『二百三高地』(にひゃくさんこうち)は、1980年の日本映画と1981年のテレビドラマ。本項では、映画版、テレビドラマ版、双方について記述する。日露戦争の旅順攻囲戦における、203高地の日露両軍の攻防戦を描いた作品。第三軍の司令官・乃木希典を中心とし、大局(戦闘、戦争)の推移が描かれる。その一方で、第三軍に予備役で徴兵された民間人を通じ、前線で戦う一兵卒の惨状、戦況に一喜一憂する庶民の姿、戦争の悲惨さというものも描写されている。「二百三高地」(にひゃくさんこうち)は1980年製作の日本の戦争映画。脚本の笠原和夫は「岡田茂東映社長(以下、役職は全て当時)が東映企画部長・天尾完次に明治天皇(の映画)をやろう」と指示を出し企画がスタートしたと話している。東映東京撮影所長・幸田清は著書などで、1977年に天尾と幸田で「日本の近代史を映画にしたい」「まず日露戦争からやろう」という話から始まったと述べている。日露戦争の映画は戦後だけで東映以外に新東宝の『明治天皇と日露大戦争』など、5本創られてきたが創り方が難しい素材といわれていた。未だ原案がまとまらぬ段階で幸田らは岡田社長に意向を尋ねると、「今時、日露戦争の映画を観に来る者はほとんどいない。当たらないからやめとけ」と却下された。しかし再々度、制作を打診すると「そうだなあ。乃木大将を中心に創ってみたらひょっとしていけるかな。今まで、乃木将軍を描いた映画はないだろう」との岡田社長の何気ない一言を切っ掛けに、幸田を中心に天尾、太田浩児、瀬戸恒雄らプロデューサー3名で検討を開始するも、良い切り口がなくプロのシナリオライター1名を加える。しかし未だ企画は承認されておらず流れてしまうとギャラも払えない。駄目元で当時はフリーになっていた笠原和夫に依頼すると「日露戦争には興味がある」とのことで承諾された、題名を『乃木大将と日露戦争』と付けて本社会議にへ企画案を提出するも、「日露戦争の映画は当たらない」と営業関係から猛反対され一人の賛成論もなかったが、「出来上がったシナリオを読んで考えよう。シナリオ作成だけ承認しよう」との岡田社長の一言で一転、全員一致で承認され、出来上がった笠原のシナリオは会議でも賞賛された、などと幸田は話している。笠原は「日露戦争をやってくれ」と天尾が電話してきたので、「岡田さんはどういう風に考えてるんだ」と聞いたら「社長は『明治天皇と日露大戦争』みたいな感じではなくて、もっと正面から日露戦争を描くやつをやりたいと言っています」といわれ「そういうことだったら承知した」と脚本を引き受けたと話している。最初は乃木希典を中心にした旅順戦とスウェーデンに行った明石元二郎、イギリスに行った高橋是清、アメリカに行った金子堅太郎の三人の活動を含めて脚本を書き、岡田社長に提出したら「長い、せめて3時間におさめてくれ」と言われ、海外に行った三人の話は削り、旅順戦に絞った本を提出したら岡田社長からOKが出たという。過去三年間1本も赤字を出していない舛田利雄に監督を打診したところ「こんなに良くできたシナリオは読んだことがない。ぜひとも私に撮らせて欲しい」との回答を得た。シナリオは賞賛されるも、当時は3~5億円で映画を作っていたが本作は20億円を要すると言われ製作は大反対された。予算を削りに削っても15億円が精一杯で、それ以下ではちゃちな映画にしかならず、何がなんでも創りたいと執念を燃やす幸田は、岡田さえ説得できれば映画は創ることが出来ると、あえてうそがばれるような13億5000万円の予算を作成し、岡田に最後の希望を託した。岡田はうそはすぐに見抜いたが製作を了承するも、「前売券を10万枚、撮影所だけで売ること」と条件を出した。後にその金額が差額の1億5000万円分だったと分かったという。幸田は、岡田でなければ『二百三高地』は撮れなかったと話している。企画立案からクランクインまで2年余を要した。正確を期すためシナリオ作成時から、岡田が瀬島龍三、原四郎、千早正隆に監修を要請し、シナリオの間違いの訂正の他、撮影にも何回か立会ってもらい、指摘を受けた部分の撮り直しも行われた。笠原は岡田社長がどこからかクレームが付いた場合を考えて瀬島に監修を頼んだ、すると瀬島が「俺よりもっと頭が凄いやつがいる」と原を紹介した、千早は別ルートからの要請ではないかと話している。記載順、漢字表記はエンディングクレジットに準じる(例:満洲軍関係、三南道郎(通常は南道郎名義))。なお、本作では配役は示されておらず、俳優名のみとなっている。太字の人物は、単独クレジットになっている俳優である(本作のエンドクレジットは、単独配置の人物と並列配置の人物がいる)。※制作当初は、伊吹吾郎(上泉徳弥)、長門勇(高橋是清)らもキャスティングされていた。『二百三高地 愛は死にますか』は1981年1月7日~2月25日に日本のTBS系列で毎週水曜日21時00分~21時55分(当時の「水曜劇場」枠)で全8話が放送されたテレビドラマ。脚本は映画版に準じた形になっているが、エピソードや人物が追加されている。逆に、省略されたセリフもある(#主な相違点を参照)。また、戦闘シーンを始め、一部のシーンは映画版から流用されている(例:第1話冒頭、戦争肯定派の演説シーン)。映画版の挿入歌「聖夜」はクレジットされていないが、第7話で使用されている。また、「聖夜」をアレンジしたBGMは、何度も使用された。2009年3月~4月に東映チャンネル、またファミリー劇場等でも再放送された。DVDが2009年11月21日に発売されている。「監修」は、舛田利雄が監督していない回(第3話、第4話、第5話、第6話)のみ。記載順、漢字表記はエンディングクレジットに準じる。単独クレジットと並列クレジットは水平線で区切った。他映画の第1部が、第4話までに該当する。など。映画版・テレビ版に、重複して登場する俳優(流用シーンは除く)
出典:wikipedia
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