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木材

木材(もくざい)とは、様々な材料・原料として用いるために伐採された樹木の幹の部分を指す呼称。その用途は、切削など物理的加工(木工)された木製品に限らず、紙の原料(木材パルプ)また薪や木炭に留まらない化学反応を伴うガス化・液化を経たエネルギー利用や化学工業の原料使用、飼料化などもある。皮を剥いだだけの木材は丸太(まるた)と呼ばれる。材木(ざいもく)も同義だが、これは建材や道具類の材料などに限定する場合もある。木材として使われる部分である木部は「材」(ざい)と呼ばれる。樹木は、芽や成長点を由来とする中心部にあるごく細く軟らかい「髄」(ずい)または「樹心」(じゅしん)、主要部分を占める「材」、外皮に当たる樹皮の3つの部分に分かれる。木も代謝を繰り返し細胞分裂によって成長するが、幹や枝の先端(成長点)を除く「材」の部分では樹皮のすぐ下に当たる部分(厳密には師部と隣接する数層、維管束形成層と呼ばれる)だけに限られ、しかも幹側になる細胞は分裂機能を失い、数週間で原形質を無くして細胞壁だけとなる。これが積み重なって木の「材」となる。樹皮には葉での光合成で作られた炭水化物を木全体に送る「師部」(しぶ)がある。さらに「材」は内側の「心材」(しんざい)と外側の「辺材」(へんざい)に分けられる。心材は「赤身」(あかみ)、辺材は「白太」(しらた)とも呼ばれるが、これは一般に中心部が赤っぽく、外辺部が白っぽい色をしているためである。ただし、エゾマツやトドマツまたはベイツガなど木の種類によっては中心部と外辺部で色の違いが見られず、心材と辺材の区別がほとんど出来ないものもある。辺材には根から吸い上げた水分を樹木全体に送る仮道管(針葉樹)または道管(広葉樹)、またでんぷんなど同化物質を貯蔵・分配するために原形質を保持した柔細胞があり、木の生命活動を担う。道管・仮道管はその形成の段階で非常に細長く、かつ厚壁になったもので、それらはほとんどが幹の縦方向に平衡して並んでいる。また内部が空洞化することによって作られるため、木材は、強度を決定づける繊維が縦方向に強く並び、軽量ながら適度な強度と断熱性を持ち、方向による異方性を示す材料となる。木材の主成分は多糖類であるセルロース分子が作るミクロフィブリル(約50%)やヘミセルロース(含キシラン・グルコマンナン、約20%)、リグニン(広葉樹約20%、針葉樹約30%)を主成分とし、副成分としてテルペン、タンニン、リグナン等を含む細胞組織からなり、複雑で緻密かつ強靭な構造を成している。骨格となる長鎖状のセルロースは木材に強さやしなやかさをもたらし、網目状のリグニンは細胞を接着させながら硬さ・曲げ強さを与える。分岐状のヘミセルロースはセルロースとリグニンを結びつける機能を受け持っている。これらは自然界では化学分解の難しい成分として知られるが、実際には菌類やシロアリなど一部の動物がこれを強力に攻撃する。特に辺材は水の通り道となるために含水率が心材と比べて高く、また栄養素を含むことから腐りやすく害虫にも弱い。これらの成分は可燃性であり、火は木材にとってもっとも危険なものである。この柔細胞は分裂から数年 - 数十年経つと周囲の細胞を心材化させ、自らも原形質を失って膨張し、チロースとなって樹脂道や道管を充填する。こうして形成された心材は木の構造を支え、フェノール類などの抽出成分を含んで腐食や害虫の侵入を阻止する役目を持つ。また、セルロースは伐採後200-300年という期間を経て結晶化が進み、木材の強度を高める効果がある。木は生物であるため、品種だけでなく育成環境や伐採の季節、また一本の木の中でも部位によって性格が異なり、それに応じて扱いを都度変える必要がある。品種分類では、大きく針葉樹と広葉樹に分けられる。