西表島(いりおもてじま)は、沖縄県八重山郡竹富町に属する島であり、八重山諸島最大の島である。人口は2,437人(2016年7月末)である。面積289.61km²、周囲130.0kmの島で、日本第12位、沖縄県内では沖縄本島に次いで面積第2位である。2005年度国勢調査に基づく人口は2,347人、世帯数1,187。八重山諸島では最も大きいが、山がちで平地に乏しい。名称については西の表で、表は石垣島の於茂登岳を指し、於茂登岳の西にある山の意とも言われる。古くは古見島も使われたとも。島の面積の90%は亜熱帯の自然林で覆われ、山の斜面・森林ともに海の間近にまで迫っており、平地はほとんどない。人の居住地は海岸線沿いのわずかな土地に限られる。島の面積の約8割は国有林である。島を構成する古見岳(こみだけ、標高469.5m)、テドウ山(標高441.2m)、御座岳(ござだけ、標高420.4m)の三峰は琉球諸島全体の中でも屈指の標高を有する。太古の海進期にも完全に水没することなく、結果として島の生物群は独特の生態系を維持したまま現在に到る。上記のような山は島の中央ではなく周辺部にあり、島全体が山で覆われるものの、中央が高いわけではない。平地は島周辺にほんのわずかにあるが、連続していない。外から見ると台形の島である。仲間川と浦内川はいずれも沖縄県では大きな川で、共に島の端近くの山から流れて反対側に出る。川は数多く、島の外側が急斜面であるため滝も多い。カンピレーの滝、マリユドゥの滝、ピナイサーラは観光的にも重視される。崎山湾は自然環境保全地域に指定されている。亜熱帯海洋性気候に属する。また月別平均気温の平年値(1981-2010年)に基づけば熱帯雨林気候(Af)に相当する。山奥から流れ出す浦内川は、上流ではマリユドゥの滝などの多くの景勝地と、下流の汽水域では広大なマングローブ林を形成する。その他にも海岸線の河口や内湾には多くの場所でマングローブ林が発達する。日本産のマングローブ植物7種がすべて分布するのは西表島だけである。立派な板根を形成するサキシマスオウノキもここで見られる。内陸はイタジイやウラジロガシを中心とする森林に覆われている。特別天然記念物のカンムリワシ、イリオモテヤマネコ、天然記念物のセマルハコガメ、キシノウエトカゲ、サキシマハブなど、珍しい動植物の宝庫である。10,386haが西表石垣国立公園の特別地域に指定されており、そのうち浦内川の源流部が特別保護地区(1,786ha)である。イリオモテヤマネコやヨナクニカラスバト等の希少な野生鳥獣の保全を目的として、島の森林地域のうち約3841haが国指定西表鳥獣保護区(希少鳥獣生息地)に指定されており、そのうち2306haが特別保護地区である。熱帯系の生物が多く、熱帯域の植物でミミモチシダ、ニッパヤシなどはこの島が北限になっている。八重山諸島に固有の動植物も数多い。イリオモテヤマネコのように西表島固有のものはあるが、多くは石垣島など他の八重山諸島の島々と共通である。イリオモテの名を持つ生物には、以下のようなものがある。西表島にのみ分布する固有種(亜種、変種を含む)には以下のようなものがある。マラリア発生地であったため、定住することが困難であり、古くからの集落はごく少ない。東部の古見と西部の祖納集落が例外といえるくらいで、特に古見は古見間切の主邑で1678年には造船所が置かれ、明和年間(1764年 - 1772年)には一時800人を数えるくらいだったという。だが明和の大津波やマラリア流行で人口激減、衰退したため全体として困難な状況は続いていた。琉球王朝時代には何度か波照間島や黒島、新城島からの強制移民が行なわれたが、ほとんど失敗している。1886年(明治19年)、三井物産会社は炭鉱採掘の許可を受け、坑夫200余名に採掘させたが、3年間で100余名の死者を出し、残り過半もマラリアに罹患し、そのため1889年(明治22年)に事業を休止した。