タイブレーク (tie break) は、テニス、ソフトボールなどで所定のセットポイント等を達しても勝敗が決しない場合、試合をスムーズに決着できるようにする仕組み。またはバスケットボールなどで総当り戦において、同率で並んだ場合に直接対決で順位を決める事もこう呼ぶ場合もある。本来、議会などで賛否同数の場合、議長がどちらかに一票を投じる議長決裁を「同数均衡 (tie) を破る (break)」と表現したことから派生した言葉である。両者のゲームカウントが本来取るべきスコア(6対6)になった場合に行い、そのセットの最初にサーブを行った者からサーブをする。国際テニス殿堂の設立者としても知られるアメリカのジェームズ・バン・アレン()が試合時間短縮のために1965年に考案し、1971年のウィンブルドン選手権で初めて導入された。この時には最終セット以外のセットでゲームカウントが8-8となった後に行うというルールであり、1979年にゲームカウント6-6の後に行うというルールに変更された。全豪オープン、全仏オープン、ウインブルドン選手権、オリンピック、デビスカップ、フェドカップの最終セットはタイブレークは採用せず、2ゲームの差がつくまで試合は行われる。7回終了時で同点の場合、無死二塁から試合再開する(タイブレーカーともいう。ランナーは前イニングスの最終打者)。なお、走者が出るため完全試合の記録は途切れるが、ノーヒットノーランの記録は継続される。国際試合では、延長戦は均衡が破れるまで続けることとされていたが、オリンピックにおける野球競技の復活を目指す国際野球連盟(IBAF)が、野球のショーアップを目的として、2008年の北京オリンピックからIBAF主催の国際大会で採用した。IBAF主催大会では延長11回から適用され、無死・走者一二塁から攻撃を始める。打者は任意打順で、11回の延長に入る前に、監督は球審に希望する打順を告げる。一塁走者は前位の打順の者、二塁走者は一塁走者の前位の打順の者とする。12回以降は11回からの継続打順とし、同様の方式で2人の走者を置く。ワールドベースボールクラシックにおいても、第2回大会(2009年)から採用。延長13回からとし、前の回の最後の打者とその前の打者を一・二塁に置き、無死一・二塁から打順を変えずにプレーを開始。決着がつくまで行う。また、もうひとつの世界選手権であるWBSCプレミア12では第1回・2015年から延長10回以後のイニングで採用している(打者・走者のルールはIBAF主催大会と同様)。21U野球ワールドカップにおいては、第1回(2014年)より採用。こちらは延長10回から適用し、10回は任意打順、11回からは前回の継続打順とし、無死一・二塁から再開、決着がつくまで行う。日本では、社会人野球の公式戦(都市対抗野球等)で2003年から採用されている。細かな要件の変更が加えられてきた。適用条件や運用は以下のとおりであった。投手、打者、走者の記録は次のとおりである。2大大会においては、以下の試合が、それぞれの大会においてタイブレークが適用された試合である。社会人野球では2大大会のみならず地区連盟主催大会でも適用されているが、上記のような厳格な要件ではなく、延長戦に入った時点で即座にタイブレークを適用して大会運営をスムーズに行う工夫がなされているが、本来の野球のルール(公認野球規則)には示されていない制度であり、安易な導入に対して懸念を示す意見もある。大学野球では2011年の全日本大学野球選手権大会(第60回全日本大学野球選手権記念大会)から決勝を除く全試合で採用されている。これは同年3月に発生した東日本大震災の影響、節電対策の一環として導入された。9回を終えて同点の場合、延長10回から適用され、1死・走者満塁の設定で始まる。また東京六大学野球連盟でも新人トーナメント(1・2年生対象の大会)の大会で採用されている。(決勝・3位決定戦以外 ただし、ノーアウト1・2塁から開始)高校野球では、選手の体調等への考慮から、国民体育大会や明治神宮野球大会においてこの制度が導入されており、大学野球と同様に、9回を終えて同点の場合、延長10回から1死・走者満塁の設定で始まる。日本高校野球連盟は2014年から一部の春秋地区大会や都道府県大会でも採用に踏み切った。これを春の選抜高等学校野球大会、夏の全国高等学校野球選手権大会にも導入するか否かについて議論するため、同年7月、各都道府県高校野球連盟を通じて全加盟校に対しアンケートを行う。甲子園大会では選手の健康管理を考慮し、昨夏から準々決勝翌日に休養日を設定したが、延長戦引き分けによる再試合が発生した場合、日程の順延により休養日が消滅し大会後半は過密日程となることから、対策を検討していた。アンケート結果は同年8月末までに集計し、11月の理事長会議で、最短で2015年から導入し、甲子園大会前の各都道府県予選大会から実施するとしていた。