ザクII(ザク・ツー、ZAKU II)は、『ガンダムシリーズ』に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ」(MS)の一つ。初出は1979年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。作中の敵側勢力「ジオン公国軍」の主力量産型MSで、ジオン系MS共通の特徴である頭部モノアイ(一つ目)カメラと、右肩のシールド、左肩のスパイクが特徴。『ガンダム』放送当時のロボットアニメとしてはまだ珍しかった「量産機」としての設定がされており、同型の機体が作中に多数登場した。量産機の制式カラーは緑で、主人公「アムロ・レイ」のライバルである「シャア・アズナブル」の機体は赤く塗装されている。名称の「II」(ローマ数字の2)は『ガンダム』本放送終了後に後付けされた設定であり、放送当時は単に「ザク」と呼ばれていた。同じく劇中に登場する旧式のザク(旧ザク)は、「ザクI」(ザク・ワン、Iはローマ数字の1)と呼ばれるようになった。『ガンダム』の本放送終了後には、玩具メーカーのタイアップ企画『モビルスーツバリエーション (MSV)』でバリエーションが多数発表され、プラモデル(ガンプラ)などの商品展開もなされた。『ガンダム』の続編や関連作品においても、設定やデザインを継承した機体が数多く登場した。本記事ではザクIIのバリエーションのうち、機能を特化していない機体群に関して記載する。ほかの機体群に関しては以下を参照。『機動戦士ガンダム』劇中では、単にザクとのみ呼ばれる。OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話ではザクIIと呼ばれた。『ガンダム』の本放送終了後に展開されたムック『ガンダムセンチュリー』や『MSV』により、アニメ本編に登場したザクが「C型」「F型」「J型」と細かく分類され、「シャア専用ザク」が「S型」「指揮官型」とされるほか、本編未登場の機体が設定されて画稿が描かれるなど、ザクに多くのバリエーションが生み出されており、「MS-06」がザクIIと記述されることもある。しかし、現在の『ガンダム』公式サイトでは「ザク」と「MS-06 ZAKU II」が併記され、シャアの機体は「シャア専用ザク」と記載されているうえ、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』公式サイトでは「ザク」と「MS-06ザクII」が併記されていたり、アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』公式サイトでも「ザク」と記載されているように、記述の統一はされていない。小説版『機動戦士ガンダム』は、『ガンダムセンチュリー』刊行前の作品であるため、ザクとの表記がされている。『機動戦士ガンダム』第1話から、ほぼ全編にわたって登場している。宇宙世紀史上初めて実戦でMS同士が相対したのが、ガンダムと本機である。しかし、序盤でこそ圧倒的な力を見せるも、本機を遥かに上回る性能をもつガンダムを有するホワイトベース隊に中盤まではやられ役となり、終盤では連邦軍MS隊によって次々に撃破される。テム・レイが住み込むジャンク屋周辺にも、頭部が放置されている。テレビアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』では、旧ジオン軍残党「ネオ・ジオン軍」が自軍の戦力として使用している。この時点ではかなりのロートル機であり、敵機と遭遇する確率の低い哨戒などの任務に使用されており、第39話で運悪くガンダム・チームと交戦することを余儀なくされた部隊は新鋭機のΖΖガンダムの前にことごとく撃墜されてしまっている。基本性能に変化はないが、コクピットはリニアシートに換装されている。また一方で、第12話ではマニアに人気があり、高く売ることができることが描写されている。宇宙空間に放棄されて浮遊していた機体がアーガマに回収され、その機体の頭部を、当時破損していたΖガンダムの頭部の代わりに緊急的に取り付けて出撃した場面もある。この時の機体は便宜上「Ζザク」と呼ばれる。なお、その際視界映像はモノアイラインそのままにしか映らず、支柱の影すら映っていた。テレビアニメ『∀ガンダム』では、ルジャーナ・ミリシャによってザクIIとザクIに容姿が大変似ている機械人形が多数発掘され、「ボルジャーノン」(一部の登場人物からは「ザク」とも)と呼ばれている。