『ヴァンパイア』 ("VAMPIRE") はカプコンが開発・販売した2D対戦型格闘ゲーム、およびその続編を含むシリーズの総称。1994年7月12日にアーケードゲームとして第1作『ヴァンパイア』が出荷された。アジア圏以外でのシリーズ名は"Darkstalkers"(ダークストーカーズ)。本作に登場するプレイヤーキャラクターたちは、ほぼすべてが吸血鬼や狼男をはじめとする伝承上のモンスターである(シリーズ作中では「ダークストーカー」と称する)。人間のキャラクターに行わせると突飛すぎるような動作を、モンスターによって違和感なく派手な演出を実現している。人間ではない分、キャラクターの身体が真っ二つに切断されるなど暴力描写もより過激である。シリーズ第1作『ヴァンパイア The Night Warriors』は、カプコンが『ストリートファイターII』シリーズに続いて初めて発表した完全新作の対戦型格闘ゲーム。システム面では、複雑な操作をしなくても連続技を行える「チェーンコンボ」と、防戦一方になっても反撃できる「ガードキャンセル (GC)」の2つが主軸となり、本作以前の『ストリートファイターII』型の格闘ゲームとは大きく異なる戦術がプレイヤーに求められるようになった。キャラクターグラフィックはアメコミ調でコミカルに描かれている。アニメーションのパターンは膨大な枚数が用意されており、流麗な動きを実現している。これは当時の新世代ゲーム機であったPlayStation、セガサターンいずれにも完全移植が不可能であった。背景のゴシック・ホラー調の雰囲気と合わせ、グラフィックはプレイヤーから高評価を得ている。商業的な成果としては、日本では非常に多くのファンに受け入れられ、カプコンを代表する格闘ゲームシリーズの一つとして認知されるまでに至ったが、アメリカでは「動きがクレイジー」と拒否反応を示すファンが多く(新声社のアーケードゲーム雑誌『ゲーメスト』の日米ゲームファン比較の記事より)、アメコミ調のグラフィックにもかかわらず本場アメリカにおいては敬遠される結果となった。続編のほか、いくつかのメディアミックスもなされた。1997年には第2作『ヴァンパイア ハンター』が『ヴァンパイアハンター The Animated Series』のタイトルで全4巻のOVAとしてアニメ化されている。『ヴァンパイア』以降のカプコンの2D対戦型格闘ゲームでは、それまでの『ストリートファイターII』などのようにドットパターンを駆使したグラデーションでの陰影表現とは異なり、キャラクターの陰影を2 - 3階調で表現するアニメ絵(セル画塗り)の手法を用いている。このアイディアは岡本吉起によるもので、当時グラフィックの監修をしていた安田朗は「塗りの時間は短縮できるがグラフィック自体の情報量が減る分しっかりとしたデッサンが必要で、これまで以上に精緻なアニメーションパターンを作らないと間が持てない」と乗り気ではなかったが、徹底したキャラクターデザイン監修の甲斐もあり本人も納得のいくセル塗りとアニメーションパターンになったという。アーケード(業務用)作品。システム基板はいずれもCPシステムII (CPS-2) を使用している。シリーズ第1作。独特の世界観と数々の画期的なシステムが特徴。手塚治虫の『バンパイヤ』に関してか、このタイトルのみ「©手塚プロ」の表記が併記されている広告などがあったが、ゲーム内容には全く関連しない。他のシリーズ作品と対比し「初代」と呼ばれることもある。ある夜突如、闇の住人たちの意識に我の下へ集えという謎の思念が語りかけ、その声に導かれた10体のダークストーカーズが戦いを繰り広げる。プレイヤーが使用できる10体の他、ボスキャラクターとして2体のCPU専用キャラクターが登場した。対戦時にそれぞれのキャラクターの種族名(モンスター名)が表示されるのが特徴となっている。対コンピュータ戦は、『ストリートファイターII』のように世界地図のマップを移動する演出で、自分の操るキャラクター以外の9体と戦った後、ボスのフォボス、パイロンと順番に対戦する(計11戦)。当時の他の格闘ゲームと同様、CPU戦の難易度は非常に高い。また、エンディング後のスタッフロールは、ノーコンティニューでクリアしなければ見ることはできない。コイン未投入時のデモ中にキャラクター選択画面が出るが、その時にスタートボタンを押すことでデモ対戦のキャラクターをある程度選択可能(本来予定されていた戦闘ステージが選ばれた1P・2Pどちらのキャラクターとも関係のないステージとなったりする)。新キャラクターとしてドノヴァンとレイレイが追加され、前作のボスキャラクター2体も使用可能になった。『ハンター』というタイトルの通り、両者共に「闇の住人を狩る」立場のキャラクターとして参戦。前作のバージョンアップ的な位置付けとなっているため、キャラクターの基本カラーやステージの配色は前作の色違いで、BGMも前作のアレンジとなっている。複雑だった前作の必殺技コマンドを単純なものに見直し、「チェーンコンボ」や「ガードキャンセル」などが成功すると画面に大きく表示するなど、分かりやすさを重視した様々な調整を行っている。対人戦時のゲームバランスに関しても、完成度は極めて高い。対CPU戦は、ボス以外のキャラクターから選ばれた8体(同キャラクター戦の場合もある)と戦った後、前作のボス2体と対戦する(計10戦)。ストーリーそのものに前作から大きな変更はないが、前作のキャラクターも含め、エンディングの最後に一枚絵と文章によるエピローグが追加されている。前作よりも難易度が下がり、チェーンコンボやEX必殺技などが当たりやすく設定されているため、当時の格闘ゲームの対コンピュータ戦としては爽快感のある画期的なものだった。