『月姫』(つきひめ)は、同人サークル『TYPE-MOON』(有限会社ノーツの前身であり、現在はそのブランド)制作のビジュアルノベルゲーム。シナリオ担当は奈須きのこ、グラフィック担当は武内崇。イメージカラーは「夜の青」。完全版(ゲームとしての完成形)は、2000年12月に東京国際展示場にて開催されたコミックマーケット(以下コミケ)59が初出。同人ゲーム(シナリオ枚数原稿用紙5000枚、グラフィックの総数500枚以上)。その世界観、細かい設定などがコミケ終了後にユーザー(プレイヤー)の間で大きな評判を呼び、同人ゲームとしてはヒット作となった。また、エキサイト ブックス現代作家ガイドにも掲載されている。月姫の好評を受けて、おまけディスク『月姫PLUS-DISC』やファンディスク『歌月十夜』が制作された。その後、同人サークル渡辺製作所とのコラボレーションによる対戦格闘ゲーム『MELTY BLOOD』も発表され、月姫シリーズを形成した。また、同人作品であるにも係わらず、商業作品として展開・派生した作品・商品が多いことでも知られており、『真月譚 月姫』としてのアニメ化・漫画化といった各種メディアへの展開、『MELTY BLOOD Act Cadenza』としてのアーケードゲーム進出、フィギュアやキャラクターグッズの商品化などが挙げられる(詳細は各記事や歴史の節を参照。)。特にアンソロジーコミックの発行点数は、TYPE-MOONが二次創作をあまり規制していないことから、相当な数となっている。TYPE-MOON10周年記念として「リメイク」が決定した。物語の主人公である遠野志貴は、幼い頃に一度死にかけた後、「モノ」の壊れやすい部分を黒い線として捉えることのできる特別な眼「直死の魔眼」を持つようになった。とはいえその能力をもてあましていたときに、偶然出会った女性からたしなめられ、その眼の力を封じる眼鏡を受け取ったおかげで、外見上、普通の少年として平凡な生活を送ることができた。しかし、子供の頃から預けられていた親戚の家から、実家に帰ることが決まった頃と時を同じくして起きる、全身の血液を抜かれて人が殺されていく連続猟奇殺人事件が、志貴の生活を非日常へと急激に変化させてゆくこととなる。この作品の世界観はTYPE-MOON作品の多くが共有する世界観と同一である。共通した世界観も参照のこと。人の血を吸う吸血種(血を吸う生き物の総称)の一種。作中においては後述の真祖(しんそ)、死徒(しと)、ないしそれらに血を受けて吸血種と成ったモノを指す。基本的に太陽光に弱く、血を吸ったモノを支配し配下に置いたり、血を入れたモノを手足の延長線のように操ることができる。吸血種において特異なモノ。性質は精霊に近い。人間に対して直接的な自衛手段を持たない星が生み出した、人間を律する「自然との調停者」「自然の触覚」。発生に人々の想念が関わっていないので神霊の類ではない。世界に望まれるも人々に望まれた存在ではないので次第に隠れ住むようになり、その数を減らしていった。星をかつての姿「真世界」に戻そうとする。人を律するために精神と肉体の構造は人を真似て作られているが、人間にはそもそも欠陥が含まれるため、吸血衝動という間違いを持っている。高い身体能力と精霊に近い性質を持ち、世界と繋がることで思い描く通りに『自身(精霊)』と『自然』を変貌させる「空想具現化(マーブル・ファンタズム)」という精霊の能力を使える。アルクェイド程の力があるなら全力を尽くせば山奥に街一つ作り上げ、「彼女の世界」の中であれば千年後の月を現代に持ってくることが可能である。なお、動物が相手ならば多少手を出すことが出来るが、自然から独立した存在へ直接の干渉は行えない。例えば、本編でロアの足首以外を消し去ったのは、大気の層を真空状態にした結果である(アルクェイドの空想には床にまで断層を作る、という意思が足りなかった)。細胞の限界という意味での寿命は無いが、全ての真祖には「律する対象である人間の血を吸いたい」という欲求(欠陥)があり、真祖はその欲求を抑えるのに大半の精神力を消費し、いずれ蓄積された欲求が自身の精神力を超えそうになった時には自ら永劫の眠りに就くため、それが寿命の無い真祖の「寿命」とされる。自ら眠りに就くことなく吸血衝動に負けて欲求のままに無差別に人間の血を吸うようになってしまった真祖は「堕ちた真祖」や「魔王」とも呼ばれ、力の抑制から解き放たれ、真祖としての真の力を発揮できるようになっており、人の力で滅ぼすのは不可能と言われる。「堕ちた真祖」を狩る為に作り出された真祖であるアルクェイドは、ロア(人間時)の姦計により暴走し真祖の大半を消滅させたが、『MELTY BLOOD』では真祖というにはあまりにも純度が低いものの、アルクェイド以外に真祖の生き残りがいることが示唆されている。吸血鬼の一種。人間から吸血種に成った者たち。