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ヒートアイランド

ヒートアイランド(英語:urban heat island:UHI)とは、都市部の気温がその周辺の郊外部に比べて高温を示す現象。住民の健康や生活、自然環境への影響、例えば夏季は熱中症の増加や不快さの増大、冬季は感染症を媒介する生物の越冬が可能になることなどが挙げられ、問題視されている。都市化が進むほど、ヒートアイランドも強まり、高温の長時間化や高温域の拡大が起こる。ただ巨大都市に限ったものではなく、人口数千人から数万人と規模の小さな都市でも小規模ながら発生する。また、各都市の地勢や気候によっては、風下の郊外部にも高温化が波及することがある。「ヒートアイランド」という語は英語からきており、直訳すると「熱の島」であるが、これは気温分布を描いたとき、等温線が都市を中心にして閉じ、ちょうど都市部が周辺から浮いた島のように見えることに由来する。日本語に訳す場合は都市温暖化または都市高温化とされる。都市は、郊外に比べて高温・乾燥で独特の風系を有する傾向にある。こうした都市特有の気候を気候学においては都市気候と呼び、これを研究する都市気候学や都市環境学などの学術分野がある。それらの中でも、ヒートアイランドは主要なテーマとされる現象の1つである。「都市の気温が郊外に比べて上昇している」ことが初めて発見されたのは、1850年代のロンドンとされている。イギリスの科学者・気象研究者であったリューク・ハワード()は、当時産業革命により著しく発達していたロンドンの気温が、周辺地域よりも高くなってきていることを発見した。これ以降、欧米を中心に世界各地の大都市で気温上昇が観測されるようになり、やがて"Urban Heat Island"と呼ばれるようになった。日本では、初期の研究として福井・和田(1941)による東京市(当時)郊外と都心の観測報告があり、現在の練馬区にあたる郊外と都心とで5℃の気温差があったという。その後1950年代から1960年代にかけて、気温分布など都市特有の気候を研究する論文がいくつか発表されている。ただし、ヒートアイランドという言葉が一般に知られるようになったのは、大きく報道された1970年代からである。ヒートアイランドは現在世界中の都市で観測されており、日本でも最大規模のヒートアイランドが起こっている東京をはじめとして、その深刻化が問題となっている。特に、今後はアジアの都市での深刻化が懸念されている。ヒートアイランドは厳密には、「都市が無かった場合に推定される気温よりも実際の気温が高い状態」である。調べ方には、気象台やアメダスなどでの定点気象観測のデータをもとにした統計と、数値予報モデルによる推定の2通りがある。ふつう、都市化の前後を含めた長期のデータにより、都市部と郊外部の気温変化を比較することで、ヒートアイランドの進行状況をみる。平均気温、月平均の最高および最低気温のほか、夏日、真夏日、猛暑日、熱帯夜、冬日などの日数の変化も、間接的に気温の変化を表すデータであり有効とされている。なおヒートアイランドの評価においては、「N年前よりもX℃上昇した」のように絶対的な気温変化ではなく、「N年前との比較で地点Aよりも気温上昇がX℃大きかった」のような郊外部との比較を行うのが適切であるが、これは地球温暖化などによる広域的な気温変化の影響を取り除くためである。一方、定量的な指標ではないが、初雪、初霜、初氷、雪日数といった季節現象、桜の開花、紅葉、セミの初鳴きといった生物季節の変化もヒートアイランドの影響を知る手がかりとして用いられることがある。定点気象観測より小さい間隔の観測として、近年広く用いられているのがリモートセンシングである。センサーを搭載した人工衛星により都市とその周辺部の表面温度などを観測するもので、低コストで効果的にデータを得ることが可能である。ニューヨーク、パリ、ベルリンなど世界各地の都市で世界平均気温よりも大きな割合での気温上昇、つまりヒートアイランドを示す気温上昇が観測されている。なお、ニューヨークやパリは100年あたり約2℃、ベルリンは同約2.5℃であるのに対して、東京は同約3℃であり、世界的にも速いペースで上昇している。なお別の研究によれば、サンフランシスコ、ボルティモア、上海は10年あたり0.2℉(約0.11℃)、ワシントンD.C.は同0.4℉(約0.22℃)、東京は同0.6℉(約0.33℃)であるが、ロサンゼルスやサンディエゴでは同0.8℉(約0.44℃)と更にペースが速い。