消防車(しょうぼうしゃ)は、火災その他災害に際してその鎮圧や防御を行う際に使用される特殊な装備を持つ自動車である。日本では、赤色に塗られた(道路運送車両法に基づく)特種用途自動車の一つで、用途の関係から、緊急自動車の一つに指定されている。消防車は主に、各地の消防本部や消防団で保有している他、化学工業系の企業、空港、石油化学コンビナートなど危険物保有施設に置かれる自衛消防組織、自衛防災組織、原子力防災組織が保有している。 また、皇宮警察本部や国会議事堂の衛視も消防業務を行っているため、消防車を保有している。また、あらゆる事態に対応するためにエンジンを後方に積んだ車輌、キャビンが大きく前にせり出した特殊なシャーシを持つ車輌、クレーン車をベースとする車輌など、外見上の特徴が強烈な車輌が多い。日本では、消防法第26条に「消防車」と表記されている一方、消防庁告示の「消防力の基準」では「消防ポンプ自動車」となっている。(「消防自動車」という表記はない)。 道路交通法によると緊急自動車の区分として「消防用自動車」という区分がある。 救急車などをふくめての車両全体を「消防車両」という。一般的な概念では通常火災に対応して出動するポンプ車や、小型動力ポンプ積載車、はしご車などが 「消防車」 と呼ばれる。 なお、サイレンの音は製造メーカーや地域によって異なる。 略称P・T。通常は消防車と言えば揚水・放水機能を持つポンプ車を指す。 ホース、吸管、小型の3連はしご、ホースカー(一部のみ)等を装備する。可搬消防ポンプ積載車と装備に大きな差はないが、自動車のエンジンでポンプを動かしているため、放水量は多い。 消火活動は、消火栓や防火水槽に吸管を入れ、ポンプで水を吸い上げ、ホースから放水することが基本となる。地域によってはウインチ・救急キット(応急処置対応の医療器具や・除細動器)が装着されている車両もあり、火災以外の救助・救急事案等で、救急車や救助工作車が到着するまでに処置をとることが可能である。救急車より先にポンプ車が現場に到着するケースを想定している自治体も多い。("詳細は日本の救急車参照")放水の仕方には用途によって次の三種類を使い分けている。なお、同じ方式でも船上火災では呼称が異なり、例えば海上保安庁ではストレート注水を"直接放水"、噴霧注水は霧の形状により、さらに「高速水霧」(主として消火用)と「低速水霧」(隊員防護用)と使い分けられている。水槽付き消防ポンプ車は消防ポンプ車に消火用の水タンクを搭載した車両で、消火栓や防火水槽などの水利を利用しなくても消火する事ができる。現着後、素早く消火活動に入れる為、消防ポンプ車についで多く配備されている。地域や署によっては「タンク車」や「即消車」とも呼ばれている。水Ⅰ型は4~5tクラスのシャーシに艤装したもので、水Ⅰ-A型は1,500Lの水槽を装備し、ホイールベースを短くすることで機動性を向上させたタイプ。水Ⅰ-B型は1,500Lの水槽を装備する一般的なタイプである。A-2級のポンプ、はしご、ホースカーなどCD型ポンプ車と同等の装備を有している。消防団で主に使われる消防ポンプ自動車ももちろんこれと同じ分類のものである。また、通常、小型動力ポンプを積載し、自動車エンジンとは独立したエンジンをもつポンプを積むポンプ積載車は、区別する必要上「積載車」とよび自動車とは呼ばない慣例があるが、この分類である。ワンボックスカー改造による500Lの水槽を装備した小型消防車で、少量の水を有効活用できるよう高圧ノズルを搭載。積載水による放水可能時間は約5分間だが、消火栓や他ポンプ車からの中継による連続放水も可能。都市部などの住宅密集地でありながら、狭隘路地により通常のポンプ車等が進入困難な地域に対応するよう開発された新型。2012年10月に京都市消防局が管内の上京消防署・東山消防署に各1台ずつ導入すると発表し、同年11月1日より運用を開始している。京都市消防局のものはトヨタ・レジアスエースをベースに改造したオーダーメード車両であり、ホース延長しやすいようリール型収納器に25mm保形ホース2本を接続状態で収納してあるタイプで、積載動力はB3級可搬式小型ポンプ。