また、そのボルジャーノンのパイロットたちは「黒歴史」の記録映像に登場したザクを見て歓声を上げている。漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』では、サイド3のズム特別戦争博物館(かつてのザビ家の居城)に稼働状態を保って収蔵されていたザクに、主人公フォント・ボーが搭乗。その際、木星の最新鋭機と交戦。『ゴースト』の時代設定は宇宙世紀0153年であり、ザクの就役から実に70年以上を経ての実戦記録となる。もはや性能面では勝負にならない上に丸腰であったが、あまりにも古い機体のため最新MSのOSにはデータがなく、特に機体のサイズ差からセンサー系を誤認させて敵を撹乱することに成功する。サイド3からの脱出に使用された後は、そのままフォントの乗機となる。宇宙世紀0074年、ジオン公国軍はMS-05 ザクI(開発時の名称はザク)を初の制式MSと決定し、量産を開始した。だがザクIはジェネレーター出力の低さなどの問題を抱えた機体であり、このザクIの構造を抜本的変更により性能をさらに向上させた後継機「ザクII」が開発された。一年戦争の序盤戦において大艦巨砲主義を引きずる地球連邦軍に対し壊滅的な打撃を与え、ジオン軍快進撃の立役者となり、宇宙世紀の戦争におけるMSの優位性を決定づけた機体である。主にザクIでは内装されていた動力伝達系統の改良や稼働時間の向上がなされた。この機体は汎用性が高く、オプション武器・装備も多彩で、さまざまな作戦環境に合わせてカスタマイズされた機体のバリエーションも多く作られている。主要武装は専用の120mmマシンガン(ザク・マシンガン)もしくは280mmバズーカ(ザク・バズーカ)を装備し、また対艦船用近接兵器のヒートホークも装備する。さらに左肩に棘(スパイク)付きのショルダーアーマーを装備しており、格闘時にタックルなどに利用することができる。なお、標準機ではスパイクは3本。まれに右肩の防御シールドにもスパイクを装着した機体も見ることができる。その右肩の防御シールドは右側面に向けて固定装備されており、シールドというよりは流れ弾対策の外部装甲に近く、劇中それほど有効活用されなかった。一年戦争中の生産機数は、ザクIを含めて約8,000機といわれ、これは両軍を通して最高の生産数である。一説に約3,000機とするものもあるが、これはF型のシリーズ全体の生産数と同じであるため、誤認であると考えられる。その優れた設計と絶大な戦果によって、以降に登場するMSに多大な影響を与えた。特に機動性を重視した設計や、固定兵装を持たずさまざまなオプション装備で汎用性を確保するなどのコンセプトはのちのMSのスタンダードとして定着してゆくこととなる。また、人型の兵器による白兵戦が宇宙世紀の戦争形態となることを決定付けた機種でもある。戦争序盤は連邦軍を圧倒したザク系列だったが、のちに連邦軍がガンダムとその廉価量産型であるジムを開発して実戦投入すると旧式性が否めなくなり、戦争終盤では連邦のMSに圧倒されるようになる。また、開戦時にブリティッシュ作戦に従軍した本機の部隊は、長時間の冷却剤タンクを背負っての作業にあたって次々と連邦軍に撃墜され、優秀なパイロットを同時に多数失う。主兵装として120mmマシンガンを携行する。主にザク系列が使用していたことから通称「ザク・マシンガン」と呼ばれる。ザク系列の専用武装ではなく、他機種でも使用可能。弾薬は主に薬室上部の円盤型弾倉(パンマガジン。但し設定上の呼称はドラムマガジン)から給弾される。ザクI登場時に開発されていた105mmザク・マシンガン(型式番号:ZMP-47D。内部のわずかな改造により120mm弾を使用した物もある)や120mmザク・マシンガン(型式番号:ZMP-50B)の発展型である。状況に応じて破壊力を重視した榴弾や徹甲榴弾を使用する。フルオートで射撃する場合は、ホワイトベースやサラミスが発射したミサイルをシャア専用機やヅダがザク・マシンガンを使用して迎撃・撃墜するなど、対空戦闘に用いられた場面もある。最初のテレビシリーズに登場するMSの公式設定は非常に少なく、特にジオン側のMSで当初から具体的なカタログデータが設定されていたのはザクだけであった(右表参照)。