また、このゲームのCPU戦の難易度は、基板に設定されている難易度の高さやCPUキャラクターの出現順(後半に登場する相手ほど強くなる)、プレイヤーの残り体力や獲得点数の高さだけではなく、CPU相手に出した技とその効果についても影響する。その技を出して、相手に当たったか、ガードされたか、空振りしたかによって、CPUのこちらに対する反応が大きく変化するのである。CPU相手に対して、技を何度も空振りしたりガードされたりすると難易度は下がり、技を的確に当てていけば、その分CPUの攻撃も厳しく、難易度が上昇するというシステムが組み込まれているため、本作のCPU戦は初心者でも上級者でも楽しむことが可能となっている。新キャラクターとしてジェダ、リリス、バレッタ、キュービィの4体が追加され、フォボス、パイロン、ドノヴァンが削除された。「インパクトダメージゲージシステム」を採用し、前作よりもゲーム展開が速くなった。本作からナレーションの演出が追加されており、ラウンド開始とKO時だけでなく、コンボが決まった瞬間にもボイスが(他の声と違い、ほとんど低音処理されずに)追加された。ナレーション担当はうえだゆうじ。また、前作と比べてコンボによる大ダメージが全体的に狙い辛くなり、さらに「アドバンシングガード」も追加されたことで、本作以降、対戦はより高度な駆け引きが求められるようになった。ジェダが創り出した「魔次元」を舞台に、価値ある魂として召喚されたダークストーカーズが戦いを繰り広げるというストーリー。前作までと異なり、「魔次元」が舞台であることからキャラクターとステージ背景の関連性が薄くなり、一部のキャラクターを除いて登場するステージは固定されていない。隠しキャラクターとして、ダークガロンや相手に次々と乗り移るシャドウなども登場した。対コンピュータ戦は、通常は7体の敵と戦う。ほとんどのキャラクターは最終ボスとしてジェダが登場するが、一部のキャラクターは別のキャラクターがボスとなっている。また、条件を満たすとキャラクター毎に決められた乱入キャラクターが登場し、最終戦後には隠しボスの朧ビシャモンが登場することもあるため、1プレイでは最大で9戦となる。乱入キャラクターと最終ボスには、それぞれ専用の会話デモが用意されている。これは同時期の『ストリートファイターZERO2』などでも見られた要素である。なお、北米PlayStation版や英語版『リザレクション』ではタイトルが "Darkstalkers 3" に変更されているため、こちらの名称でも知られる。日本国内でのみ稼動。どちらも『セイヴァー』のマイナーチェンジ版で若干の調整がなされ、『ハンター』からフォボス、パイロン、ドノヴァンが復活した。さらに、前作の隠しボスであった朧ビシャモンと、相手キャラクターをコピーするマリオネットも使用可能となった。ただし、どちらの作品も『セイヴァー』から一部のキャラクターが削除されており、ダークガロンは両方とも登場しない。また、「ダークフォース」が全キャラクター共通のものに変更され、エンディングデモなども大幅に簡略化された。作品の舞台はどちらも『セイヴァー』と同じく魔次元であり、ジェダを中心としたストーリーになっている。コンシューマーへの移植作。CEROレーティングが設定されたタイトルは全て。『ヴァンパイア』シリーズのキャラクターたちは、基本的なシステムは共通しているが、それぞれが異なる独自の特徴を持っている。例えば前方ダッシュの場合、デミトリは姿を消して前に進む、モリガンは斜め上に急上昇する、ガロンは前方に飛び跳ねるなど、それぞれ動作形態が大きく異なっている。また、通常投げを持たないアナカリスのような特殊なキャラクターも存在する。初代『ヴァンパイア』の制作当時、キャラクターの名前を世界で受け入れられるものにするため、アメリカのスタッフによって命名が行われたが、一部のキャラクターの名前は「日本人には馴染みにくい」という理由により、日本のスタッフによって改名された。キャラクター名の英字表記のうち、"/" に続けた後半は日本国外版におけるキャラクター名称。英語版ウィキペディアに各キャラクター記事があるものはリンクを示す。開発スタッフによると「主人公」「脇役」といった肩書きはなく、プレイヤーの扱うキャラクターが常に主人公だが、『セイヴァー』では強いて挙げるならジェダが「代表者」とされる。前作の2体のボスキャラクターのフォボスとパイロンがプレイヤーキャラクターとして使用可能になり、また以下2体のキャラクターが新規に追加された。前作のキャラクターのうち、業務用『セイヴァー』ではフォボスとパイロンとドノヴァンが登場せず、以下の4体が新規に追加された。設定上のみで本編に登場しないものも含む。キャラクターのバラエティーが売りのこのシリーズでは、攻撃手段もユニークな物が多く、それにともなって専用のダメージモーションも多い。とどめに使われた場合、負け側のグラフィックとして独特の演出が行われることがある。プレイヤーキャラクターか敵キャラクターとして登場する作品とキャラクターのみを記述する。背景・技などの演出・セリフなどでしか登場しないキャラクターは除外する。1997年から1998年の間に全4巻が発売。また DVD-BOX も発売されている。『メディアワークス』『ビクターエンタテインメント』『ムービック』『ポニーキャニオン』の4社から、ドラマ作品のCDおよびカセットが販売されている。
出典:wikipedia
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