送水中継口を備え、水槽補水や中継放水も可能な設計になっている。そのほか延長ホースや空気呼吸器も備え、狭い車内スペースで有効に資器材が収納できるよう工夫されている。略称:C。水による消火が不可能か危険な場合に、高密度の泡を吹きつけて酸素遮断・窒息させる化学消火薬剤噴霧・泡消火剤放射で消火する(「燃焼物が発火温度を超える」・「可燃物がある」・「酸素がある」が燃焼の原因なのでどれか一つを除去すればいい)。ダブルキャブ車をベースとすることが多い。少量危険物火災を想定した軽化学車、化学工場火災を想定した重化学車、石油コンビナート、航空機火災を想定した大型化学車、大型化学車に鋼鉄製の装甲、銃眼付ウィンドウカバー等を艤装した装甲化学車がある。略称:L。高所の消火及び救助に使用される。日本では最低10メートルから最大50メートル(規格地上高50.3メートル)の高さまで届くものもある。メーカーによってラインナップは異なる。なお国内最長は2014年現在、金沢市消防局配置の54.7メートルが最長である。更新時期は地域によって異なり、早い所では10年弱・遅いところでは20年超とばらつきがある。長期にわたり使用するためメーカーにオーバーホール(大幅な分解修理・改造)が新規配置後7年、以降5年ごとに義務付けられている。はしごが長くなるにつれ車体が大きくなり、道が狭いところには小さなはしご車しか進入出来ない。市レベルの自治体では平均で30メートルから40メートルのものが広く配備されている。また、高層ビル・マンションのある地域は40から50メートル級が、道の狭い地域や小規模のニュータウンを管轄する地域には10から20メートルのタイプが配備されている。はしごの角度は仰角のみではなく、俯角、すなわち斜め下方向にはしごを伸ばす機能を有するものもあり、例えば水難事故等で、はしご車の部署した位置よりも低い位置に要救助者がいる場合に有効である。はしご部分には、人を乗せる機構として、バスケットやリフターが設けられている。リフターは、はしご部分を上下するリフトであり、はしごを目的とする位置に一度セットすれば、連続的に消防隊員を送り込んだり、要救助者を救出することが出来る。バスケットは、はしご先端部につけられた籠であり、2〜3人乗りが標準的である。消防隊員の搭乗や活動のしやすさ、要救助者の安心感はあるが、人員の乗り降りには、毎回、はしごを縮めて、はしご先端のバスケットを地上まで動かす必要があり、非効率な面もある。最近では、バスケットとリフターを併設するはしご車もある。最近、先端屈折機構を有するはしご車がメーカー各社から発売された。はしごの先端部分、バスケットの手前数メートルの位置ではしごが屈折することにより、電線等の障害物を避けて、はしごを目的とする位置に接近させることができる。はしごの部分が、横から見て、「へ」の字型に変形すると考えるとイメージしやすい。また、この他にはしごを屈折させる屈折はしご車(シュノーケル車。標準型、Σ型、先端屈折型)、はしごではなく、先端に放水銃と窓ガラス破砕用クラッシャーを装備して隊員が近付けない場所への放水が可能な屈折放水塔車(スクアート車)があり、ダブルキャブ車をベースとすることが多い。これらの車両は高所放水車とも呼ばれる。屈折放水塔車は、福島第一原子力発電所事故で東京消防庁による使用済み核燃料プールへの放水活動に使用され活躍した。近年は高所放水車の機能と大型化学消防車の機能を併せ持つ大型化学高所放水車も登場している。大型化学高所放水車は高所放水車をシングルキャブ車にして化学消防車の機能を搭載するスペースを確保していることが多い。石油コンビナート火災に対応する大型化学車、泡原液搬送車、高所放水車(屈折放水塔車など)の3台をまとめて化学車3点セットと呼ばれてきたが、大型化学車と高所放水車の機能が一つになったことにより大型化学高所放水車と泡原液搬送車の2点セット運用が可能となり人員が限られる地方の自治体消防への導入も期待される。近年は配備されるケースは少なくなったが海外輸入のはしご車を導入する消防本部もある。