーレンとあかいくつ)とも表記される。貧しい少女カーレンは、ずっと病気だった母親と二人っきり。ある日、靴を持たない彼女は足に怪我をしたところを靴屋のおかみさんに助けられ、赤い靴を作ってもらう。その直後、看病も虚しく母親は死んでしまった。孤児のカーレンは母親の葬儀に赤い靴を履いて出席し、それを見咎めた老婦人は彼女の境遇に同情して養女にした。裕福な老婦人のもとで育てられたカーレンは、町一番の美しい娘に成長した。ある日、靴屋の店先に綺麗な赤い靴を見つけたカーレンは、老婦人の目を盗んで買ってしまう。戒律上、無彩色の服装で出席しなければならない教会にもその赤い靴を履いて行き、老婦人にたしなめられる。それでもカーレンは教会に赤い靴を履いていく。老婦人が死の床についているときにさえ、カーレンはその靴を履いて舞踏会に出かけてしまう。すると不思議なことにカーレンの足は勝手に踊り続け、靴を脱ぐことも出来なくなる。カーレンは死ぬまで踊り続ける呪いをかけられたのだった。夜も昼もカーレンは踊り続けなくてはならなかった。カーレンが看病しなかったばかりに亡くなった老婦人の葬儀にも出席できず、身も心も疲弊してしまう。とうとう呪いを免れるため首斬り役人に懇願して両足首を切断してもらう。すると切り離された両足と赤い靴はカーレンを置いて、踊りながら遠くへ去ってしまった。心を入れ替えたカーレンは不自由な体で教会の慈善活動に励む毎日を送る。ある日、眼前に天使が顕現し、罪を赦されたことを知ったカーレンは、法悦のうちに天へ召されていった。この物語に『赤い靴』は三足登場する。一足目は、同じ貧村の靴屋が端切れで縫ってくれた心の籠もった ラシャ布の赤い靴。カーレンにとっては、老婦人に引き取ってもらう幸運を呼んだ靴だが、当の老婦人に忌まれて焼き捨てられてしまう。二足目は(あらすじでは省略)、旅行中の王女が履いていた目の覚めるようなモロッコ革(最上級のなめし革)の赤い靴。カーレンは世界中探してもこれほどすばらしい靴はないと思う。そして三足目が、堅信礼用として高級靴店で見つけたエナメルの赤い靴。サイズ違いで売れ残った伯爵令嬢のオーダー品を、(視力低下で赤いと気付かなかった)老婦人に買い与えられる。中盤以降、カーレンが『赤い靴のことばかり考えていた』と繰り返し記述されるが、どの様に考えていたのかは明示されていない。モロッコ革(本物)とエナメル革(偽物)を対比させたり、赤い靴を娼婦の象徴とするなど、赤い靴の解釈は多数有るが、作者はむしろ(自分と同じ)貧しい境遇から抜け出ようとする者を待ち構える『悪意のない罠』を描きたかったのかも知れない。このほか老傷兵(あらすじでは省略)が、明らかにカーレンに呪いをかけているのは、若さへの老人の嫉妬とする解釈もある。そして天使(あらすじでは省略)が、最初は呪いと苦役を、最期は祝福と死を授けるのは、いかにもキリスト教説話の文法に則った展開に違いない。
出典:wikipedia
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