真祖や他の死徒に吸血され、その血を体内に入れられた人間のうち、肉体・霊的資質に優れた者が成った場合と、魔術師が研究の果てにその身を吸血種へと変えた場合とがある。吸血による死徒化の場合、血を入れた側を「親」、血を入れられた側を「子」とも呼び、「親」である吸血鬼は「子」の力や吸血衝動に影響を与える。吸血による死徒化の過程は次の通り。素質ある人間の死体の脳髄が溶けて魂が肉体に完全に“固定”された「食屍鬼(グール)」の状態となり、その後数年かけて他の遺体を喰らい続けることにより腐敗した血肉を補った「生きる死体(リビングデッド)」になり、「生きる死体」がさらに数年かけて人間だった頃の知性を取り戻してはじめて「吸血鬼」となる。ただし、特に資質に恵まれた者であれば、短期間で吸血鬼となる場合もある。死徒の肉体は不老であるうえ、肉体も人間に比べれば頑強になり、“復元呪詛”と呼ばれる時間逆行によって生きている限りは損傷部位も元に戻る。しかし、精神や魂の劣化を防ぐことはできず、またその肉体は何もしなくても常に崩壊を続ける。そのため、生前と同じ種類の生き物の血を定期的に摂取することで遺伝情報の補完を繰り返す必要のある「不完全な」不老不死である。死徒の起こりは真祖の吸血衝動の一種の痛み止めとして用意された人間だったが、やがて力を付けることで真祖の支配を破り逃げ出した最初期の死徒たちが「死徒二十七祖」と呼ばれるようになり、特に強力な吸血種の称号として、代替わりや欠番、または死徒以外の吸血種を座に迎えながらも、現在も世界の闇に君臨している。モノの寿命を視覚情報として捉えることのできる眼。これが読み取って視覚化するのは単なる生命活動の終了ではなく、意味や存在における「いつか来る終わり」「死期」「存在限界」であり、「存在の寿命」そのものである。直死の魔眼所有者にとって「死」は黒い線と点で視認され、強度を持たない。魔眼所有者がこの「死」を切ったり突くと、対象(有機、無機を問わず、時にはより広義・上位概念上の存在も含む)を殺すことができる。「死の線」はモノの死に易いラインを表し、線をなぞり断てば本体が生きていようとその部分は「死亡」し、結果として対象はどんなに強靭であろうと切断される。「死の点」は死の線の源でもあり、寿命そのもの。死の点を突けばそのモノの意味が死に至る。志貴が点を見るには極度の精神集中が必要となる。直死の魔眼と称しているが、正しくは魔眼ではなく超能力に分類され、所持者の脳と眼球でワンセットである。見ることができる「死」は所持者の認識に左右される。対象物の中の限定的な部分に関する線や点だけを突くことも可能で、体内の毒物や病んだ内蔵などを限定して殺せば他は傷つけずに排除できるため、治療としての応用が可能。かつて、ヒトならざるものと交わり力を得た人間の末裔。血の力を引き出すことで人間には無い異能を使い、先祖の血や個人によって能力は大きく異なる。ヒトならざるものの血を引く者が血の力を最大に引き出した状態を先祖還りまたは、魔を示す三大色を冠した紅赤朱(くれないせきしゅ)と呼ぶ。基本的に歳を重ねるごとに人以外の血は強くなっていき、魔としての意識がそれを抑えつける人の意思より強くなった状態を「反転」と呼ぶ。「反転」すると人らしい理性や道徳観が欠如し、ケモノじみた欲望のままに行動するようになる。紅赤朱など、そういった魔としての血が濃くなって人から「外れた者」を処罰する退魔の組織や血筋も存在し、家柄や時と場合によって混血も彼らと協力したり、最大の敵対者となったりする。声の項(MELTY BLOODおよび関連作品でのキャスト / テレビアニメ版でのキャスト)は参考データで、ゲーム自体にはボイスは付いていない。このほか、漫画版では一コマだけ、メレム・ソロモン、ワラキアの夜なども登場した。バッドエンド時のプレーヤー救済コーナー。シエル扮する知得留先生(ちえるではなく、しえると読むのだが、ファンからもちえると呼ばれている)と適当にデフォルメ化されたアルクェイド(ネコアルク)が漫才形式で攻略におけるヒントを教えてくれる。また、トゥルーエンド・グッドエンドのときはエンディングの解説をしてくれる。たまに知得留先生が不在であったり、ゲスト講師が登場したりと多様な場面が見られる。元々、バッドエンド時のプレーヤー救済のヒント的なものを作ろうという考えはあったものの、「教えて知得留先生」の構想はなかった。しかし『月姫』のマスターアップを一週間後に控えたある日、サポート役のOKSGと奈須きのこが最終のチェックを行っていたところ、武内崇から突然、知得留先生の絵がFAXで届きそれを見た奈須きのこが「これはやるしかねぇ!」と急遽作成されたという逸話がある。ネコアルクは一人(一匹?)で『歌月十夜』『MELTY BLOOD』進出や架空の映画『NECOARC-THE MOVIE-』で銀幕デビューと暴走に暴走を重ねている。