主に寒冷地から温帯にかけて生育する針葉樹は一般に直線的な幹と小さめな樹幹を持ち、気候の影響から明瞭な年輪を形成する。ただし世界中に分布する広葉樹のうち熱帯に生育するものには年輪が作られないものもある。構成にも差があり、チロースとなる柔細胞の比率も針葉樹で約5%に止まるのに対し広葉樹は10 - 30%と多い。木の成長は季節によって変化する。木は春から初秋にかけて細胞分裂を起こして幹を太くするが、この期間の前半と後半では細胞の形状や大きさ、木種によっては細胞の種類が変わる。前期に形成される部分を「早材」または「春材」(俗に夏目)。と呼び、針葉樹の場合は細胞壁が薄く細胞の直径は大きくなり、材の色は薄くなる。後期の形成箇所は「晩材」または「秋材」(俗に冬目)と言い、特徴は逆になる。広葉樹では、ケヤキやミズナラなどでは早材部分に大きい道管が形成されるために区別がつくが、ホウノキやカツラなどでは季節による道管に差ができないためにこの早材/晩材の差が生じない。季節では、夏雨性の温帯気候に属する日本においては木の新陳代謝の低下する秋から冬にかけての時期が伐採の最適期とされており、特に広葉樹のブナなどはこの時期に伐採したものは腐れや害虫に強い木材になる。しかし例えば磨き丸太に使う木材では樹皮と材を剥離しやすい幹形成期の春が伐採に適すなど、目的によって最適時期は変わる。樹木を縦割りにした際、枝があった部分には「節」(ふし)が残る。これには、材の木目から断裂が無く繋がっている「生節」(いきぶし)と、枯れた枝が幹の成長に伴って包み込まれた「死節」(しにぶし)がある。なお、枝が枯れ落ちたり切り払う(枝打ち)作業によって節が無い材は特に「枝下材」と呼ばれ価値が高い。ただし節の存在が強度不足を招くことはなく、逆に美的評価の要素として格付けされる場合もある。木材は、伐採直後のものを使うには数々の問題がある。木材が含む水分量のめやすとなる含水率(細胞壁の重さに対する水の重さの比率)formula_1は、以下の式で求められる。formula_2 (%)ただし、伐採後、乾燥工程を経ていない木材は「生材」と呼ばれ、その含水率は樹種にもよるが、40 - 300%以上の広きにわたる。針葉樹の辺材になるとどの品種でも軒並み100%を超え、広葉樹でも70%前後となる。十分に乾燥されていない木材は重く、腐りやすく、収縮・変形し強度も乾燥材に劣る。生木を乾燥させていくと含水率30%前後(繊維飽和点)で収縮が始まり、変形となって現れる。しかもそれは、表面が先行して乾燥するため、内部との歪みが生じ表面割れが生じる。その後内部乾燥が進むと今度は逆向きの力が内部に加わり、内部割れを起こす原因となる。その他にも、不均一な乾燥はそりや変色などを引き起こす。木材を一定の温度・湿度に調節された環境に放置すると、ある含水率に達した時点で木材の吸湿と放湿が同じスピードになり、見かけ上木材が吸放湿を行わなくなる。こうなると木材の収縮・変形は収まる。この平衡に達する含水率は温度と湿度によって一意に定まり、平衡含水率と言う。この状態にある木材は「気乾材」と呼ばれる。日本の場合、外気の平衡含水率は季節や地域によって異なるが、おおむね12 - 16%程度であり、建築用材であれば20%まで乾燥してから用いるのがよいとされている。また、空調設備の整った屋内での使用が基本となる家具用材などでは7%、ビル内装で8%、フローリングで9%、集成材のラミナで10%程度の含水率まで乾燥した材が用いられる。これは、木材が一定以下の含水率になった後、湿気を吸いにくくなるという性質を利用するためである。なお、木材の表面だけが乾燥して内部の含水率が高いと出荷後に製品に狂いが生じるので、乾燥工程の終了時には十分な養生期間を設けて、木材内の含水率をできるだけ均一にすることが望ましい。木材の乾燥方法には大きく分けて「天然乾燥」と「人工乾燥」の2通りの乾燥方法がある。天然乾燥は直接降雨が当たらないよう簡単な屋根を設けた風通しの良い場所に桟積みして自然の力(太陽光、風、雨)のみで乾燥が行われる。