アデリーペンギン(アデレーペンギンとも。学名:"Pygoscelis adeliae")は、ペンギン科・アデリーペンギン属に分類されるペンギンの一種。中型のペンギン。南極大陸で繁殖するペンギンはこの種とコウテイペンギンのみである。種名は、1840年に南極に上陸したフランス人探検家デュモン・デュルヴィルの妻・アデリー (Adélie) への献名で、彼が上陸した場所はアデリーランドと名付けられ、そこで発見された本種にもアデリーの名が付けられた。体長60-70cm、体重5kgほど。羽毛は腹側が白く、頭部と背中側が黒いが、目の周りには白いアイリングがある。足はピンク色をしている。くちばしの根元から先端近くまで羽毛でおおわれているのも特徴で、くちばしが短いように見えるが、口を開けると目の前まで開く。これは南極の厳しい寒さに適応した結果羽毛が無い部分が少なくなったと考えられる。また、他のペンギンに比べて尾羽が長いが、これはヒゲペンギン、ジェンツーペンギンにも共通する特徴である。ペンギンの分類ではこの3種類をまとめてアデリーペンギン属("Pygoscelis"属)として扱う。非繁殖期は南極大陸の周辺海域で群れを作って生活し、オキアミなどの甲殻類や魚類を捕食する。海での天敵はシャチやヒョウアザラシなどである。近年の地球温暖化の影響を受け、生息数が減少傾向にある。アデリーペンギンは南極大陸の海岸部および周辺の島々に、大きなコロニーを形成する。なお南極大陸内におもな繁殖地をもつペンギンは、アデリーペンギンとコウテイペンギンのみである。コウテイペンギンは冬の氷原で繁殖を始めるが、アデリーペンギンの繁殖地は海岸にほど近い岩場で、夏になると雪が解けて岩石が露出する場所に限られる。スコット探検隊が越冬したロス島には約50万羽のアデリーペンギンからなる巨大なコロニーが存在する他、日本の昭和基地付近にも営巣地がある。南極の初夏にあたる10月になるとアデリーペンギンが繁殖地に集まり、小石を積み重ねて火山のような形の巣を作る。南極では夏といえども冷たい雨や雪が降り、卵が冷たい雪解け水に浸ると死んでしまう。このため親鳥たちはできるだけ高い巣を作る必要がある。しかし岩が露出する場所は少なく、巣材の小石は貴重品である。よって巣作りの頃には繁殖地のいたる所で小石の奪い合いが発生する。メスが産卵するとまずはオスが抱卵し、メスは海へ採餌に向かう。ヒナが孵化するまでは約35日間かかるが、途中で一度だけオスとメスが交代する。ヒナは茶色い産毛に包まれ、3週間から4週間ほどは巣にとどまって両親から給餌を受ける。なお、卵やヒナの天敵は寒さの他にもオオトウゾクカモメやサヤハシチドリ、オオフルマカモメなどがいる。これらの鳥も繁殖期を迎えるため、繁殖地では卵やヒナをめぐる必死の攻防が繰り広げられることとなる。ヒナが成長すると、ヒナ同士が集まる「クレイシュ」が形成され、親鳥はオスメスとも海へ採餌に向かうようになる。クレイシュにやってきた親鳥は、鳴き声で自分のヒナを判別し給餌を行う。クレイシュは3週間から4週間ほど続く。ヒナが換羽し、成鳥と共に海に入るのは夏の終わりの2月頃である。
出典:wikipedia
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