『仮面ライダーJ』(かめんライダージェイ)は東映スーパーヒーローフェアの一作として、1994年4月16日に公開された劇場映画のタイトル。および、それに登場するヒーローの名。石ノ森章太郎が製作に関わった仮面ライダーとしてはシリーズ最後の作品。同時上映は『劇場版 忍者戦隊カクレンジャー』『ブルースワット キック・オフ! ニュー・ヒーロー』。東映スーパーヒーローフェアの一作として公開された『仮面ライダーZO』に続き、劇場用オリジナル作品として制作された。全編フィルム撮影及びオールアフレコで制作された最後のライダー作品である。この作品の一番の特徴としては、主人公・仮面ライダーJが巨大化するということである。仮面ライダーの巨大化には前例として1993年に制作された『ウルトラマンVS仮面ライダー』があり、この作品が好評だったことも、仮面ライダーJの巨大化企画の後押しとなった。プロデューサーの久保聡によると、当初は原作者の石ノ森章太郎も仮面ライダーの巨大化案には反対であり、そのためにJの巨大化シーンは決定稿ギリギリまで入っていなかった。最終的に「Jの巨大化は地球に未曽有の危機が訪れた時にのみ、大地の精霊たちがJに全ての力を注ぐことで初めて可能となる奇跡の形態であり、Jの基本的な能力ではない」という設定を出したことで石ノ森もJの巨大化に合意し、現在の形になったという。主人公・瀬川耕司役には『恐竜戦隊ジュウレンジャー』で主演を務めた望月祐多が起用された。この他に『鳥人戦隊ジェットマン』で結城凱 / ブラックコンドルを演じた若松俊秀が候補として挙がっていたが、変身前の姿でのアクションも多い関係から当時JAC所属だった望月が選ばれる形になったという。仮面ライダーJのスーツアクターは、前作『仮面ライダーZO』に引き続き岡元次郎が務めた。脚本は上原正三が執筆した。上原は『仮面ライダーBLACK』を初期で降板して以降、東映とは疎遠になっていたが、プロデューサーの吉川進より自宅に数年ぶりに電話が掛かってきて、「今度やるライダーの映画を書かないか」と誘われたとのことである。映画公開前後に発売された雑誌『宇宙船』インタビューにて、上原は同作品を執筆するにあたり前年度作品で杉村升脚本の『仮面ライダーZO』を強烈に意識したそうで、「特撮マニアが見たら『ZO』が面白いという意見が多いかもしれませんけど、子供が見たら『J』のほうが絶対に面白いと思ってくれる。自信はありますよ」と語っていた。名前の「J」は「ジャンボ(巨大)」を意識しているが、一般向けには「ジャパン(日本のヒーロー)」「ジャスティス(正義)」「ジャッジ(審判)」と説明されており、原作者の石ノ森章太郎も「ジャッジ」を推していた。また、後に上原正三が著した小説版(ISBN 4094401024)においては「ユピテル(Jupiter、ジュピターとも)」の頭文字だとされている。作中における「ユピテル」とは仮面ライダーJおよび地空人のパワーの源である「精霊の力(ユピテル・パワー)」の名称であり、映画の劇中では「Jパワー」と略されている。作風としては、当時ブームであったエコロジーを反映していることが特徴で、主人公は環境破壊を調査するカメラマン、彼が変身するJは大自然のエネルギーで戦う戦士 = 大自然の使者、その使命は人類のみならず大自然の全生物を守ること、そして敵の目的はいわゆる世界征服ではなく、地球上の全生物を死滅させることである。また、ヒロインの少女・加那が公害で死んだ動物の墓を作るシーンや、山林が開発作業で切り崩されるシーンなども、この演出に一役買っている。本作は、企画当初ではZOがパワーアップした姿を描くことが予定されていたが、諸事情により別作品として製作された。その経緯から、Jやバイクの外観は、前作の『ZO』と酷似している。木村加那役を演じた野村佑香によれば、撮影は「刺激と興奮が満載」だったとのことで、合成シーンの演技やワイヤーアクションの思い出、特撮セットやスモークなどを後年のBD-BOX発売時のインタビューで挙げている。世界中を異常気象が襲う最中、かつて恐竜を絶滅させた集団・フォッグが再び地球に来襲。無数の怪人を孵化させ、地球の全生命を滅ぼそうとする。一方、環境破壊を独自に調査し、その現状を多くの人々に訴えようとするカメラマン・瀬川耕司はバイクで野営しながら取材活動を続けていた。フォッグ・マザーは耕司が出会った心優しき少女・加那を生贄として選び、連れ去るよう幹部たちに命令する。それを阻止しようとする耕司だったが、返り討ちにあい谷底へ落とされてしまった。地空人と呼ばれる人々によって耕司は改造手術(劇中では蘇生手術と呼ばれる)を受け、仮面ライダーJに変身する力を得て、加那を救うためにフォッグに立ち向かう。瀬川耕司が腹部のJスピリットにより変身する仮面ライダー。聖霊の力・Jパワーを力の源とし、指をJの字型に構えるJサインには、Jパワーを高める効果があり、変身時や必殺技の発動時などにたびたび使用する。必殺技はJキック(発声はライダーキック)、Jパンチ、Jチョップ、Jエルボー。戦闘力のみならず治癒能力も高く、劇中ではアギトやズーとの戦闘で傷を負いながらもすぐに回復し、その後の戦闘に全く支障をきたしていない。予告編ではJを「14人目の改造戦士」と紹介しているが、これはBLACKとRXを同一の存在として数え、真を「12号」、ZOを「13号」としたものである。後の『ネット版 仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ』で設定の整理が行われ、BLACKが11号、BLACK RXが12号、真が13号、ZOが14号になり、公式にJが15号となっている。撮影用スーツはZOと同様にアクション用は胸部で分割されているが、アップ用は一体成型となっており、スーツアクターを務めた岡元次郎はアップ用ではスムーズな動きが難しかったと述べている。平成仮面ライダーシリーズの映画に登場する際には、ジャンボフォーメーション化することが多い。女帝にして母艦でもあるフォッグ・マザーと、彼女が生み出した怪人から成る集団。7000万年の昔、地球の恐竜を滅ぼしたのも彼らである。設定名称では「フォッグ」だが、劇中では「フォグ」と発音されている。本作の音楽は、前作『ZO』と同じく川村栄二が手掛けた。本作のBGMは『重甲ビーファイター』に流用されている。なお、主題歌およびイメージソングを担当する「BYUE」の男声ボーカルは高尾直樹が担当している。
出典:wikipedia
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