自然エネルギーだけを用いる点は有利だが、環境を制御しないために含水率15%程度まで乾燥させようとすると非常に長い期間がかかり、経済的効率が悪い。人工乾燥は、乾燥室内に木材を置いて各種条件をコントロールしながら行う。その方法は、蒸気を熱源に熱風を送る蒸気式内部送風機型(IF型)乾燥室が主流であり、その他に50°C以下で除湿する「除湿乾燥」、100°C以上の熱風を用いる「高温乾燥」、減圧下では平衡含水率が下がることを利用し50~70トルの減圧釜を使う「減圧乾燥」、高周波を発生する電極に木材を挟んで行う「高周波乾燥」、有機溶剤などを加熱した薬剤に接触させる「薬品乾燥」がある。人工乾燥は短期間で行えることや均一な木材に仕上がる点がメリットに挙げられ、デメリットとしては乾燥に際し二酸化炭素放出やエネルギー消費が伴う点がある。この他にも、パラフィン液相乾燥、遠赤外線乾燥、加圧下での乾燥、マイクロ波乾燥なども検討・開発されている。実際の乾燥は、木の種類や形状・寸法、またはどの程度まで損傷を許容するかを勘案し、天然乾燥で30%程度まで含水率を下げた上で人工乾燥を組み合わせ行う手法が一般的である。これはそれぞれの国や地域、およびメーカーが積み上げたノウハウに基づいている。楽器など特殊な用途ではあえて数年以上の天然乾燥を行い、長期間の平衡含水率状態で木材の吸排湿を繰り返す手段を用いる。これによって高い寸法安定性を持たせ、かつ振動特性を向上させる狙いがある。また、製材後に黒筋となる桐のアクを抜くため、雨水にさらしながら乾燥させる「雨打たし」という技法もある。大きな一本の原木から角材や板を直接必要な寸法に切り出したものを、製材(より正確には製材品)あるいは無垢材と呼び、木の小さな破片や薄い板(いずれも原木そのものについては小径木とは限らない)を集め、接着剤で貼りつけて大きな寸法の部材としたものを、用途などの状況によって木質製品、木質建材、木質素材などと呼ぶ。なお、後者の生産において接着剤は必須ではない。木材に含まれているリグニンは、高温にさらされると自己溶着性をもつので、高温処理を伴うプレス加工により、接着剤なしでも、ハードボードと称されるやや密度の高い木質製品(ファイバーボードの一種)を作ることが可能であり、かつてはテレビなどの家電製品に多用された。現在も、木造建築物の耐力壁などに使われている。なお、その言葉の持つ好印象から、製材品については、商業的にはしばしば無垢材という言葉で呼ばれるが、原木から所定のサイズの材を切り出すという製材作業を経ているものは製材品と呼ぶのが正しい。JASにおいても「製材の日本農林規格」の第一条で、言葉の定義として「原木等を切削加工して寸法を調整した一般材(中略)を製材と総称する」と記している。木質製品については、おもな種類として、集成材、LVL(単板積層材)、合板、パーティクルボード (PB)、ファイバーボード、OSBなどがある。山から伐り出した原木を丸太のまま利用する事は少ない。通常は皮を剥がし角材や板材へ切り出す製材作業を行う。製材品は、木材製品の中で最も一般的であり、単に木材といえは製材加工された製品を指すことがほとんどである。(もちろん、製材前の丸太も木材であるが、基本的には素材であり、商品価格や品質のばらつきが製材品とは大きく異なるので、丸太あるいは原木などと読んで区別する。)製材の道具として、古代は石器、鉄の利用が始まってからは鉄製の斧や楔が使われ、木材が持つ、繊維方向に割裂しやすいという性質を利用した寸法加工がなされた。次いで鋸が発明され、木挽き(こびき)職人と呼ばれる技能者が個々の原木の性質を見極めながら製材をしていた。同じ原木を製材しても職人の腕一つで材木の品質や歩留まりなどが大きく左右されたので、木挽き職人は高度な技術が必要とされる仕事であった。