『仮面ノリダー』(かめんノリダー)は、フジテレビ系列のテレビ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』にて放送されたコーナードラマ、およびそれに登場するヒーロー。1988年(昭和63年)春の火曜ワイドスペシャル版を経て、レギュラー化した1988年(昭和63年)秋から1990年(平成2年)春まで放送された。特撮番組『仮面ライダーシリーズ』のパロディドラマである。のちに1992年(平成4年)、1993年(平成5年)、1997年(平成9年)にスペシャル版が放映されている。主人公は「木梨猛」(演:木梨憲武)というパンタロンと植物と動物を愛する青年。彼は悪の秘密結社「ジョッカー」により改造人間「ノリダー」に改造されるも、秘密特訓基地で親友となった石橋文字隼人(後に留守番電話男に改造される)によって救出され、脳改造を前に脱出、正義の味方「仮面ノリダー」として、世界平和のために戦うことを決意した。普段は人間体として、人間社会で生活しているが、ジョッカーの怪人との戦闘時においては、変身ポーズをとることによりベルトの風車に風力を与え、仮面ノリダーへと変身する。木梨猛は中目黒在住。普段はおやっさんこと「立花藤兵衛」(演:小林昭二)の経営する「喫茶Amigo」の臨時店員として働いている。また、恋人の「マリナさん」(演:渡辺満里奈)とともに、孤児院「チビッコハウス」で子供たち(演:劇団ひまわり)の教鞭をとることもあり、収入の面での心配はないようだ。ナレーターも『仮面ライダーシリーズ』同様、中江真司が起用され、オープニングナレーションも再現されるなど非常に凝ったパロディー作品となった。「恐怖バレーボール女の回」では、元ネタとなったドラマ『サインはV』と『仮面ライダーアマゾン』でナレーターを担当した納谷悟朗が登板し、その回のナレーションのほとんどを占めた。エンディングで「行け!仮面ノリダー!戦え!仮面ノリダー!」の決めゼリフを納谷一人で終わるかというところで、「納谷さん、私にも喋らせてくださいよ」と中江が乱入し、二人の決めゼリフでしめるというダブルナレーションが行われた。また、中江が素顔で登場した回もあった。おやっさんは木梨猛が改造人間であることを知っているが、マリナさんは知らない。そのため、猛は改造人間である自分がマリナさんとは恋人でありながら、結ばれることはないことを苦悩する描写もあった。また、改造人間になったことを苦悩する猛に対し、おやっさんがはっぱをかける描写も存在し、本家以上に熱いセリフも散見する。なおピンチになるシーンでは、本家仮面ライダーではなく『人造人間キカイダー』の音楽が流用されている。また、木梨猛がジョッカーの皆さんと怪人に出くわすシーンなどは、アニメ『重戦機エルガイム』の音楽が、キングジョッカーのテーマソングとして、アニメ『機動警察パトレイバー』の音楽が使用されていた。木梨猛が変身ポーズをとることによって、ベルトの風車に風力を与えて変身した正義の戦士。巨大な耳が特徴。また仮面ライダーのマスクには、複眼の下にスーツアクターの視界確保のため覗き穴が開けられていたのに倣ってか、変身後のノリダーは自分の鼻の穴周辺を黒く塗っており、視覚的に鼻の穴がかなり大きく見える。寒い場所や暑い場所では防寒のために着膨れしていたり、半袖の状態になったりしたこともある。番組冒頭では、手術台に拘束された猛にジョッカーの死神博士(演:石橋貴明)がノミとカナヅチで手術を施しているシーンがあった。このとき、猛が吐いたセリフは「やめろ、ジョッカー!! ぶっとばすぞー!!」であった。また放映当時、雑誌で解剖図が掲載されたことがあるが、その内容は体の中にトランクスがある、頭脳の解説には「笑いを取ることだけを考えている」と記されているなど、かなり奇天烈なものであった。また、血の色は緑色でヘソがなく、胸には「かいぞう」、背中には「にんげん」という文字がある。最終話で、ノリダーはジョッカー総帥の変身した「キング・ジョッカー男」とともに大気圏外で爆死したかに思われたが、実は存命しており、後に戦線復帰する。