マフティー・ナビーユ・エリンは小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場する架空のテロ組織。また、その組織の表向きのリーダー、ハサウェイ・ノアの偽名としても用いられる。正式な組織名である「マフティー・ナビーユ・エリン」は、3つの言語(スーダン語、アラブ語、古アイルランド語)の合成による造語で、訳するならば「正当なる預言者の王」とでもいう意味である。作中ではギギ・アンダルシアが前記の解説と共に、「ひどいメドレー。名前じゃない」と評している。作中やサンライズ公式発表資料では、組織名称を略して「マフティー」と呼称されることが多い。宇宙世紀0093年にシャアの反乱(第二次ネオ・ジオン抗争)を鎮圧して以来、外敵もなく腐敗しきっていた地球連邦政府に対し、宇宙世紀0105年にΞガンダムやメッサーなどのMSで武装蜂起し、特権階級の人々を武力で粛清していた。これら一連の紛争を指して「マフティー動乱」と呼称される。実際に組織を統括しているのは、クワック・サルヴァーという偽名を名乗る人物。その正体はメンバーにも明かされておらず、作中でも明らかにされてない。連邦政府内部にも太いパイプを持つ人物であることが作中人物の口から語られている。戦闘を指揮する代表者、声明などはハサウェイが扮したマフティー・ナビーユ・エリンが行う。アデレードにおけるマフティー・ナビーユ・エリンの最後の作戦が鎮圧された後、キルケー部隊の指揮官であるケネス・スレッグによって、指導者「マフティー」の処刑が秘密裏に行われた。その処刑の際に「マフティー」は、いつの日か地球に対する義務に人類が目覚めることに期待を託しつつも、それまでは第二、第三の「マフティー」が特権にありながら地球を汚染し続ける者たちを罰するであろう旨を、ケネスや処刑に立ち会った連邦軍人たちの前で宣言する。ハサウェイの父親である連邦軍軍人ブライト・ノアがケネスの後任として来訪する前、「マフティー」の処刑がケネスによって迅速かつ秘密裏に行われたのは、「マフティー」の個人的関係者を連邦軍やマスコミから守るためと、友人でもあった「マフティー」へ示したケネスの、せめてもの配慮であった。しかし、ケネスの不注意から「マフティー」の正体がハサウェイであることが連邦軍の高官からマスコミに流され、世間にも大々的に露見してしまう。さらに連邦軍は、その処刑の指揮はブライトによって行われ、ハサウェイも自らの行為の過ちを悟って従容と銃殺の裁断に従ったという事実とはまったく異なる内容に改竄し、報道する。この直後にはマフティー側から、反論声明が発表されている。この報道は反連邦運動の気運を削ぎ、なおかつ連邦が危険視し始めていたブライトが体制寄りであることを世間に印象付け、反連邦勢力によって英雄視されることを防ぐ思惑も含まれていたものと思われる。少なくとも、反連邦運動の隆盛の阻止については連邦軍の思惑どおり功を奏したようで、マフティーに便乗する集団などは消滅し、本物のマフティー(クワック)やその他の反連邦分子は地下運動化して弱体化、もしくは自然消滅していったとされる。こうして先述のとおり、連邦政府そのものを脅かす規模の反連邦運動は、約20年後に起こる「クロスボーン・バンガード」 (C.V.) の蜂起まで待つことになる。ただ、ハサウェイの最後の宣言(予言)のとおり、その後もC.V.やザンスカール帝国の建国による動乱などを経て反地球連邦運動そのものは、歴史から潰えることはなかった。もっとも、これらの運動はマフティーの期待したような形とはならず、その当初の理想もやがて単なる支配と大量殺戮の口実に堕して運動の内外から崩壊し、消滅していった。その一方、マフティー動乱以降は加速度的に腐敗と停滞が進行した連邦側も自壊に近い形で形骸化の一途をたどり、これ以降における主体的な活動はなりを潜めていく。かくして統制を失った地球圏は、「宇宙戦国時代」と呼ばれる混乱期に入るのである。
出典:wikipedia
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