岩見沢駅(いわみざわえき)は、北海道岩見沢市にある北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅である。函館本線および室蘭本線が乗り入れ、全ての特急・快速列車が停車する。駅番号はA13である。2011年現在は、当駅の所属線である函館本線と、当駅を終点とする室蘭本線の2路線が乗り入れている。北海道内で最古の鉄道である幌内鉄道の主要駅として開業した非常に古い歴史を持ち、砂川方面や室蘭方面への延長拠点として発展して来た。鉄道網が広がるのに伴って、幌内鉄道の小樽-岩見沢間が大動脈とも言える函館本線に組み込まれた後も、残りの部分の幌内線や、室蘭本線志文駅から万字線が乗り入れたほか、戦後の高度成長期に増大した貨物輸送量を支えるために、東日本最大の操車場も存在した。幌内線・万字線が廃止された現在でも、隣接するバスターミナルには周辺市町村からのバス路線が集結しており、交通の要衝としての役目を担っている。また、駅舎が全国初の公募型コンペでデザインを選定し、2009年度グッドデザイン賞大賞を受賞した事でも知られ、2013年からは駅舎ガイドツアーが開催されている。こうした駅舎のガイドツアーは大都市圏以外では珍しく、北海道内の駅で開催しているのはこの岩見沢駅が唯一とされる。2016年7月27日現在、交通系ICカードが利用できる日本最東端の駅である。優等列車はいずれも札幌駅発着で、すべての列車が停車する。かつては幌内炭鉱(三笠市)や空知炭鉱(歌志内市)をはじめとする空知地方の石炭を手宮・室蘭・苫小牧の港へ運ぶ貨物列車が多く往来したが現在は炭鉱の閉山により石炭輸送はなくなり、旅客輸送も札幌が中心となった。広い駅構内が、かつての繁栄や三笠市や夕張市を中心とした北炭の歴史を物語っている。2007年に完成した現駅舎は4代目にあたる。単式1面1線と島式2面4線を合わせた計3面5線を有する地上駅だが、跨線橋と駅舎3階の改札口が直結しているため構造的には橋上駅に近い。ホームのない副本線(2・5番線)もあり、2番線は主に貨物列車の発着、5番線は車両の留置などに使用される。夜間滞泊設定駅であり、7番線以降にも多数の側線を有する。社員配置駅。みどりの窓口(営業時間5時30分~23時35分)、ツインクルプラザ(営業時間10時00分~18時00分)、自動券売機、自動改札機、コンビニキヨスク設置。Kitacaは当駅より札幌方面のみ利用可能で、旭川方面や追分方面へは利用できない。3・4番ホームには木彫りの「ばんばの像」が設置されている(写真参照)。1980年4月10日に設置され、ばんえい競馬(岩見沢競馬場での開催は2006年をもって終了)をPRする目的で、岩見沢市が彫刻家の中川貞司(旭川市在住)へ依頼し製作された。製作費の250万円と付属のそりは岩見沢市が負担、馬具一式は馬主会長であった松浦慶三より岩見沢駅へ寄贈された。重量は1トンにも及ぶ。ホームは駅舎側から1番線、3・4番線、6・7番線の3面5線。跨線橋には全ホームへのエレベーターが設置されている。1番線を除く4つの乗り場には、かつて使用されていた出発指示灯が今も残っている。1990年代中ごろまでは駅舎側からホームのある線路のみ1番線・2番線のように番線表示がされていたが、現在はホームのない線路を欠番としている。のりばはある程度分けられているが、当駅始発や特急列車待避の有無等によって柔軟に運用している。室蘭本線は1番のりば、函館本線の特急列車は4・6番のりばでほぼ固定している。かつての幌内線と万字線は1番線から発着していた。このため1番線は長らく非電化のままだったが、1990年に電化された。