自治体消防発足後に配備されていた車両はすべてドイツのイヴェコ・マギルス製の車両である。40メートルはしご装置のみを輸入して国産車台に架―巣は装する場合もある。優れた国産はしご車があるのにもかかわらずわざわざ輸入するのは、イヴェコ・マギルス製のはしご車がはしご長の割に小型で、狭隘な道路上でも消火活動を行いやすい特殊な装備を持つためで、繁華街など消防上対応が難しい地域を抱える大都市圏を中心に配備されている。近年では国内メーカーのモリタ社製のはしご車が目立つようになってきた。モリタからは先端が屈折するタイプの「先端屈折式はしご車」が登場し障害物を避けて上からに接近する事が可能なほか、水難事故等ではしご車の位置よりも低い位置にいる要救助者の救助も可能とした。同社は日野自動車と共同ではしご車専用シャーシ「MH型」を開発した。 また、同社は従来は消火活動のため梯子車に接続した布ホースが邪魔となっていたがはしごの動きに合わせて動作する伸縮水路を、はしご本体下部に装備した「水路付はしご車」を開発した。略称:R。人命救助活動に使用され特別救助隊(レスキュー隊)が運用する。交通事故などで車両に閉じ込められた人を助けることが多く、エアカッター、油圧式拡張機(スプレッダー、俗称ジョーズ)など救助資機材を搭載している。クレーン・ウインチを装備していることが多い。近年は震災対策・広域応援のために緊急消防援助隊制度の発足や消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)・特別高度救助隊など高度な救助部隊の創設された事や各本部の規模や地形、用途によりⅠ型からⅣ型まで種類があり、バス型やハイルーフ型、高床型と低床型などタイプも豊富である。大量の水をタンクに詰め消火栓等の水利が無い火災現場での支援を主目的にした車両。小型動力ポンプを搭載するため、本来の移動水利としての用途のみならず初期消火へも対応可能。以前は水利が少ない地域での配備が殆んどだったが、阪神・淡路大震災を教訓に都市部での配備が急速に促進された。これは、大規模断水時にタンクの水を飲料水として利用できるため(貯水タンク部分はステンレス製)で、そのような車両は給水車としての働きも兼ねられるよう運用されている。タンクローリーのような赤いタンクを後方に搭載するものが一般的であるが、タンクが銀色の車両や灯油配達車の様な角型の水槽を搭載している車両もある。シングルキャブ車をベースとすることが多い。なお、搭載するタンクの水量によって2種類の規格が存在するが、現在は国庫補助の対象とはならない。また、同じような車両で消火用薬剤を積載し化学消防自動車や高所放水車に消火薬液を送る泡原液搬送車や小型で燃料を積み他の車両へ燃料を補給でき、消防庁が配備を進めている燃料補給車がある。指揮車は災害活動の現場で指揮を執る「大隊長(=消防署長・消防分署長)」と麾下の、伝令や通信係、情報整理担当など5人で1個隊が編成される「指揮隊」が搭乗する車両で、各消防署の指揮隊によって運用されている。関係機関や現場で活動中の各中隊小隊と情報交換ができるように、電話(自動車電話)・ファクシミリ・使用している全ての消防無線を送受信できる無線機などの通信機器、住宅地図帳、作戦図板になる折り畳み式テーブルを搭載している。大型の車両では“移動通信指令室”と言えるような物もある(東京消防庁本庁警防部に所属する「本部指揮隊車」、及び同庁第8消防方面本部保有の「移動無線電話車」。実際に、無線端末5台を組み込んだ指令卓が搭載されている)。また、車両によっては大型のLEDボードや幕、サイドオーニング(収納式テント)を装備している。活動中は「現場指揮本部」・「現場本部」の幟を立てて目印とする。1BOXタイプの車両については、東京消防庁では「救助先行車」と呼称していた。他の車両では各小隊長は助手席に乗るが、指揮車に限り大隊長は、現場に着いたら真っ先に飛び降りて現場本部立ち上げと指揮に掛かるため、後部左側、ドアの前の席(全体の一番外側)に座って出動する。一部の地域を中心に、指揮車に青色点滅灯を装備する消防本部も散見されるようになってきた。