さらにはアニメ『月詠 -MOON PHASE-』のエンドクレジットに登場したことも。『Fate/hollow ataraxia』にも一瞬ではあるが登場する。『歌月十夜』では、シエル先輩と茶室で見事なクロスカウンターを決めている。このシーンは「週刊少年マガジン」連載中の『はじめの一歩』のパロディである。このバッドエンドのお助けコーナーという趣旨は、Leafビジュアルノベルシリーズ『雫』『痕』にも存在した。また、TYPE-MOONの次作『Fate/stay night』にも「タイガー道場」として受け継がれている。『月姫』(『月姫PLUS-DISC』『歌月十夜』『MELTY BLOOD』を含む)は、それ自体独立した作品であるが世界そのものは同一で、そこに登場する人物やその能力は他のTYPE-MOON作品や奈須きのこの小説とも何らかの繋がりを持っている。TYPE-MOONスタッフは、『月姫』の商業リメイク作や、『月姫』の続編『月姫2』の作成を示唆する発言を残しているが、真偽のほどは明確ではなかった。しかし、2008年発売の「TYPE-MOONエース」にて、リメイク版『月姫』(Windows)の発売が正式に発表された。対象年齢は未定。続編と目される『月姫2』については現在不明である。同人誌『宵明星』に掲載された、奈須きのこ著の『月姫』の外伝小説。『月姫読本』にて加筆修正されて再録されている。本編のとあるルートの後から約一年後の時間軸で起きた事件が書かれている。同人誌『宵明星』に収録された武内崇による漫画作品。シナリオ担当の奈須きのこは一時期、この設定を認めていなかったらしいが、現在は『月姫読本 Plus Period』に収録されている。DVD『真月譚 月姫 prologue』に収録された作品。絵本のような形式になっている。真祖のあらましとアルクェイドの過去が簡潔に語られている。TYPE-MOON公式モバイルサイト『まほうつかいの箱』で配信されている4コマ漫画。作画はACPI。タイトルの通り、遠野秋葉を主軸とする遠野屋敷での物語が展開される。第十七話から第十九話は「浅上女学院編」と銘打って、文字通り舞台が浅上女学院に移る。琥珀と遠野秋葉をメインとして、TYPE-MOONの歴史を振り返るという企画の漫画。「TECH GIAN」2008年6月号にて『月姫』のリメイク版の製作が発表された。シナリオ・奈須きのこ、原画・武内崇のコンビはそのままで、CGは全て作り直すとのこと。発売時期、対象年齢は未定。『歌月十夜』ではネタとして、『Character material』では舞台や登場キャラクター設定が語られるなど、様々なところで『月姫2』の内容がほのめかされているが、現在では奈須きのこ曰く「きのこの脳内ゲーム」でしかない。『歌月十夜』にてネタとして発表された予告編では、真祖の姫を守る殺人貴・遠野志貴と、真祖を狩るために集まった死徒二十七祖の一人である復讐騎・エンハウンスが、敵対関係にありながらも協力し合い他の二十七祖や青の魔法使いを乗り越えていく、というような内容。プレイ時間が一ヒロイン20時間で、推定100時間とのこと。ただし『月姫読本』によると女の子は3、4人ほどしか出ないと答えている。『Character material』において、『歌月十夜』では『月姫2/The Dark Six』だったものが、『the dark six(仮名)』のみとなっていた。また物語のプロローグらしき「Prelude」が公開された。また、『月姫』のエピローグ『月蝕』の時系列は『月姫2』の翌日の内容となることや『Fate/hollow ataraxia』のヒロインであるカレン・オルテンシアはもともと『月姫2』のサブキャラだったことなどが奈須きのこによって明かされている。「TYPE-MOONエース」VOL2では、『月姫』はもう先に進まない話、2010年1月からはまた部屋にこもり『DDD』を書けると思うと奈須きのこが語っている。死徒勢力がイギリスの片田舎アルズベリ・バレステインで儀式を何十年越しに準備し、ついにその儀式が実行される日がきた。魔術協会・聖堂教会ともに、アルズベリで恐ろしい儀式が準備されていたことは知っていたが、準備の段階では怪異はなく、傍観するしかなかった。実行日がきて怪異が起こり、初めて手が出せる。死徒・魔術協会・聖堂教会にとって待ちわびた日がきたのだ。死徒にとって第六は悲願、魔術協会・聖堂教会にとっては、死徒を一網打尽にし、計画の旨みを独占する絶好の機会。アルズベリに三勢力が一堂に会し、争いが始まる。『月姫用語辞典』などでは、まだ作中に登場していない設定のみの人物が複数存在する。
出典:wikipedia
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