なお、平均値を示した右表とは異なる年間最大値ではあるが、北アメリカや日本の研究報告では人口数千人から数万人程度の都市・集落でも郊外との気温差は最大時で2~7℃ほどあるとされている。研究初期、Chandler(1967)は規模の異なる2都市での観測から都市の規模よりも建物の密度の方が重要な因子であるとしたが、Oke(1973)は別の観測から都市の人口とヒートアイランドの強度は対数比例の関係にあるとし、Chandlerの説を覆した。後の複数の研究でも、きれいな対数比例にならないとする研究もあるものの、多くは都市の人口規模がヒートアイランドの強度と関係していることを示している。ただし、地球温暖化によるものと見られる熱帯夜の増加や30℃以上の時間数などの高温化の傾向は郊外でも観測されており、高温化は都市に限った問題ではない。なお、後述のように、各地のヒートアイランドが地球全体の気温に与える影響は僅かであることが分かっている。ここからは主に日本の例を解説する。観測データを基にした気象庁の調査では、東京を中心とする都市圏と内陸側の都市(前橋・熊谷など)、京阪神、名古屋と内陸側の都市(岐阜など)、札幌、仙台、福岡が顕著な例として挙げられている。右表がその値であるが、主要都市は軒並み郊外に比べて顕著な気温の上昇を観測している。留意すべき点として、気温の上がり方は夏や昼間よりも夜間や冬場の方が著しいことが挙げられる。顕著な影響として熱中症の増加がみられることから夏の最高気温が高くなるイメージがもたれやすいが、それとは逆の傾向である。右表では夏の最高気温は1~2℃の上昇にとどまる一方で、夏の最低気温は2~4℃上昇しており、夜間の涼しさの方が弱くなる。つまり、真夏日よりも熱帯夜の方が増加が激しくなる。またどの都市でも、夏季よりも冬季のほうが差が大きく現れ、特に高緯度の寒冷地では顕著である。例えば、東京では1920年代は年間70日程度観測されていた冬日が2000年代には年間数日程度に激減し、同じく熱帯夜の日数は3倍以上に増加している。ちなみに東京での熱帯夜は、観測史上最も暑い夏になった2010年が最多で56日、次いで2011年と2012年が49日を数え、平年の27.8日を大きく上回っている。真夏日に関しても2010年が最も多く、71日に達した(平年は48.5日)。一方で冬日は、寒冬になった2006年、2012年でさえそれぞれ、9日と6日にしかならなかった。記録的な暖冬になった1989年、1993年、2004年、2009年は1日も観測されなかった。冬季の気温差が大きい例としては札幌、旭川、帯広などの北海道の内陸の主要都市が挙げられ、厳冬期の朝に郊外との気温差が10度前後になることも珍しくない。また、風上にある都市のヒートアイランドの影響を受けて、周辺の郊外部や遠い内陸部に高温化が及ぶことがある。典型的な例として、海陸風が内陸に及ぶ関東平野や濃尾平野が挙げられる。右表にもある通り熊谷市、前橋市、岐阜市では夏の最高気温が2~3℃上昇しており、上昇幅は東京や名古屋と同程度あるいは上回っている。なお、熊谷市や岐阜県多治見市では2007年8月16日に日本の観測史上最高気温を記録したが、このときはフェーン現象による影響が大きく、ヒートアイランドの寄与は熊谷市で1℃程度と解析されている。一方で、冬は都市部の方が気温の上昇幅が大きく、夏は南東・冬は北西と向きが変わる季節風の影響があると考えられる。このほか、都市内にある公園や緑地は気温の上昇幅が小さい冷気だまり、いわゆる「クールアイランド」になることも分かっている。例えば皇居では夏の平均気温が周辺よりも約2℃低いという観測結果が発表されている。ヒートアイランドの主な影響を以下に挙げる。主なものとして熱中症の増大や大気汚染の悪化などが挙げられるが、エネルギー消費の面では冷房使用が増加する一方暖房使用が減少するという2つの側面がある。ヒートアイランドの悪影響に関する認識として、日本では暑熱化、特に夏の気温上昇による影響が大きいものと認識されている。一方、ヨーロッパの内陸の都市では、夏の高温よりも冬を中心とした大気汚染の悪化が大きいものとして認識されている。これは、日本の大都市の多くは海岸沿いにあって風が入りやすく大気汚染物質の拡散条件が良いのに対し、ヨーロッパなど大陸部の内陸にある都市は風が比較的弱く、冬はそれが顕著になるためである。端的には都市化に伴う環境の変化が要因であるが、その中でも、地表の被覆の人工物化、人工排熱の増加、都市の高密度化の3つが大きなものとして挙げられる。