1997年(平成9年)3月27日にスペシャル編で放映された真の完結編・『最後の決戦』では、亡くなった藤兵衛から「Amigo」のマスターを継いだとも取れる描写も登場している。また、キング・ジョッカー男も存命しており、続編「仮面ノリダーV2」では猩猩右近と共に「ゲロ・ジョッカー」を結成している。巨大化した初代ノリダーの市街戦も描かれ「ウルトラマンとビデオ共演時の新1号」「仮面ライダーJ」「3D映画のシャドームーン」すべてを先駆けた「巨大化したライダーキャラ」でもあった。変身時においては基本的に「♪か~いわれ巻き巻き、ね~ぎトロ巻き巻き、巻いて巻いて、手巻き寿司、とぉー!!」(由来は当時流れていた「ミツカン すし酢」(ミツカン)のCMのフレーズ。原曲は童謡「いとまきのうた」)と、腕を回しながら腰を振る動作と共に唱和するが、必ずしもすべて言わなければいけないというわけではない。また、たまにジョッカーの皆さんが脇から蹴りを入れるなどの妨害を行うことがあり、その際はやり直すこともあった。この変身コールがきっかけで、後にとんねるずの二人はミツカン酢のCMに出演するようになった(また、1997年(平成9年)にノリダーの分身として出演したナインティナインの岡村隆史は、2008年(平成20年)9月12日より、ミツカン酢のCMに出演してこのフレーズを歌っている)また一時期、「カルーセル麻紀麻紀、ポール牧牧、巻いて巻いてマキ上田」、他にマイク真木、栗原小巻など、名前に「マキ」とつく有名人の名をパロディで使ったり、湖池屋の「スコーン」のCMフレーズを唱和して変身したこともある。しかし、ミツカン酢のCMの依頼が来てからは元に戻した。ただし、第一話ではこの変身コールが定着していなかったためか「怒ると恐~い!仮面ノリダー!!」のコールとともに、仮面ライダー1号の変身ポーズをアレンジしたようなポーズで変身していた。「シャワー男」のとき、時間がないからとの理由で4倍速で流れた。「ユーミン男」からは突然「♪か~いわれ巻き巻き~」ではなく、さまざまな変身コールで変身を行っていった(「バレーボール女」での変身の際は元の変身コール)。その中でも植木等の『スーダラ節』の1フレーズである「♪スイスイ、スーダラダッタ、スラスラ、スイスイスイ」というパターンで変身することが多く、最終話「キング・ジョッカー男」での最後の変身のときにこれを「2番」と位置づけていた。時に更衣室に置いてあった女性の下着を見て興奮した途端に変身したり、「光速エスパー」と同じパターンで変身したりしたこともある。変身ポーズも仮面ライダー1号(いわゆる「新1号」)のものをアレンジしているが、一定のものが決まっているわけではないらしい。本家は変身時、「お約束」で一部を除き敵が攻撃しないことに対し、こちらはそのお約束を破り変身途中でも毎回のように怪人である石橋が邪魔したため、よく途中で打ち切り一瞬で変身していた。また変身のレベルも、ある程度自分で変えられるようで、弱そうな怪人(ヒヨコ男など)が相手のときは「半分だけ変身」していた。ノリダーはその技の豊富さでも群を抜いており、正確な数は本人ですら把握しきれていない。基本技は「ノリダー・パンチ」、「ノリダー・キック」だが、同等の小打撃を「ノリダー・ハナミズ」でも行うことができる。また、「ジョッカーのみなさん」(演:倉田プロモーション)に対しては、「ノリダー・カーニバル&フェスティバル」で全滅させるのが基本パターン(ちなみにこの技で爆破が起きたのは後のスペシャルのみ)。その以外にもさまざまなパターンが存在し、「ノリダー・海」や「ノリダー・○○爆弾」といった投下・爆発攻撃で全滅させることもある。「ノリダー・海」は初使用の際、溺れかけた戦闘員が出たため、以後「ノリダー・海」は「ジョッカーのみなさん」に最も恐れられる必殺技となった。怪人は、当初は「ノリダージャンプ&○○○」という技で高い所から落下していたが、後半に入ると「ノリダー○○○」と短縮された。