その後、2015年度は、春季都道府県・地区ブロック大会に限り、試験的に延長10回から、1アウト満塁の段階からの設定でタイブレークを行うことを決めた。ただし任意打順制にするのか、9回終了時からの継続打順制にするのかについては未定となっている。夏季の全国高等学校野球選手権大会と、それの出場権をかけた地方大会、および、翌春の選抜高等学校野球大会と、それの出場校選定審査の参考材料となる秋季都道府県・地区ブロック大会については当面タイブレーク制は導入しないが、2016年度以後については春季都道府県・地区ブロック大会を含め検討するとしているまた、高校軟式野球については、全国高等学校軟式野球選手権大会第59回大会(2014年)の準決勝・崇徳対中京戦が、4日間のサスペンデッドの末延長50回までもつれる試合になったことを踏まえ、タイブレーク制の導入を前提として検討を加えた結果、2015年1月22日の日本高野連軟式委員会で、決勝戦を除き「延長13回以降はノーアウト1・2塁から開始」のタイブレークルールを導入すると発表された。第60回大会(2015年)の準決勝・能代対上田西戦で初めて適用された。プロを含むその他の大会では現在採用されていないが、社会人野球と学生野球の対抗戦でタイブレークを採用した例がある(第13回京都府アマチュア野球王座決定戦(2007年10月29日)、同志社大学対日本新薬戦。また、2008年のJABA日立市長杯争奪大会に参加した東京ヤクルトスワローズのファームチームが日本通運との準決勝でタイブレークの延長戦を経験した()。なお、韓国プロ野球リーグでは2010年オープン戦に限り、世界のプロ・セミプロ(独立)リーグを通して初めてタイブレークを実施したが、それ以後は公式戦・オープン戦を含め実施していない。また他の各国のプロリーグでもタイブレーク制度を公式戦で採用する動きはない。2014年に発足した日本の独立リーグであるBASEBALL FIRST LEAGUEは、年間優勝を決めるシーズンチャンピオンシップに限ってタイブレークを導入した。また、軟式野球のマルハンドリームカップ・全国ベースボールトーナメントにおいても広義のタイブレークに当たる「サドンデス」方式(7回終了時、または7回を満たさなくても90分を経過した時点のイニングで同点で終了した場合、1イニング限定で行う。この場合1アウト満塁の段階からのスタートで、基本は前回の攻撃終了時の次の打者がバッターで、前回の最後の打者から数えて3人をランナーとする。表・裏の攻撃で同点だった場合はじゃんけんで決定)が取り入れられている。メジャーリーグでは、ペナントレースでの勝率が同率となったときに優勝チームやワイルドカード獲得チームを決定するために行われる試合をワンゲーム・プレーオフ(またはタイブレーク、タイブレーカー)と呼ぶ。メジャーリーグ公式戦は延長イニング無制限で原則として引き分けが存在しないため、チームの勝ち数と負け数の合計が162となる。このため、レギュラーシーズン終了時点で複数のチームが同率となる可能性がある。これによりレギュラーシーズンの地区優勝チームやワイルドカード獲得チームが複数生じる場合があり、ポストシーズンに影響してくる。そこで行われる1試合の順位決定戦をワンゲーム・プレーオフと呼んでいる(よって日本の社会人野球において用いられるような延長戦を早く決着させるという意味はない)。近年では、のアメリカン・リーグ中地区でシカゴ・ホワイトソックスとミネソタ・ツインズが同率1位で並んだことから、9月30日に優勝決定戦としてワンゲーム・プレーオフが行われ、ホワイトソックスが勝利した。なお、このゲームの結果(勝敗)及び選手の個人成績はレギュラーシーズンに加えられる(タイブレーク参加チームのみシーズン163試合の結果となる)。通常では延長戦を行ないそれでも同点の場合は引き分けとするが、トーナメントや順位決定戦などで勝敗を決する必要が有る場合にタイブレークが行なわれる。コイントスにて先攻チームを決めたあと、キックオフを行なわずに両チームが交互に相手陣25ヤードの地点から攻撃を行ない、得点に差が出るまで繰り返しプレーを続ける方式をとる。先攻チームが得点しても必ず後攻チームはプレイを行なう。(サドンデスでは無い)得点は通常のゲーム中と同じなので先攻チームがフィールドゴールで3点を得ても後攻チームがタッチダウンで6点を得た場合は後攻チームの勝利となる。また双方の攻撃が終わって同点の場合は、先攻と後攻を逆にしてプレイを行なう。従来はコイントスで次のステップに進出するチームを決めていた。リーグ戦(ラウンドロビン)で勝率が並んだ場合、当該チーム間の直接対決で成績が上の方を上位としており、これをタイブレークと呼ぶ。NBA及び国際バスケットボール連盟(FIBA)主催大会で採用されている。NBAプレーオフ#シード順決定方法を参照。
出典:wikipedia
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