関東地方における要因別のヒートアイランドへの寄与度を推定した気象庁の都市気候モデルによるシミュレーションでは、土地利用の変化が+2℃程度、建築物の効果が+1℃程度とそれぞれ大きな割合を占める一方、排熱による効果は無視できるほど小さくはないが局所的なものに限られるという。もともと土や植物で覆われていたところに建物ができたり道路などとして舗装されたりすると、熱特性が変わってしまう。土や植物は蒸発・蒸散(蒸発散)を通して潜熱として熱を放出する(熱の一部が水の状態変化に使われるため温度変化が緩やかになる)ため日射による加熱を抑える働きがあるが、人工物化によりこれが失われる。また、人工物化により光の乱反射が増加する一方反射率が低下し、対流に伴う顕熱輸送(熱伝達)や赤外線の放射(熱放射)を通して大気を暖める。特に、アスファルトやコンクリートは比熱容量が大きいため、昼間に熱を蓄えて夜間に放出することで夜の気温上昇を招く。また、大気汚染に伴う大気エアロゾル粒子も熱の移動に関係していると考えられている。人工物化で注目される点がいくつかある。なお、アスファルト上やビルの壁面に近いところに人が立っている場合、それらから受ける放射熱(輻射熱)により、体感温度は実際の気温よりも高く感じられる事があると考えられている。東京23区の500mメッシュのデータ(東京都市計画GIS、2002年)では、区域のほとんどが人工被覆80%以上であり、その中で荒川流域、新宿御苑、明治神宮、上野公園、皇居などが人工被覆の低い地域となっている。また名古屋市のデータ(名古屋市環境保全局、1996年)では、湾岸部から北区まで中心部はほぼ人工被覆75%以上が連続している。排熱源としては、排気による直接放出や冷却水を通した間接放出など工業生産に関係するもののほか、自動車、空調機器、照明器具、情報機器などが挙げられる。工業関係は1点から大量に放出される「点源」、自動車は線状に分布する「線源」、空調などはばらばらに分布する「面源」と呼ばれる。省エネルギー化により個々の排熱量は削減される傾向にある一方、人口増加、産業の発展、機器の普及が全体の排熱量を押し上げているという問題がある。東京23区の人工排熱のデータ(環境省推計、2002年)では、1日のうちでは早朝が最小、昼に最多となり夜の22時頃にも昼の半分程度の排熱があると見られる。昼には、日射の4分の1に相当する250W/m以上の区域が大手町から霞ヶ関付近、渋谷、新宿、池袋の各地に分布している。また名古屋市のデータ(名古屋市環境保全局、1996年)では、中区や東区の中心市街地や港区東部の工業地帯に排熱の多い地域が分布している。建物の高密度化や高層化が進むと、地上から空を見上げた時の空の割合(天空率)が低下し、夜間の放射冷却が弱まって気温の低下が緩やかになる。例えば環境省の2013年の推定によると、各都市の建物の高さは東京23区や大阪市で50年間で約3倍、名古屋市や福岡市で同2倍ほどになっている。ただし、人工物や排熱の分布がそのまま気温に反映されるわけではなく、ヒートアイランドの分布にはより大きなスケールの気象が影響を及ぼす。例えば、海陸風の働きによる暖められた大気の運搬、地形や河川の配置によりできる「風の道」に沿う冷たい大気の運搬などの要因がある。東京付近とその北方に広がる関東平野では、元来他の地域よりも広範囲に海風が及ぶとされるが、人工被覆や排熱の多い東京都心を通過した風が東京の北方に熱を運搬することが指摘され、実際に高温が観測される傾向がある。名古屋とその北方に広がる濃尾平野では、他の地域よりも海風が弱い傾向があり、風下にあり名古屋から比較的近距離に位置する多治見市や岐阜市などが高温となる傾向がある。中層建築物や高層建築物が地上付近の風通しを阻害して、熱の拡散や建物内の換気を弱める場合があると考えられていて、東京湾岸の高層ビル群は俗に「東京ウォール」などと呼ばれる場合がある。例えば、国土技術政策総合研究所が地球シミュレータを用いて行ったシミュレーションでは、汐留の高層ビル群がある場合とない場合では風下の新橋付近の風通しが異なるという結果が出ている。太陽光の吸収を減らす、排熱を減らす、冷却効果を高めるといったことを目的に緩和策が採られる。以下のように分類できる。「風の道」や「水の道」においてしばしば引き合いに出されるドイツのフライブルク、シュトゥットガルトなどの事例は、日本とは少し事情が異なる。ヨーロッパの内陸都市では、沿岸よりも風が弱く、特に冬を中心に都市を覆う大気汚染物質の"ドーム"が発達し、これによる大気汚染がヒートアイランドの一番の悪影響とされている。