これは、消防本部によっては青色灯を現場指揮本部の目印として扱うためである。現場で活動する際に発光させることで指揮本部の設置場所・車両がより明確になる。伸縮式のポールに青色灯を装備し、現場で駐車中に高く伸ばす車両も見受けられる(写真)。この場合被視認性はさらに向上する(本部表示の幟は高さが2メートル弱しかないので多数の車両が集まると隠れてしまう)。平成17年、消防庁の消防力整備指針により、消防本部・消防署の指揮隊・指揮車の配備基準が定められた。これにより、従来は広報車、人員搬送車などと混用していた本部も多かったが、車両更新を機に新たに指揮車を配備する本部が現れ始めた。これにより、全国的に指揮車の配備が増加すると考えられる。出動と同時に現場の詳細、出動隊の状態など多くの情報を取り入れる指揮隊は、「原因調査車」の行う役割と近いものがある。このため、本部によっては、指揮隊のメンバーに調査部門の職員を加え、「原因調査車」と兼用していることがある。そのような車両は、スモークガラス、調査資機材などを装備している。ワンボックスカーが多い。「指揮車」「指令車」の違いは各消防本部によって委ねられている。大規模な消防本部では「指揮車」、指揮隊が存在しない小規模な消防本部及び消防分団で使用される車輌には「指令車」と呼ばれることが多い。「指揮車」「指令車」の両方が存在する消防本部では、指揮隊が使用する車両を前者、署長や当務責任者(当直司令)が現場に赴く際の車両を後者としているようである。上記「指揮(指令)車」とは違い、消防長や消防署長等の幹部の出動(公務)用車両。主に大災害や視察時などに現場に向かう時に運用される。英語で「"Chief car"」と呼ばれる車両。車両はセダン型の上級、高級車が多いが、本部によってはステーションワゴン型、SUV型などもある。赤色灯を装備した朱色の緊急走行ができる車両と、黒塗りの公用車然とした車両に大別できる。また消防本部によっては司令塔車と言われるが俗名である。戦後の消防自動二輪は、1960年代に導入された大阪市消防局の赤バイが先駆けとなったが、導入当時は高度経済成長期であった上に自動車の登録が増加、隊員が交通事故などの被害に遭うなどの理由で十数年後に大阪市は赤バイ隊を廃止した(現在の大阪市の都市計画などを見ても、今後は復活の見通しはないように見られる)ほか、1969年〜76年にかけて東京消防庁にも赤バイ隊がおり、火災現場に一番乗りした赤バイ隊員が要救助者を救助したことがあったが結局廃止にいたった経緯がある。その後、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災において、オートバイが機動力を生かして情報伝達や収集活動で活躍したという実績が全国の消防関係者の注目を大いに集めたことから、全国各地で二輪車を導入する消防機関が増えてきている。1997年1月、千葉県八千代市消防本部に2台一組で行動する「消防機動二輪部隊(通称ファイヤーバスターズ)」が配備された。HONDAナイトホーク250を使用し、水タンク、水を霧状にして火元に叩きつけて消すフォグガンを装備する。この「消防二輪」は大阪市が廃止して以来の復活である。2007年、装備及び車体の老朽化により退役・廃止、現在は活動当時を偲ばせる機材として展示にのみ活用されている。1997年12月、東京消防庁はYAMAHAセロー225に消防資機材を搭載した消防活動二輪隊『クイックアタッカー』の運用を開始した。この部隊は2台1組となり、1号車には可搬消火器具(かつては『インパルス』、現在は『ポータブルCAFS 武蔵』)を、2号車には、油圧式救助器具『ユニツール』を装備している。震災時の初動を任務とするほか、渋滞する高速道路での交通事故救助活動、山岳救助等に活躍している。2004年11月、千葉県四街道市にタンク装備の“放水が出来る二輪ポンプ車”が初めて配置された。