1950年代からは電動工具などを用いた機械的な大量生産方式が導入され、職人による高度な製材技術は期待できなくなったが、製材機械の改良により高度な製材加工がなされる。原木から板を切り出す場合、年輪の目に対してどのような角度で切り出すかによって、板表面の木目が異なってくる。また、切り出しの角度は木目のみならず、板の強度などにも影響を与える。集成材の縦方向の接合法には、大きく分けてスカーフジョイント・フィンガージョイント・パットジョイントの3種類があり、接着強度の高さからフィンガージョイントによる接合が多い。構造用集成材の種類としては米松(ダグラスファー)・欧州赤松(レッドウッド)・SPF(スプルース・パイン(松類)・ファー(樅))・米ヒバ・米栂・スギ・カラマツなどがある。木材を薄くスライスした単板を繊維方向が互い違いに直交するように複数枚を重ね、接着剤で貼り合わせ一枚の板に加工したもの。ベニヤ板とも呼ばれる。おもに普及しているものはコア材に対して正対照になるよう繊維方向にストレートとクロスを組み合わせた奇数枚のベニアから成る。大面積の板材を製材品として得るためには巨木が必要となるのに対して、合板は製材品に比べて安価に大面積が得られる点、工場加工ゆえに品質が安定している点から、様々な用途に広範に利用されている。かつて合板の多くは、ホルムアルデヒド系接着剤が使用されており、気化した成分が人体に悪影響を与えることがあった。そのため、1980-1990年代頃よりシックハウス症候群の原因として問題視されるようになってきた。また、湿気に弱いため、屋外や水回りで使用するものには、耐水性の高い接着剤を使用するなどの工夫が必要とされる。日本農林規格のJASによって、接着の程度(特類、1類、類)や板面の品質(1等、2等、A、B、C、D)といった等級がある。さらに、上記のホルムアルデヒド放散量によっても区分があり、F☆ - F☆☆☆☆という表記がされている。F☆☆☆☆以外は、住宅で使用する際に使用量が制限されるため、ほとんどの製品がF☆☆☆☆に対応するようになった。樹木の種類による分類には以下のようなものがある。木質ボードとは、砕いた木材の小片や繊維などを結合材料で固めた板状の製品である。代表的なものとしては以下に上げるような種類があるが、エレメントの大きさや形、並べ方によって製品の性質はさまざまであり、製造過程が類似しているため中間的な製品も存在する。パーティクルボード、OSB、MDFでは、エレメントのその大きさや形は確率的なものであり、製造工程において分級(ふるい分け)などによって品質管理される。前述の含水率は、木材を加工・保存する上で最重要の項目となる。JISに定められた木材測定法では木材を絶乾状態(全乾材)にして水分量を計測するよう規定されており、最も正確に測定できる。しかし、より簡易な方法もある。繊維飽和点以下であれば電気を流し抵抗値を計測して推計(電気抵抗法)できるが、温度や木材中のイオンが与える影響を除く必要がある。誘電率や誘電損率から導く(電気容量法)際には、木材の比重で補正しなければならない。この他にも、X線やガンマ線を照射し、水によって吸収された放射線量から計測する(吸収係数法)がある。また、平衡含水率はヒステリシスを示すため、放湿・吸湿のいずれ方向から計測する状態になったのかも勘案しなければならない。繊維飽和点は、木材中の自由水が無くなり結合水のみが残っている状態を指す。これは、伐採した生木をゆっくり自然乾燥させる方法か、もしくは乾燥させた木材を湿度100%の環境下で吸湿させて含水率が一定となった状態を、容積膨張や縦圧縮強さのグラフの傾きが変化した(折れ曲がった)部分から得る。金属・ガラス・合成樹脂などの密度は温度が一定ならばおのおのの固定値を取り、木材も細胞壁だけを計測した密度は「実密度」と呼ばれ、これは樹木の種類などに関わらず約1.5という値となる。しかし実際の木材密度には水分も影響を及ぼすため、含水率の状態毎に密度は定義される。