チップセット(Chipset)とは、原義では、ある機能を実現するのに、複数の集積回路(IC)を組み合わせて機能を実現する構成の場合、それら一連の関連のある複数の集積回路のことをチップセットと呼ぶ。PC/AT互換機(に類似したパーソナルコンピュータ)CPUの外部バスと、メモリや周辺機器を接続する標準バスとのバスブリッジなどの、旧来は単機能のICを複数組み合わせて(こちらが原義のチップセット)実現されていた機能を、1個ないし少数の大規模集積回路(LSI)に集積したものを指して、チップセットと呼ぶことが多い。2010年前後には、RFなどの高機能LSIとバスコントローラ、さらにマイクロコントローラ(に、さらに周辺を集積したSoC)などが連携し、スマートフォン等、ビジネスになる製品をワンストップで実装できる「ターンキー」システムとして設計されたLSIのセットを指しても「チップセット」という語が使われるようになっている。本項では主として、前述のパーソナルコンピュータにおけるチップセットについて説明する。当初のPC/AT互換機では、CPUメーカーが供給する標準的なCPU周辺ICと複数の汎用ICの組み合わせによって、制御回路を構成していた。チップセットは、低価格化や実装面積の削減などをはかるために、それら複数の周辺ICや汎用LSIを、より高集積で少数の専用LSIに統合したものである。コンピュータシステムを都市にたとえるなら、チップセットの持つ高度なインタフェース機能は、都市における交通結節点に相当し、ある意味では、情報処理に特化しているCPUよりも、システムにおいて主要であると言える。実際に、1990年代以降のPC/AT互換機やそれに類似したマシン(98など)のマザーボードは特殊な場合を除き、CPUが設計の中心ではなく、チップセットが設計の中心である。特に32ビット時代の後半からは、CPUの交換が想定されているシステムは珍しくないが、チップセットのみの交換を想定しているシステムは存在しない。チップス・アンド・テクノロジーズ(後の1997年にインテルに買収された)などが初期の代表的なメーカで、初期には、単に統合ASICと呼ばれることが多く、PCやマザーボードのカタログでも、取り立てて強調するようなことはなかった。チップセットという言葉が広く認知され始めたのは、PCIへの移行の初期頃の、インテルのi420TX (Saturn) やi430NX (Neptune) あたりからであり、PCの機能や性能への影響が大きくなったことと、パソコン自作のためにあまり表に出ないパーツが意識されるようになったためである。PC/AT互換機メーカやマザーボードメーカは、多数の周辺ICをIBMと同様に購入していては、仕入れ価格すなわち原価の点でIBMより不利であったが、チップセットの導入により逆転した。このことは、PC/AT互換機の普及の加速に貢献した。集積化が進み、1990年代のi430LX(Mercury)やi430FX(Triton)の時代になると、2チップ構成が一般的になった。CPUやメモリバスに近い側をノースブリッジ、遠い側で(比較的)低速な外部I/Oとのインタフェースの側をサウスブリッジと呼ぶ。ノースブリッジには、CPUインターフェース、メモリインターフェース、グラフィックインターフェース(90年代〜00年代前半はAGP、その後PCI Express)が含まれ、更にGPUの機能を統合した統合チップセット(後述)が主流となった。代表的な機能であったメモリコントローラについては、CPUとメモリの間の転送帯域を向上させるため、CPUに内蔵させるという流れが、AMDプラットフォームでは2003年に、インテルプラットフォームでも2008年には一般的な傾向となり、当初の「ノースブリッジ=メモリコントローラを内蔵したチップ」という概念は通用しなくなった。サウスブリッジには、PCI、IDE、USB、EthernetなどのI/Oが搭載されていた。これら2つのチップ間は数ギガbpsの高速かつ排他的なリンクで接続される。カスタマイズされたベンチマークなどの特定アプリケーションを除き、2チップ間のリンクの方式と速度が全体のシステム能力の上限を決定することになるので、リンクのシリアル化とともに、高速化されていった。このリンクの方式と速度が整合していれば、1世代のノースブリッジで、何世代かのサウスブリッジに対応可能であった。これにはマーケティング的にシステムの最新スペックを更新しやすいという利点があり、格付けが異なる複数の製品併売を容易にした。また、20世紀最終のUSBに始まった高速シリアル化の流れは、RDRAMがPCにおいては失敗に終わったため一時停滞したものの、その後Serial ATAの普及、PCI Expressへの移行を済ませて、2009年現在メモリインターフェースを残すのみとなった。高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなレガシーデバイス(キーボード、マウス、フロッピーディスクドライブ、シリアルポート、パラレルポート、ISAバス)をサポートする回路を組み込むことは、チップセット自体の高速化の足かせとなるため、サウスブリッジのチップから分離させ、スーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIに担当させることが増えている。スーパーI/Oチップは、CPUから見ればサウスチップのさらに向こうにつながっていることになる。スーパーI/Oチップもチップセットの重要な一部であるが、その役割がPCの性能向上に寄与しないレガシーデバイスの管理であるため、マザーボードのスペックなどではあまり注目されない。ノースブリッジとサウスブリッジを一つにまとめた製品はワンチップチップセットと呼称される。ノースブリッジの、メモリコントローラ以外の機能もCPUに移されていき、残りの機能はサウスブリッジの機能と統合されて、ワンチップチップセットになっている。それをインテルはプラットフォーム・コントローラー・ハブ (PCH)と称している。また、物理的な統合・分離とは異なり、インテルのCentrinoのようにCPUや無線LANといったチップセット以外のデバイスとの組合せをプラットフォームとしてブランディングする動きもある。ノースブリッジにグラフィックス機能を統合したチップセットを、特に統合チップセットと呼ぶ("グラフィックス"または"ビデオ"を冠することもある)。一般的にグラフィックスボードを 搭載するよりも低コストであり、また省スペース性・省電力性にも優れていた。それらのスペックが重視されるノートパソコン等では特に採用が多かった(たとえばMacBookで、多くの時期のモデルにおいてそうである)。ビデオメモリはメインメモリの一部領域を共有するUnified Memory Architecture (UMA) が主流であるが、専用の外部メモリをサポートする製品もあった。初期は性能が同世代の単体GPUに比べ劣ることもあったが、強化が積極的に行われたことと、帯域幅的に外付けより有利なこともあり、遜色ない機能と性能を持つようになった。マルチディスプレイ機能やDVI出力、Shader Model 4.0対応などの単体GPU並みの機能も見られるようになった。統合チップセットのグラフィックス機能は、チップセットの機能としてマザーボードに最初から搭載されているので、一般的に「オンボードグラフィックス」などと呼称される。インテルやAMDなどのCPUメーカーは、自社製の純正チップセットを開発、供給している。これにより信頼性やブランドイメージを上げる事に貢献している。x86以外のプラットフォームのチップセットについて。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。