1933年建築の3代目駅舎(木造2階建、延床面積1,070平米)は当時道内で由仁駅(2006年改築のため解体)、上白滝駅(2016年廃止)に次ぐ古さだったが、2000年12月10日未明、漏電による火災で全焼した。その後すぐにプレハブの仮駅舎(2階建、延床面積400平方m)を設置したものの、当時は駅前再開発による市街地分断の解消案として鉄道高架化を検討していた時期だったため新築計画の確定に時間を要し、仮駅舎での営業が5年以上も続く事となった。新駅舎の基本計画が市施設・自由通路併設型へ確定した事に伴い、岩見沢市とJR北海道は、駅舎としては全国初の試みとなるデザインの一般公募(岩見沢複合駅舎建築デザインコンペ)を2005年3月5日に実施。応募総数376案の中から有限会社ワークヴィジョンズ・西村浩の案が最優秀賞として採用された。現駅舎は鉄道の南側に建設され、正面から見て中央の岩見沢駅本体・左側の有明交流プラザ・右側の有明連絡歩道という3つのブロックに分かれた構造。2006年7月に着工し、2007年6月23日に岩見沢駅本体が暫定開業。その後、西側の仮駅舎跡地に有明交流プラザ、東側に有明連絡歩道を建設しながら駅舎本体の仮設出入口の封鎖などが行われ、2009年3月30日に全面開業した。なお駅舎建設にあたって、外壁用レンガに自分のイニシャルなどを刻印する「岩見沢レンガプロジェクト(通称・らぶりっく!! いわみざわ)」という企画が行なわれた。そのため時折プロジェクト参加者が訪れ、自分のレンガを探す光景を見られる事がある。また、駅舎の2~3階および自由通路上は大部分がガラス張りとなっており、岩見沢駅前の街並みや駅構内の風景を一望できる。岩見沢駅舎の大きな特徴の一つが低コストな設計である。岩見沢駅舎は、内壁で囲まれた駅事務室や市役所サービスセンターと、内壁と外壁の間に挟まれた待合所やセンターホールの、2段階に仕切られた構造が基本となっている。室内を2段階に仕切るこの構造は、用途に応じた効率的な空調を施し光熱費を低減を図るためのものである。具体的には、服装を外気温に合わせてあり滞在時間も短い一般利用客を想定した、屋外との急激な気温差を作らない最低限のレベルに空調を抑えた空間。そして、季節を問わず制服やスーツを着用し滞在時間も長い施設職員を想定した、外気温に左右されない一定の室温を保つための重点的な空調を施す居室である。また、一般的にはいくつものパーツを組み合わせた方式をとる事が多い屋根と天井も、岩見沢駅舎はPCコンクリートを用いて屋根材・梁・天井材などを一度に賄う方式としたため、内装工事の簡略化による建設費の圧縮を実現した。これにより室内には大きな凹凸(強度を増し、冬季の積雪荷重に耐えるための梁の代わり)のあるコンクリートが剥き出しとなったが、この凹凸を利用して間接照明を施したため、コンクリートの冷淡さや圧迫感を抑え、逆に暖かみの感じられる空間を作り出した。もう一つの大きな特徴として、地域性を徹底的に表現したデザインが挙げられる。単なる色や形だけにとどまらず、郷土史と関わりの深い素材を多用しており、中でもガラスカーテンウォールに鉄道のレールを使用する工法は国内初となる。随所に見られるレンガ壁は、レンガ造りの機関庫や整備工場が建ち並ぶ明治期の岩見沢駅周辺をイメージしたものである。そのうち1階外壁に使われている、寄付によって募られた4,777個の刻印入りレンガは、地域住民の想いが駅とともに新しい歴史を歩んでいく事を意味している。これらのレンガ壁は、北海道の伝統的な積み方である「小端空間積み」を再現した工法で積まれている。また内壁の一部には、小端空間積みを応用した独自の工法の「透かし積み」で意図的に隙間が作られ、ガラスがはめ込まれている。この透かし積みによって、日中は木漏れ日のように日光を室内に取り込み、夜間は行灯のように柔らかい光が屋外へ放たれるようになっている。