ギャン(GYAN)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ 」(MS) の一つ。初出は、1979年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。作中の敵側勢力「ジオン公国軍」の試作機。西洋の甲冑騎士のような外観が特徴で、剣と盾という白兵戦に特化した武装が施されている。当初の設定ではマ・クベ大佐の専用機として開発されたとされ、劇中でもマ・クベ本人が「自分のために作られたMS」であると発言する。のちに、ゲルググと次期主力量産機の座を争うために別メーカーが開発した機体と設定され、機体構造にも独自の設定が付記されている。メカニックデザインは大河原邦男。本項では、メディアミックス企画で設定されたバリエーション機の解説も併記する。ツィマッド社が開発した白兵戦用MS。主武装として高出力の試作ビーム・サーベルと、威嚇・牽制用のニードルミサイルを内蔵した円盤状のシールドを持つこのような特殊なシールドが作られたのは、ツィマッド社がビーム・ライフルの開発に失敗したからだといわれている。その場しのぎの措置であったが、盾以外の機能を持たせる複合武器としてのコンセプトは、その後のMSにも継承されている(単純にミサイルを搭載したものから、ビーム兵器や実体剣、果てはブースターなど)。また、アクチュエーターの機能を増強させる「流体パルスアクセラレーター」を試験的に導入したとする設定もある。そのため、白兵戦(近距離戦闘)においてはかなり高性能であった。しかし、ビームナギナタだけでなくビーム・ライフルも装備し、対艦戦闘も可能な汎用性の高いゲルググに対し、白兵戦に特化して重火器の使用ができないという運用の難しさがネックとなり(空間戦闘能力の低さも指摘される)、次期主力機トライアウトに敗れている。なお、次期主力MSは既にゲルググに内定しており、次期主力機のコンペティション自体が形式的なものに過ぎなかったともいわれている。同様の対MS戦(白兵戦)、短距離戦を重視した設計思想を持ったMSにMS-07グフがあるが、近接兵器であるヒートロッド(電磁ムチ)、グフサーベルからのビームサーベルの強力化、50mm連装砲がミサイル類となるなど、火力は大幅に増加している。ロールアウトした試作機3機(1機とする説もある)の内1機はマ・クベ大佐が搭乗、戦闘参加するも撃破された。ニュータイプとして覚醒しつつあったアムロ・レイのガンダム相手に善戦したことから、ギャンの白兵戦能力の優秀さが伺える。主力MSの座はゲルググに譲り、量産化や以降のバージョン展開はされなかったとされたが、後年、基本性能や白兵戦能力の高さが評価され、ゲルググとの長所を合わせたガルバルディの開発に至っている。また、コンセプトを受け継いだR・ジャジャなど発展機が開発され、ギャン改などのバリエーションも設定されている。現在、ギャンの型式番号はYMS-15と設定されているが、1980年代時点におけるメディアでの表記は「MS-15」となっていた。「YMS-15」表記は1999年7月発売のプラモデル「HGUC ギャン」以前には確認できない。また、テレビアニメ企画時の名称はハクジ(白磁)であり、ギャンはゲルググの名前だった。また、1979年から1980年代初頭当時、ギャンは「宇宙でも大気中でも自由に飛ぶことができる」とされていたが、この説は後年省みられていない。本機は、番組の視聴率低迷の原因を「毎週違う敵ロボットが出ないからだ」とするテレビ局の要請に応じ、当時のロボットアニメに頻出する「大幹部専用のロボット」にならった「マ・クベのために作られた機体」として登場した経緯を持つ。前述の設定については劇中で、マ・クベが自ら出撃する理由にキシリアがギャンを自分のために開発してくれたことに対する面子とする発言や、シャアの副官マリガンが「マ・クベ自身が打倒木馬のために専用MSを造らせた」とする発言から理解できるが、それらに対するフォローが近年の派生作品には少ない。公式サイト「機動戦士ガンダム公式Web」では映像中の発言に準じ、マ・クベ用に開発されたと解説している。漫画『機動戦士ガンダム0079』第12巻のメカニックファイルには「ゲルググと競作された機体を、マ・クベ自身が自分なりにチューンナップしたもの」という、既存の説を総合したような説明がある。「マ・クベ専用機ではなく、ゲルググとの競合に敗れた試作機」「素人でも操縦がしやすい」という設定は、書籍『ガンダムセンチュリー』で放映後に追加された設定である。それを元に「ゲルググはジオニック、ギャンはツィマッド」が追加されたうえ、「ジオンのガンダム」などの設定は2000年代に入ってから追加された。他のジオン軍MSと同様に流体内パルス・システムで駆動すると明言した資料がなかったため、フィールドモーター駆動であるという説が生まれ、小説や模型誌などでも引用されていた。一方、プラモデル「MG ギャン」の解説書では流体内パルス駆動と設定されている。いずれも、映像作品中で言及されない非公式設定である。ギャンは正式採用されなかった機体とされるが、例えば、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズでは戦争の流れにおけるif(公式の歴史設定とは異なる架空の流れ)が楽しめるよう作られたため、「ゲルググではなくギャンが正式採用されていたら」という設定で数々のバリエーションが作られている。また、カラーリング等を違えたエース専用機も設定されている。
出典:wikipedia
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