「MS-06」(えむえすぜろろく)という型番や「ザク・マシンガン」「120ミリマシンガン」「ザク・バズーカ」「クラッカー」「超硬スチール合金」といった単語、「走行速度時速85キロ」「出力55000馬力」といったスペックの類は、RX-78ガンダムの「ルナチタニウム」等と同様、日本サンライズ(当時)側が『機動戦士ガンダム』オンエア中の1979年からその後1981年前半にかけて講談社、ケイブンシャ等の発行する出版物向けに用意し提供したもので、映像作品の劇中で明言はされないが少なくとも後付けではない制作者自身による設定である。この頃は一貫して今日のザクIIのことが「ザク(新タイプ)」、ザクIのことが「ザク(旧タイプ)」と表記され、型番は新旧問わず「MS06」(ハイフンが無い)とされていた。ザクII以外のジオン側モビルスーツ、モビルアーマーの型番が生み出され、旧タイプのザクに「ザクI」というペットネームと「MS-05」という独立した型番が与えられたのは1981年9月27日発行の『ガンダムセンチュリー』が初出となる。従っていわゆる「リアルな設定」の大半は、後に書かれたムックの記事や模型化・商品化の際に設定された、アニメのスタッフが直接関わっていない非公式のものである。ただし、「作品中で映像化された段階で公式」とするサンライズのルールにより、後に公式となった設定もある(ムックのタイトルに『公式〜』とあっても、実際は外部の編集スタジオにより公式・非公式設定が混同されて書かれたものもあり、注意が必要である)。例えば「ザクII」という名称は『ガンダムセンチュリー』(1981年発行)が初出であり、1980年代にCMなどに使われたことはあるが、映像本編での使用はOVA『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話が初めてで、それまでは非公式設定だった。同様に「MS-06」という設定も『機動戦士ガンダムZZ』でデブリとして漂っていたザクの発見時に「MS-06」と言及され、公式設定となった(この機体は部品取りされ、頭部はいわゆる「Zザク」のパーツになった)。またジオニック社がザクを製作したという設定も『ガンダムセンチュリー』が初出であるが、映像では『MS IGLOO』第3話で使用され公式設定となっている。ザク・マシンガンの水平な円盤型弾倉はデグチャレフDTやルイス軽機関銃といった現実世界の銃を思わせるが、デザインに特定のモチーフは無い。しかし雑誌企画『ガンダム・センチネル0079』でデザインの大幅なリファインが行われ、現実世界の銃であるXM-177アサルトライフルをモチーフにしたような形状となった。また、プラモデル「1/100 マスターグレード ザクII」商品化の際にもリファインが行われたが、この時は微妙な形状やパーツのレイアウトの変更に止まっている。後にそれぞれMMP-78、ZMP-50、そして『機動戦士ガンダム』第1話からほぼ全編に渡って登場するオリジナルのものにM-120A1の型式番号が与えられ、全て「ザクマシンガン」と呼ばれるが別形式であると設定された。これらの詳細は「U.C. ARMS GALLERY」商品化の際に追加されたものである。なお今のところ、ザクマシンガンの公式設定はテレビアニメ放映時からあった口径が120mmであること、砲弾の装薬が薬莢式であること、フルオート射撃が可能なこと、また『0083』登場のMMP-78でグレネードランチャーや箱型弾倉の使用が可能になったことくらいであり、後は全て後付の非公式設定である。また、『機動戦士ガンダム』劇中で地上のみに登場したクラッカーおよび3連装ミサイルポッドは『MSV』において陸戦型ザクIIの武装であると設定されている。装甲材質は『第08MS小隊』の1/144HGキット(1998年発売)の説明書では超高張力鋼となっている。この表記は1985年の月刊ニュータイプ付録にあったMSカタログが初出で、それまで「馬力」と表現されていた一年戦争時のMSの「出力」に関する数値設定も「kw」という単位で再創作された。これらはシリーズ第2作『機動戦士Zガンダム』が長いブランクをおいて制作されたために、第1作の諸情報が失伝してしまっていたことによる(「ルナチタニウム」が「ガンダリウム合金」の前身、という後付け説明も同様の理由である)。その後2000年代以降、テレビシリーズ以来のアニメの設定やHGUCキット(2003年発売)では超硬スチール合金という名称に再統一された。超高張力鋼は現実に存在するもので、自衛隊の新型潜水艦に使われているNS110等がそれにあたるが、引っ張り強度や水圧に対する強度は高いものの、耐弾性の高い硬化処理が成された防弾鋼というわけではない。『MSV』に設定上存在する、ジオン公国軍の量産型MS。