ハルキゲニア(学名:"Hallucigenia")は、約5億2,500万- 約5億500万年前(古生代カンブリア紀前期中盤[カエルファイ世アトダバニアン末期]- 中期後半[セントデイヴィッズ世メネヴィアン中期])の海に生息していた動物。澄江生物群、および、バージェス動物群に属するものの一つである。現在では、現生するカギムシと同じ有爪動物門に属するものと考えられている。属名 は 「夢みごこち、夢想」からの造語で、その後半を省略した上で、「〜を生むもの」といった意味の接尾辞(; )をおそらく添えたもの。夢に出てきそうな不思議な姿を指したものか。多くの文献では「幻覚のような (like a hallucination) 」といった意味であるとする。中国語では「」(; クアイタンチョン)と呼ぶ。全長約0.5- 3.0cm。本種は、カナダはブリティッシュコロンビア州のバージェス頁岩(カンブリア紀中期後半、約5億500万年前に属す)にて、1911年、米国人古生物学者チャールズ・ウォルコットによって発見された。彼はこれを環形動物・多毛類のカナディアに属するものと判断した。英国人古生物学者サイモン・コンウェイ・モーリス(en)によって"Hallucigenia sparsa"として再記載された(1977年)。このとき、彼はこの動物を、細長い体の腹面に長い棘(とげ)が歩脚のように2列で並び、背面に触手が縦一列に並ぶ形で復元した。腹面にある棘状の脚で海底を移動し、背面にある細長い触手を自在に伸ばしては、その先端部にあるはずの口で餌を吸い取るようにして食べていたのではないかと想像したのである。また一方で、現存するいかなる動物からも掛け離れたそのような復元像をあり得ないものと考え、他の生物の付属肢が脱落したものではないかとも言われていた。ところが、1984年以降、中国雲南省の澄江生物群(カンブリア紀前期中盤、約5億2,500万- 約5億2,000万年前に属す)から近縁種 "H. fortis" の化石が発見され始める。そして、記載当時からの復元像が誤りであり、上下を逆さまにしたものであったことが判明した(後に前後も逆であったことが判明する・後述)。以来今日では、棒状の細長い胴体の腹面に7対の細長い脚を、背面には防御用であろう2列の鋭い棘を持つ、極めて特徴的なトゲトゲした外見の生物として復元される。触手と思われていたものは、節の無い柔らかな歩脚であるとしている。さらに2015年、ケンブリッジ大学のマーティン・スミスらの調査によりハルキゲニアの化石から一対の目と小さな環状の歯が発見された。従来頭部とされてきた球状の物体は、泥に押しつぶされた際に腸から押し出された内容物であったことが示唆され、従来の復元図は前後逆であったと結論された。化石標本の状況から、屍肉をあさる動物(スカヴェンジャー、scavenger)であったと考えられている。
出典:wikipedia
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