ガラスカーテンウォールのマリオン(窓枠)にはかつて北海道内で実際に使われていたレールを合計232本使用しており、実際の線路とほぼ同じ1.1m間隔で配置され、鉄道によって発展した岩見沢の歴史を象徴している。また、古レールの使用を強く印象付けるため、独特の錆びた色合いを残す表面処理を施し、製造情報などが入った刻印は白く着色してアクセントとして目立たせ、そのレールを下から見上げられるように配慮して取り付けられた。これらの取り組みによって、2009年11月6日に財団法人日本産業デザイン振興会主催のグッドデザイン賞で大賞(内閣総理大臣賞)を受賞した。また、2010年は建築業界で国内最高峰と言われる「日本建築学会賞」を、2011年には鉄道関連デザインの国際コンペティション「ブルネル賞」をそれぞれ受賞。それ以外にも建築・鉄道関連を中心に多数の表彰を受けているほか、世界の名建築ベスト20の一つとしてライフスタイル誌へ掲載されるなど高い評価を得ている。(出典:)南口から岩見沢市内各所や周辺市町村への路線バス・札幌方面への都市間高速バスが発着している。なお、以前は駅舎正面に路線バスの降車場があったが、バスターミナル開業の際に現在の1条通沿いへ移転した。駅前(南口)は岩見沢市の中心部で、行政・公共施設、保険・金融機関の支店が集積し、小規模ながらビジネスホテルがあるほか、商店街も広がる。しかし商店街においては郊外に大型商業施設が次々と出店した影響で空洞化が見られ、数軒の食品スーパーやドラッグストア、コンビニを除くと営業しているのは個人経営などの小型店がほとんどである。かつては中心市街地にも複数の大型商業施設が存在していたが撤退や郊外への移転により、現在は跡地を転用した市場や、店舗と行政施設等を混在させた商業ビルが見られる。なお、駅周辺でも駅前通り(道道201号)沿いでは空き地の増加が特に顕著であるが、これは道路の拡幅工事に伴う立ち退きによって建物が解体された事に起因しており、前述の空洞化とは要因が異なる。以前は駅横にJR系のコンビニがあったが駅舎焼失の際に撤退。その後しばらくは最寄のコンビニまで距離があったものの、1条西3丁目にセブン-イレブンがオープンし駅からの距離が大幅に縮まったほか、新駅舎開業に伴ってキヨスクが従来型からコンビニ型へ業態転換した。また新駅舎開業6年後の2013年には4条西7丁目にローソンもオープンしている。駅裏(北口)はロータリーから北へ伸びる有明北盛通(北口の駅前通りにあたる)を挟む形で、西側には岩見沢運転所や岩見沢レールセンターなどの鉄道関連施設が建ち並び、東側には造成されて間もない更地が多い。その周囲は住宅街に囲まれており、1万人以上の人口を抱える。現在は自由通路や連絡道路などが整備されているが、以前は500mほど離れた陸橋を利用しなければ徒歩でも自動車でも駅にアクセスできなかった。南口北口岩見沢駅周辺を含む中心市街地では、断続的ながら以前より再開発事業が進められている。また駅舎の新築および表彰などをきっかけに、駅舎と街並みの調和を図る景観整備の地区計画および条例が制定されるなど、駅舎を核としたまちづくりの機運が高まっている。現在、以下の駅弁がキヨスク内で販売されている。以前は(有)岩見沢駅構内立売商会がイクラ弁当やとりめしを販売していた。また、立ち食い形式のおでん店も設けられていた。2014年(平成26年)度の1日平均乗車人員は4,542人である。空知の石炭産業が活況を極めた1960年代前半には、現在の倍以上の約10,000人を数えていたという。特急列車の停車駅は各列車記事を参照。
出典:wikipedia
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