第一次量産型、初期生産型とも呼ばれるほか、型式番号からA型とも呼ばれる(型式番号:MS-06A)。『ガンダムセンチュリー』や『MSV』で設定されたジオン公国軍の量産型MS。先行量産型、初期生産型、初期型、前期型、核武装型とも呼ばれる他、型式番号からC型とも呼ばれる(型式番号:MS-06C)。アニメ『機動戦士ガンダム』に登場した「ザク」に『ガンダムセンチュリー』や『MSV』などで設定を付記した機体。その後OVA『MS IGLOO』などに登場している。前期型、中期型とも呼ばれる他、型式番号からF型とも呼ばれる。単純にザク、あるいはザクIIと言った場合は本機を指すことが多い(名称に関しては#機体名を参照)。アニメ『機動戦士ガンダム』の地球編で登場した「ザク」に『ガンダムセンチュリー』や『MSV』などで設定を付記された機体。地上戦用に、F型を改修したもの。型式番号からJ型とも呼ばれる(型式番号:MS-06J)。『MSV』に登場するジオン公国軍の量産型MS。指揮官用カスタムタイプ・ザクIIカスタムなどとも呼ばれる(型式番号:MS-06FS)。OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する、ジオン公国軍の量産型MS。後期型とも呼ばれるほか、型式番号からF-2型(F2型)とも呼ばれる。OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』およびOVA『機動戦士ガンダムUC』に登場する、ジオン公国軍の量産型MS。ザクII改(ザクツーかい)、ザク改(ザクかい)、最終型とも呼ばれるほか、型式番号からFZ型とも呼ばれる。雑誌企画『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場するMS(型式番号:MS-06F)。シュトゥッツァーとはドイツ語で「伊達者」の意味。ジオン残党軍が制作したザクIIの改修機で、ショーターが搭乗する。特徴的な点として、機体前部にワイヤートラップ構築を目的とした有線誘導式の遠隔操作アームパーツ「ウインチユニット」と、ゲルググの物を固定武装として流用したビームライフルを複合した巨大ユニットを装備している。この他、武装として通常のザクIIと同様の120mmザクマシンガンとヒートホークを装備可能なほか、緊急時にウィンチユニットを切り離すためのワイヤーカッターを頭部(ブレードアンテナ状に装備)と胸部に有している。その他、頭部や胸部に増加装甲が施されている、ビームライフル用の増加ジェネレーターが装備されている、バックパックが大型化されているなどの改修点がある。漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場するジオン公国軍のMS(型式番号:MS-06)。かつてサイド4だった暗礁宙域「サンダーボルト宙域」で活動する「リビング・デッド師団」に配備されているザクII。通常のザクIIのものとは異なる大型ランドセルを装備しており、このランドセルには機動性と運動性の向上を目的とした4基のスラスターと10基のアポジモーターのほか、プロペラントタンクや軽作業用の1対のサブアームなどを備えている。また、関節部と動力パイプはサンダーボルト宙域を漂うスペースデブリに備えてシーリング処理されており、姿勢固定用クローが足底部に追加されている。使用する武装はザク・マシンガン、ヒート・ホーク、マガジン式に改良されたザク・バズーカで、これらはすべてランドセルに装着することができる。また、機体以上のサイズを持つ長距離ビーム砲「ビッグ・ガン」を運用することも可能。アニメ『機動戦士ガンダム』に登場した「シャア専用ザク(シャアザク)」に『ガンダムセンチュリー』や『MSV』などで設定を付記した機体。F型の総合性能向上型。主に中隊長以上の士官に配備されたためにこの名称で呼ばれ、中隊長用、士官用などとも呼ばれるほか、型式番号からS型とも呼ばれる(名称に関しては#機体名を参照)。原作者富野由悠季の小説『機動戦士ガンダム』に登場する「ザク」は、外見は基本的にアニメその他のF型を踏襲するが、以下のような違いがある。漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』において大河原邦男が新規にデザインを描き起こしている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。