その後も開発は進まず、人口希薄の状態が続いた(1919年(大正8年)頃の総人口2889人)。大正末期から昭和初期にかけて、北部内離地区に西表炭坑が開かれ、一時はかなり発展したが、第二次世界大戦中に次第に衰退した。1893年(明治26年)笹森儀助が西表島を探検する。第二次世界大戦末期に、石垣島や波照間島の住民が強制的にこの地域に疎開を命じられ、この地で多くの住民がマラリアにかかり死亡した。これを戦争マラリアとよんでいる。これらのことより開発が遅れ、結果として豊かな自然が残ることになった。マラリアは現在では撲滅された。島内に存在する地域と集落(廃村を含む)は以下の通りである。かつては集落ごとに小字が存在したが現在は廃止されており、番地表示が実施されている。2007年の西表島への入域観光客数は405,646人で10年前と比較して約2倍に増加している。西表島の特有な自然環境を対象とした「エコツアー」が人気であるが、ゴミの処分や下水道設備の増設が不十分で、急激な観光客数の増加に対応できないままである。西表島としてミシュラン・グリーンガイドジャポン二つ星。<東部地区><西部地区>海中道路観光産業は地元資本のホテル・民宿や個人商店等があったが、上原地区のトゥドゥマリ浜にてリゾート開発工事が強行されたことから、住民のみならず国内の有志もが原告に参加した「西表島リゾート開発差止訴訟」(原告側弁護団長 井口博弁護士)が2003年7月14日に那覇地方裁判所に提訴され、一審で住民側の請求は棄却された。二審も控訴が棄却された。西表島特有の味覚としては、毎年11月15日~翌2月15日まで猟が解禁されるカマイ(リュウキュウイノシシ)は狩猟期間が短く捕獲される頭数も少ないため島外への流出が少ない。ノコギリガザミはマングローブ林や河口付近に生息する20cmほどの大型のワタリガニの仲間で、茹でる、蒸すなどのほか鍋料理やパスタの具などに使われる。島ダコは海水の温度が下がる頃、それまでは深場にいたものが浅瀬に上がってくるところを岩場やサンゴの隙間で捕獲することができる。刺身のほか、多くの料理に使われる。立地の悪さと自然保護の観点から空港は存在せず、アクセスは専ら隣の石垣島からの定期船に頼る。島内の幹線道路は沖縄県道215号が白浜地区から大原地区周辺まで島の東岸沿いを走り、内陸や西岸経由で車が通れる道路はない。北西部の端にある集落の船浮(ふなうき)には、道路が続いておらず、島内の他地域との交通手段は船である。信号は島内に2箇所しかなく、うち小学校の前に設けられたものの設置目的は交通安全教育のためである。西表島東部の各集落への玄関口となる港。上原港が冬季は海が荒れやすく船の欠航が多いのに対して仲間港は天候の影響を受けにくく年間を通じて運航が可能なことから優位に立っている。西表島西部の各集落への玄関口となる港。西表の観光スポットへの利用が便利。八重山観光フェリーと安栄観光は、高速船の上原港発着にあわせて上原港 - 祖納 - 白浜間で無料送迎バスを運行している。秋から冬にかけては北風の影響で海が大荒れすることが多く、外洋を走る上原行の運休が多発する。数日にわたって欠航が続くこともある。その際は、両社の石垣港 - 大原港発着便に振り替えられ、大原港 - 上原港 - 祖納 - 白浜間の無料送迎バスを利用することになる(船賃は石垣港 - 上原港分が必要)。道路がない船浮集落と結ぶため、船浮海運により白浜港と船浮港の間を1日3便往復運航されている。白浜港ターミナルには、西表炭鉱などについての掲示物がある。1日4往復島に発電所はなく、石垣島から海底電線で送電している。電気とは逆に、豊富な水資源を海底パイプラインで小浜島に送水している。石垣島の県立八重山病院の付属診療所が島内に2か所に設置され、各1名の医師が常駐する。
出典:wikipedia
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