最後に(岩場でなくても)岩石が落ちてくるのがパターン。劇中後半では、金色のプロテクターを身につけた「すーパーNORIだー」への二段変身をすることで、さらに強力な攻撃を可能とした。すーパーNORIだーは、体色が黄金色に変化し声も約1オクターブ半高い西城秀樹風のものになる(パワーが強すぎて常に脱力していないと、周囲の物を壊してしまうため)。「すーパーNORIダー参上、ボンヨヨヨ〜ン!」が決めゼリフ。ただ、実際は登場すると真面目に戦って倒すだけのパターンしかできなかったために扱い方が難しく、結局登場機会も少ないまま「北海道男」以降登場することはなかった。その後、プロテクターが「ノリダー秘密基地」に飾られているのが確認できる。なお、すーパーNORIだーのプロテクターは、初期に撮影スタントマンが使用していた通常ノリダー色のプロテクターを再塗装したものである。このスタントマン用がすーパーNORIだー色に更新される前、トナカイ男の回で『ねるとん紅鯨団』(関西テレビ)スタジオでの対戦でノリダーが使用している。また、ノリダーのプロテクターは初代と2代目があり、初代はラッコ男 - 1989年(平成元年)末まで頻繁に使われていたもので、2代目は北海道男で初登場している。初登場時、ノリダー自ら「プロテクターおニューだもんね」と言及している。しかし、その後しばらく2代目の使用例はなかったが、1990年代(スペシャル含む)に入り2代目プロテクターが主流となる。1997年(平成9年)『最後の決戦』ではノリダーが2代目、分身(岡村)が初代を使用している。すーパーNORIだーのスーツは仮面ライダー新1号と同じく黒字に2本の縦ラインが入っている。ちなみにこのスーツは続編でもある『仮面ノリダーV2』のスーツに使用された。ヘルメットに関しても、特別編の『ゴキブリ男』から新しいものに交換されているのが色艶から確認できる(黒から緑に変わっている)。ちなみに、ノリダーヘルメットは1つ7万円もするそうである(スペシャルで木梨が言及)。なお、初代ヘルメットは、木梨の小父が営む喫茶店「なごみ堂」に飾られている。ノリダーは、握り拳大のカプセルに「チビノリダー」(演:伊藤淳史)を収納・携帯しており、自身のピンチのときに呼び出して、ともに戦うこともあった(『ウルトラセブン』に登場するカプセル怪獣(ミクラス、ウインダム)が元ネタ)。共に繰り出す必殺技は、単独時の数倍にも達する。なお、子供に関連する行事時における戦闘では、かなりの頻度で呼び出していた。石橋演じる怪人は、チビノリダーに対して、不意打ちを食らわせるなど大人気なくかつ卑怯極まりない攻撃をたびたび繰り出していた。演じていた伊藤淳史は当時4~6歳という幼い時期の出演だったため、当時のことをよく覚えていないという。だが、木梨からは当時のことを高く評価されており、いまだに「チビノリダー」と呼ばれることも多い。なお、カプセル収納状態のチビノリダーは、番組エンディングで紹介されていた視聴者イラストコーナーで採用された者にプレゼントされていた、ノリダー特製キーホルダー人形を流用している。一般販売などはされなかったため、大変レアなグッズとなっており、巷では無許可のニセモノ商品などが多数市販されていた。仮面ノリダーV2終了後の特別編のエピソード(1993年(平成5年)11月4日)において、紺野美沙子演じる「女ノリダー」が登場、初代ノリダーと共にジョッカー残党に改造された実兄(ゴキブリ男)と対決した。また、最終回のエピソード(1997年(平成9年)3月27日)では13歳になったチビノリダーに加え「ノリダーの分身」としてナインティナインの岡村隆史が登場(石橋には「チビノリダーより小さい」と言われていた)。当番組自体はおろかとんねるずとしても、他のお笑いタレントとの共演がほぼ皆無だった時代でのこの組み合わせは視聴者を大変驚かせ、また注目を浴びた(この際、岡村は素人時代にとんねるずのファンだったことを話している)。なお、この際使用された衣装一式は岡村が貰い受け、大事に持ち帰ったそうである。