(日本機械工業製、車名:ミストドラゴン、250ccスクーターにサイレン、容量60リットルのタンク、ポンプを搭載) このほか、宮崎市消防局など 各地の消防本部にも配置されているほか、横浜市消防局の消火装備を有しない震災時情報収集部隊『消防機動二輪隊』や、東京消防庁東久留米消防署や群馬県太田市消防本部の『救命ライダー』(救急バイク)(HONDA CB400SUPER FOUR)などが導入されている。東久留米市消防本部当時の救急バイクは東久留米市が東京消防庁に消防業務を事務委託したことに伴い廃止され展示用として民間団体に貸与されているHAZ-MAT車(hazardous-materialsの略で有害物質対応)や特殊災害対応自動車、NBC災害対策車とも呼ばれ化学物質漏洩災害等いわゆるNBC災害に対応する消防車。毒劇物防護服や各種分析機器、除染機器を備えている。当初は本部によって「特殊化学車」「化学救助工作車」等の名称が用いられていた。近年配備されている特殊災害策車の多くは汚染物質の流入を防ぐため、空気浄化装置により車内を陽圧にできる機能も有する。1995年の地下鉄サリン事件以降、各地の消防機関に配備され、特別高度救助隊を持つ政令指定都市には配備が義務付けられ2010年からは消防庁から『特殊災害対応自動車』として貸与も行われている。また、2007年には後述の大型ブロアー車、ウォーターカッター車に続いて大規模消防に消防庁からの貸与の形でNBC災害の被害者に付着した有毒物質の除染を行う大型除染システム車が配備された。大型除染システム車については後述の工作車等に記す。東京消防庁では、9消防署・出張所に化学機動中隊を配置し、第三消防方面本部及び第九消防方面本部の消防救助機動部隊(いわゆるハイパーレスキュー)は、NBC災害対応殊部隊として編成されている。第三方面本部消防救助機動部隊の特殊災害対策車(大型)は陽圧機能の他に放射線の透過を防ぐため車体が鉛板や水槽で覆われており、日本で唯一の放射線災害にも対応した車両であり福島第一原子力発電所事故でも活躍した。同部隊には特殊災害対策車(大型)に加えて脱衣兼シャワー室などを完備し被害者に付着した有毒物質の除染を行う特殊災害対策車(除染車)とC-130 (航空機)に積載可能で車両外部に各種分析装置を設置し、遠隔探査ロボットも積載し車内でモニタリングを行う事が行える特殊災害対策車(偵察車)が配備されている。偵察車は同部隊の福島原発での活躍を知った台湾からの義援金1億円により作成された。第三方面本部では大型(CS1)・除染車(CS2)・偵察車(CS3)の3種類の特殊災害対策車で都内や国内でのNBC災害に対応している。更に東日本大震災の教訓から第九消防方面本部消防救助機動部隊が発足し大型(CS1)・除染車(CS2)・高踏破偵察車(CS3)の3種類の特殊災害対策車が配備された。高踏破偵察車は陸上自衛隊の73式大型トラックと同型でいすゞ・フォワードの7t級・高床4WDのFTSをベースに6輪駆動に改造され、悪路に対する高い走破性を誇ると共に車内陽圧機能を持つ他、車両外部に各種分析装置を設置し、車内でモニタリングを行う事ができ現場の偵察活動や人員・資機材の搬送等を行える。同車両が置かれる八王子市には山間部も多くNBC災害のみならず土砂災害や山林火災などへの対応も期待される(なお、陽圧機能や分析機能等NBC災害に対する機能を有してない救出救助車という同型の車両が第六本部にも配備されている)。又、現在は第三方面本部及び第九方面本部を含め全消防救助機動部隊に除染車(CS2)が配備されている。長期の災害現場で消防隊員への後方支援を目的とした車両。阪神・淡路大震災を契機に、消防の後方支援体制の充実を図るために、大都市消防を中心に配備されてきた。これらや、従来からの支援車と同様の任務を担う車両は、その本部独自の装備・名称であった。しかし、緊急消防援助隊の設置後、全国各地の消防本部の度重なる広域派遣によってその重要性が高まり、2006年になってI型とII型に分離された。これで、支援車という新たな規格が誕生し、緊急消防援助隊の明確化と共に、広域派遣の際の消防体制の充実化がなされたといえる。さらに、2007年にはIII型とIV型という規格も生まれた。このような流れから、車両の置換え時に支援車の規格で代替する本部も多い。