質量をformula_4、体積をformula_7、添え字でそれぞれformula_8: 気乾 (air-dry)、formula_9: 生材 (green)、formula_10:全乾 (over-dry) を表すと、となり、容積密度formula_14は、さらに含水率formula_1 (%) 状態の木材の密度formula_17は、ただし、で表される。気乾状態の木材の比熱は20°Cで0.38kcal/kg・°Cとなり、これは常温のガラスやコンクリートよりも大きい。しかし物体の温まりやすさは比熱に質量を掛けた熱容量で決まるため、密度が小さい木材の熱容量は小さくなる。熱膨張率は木材の方向によって異なり、年輪の接線方向で大きく、半径方向は若干小さくなり、繊維方向は接線方向の1/10程度になる。しかし、木材中で比較的数値が大きいダグラスファーの線膨張係数接線方向値でも、マイナス50°C-プラス50°Cの温度幅でさえ0.43%に過ぎず、さらに通常このような温度変化があれば含水率が下がり木材は収縮するために膨張は相殺される。すなわち、木材の熱膨張は実用上無視してかまわない。温度環境の特性では、木材は低温になれば強さを増す。一方高熱側でも100°C程度まででは目立った変化を起こさない。しかしさらに高温域では分解が始まり、200°C前後からガスを発しながら分解が加速する。引火点は240 - 270°C付近にあり、燃焼が始まる。ただし木材は一度燃焼しても、表面が炭化して熱伝道率が低下し燃焼速度は落ちるため、断面が大きい木材では内部が残る傾向を持つ。木材は異方性が高く、繊維と並行(縦)か直角(横)かによって機械的強度は大きく変わる。縦方向の引張強さは、日本国内の針葉樹で800 - 1400kgf/cm、広葉樹で600 - 2000 kgf/cm、すべての木材では強いものでは3000 kgf/cmというものもある。これを、強さを密度で割った「比強度」で表すと、針葉樹1700 - 2800kgf/cm、広葉樹1600 - 2600kgf/cmとなり、鉄の400 - 1300 kgf/cmを上回る性質を示す。これが横方向になると1/20から1/30と極端に悪くなる。そのため、製材時に木材の長軸と繊維軸が平行になっていない(「目切れ」という)と、このずれ部分に沿った破断、いわゆるせん断破壊が起きる。縦方向の圧縮に対する強さは、日本国内の針葉樹で300 - 400kgf/cm、広葉樹で200 - 650 kgf/cmと、引張強さの1/3程度になる。このように「引張強さ>圧縮強さ」という特性は木材の特徴のひとつで、コンクリートの「圧縮強さ>引張強さ」の特性と逆になっている。木材が圧縮されると、中空構造の繊維がつぶれ、局部的な折れ曲がりが発生する。この「座屈」と呼ばれる破壊は圧縮強さの数分の1で発生し、座屈線という連続的な破壊の起点となる。横圧縮強さは縦の1/10 - 1/30程であり、これも細胞の破壊から始まる。床板や梁のように繊維の上から木材を曲げようとする荷重に対する強さ(曲げ強さ)は、凹む木材の上部は縦圧縮力、張る下部は縦引張力がかかる図式で考える。中心部には圧縮ひずみも引張ひずみもかからない中立的な箇所があるが、曲げが強くなるとこの中立部が下(引張ひずみ側)に移動し、最終的に木材の縁まで来て引張強さを超える荷重がかかると破断する。しかも荷重を支える有効断面は実質的に狭いため、曲げ強さの値は引張強さよりも弱くなる。辺材を白太、心材を赤身というように、多くの木材は中心部が濃く外周部が淡い色をしている。しかしこれも品種によって差があり、同じ針葉樹の辺材を比較しても漆喰のような白さを持つモミやトドマツなどもあれば、ヒノキはやや黄身がかっている。心材の色はより豊富で、紅(イチイ)、黄色(カヤ)、桃色(スギ)、黒(ネズコ)、茶色(カラマツ)などがある。