またこの衣装は岡村が日本テレビ系の番組『ナイナイサイズ!』で「大事な宝物」として紹介したこともある。おやっさんが経営するアミーゴは15年前(1974年ごろ)に中目黒でオープンした。年中無休だが、中盤からおやっさんが地方に行くことが多くなったため、店を閉めていることが多かった。ノリダーの顔の一つということもあり、回が進むごとに様々な変貌を遂げている。名前の由来は「仮面ライダー(初代)」の初期の立花の経営店から。レギュラー放送第一回(『恐怖カルガモ男』)で喫茶アミーゴに息を切らして入ってきた猛が「おやっさん!水…、水一杯下さい…」と言い、その水をよろけながら店内にある観葉植物へかけ、「植物よ、でっかくなーれ!」とのアドリブを放った所スタッフに大ウケし、以後毎回このネタを披露し、回を重ねるごとに植物はどんどんでかくなっていった。『恐怖うま男』で、実は「うま女」だった怪人が命と引き換えに産んだ子馬をアミーゴに置いた(この子馬はのちの「ヤシの実男」の回でおやっさんにプレゼントされた)。また『恐怖留守番電話男』では、猛が親友の石橋文字隼人の改造後である留守番電話男を間違って落っことしてしまい倒してしまうが、後に修理されアミーゴの固定電話として置かれた。他にもスナックを兼業したり、そば類を始めたりと、さまざまなアイデアが登場。終盤、意外とミーハーなおやっさんがさまざまな有名人のサインをもらっては飾っていたアミーゴも、『恐怖大運動会男』では、大運動会男である元スター・西城ひろみが置いた時限爆弾によって、4秒前なのに爆発し破壊されてしまった。ちなみに、その時もおやっさんはサイン色紙を気にしていた。次週(『恐怖ミッキーキャット男』)で、大道具さんの手によってリニューアルされ、それと同時におやっさんは猛を心配して、店内にノリダー秘密基地を作ってもらっていた。『ノリダーV2』でもそのままリニューアルしたアミーゴが登場していたが、終盤(最終回まで残り3話だった)に変わったせいか、今ひとつ世間に認知されず、のちのスペシャルでは元に戻っている。また、最後の決戦『恐怖ラッコ男』ではおやっさんがすでに亡くなっており(小林昭二本人が逝去したため)、猛が引き継いでオーナーとなり、改築して住み込みで働くことになったが、その際にはおやっさんの遺影がアミーゴに飾られている。世界征服をもくろむ悪の軍団で、世界中に支部を置いている。「ジョッカー総帥」(演:石橋貴明)を首領として、日本支部では「ファンファン大佐」(演:岡田眞澄)が指揮をとっている。第一話では「ジョッカー将軍」であったが、当時の雑誌では「ラッコ男」による作戦が失敗した責任で「大佐」に降格されたという設定で統一されていた。「ジョッカーの皆さん」と呼ばれるジョッカー構成員には戦闘員のほかにも一般要員・医療要員・科学技術要員・怪人候補生がおり、中には自分の意思でジョッカーに参画している者もいる。要員は男女の区別なく活動しているが、怪人候補生はほぼ男性である。岡田はファンファン大佐としての出演が決まった際、1980年代にCMに出演した縁で革靴メーカーのマドラスに小道具のブーツを特注で製作してもらい、愛用したという逸話がある。後に本家仮面ライダーシリーズの『仮面ライダーW』や『仮面ライダーフォーゼ』の監督を手がけた坂本浩一は、倉田プロモーションでのスタントマン当時、本作にジョッカー戦闘員役で出演していた経験がある。基本的には、「恐怖○○男」と呼ばれる怪人たちが、地球征服のための作戦を立案・実行しており、ファンファン大佐は、怪人の製造指揮、作戦の成否の監視、殉職した怪人たちの慰霊(ジョッカーの作戦室にはそれまで倒された怪人の遺影が飾られている)を主な職務とする。まれに、ファンファン大佐自身が戦う場合もあり、その際は愛刀の「5番アイアン」を振るう。また、「5番アイアン」は裏切った怪人用のためなのか、「ジョッカービーム」なる光線で怪人を一瞬にして消滅させることができる。