夏の暑さはふつう日本よりも穏やかなため、夏の高温化による影響は日本ほど強くは認識されておらず、2003年の熱波のような猛暑は例外的なものと捉えられているという。そのため、「風の道」の構築にあたっては風通しを良くして汚染物質を拡散させることを重点に置き、冷却効果は副次的なものとされている。ヒートアイランド現象は都市化と密接に関わっており、都市の中でポツポツと散発的な対策を行うだけでは抜本的対策にはならないと言われていて、効果的な対策には都市計画を巻き込んだ様々な視点からの見直しが必要となる。日本では、2005年に政府がヒートアイランドや地球温暖化対策とまちづくりを一体的に考えるモデル地域13地域を選定し、各地域で計画を進めている。主なものとして、大崎駅西口再開発、東京駅八重洲口再開発(丸の内への「風の道」復活)などがある。ただしこのような大規模な事業は費用が大きく弊害も大きいため、合意形成や費用分担も難しく、建て替えや再開発等の機会を利用して行われることが多い。こうした対策を補助するものとして都市環境気候図がある。これは、都市における気温、気流、土地利用、排熱、人口などの分布を一般的な気候図よりも詳細な街区レベルで示したもので、これを元にヒートアイランドの様相を分析し、どのような対策が有効なのかを推定することができる。建築物の建造や管理における環境影響評価の指標として日本には「CASBEE」という制度があるが、これを拡張してヒートアイランドに特化させたものとして「CASBEE-HI(ヒートアイランド)」という制度がある。敷地内における熱環境や緑化、敷地外に影響を与える反射や排熱、風通し、日陰の形成などを総合的に数値化して評価するもの。アメリカの「」や「」などもヒートアイランド対策を組み込んでいる。また、多くの緩和策は地球温暖化の緩和策とも共通し、ヒートアイランド対策が地球温暖化対策として(逆もまた同じ)効果を発揮することもある。ヒートアイランドの影響が及ぶのは、都市とその周辺に限られると考えられている。しかし、都市から数千km離れた地域で気温を上昇させる可能性を指摘する研究報告もある。カリフォルニア大学 スクリップス海洋研究所のガン・チャン(Guang Zhang)らのチームがアメリカ大気研究センターのデータをもとに作成した大気モデルでのシミュレーションでは、北半球の主要都市からの熱によりカナダ北部やシベリアで0.8-1℃程度気温が上昇するという結果が出ている。北半球の86大都市圏は地球表面の1.27%の面積でありながら世界全体の42%に相当する6.7TWのエネルギーを消費していることから、同チームは世界の一部地域で見られる地球温暖化予測モデルの推定を上回るペースでの高温化の原因ではないかとする見解を発表している。ヒートアイランドによる都市の高温化は、世界各地における都市化を通して、僅かではあるものの、産業革命以降の全地球的な地上気温(全球平均気温)の上昇、いわゆる地球温暖化に寄与していると考えられている。つまり、主原因ではないものの、ヒートアイランドは地球温暖化の複数ある原因の1つである。例えば、2001年のIPCC第3次評価報告書では、ヒートアイランドが顕著な北アメリカで地上気温が10年あたり0.27℃上昇しているのに対して高度2km付近の気温も10年あたり0.28℃とほぼ同じ変化となっていて、ヒートアイランドの寄与は僅かであることを示した。さらに2007年のIPCC第4次評価報告書では、ヒートアイランド強度が最大となる風のない夜間の最低気温の上昇傾向を見ても都市とそれ以外で顕著な差が見られないことから、ヒートアイランドの寄与は大きくないこと改めて示した。そして、地球の平均気温に対するヒートアイランドの寄与の値は、1900年以降、陸上では10年あたり0.006℃、海洋ではヒートアイランドはゼロなので、地球全体では10年に0.002℃だと報告している。これは、20世紀の間に約0.6℃のペースで上昇した平均気温に対して3%程度の寄与に留まることを意味する。また、スタンフォード大学のヤコブソンらによる2011年の報告でも、ヒートアイランドの寄与は産業革命以降の温暖化の2 - 4%程度と推定されている 。いずれも、寄与があることは認めているが、それが平均気温上昇のグラフを歪めるほどの水準ではないことを示している。

出典:wikipedia

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