当初は緊急消防援助隊の支援車両という位置づけであったが、大規模災害・広域応援時のみならず一般火災でも隊員の一時休息のため(熱中症予防の観点から)出場させる本部も多い。前述のとおり、阪神大震災を契機に消防庁によって47都道府県全部に1台ずつの配備が進められ、最後まで未配備だった徳島県にも配置完了した直後、東日本大震災が発生。大いに活用された。消防庁が所有し自治体に貸与・管理させる車両には所属消防本部名とは別に「総務省消防庁 (配備先都道府県名)」のネームが入れられている。これらは補助対象として定められた支援車規格であり、実際は装備の差異、配備時期などで規格外の車両が多数である。トラックの荷台に簡易的なキャビンを設置したものや、バスを改造したものなど、各地に様々な支援車がある。活動支援に使用される各種工作支援車。地下街火災などに対応する。煙などを吸出す蛇腹チューブ付排気排煙機(換気扇)を搭載し、発泡した消火剤を火元に大量に送り込み窒息消火する車両。なぜ泡かというと、地下では水による消火を続けると放水された水が排水されず徐々に溜まり消防隊員の活動などを妨げることや、他の店舗や設備に水損被害を与えないようにするため:やや古い機種では、吸気(排煙)機能がないものもある。近年は排煙高発泡と照明電源の機能をまとめた車両も登場している。サイレンおよび拡声器を装備する。サイレンの音は火災の現場に急行する場合には「ウー カンカンカン!!」とサイレンと鐘の音を鳴らし救助など火災以外の現場に急行する場合には「ウー ウー!!」とサイレンだけを鳴らすことが一般的)。これはモーターサイレンと半鐘を併用していた名残。消火活動を終えて消防署に帰る時には騒音防止と緊急出動と間違いを防ぐために赤色灯をつけるだけの自治体が多いが「カン カン カン」と鐘の音だけを鳴らす(鎮火報 という)場合もある。 また、消防団の消防車は年末年始など火災の多い時期に火災予防を呼びかけるため鐘を鳴らしながら巡回することがある。緊急自動車として、を装備する。ストロボ灯は夜間の視認性に優れるが、昼間は場合によっては回転灯より大きく劣ることもある。そのため、ストロボと回転灯の併用型もある。 近年はハロゲンバルブを用いる回転灯より省電力で視認性にもすぐれるLEDフラシュを使った警光灯を艤装する例が多い。主に車両の所属を表示するもので、通常は黄色である。 消防署の名前を表記したものも多く見受けられるが、「東消防署」や「西」など消防署名もしくはその略称になっている場合、また「分署」や「分遣所」などの簡易表記もある。 車両種別や部隊名もあり、これらを複数表記している車両も少なくない。 消防団の車両は団名称や所属分団の数字のことが多い。近年は、緊急消防援助隊等による広域的な出動に対応して、可動式の行灯も誕生している。この場合、出動場所によって「○○消防本部(消防局)」、「○○県」などのより大きな区分に変更して表示させることが可能。設置される場所は、車両の上部に剥き出しで取り付けられるもの、赤色灯と一体型のもの、車両に埋め込んであるものなど様々である。原則として赤色、法令上の呼称では「朱色」である。地域によっては白色の帯などを張っている。日本において朱色となったのは、最初に輸入された英国製の蒸気ポンプ車が朱色でそれに統一したものと考えられている。ちなみにドイツは紫、米国は朱・白・黄・青など様々である。なお、乗用車ベースの指揮車、広報車などはコストダウンを目的に市販車の赤色で導入される車両もある。消防車のキャブ上部には、消防防災ヘリコプター等による誘導や、現場状況の把握を行いやすくするために、所属や部隊名が表示されている。従来は消防ヘリを保有する大規模消防本部に限られていたが、緊急消防援助隊制度など広域応援の機会が増えたことから、現在では多くの消防本部で導入されているほか、自治体によっては 消防団の消防車でも導入されている。重要文化財荒井家住宅(矢板市)に展示されていた消防ポンプ付き大八車(製作年代不明)。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。