なお、ファンファン大佐は洗脳されていただけの一般人で、眼帯をしているが隻眼ではなかった(元ネタであるゾル大佐のように怪人体には変身しなかった)。しかし、真の完結編「最後の決戦」ではなぜかファンファン大佐として登場し(基地にはキング・ジョッカー男の遺影も飾られており、若干パラレルワールド化している)、事実上の首領代理として活動するが、再生ラッコ男がノリダーに倒されると、世界征服作戦を放棄した。なお、ファンファン大佐はほぼすべての回で、コーナー終盤の基地の映像に切り替わると同時に、怪人がノリダーに倒された腹いせとして「ノリダーめぇ!!」のセリフで締めるというお約束事があった(ただし、セリフの言い回しは必ずしもこれで統一されていたわけではなく、回によっては「くっそー!!」「おのれー!!」などの別のセリフで締めていたこともある)。「恐怖蚊取り線香男」では巨人ファンであることが判明。沖縄編第1話の舞台裏において将軍昇進の機会が訪れたことがあるが、その回の怪人であるハブ男が倒されて作戦が失敗したために昇進できず、沖縄編第2話でも昇進できなかったため、新しいゴルフクラブのセットを購入できなかったと嘆いていた。なお、2003年(平成15年)の『とんねるずのみなさんのおかげでした』の15周年スペシャルのゲストの1人として岡田眞澄が呼ばれており、ほとんど出番がなかったのにもかかわらずファンファン大佐(眼帯はなし)の服装で出演していた。倉田プロも元・ジョッカーのみなさんとして出演していたので、これが最後のジョッカー軍団出演である。また、『ウルトラマン』のアラシ役の毒蝮三太夫を洗脳し、再び科学特捜隊のコスチュームを着せて破壊活動を行ったが、同隊のコスチュームを着て登場した「オヤッさん」こと立花藤兵衛に説得され、自我を取り戻した(藤兵衛役の小林昭二は『ウルトラマン』のムラマツキャップ役も演じていた)。ジョッカーの怪人は、ノリダーと同じく人間からの改造人間で、脳手術まで完了している。鑿と金槌が用いられ、改造にかかる時間はさまざまだが、最長でも1週間とかからない。改造手術を受けると、血液の色が「緑」に変更される。改造のモチーフは特に決まっておらず、バラエティ豊かなさまざまな怪人が登場する。技は強力なものからまったく役に立たないものまで千差万別で、自分の技を返されてダメージを受けることもしばしばあった。また、台本上で嫌がったりダメージを受けるのではなく、演じる木梨憲武本人が本気で嫌がった技もあった(例:ゾウ男のつば攻撃は、石橋貴明本人がつばを垂らすという不潔なものであり、木梨も「名場面集」でこの場面を挙げ、「恐るべし、ゾウ男」と述懐している)。なお、怪人のほぼすべては石橋貴明が演じており、「日本一のぬいぐるみ師」の称号を自称している。大柄な怪人は転倒すると石橋だけでは立ち上がれなくなり、ジョッカーの皆さんやADの助けが入る。作戦室に登場後から作戦開始まではファンファン大佐との間で掛け合い話を行うスタイルだが、このスタイルは『仮面ライダー (スカイライダー)』における魔神提督とネオショッカー怪人とのやりとり(第19話以降)に酷似している。戦闘パターンは本家ライダー同様に「戦闘員を倒した後に1対1の対決」となることが多かったが、着ぐるみの取り回しが難しい場合は何人かのジョッカーの皆さんが残って手伝うこともあった。また、スポーツをテーマとした怪人(ゴルフ男やプロ野球男など)との対決では、ニアピン対決やホームラン競争など、その怪人が得意とするスポーツで戦うこともあった。特殊な例ではその場に居た一般人を対決に巻き込むこともあり、ひな祭り男などは幼稚園を襲った挙句、ノリダーに鼓舞された大勢の幼稚園児に逆襲されるという憂き目に遭っている。前述のように、最後は高いところから転落し、後から落ちてきた岩石(もちろん撮影用のブロップ)を受けて死ぬのがお約束となっており、週刊少年ジャンプのジャンプ放送局で投稿者にネタにされたこともあった。石橋は毎回着ぐるみを着るのが相当しんどかったらしく、最終回「キング・ジョッカー男」によると「オランウータン男」ぐらいまで楽しかったが、「うま男」で初めてつらさを経験し、「花火男」のころはもう嫌だったそうである。