これらの着色は辺材が心材化する際に柔細胞が生成していた化学物質によってもたらされる。広葉樹の材の色はさらに多彩で、主なものでも水色(ホウノキなど)、桃色(モミジなど)、赤(サクラ・クスなど)、黄色(ウルシ、キハダなど)、紫(クワ・カツラ)、灰色(カキノキなど)、黒(コクタンなど)がある。木材は菌類によって生分解する事を特徴としている。これは、数百種類はあるという木材腐朽菌が木材の主成分を栄養素として繁殖するために引き起こされ、菌の種類や活躍できる環境条件、および樹木の種類によって腐朽の起こり方は様々である。ただし、木材腐朽菌はその生命活動に自由水を用いるため繊維飽和点以下の含水率にある木材では生育できず、一方好気性菌であるために過剰な水分がある環境下でも繁殖しない。木材に作用する菌類には、より水分が多い環境で影響を及ぼす軟腐朽菌があり、これらは例えばボートの木部表面を分解して柔らかくするが、好気性菌でもあるため材の内部まで侵食しない。繁殖の影響が機械的強度を低下させないながら表面を汚染するものもあり、マツ類の辺材を青色にする青変菌やブルーステインなどを代表にさまざまな変色を引き起こす菌が知られている。対応には薬剤が用いられ、耐菌用には銅・亜鉛・フッ素・フェノール化合物を含むものが使われる。他にも石油乾留精製分のタール類、枕木によく用いられるクレオソート油などがある。菌類の生育環境がある程度限られるのに対し、木材を食害する昆虫など生物は様々な環境下でそれぞれ異なる種類が存在するため、総合的な予防が難しくなる。含水率が50%を超える伐採直後の木材にはキクイムシ科やナガキクイムシ科の昆虫が穴を開けて潜り込み、産み付けられた卵から孵った幼虫が材を食害する。カミキリムシやゾウムシなども丸太材にとりつくが、これらの幼虫は樹皮の直下を生育環境とするため、比較的材への影響は少ない。やや湿った木材にとりつく昆虫の代表にシロアリがある。気温6°C以上で活動を始め、約28°C程度で活発になるシロアリは50万以上のコロニーを形成して巣を作り、家屋の土台など湿度がある木材を食いあらす。イエシロアリは土壌中から乾燥した木材までトンネル(蟻道)を繋げ、水を運んで湿らせた上で食害することもある。これらを防ぐ薬剤にはヒ素化合物類が使われる。乾燥した木材につく虫にはヒラタキクイムシやチビタケナガシンクイムシなど多くの種類がいる。逆に海水中の木材を食べる生物には、二枚貝のフナクイムシや甲殻類のキクイムシなどが知られている。これらは塩分濃度が1%以下になると死滅するため、海岸の貯木場では淡水を入れて希釈したり、河口を遡上した部分に港を設けるなどの対応を行っていた。微生物の作用以外にも、木材を変色させる要因は多い。ただしそれはアンティーク調の効果をもたらす場合もあり、必ずしも一律に防がなければならないものではない。この変色は、木材中に含まれるフェノール性物質が作用して起こる。光による変色は、フェノール類が有色物質へ変化するために起こるため、紫外線吸収塗料を塗布することで防げる。金属との接触では、鉄や銅によってフェノール類が黒色に変化することで起こる。この対策は、シュウ酸など強酸を塗布し水洗する、予防は木材表面を弱酸性にする無機物を塗る、またはカラーネイルなどを用いて金属と木材が接触しないようにするなどがある。この他にも、コンクリートのアルカリや一部の酸を含む接着剤、また酸化酵素もフェノール類との反応を起こして変色の原因となる。木材はその入手の容易さから、旧石器時代から住居や道具の材料および燃料として利用されてきた。また、製紙原料としても古くから用いられている。文明の滅亡には、これら木材資源の枯渇が一因となったものもある。本脚注は、出典書籍内で提示されている「出典」を示しています。

出典:wikipedia

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