しかし、冬の寒い日のロケでは着ぐるみのおかげで石橋だけが暖かく、元気だったこともあった。とんねるずの2人は『仮面ライダー』本放送時は小学校4-6年生でリアルタイムで番組を視聴した世代であり、藤岡弘(現・藤岡弘、)の演じる本郷猛と、佐々木剛演じる一文字隼人は同時期の多くの少年達と同様に心躍らせるヒーローであった。芸能界に入ってからオールナイトフジで藤岡や『仮面ライダーV3』で風見志郎を演じた宮内洋と共演した際に、2人は憧れのヒーローたちとの出会いに狂喜乱舞した。また当時の『とんねるずのみなさんのおかげです』スタッフもとんねるずとほぼ同世代で、彼らにとってもライダーは憧れであった。2007年(平成19年)には『とんねるずのみなさんのおかげでした』で藤岡弘、が何度か出演しており、本郷猛と木梨猛の共演が実現している。ギャグパロディではあるが、意外に真面目なパロディである面を持つ。たとえば小林昭二、中江真司といった本家ライダー関係者の起用、また木梨猛のファッションやノリダーのデザインは、かなり極端なデフォルメがされているものの明らかに「旧1号」(第1話 - 13話の仮面ライダー)の本郷猛とライダーのデザインをもとにしており、ノリダーが乗っている50ccのバイクも初期のサイクロン号によく似せてある。毎回終わりにノリダーが「全国のチビっ子諸君」に向けてメッセージ(「お風呂で身体を洗うとき、耳の後ろもしっかり洗おう!」など)を送っていたのも、本家のパロディーであった(のちに廃止)。また、オープニング映像も本家と同じくノリダーがバイクで疾走するシーンが使われ、オープニング終了後の映像にも木梨猛が改造されるシーンと共に本家と同じようなナレーションが使われていた。完結編『最後の決戦』では、すでに物故していたにも関わらず「立花藤兵衛/小林昭二」のクレジットとともに、回想シーンの形で小林を登場させた。ちなみにノリダーが駆る50ccバイクは、当初はヤマハ・YSR50が使用されたが、のちに番組スポンサーでもあったスズキよりGAG50の提供を受け、急遽ノリダーの愛車として使用されるようになった。元々本家仮面ライダーもスポンサーの関係でスズキ車の使用率が高かったのだが(なお、平成仮面ライダーシリーズでは番組スポンサーも務めているホンダ車が使用されている)、ノリダーと同時期に放送されていた仮面ライダーBLACKにおいては、主人公の愛車としてスズキ・GSX-R400が使用されていた。なお、バイクが50ccだったのは当時木梨が中型自動二輪免許を持っておらず普通自動車免許(50ccは乗車可)のみだったためである。スタート当初から1話完結のストーリーを貫いてきたが、マンネリ化し始めた1989年(平成元年)秋頃から最終回に掛けてのストーリーは、本家『仮面ライダー』のストーリーを意識したためか、2話連続(3話連続が1度だけあった)になったり、CMを挟んでのストーリーを展開するなど、小出しにしていった。特に2話連続の手法は、終盤に入った頃の1989年(平成元年)11月放送のボウリング女からで、この場合は最後に「来週につづく」のテロップが表示された。また、CMを挟んでの場合は「CMのあとすぐつづく」と表示された。ただ、これは当時の視聴者からの受けは全く良くなかった。なおこの背景には、前述のマンネリ化対策のほか、以下の理由があげられる。本家『仮面ライダーシリーズ』の原作者である石ノ森章太郎(石森プロ)や、制作会社の東映、および製作局である毎日放送に正式な承諾を取らず、無断でパロディ化したため、本家側から抗議を受けた挙句、続編の『仮面ノリダーV2』も含め作品のソフト化は一切禁じられた。ちなみに本家・仮面ライダーシリーズ(昭和ライダーシリーズ)の担当プロデューサーであった東映の吉川進は、小学館刊行の『仮面ライダーBLACK・RX超全集』にて「何を作ってもパロディにしてしまう」と、露骨に不快感を示すコメントを出した(「仮面ライダーBLACK_RX#余談」を参照)。もっとも当時は「バラエティ番組のソフト化」が皆無といっていい状況であり(本作もバラエティ番組の一コーナーである)、基本的に出演者とはソフト販売を前提としない放送のみの契約であった。そのため仮に前述のような軋轢がなかったとしても、あらためて各出演者(故人の場合はその遺族)との再契約の必要が生じるなど、結局ソフト化のハードルは非常に高いものとなっている。しかし現在においても人気は根強く、DVD化の署名運動まで行われている。後年、同じフジテレビ系で放送された『ダウンタウンのごっつええ感じ』にて行われた『秘密戦隊ゴレンジャー』のパロディコントである『世紀末戦隊ゴレンジャイ』の場合は、当初から版権元に許可を得ていた為、問題なくソフト化されている。一方で、原作者・石ノ森としては容認の姿勢を示していた。もともと石ノ森は、自身が関与した特撮作品を漫画化する際、原作に則ったハードな作品とは別に、『ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ』など、ギャグ漫画としてセルフパロディ化することもしていたため、もともと抵抗がなかったという。1989年(昭和64年)1月1日の『新春かくし芸大会』のドラマ「若親分」に、木梨が演じたノリダーが端役出演した際、審査員の一人だった石ノ森は、エンディングで「『若親分』では『仮面ライダー』をパロっていただきまして、ありがとうございました」とあいさつした。また、同年に雑誌『TVガイド』にて仮面ノリダーの特集が組まれた際にもインタビューに応じ、「横澤(彪)さんに『いつも仮面ノリダーを楽しく見てます。ありがとうございます』と、先日電話をしました」と、容認を示すコメントをしていた。その後、2007年(平成19年)9月27日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした』特番において放送された「もう一度みたい仮面ノリダーベスト10」において、初めて「協力:石森プロ・東映」のクレジットが表示された。この時点ですでに吉川が東映や関連企業を退社し、前述のとおりもう一方の当事者・石ノ森も生前に事後承諾しているほか、平成ライダーシリーズには出演者・スタッフともに「ノリダー」を視聴していた世代も多くなっている。さらに、2013年には東映が正式に『仮面ノリダー』の商標登録を行った。2016年、『BLACK』『RX』で主人公・南光太郎を演じた倉田てつをによると、BLACK出演当時にフジテレビ側から出演オファーが届いていたが、吉川をはじめとする東映側から許可が下りなかった為に断念した事を明かした。また、当時の撮影現場ではノリダーに関する話題はタブーであったと語っている。作品は木梨やスタッフと同じ『仮面ライダー』第一作を観て育った世代を対象にしたが、同作を知らない当時の児童層などにも人気を博した。ただ本家のシリーズ『仮面ライダーBLACK RX』はノリダー放送中に終了し、10年以上のブランクが生じる事となる。一方、平成ライダーシリーズに出演している役者や東映・テレビ朝日などで制作に係わっているスタッフには「ノリダーを見て育った世代」が多数おり、インタビューで「過去に見た特撮作品」を質問された際に間接的にではあるが『仮面ノリダー』を挙げる者もいる。後に大リーガーとなったイチローも少年時代は仮面ノリダーの大ファンで、第1回の「ラッコ男」から観ていたと、とんねるずが出演するテレビ番組「ハンマープライス」の中で石橋貴明に語っていた。1998年(平成10年)に石ノ森章太郎が没した直後、テレビでは本家『仮面ライダー』のオープニングを盛んに紹介していたが、その中のある番組で中居正広は「(印象的だったのは)憲武さんのノリダーですね」とコメントしていた。いわば、「パロディのパロディ」である。"仮面ノリダーの登場人物"を参照。
出典:wikipedia
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