虫食い算(むしくいざん; arithmetical restorations)は、いくつかの数字が伏せられた計算式を与えられ、明らかになっている部分から伏せられた数字が何であるかを推理し、完全な計算式を導き出すパズルである。解き手のヒントになるように、計算式は筆算の形で与えられることが多い。「虫食い算」という名称は、計算式が虫に食われたように穴があることに由来する。他に「暗号算」「幽霊算」などの名称もあるが、1946年に出版された佐野昌一の著書『虫食い算大会』に使用された「虫食い算」の名称が最も広く使用されている。「虫食い算」は広義には覆面算などを含む計算式を復元する問題全般をさすが、本稿ではことわりのない限り□に数字を入れる物のみを表す。虫食い算の具体的な起源ははっきりしていないが、日本では、江戸時代の和算書や算額などにも残されている。日本で記録に残っている古い問題としては、中根彦循の「竿頭算法」(1738年)に掲載されている問題が挙げられる。また、欧米でも古くから計算の練習問題として使用されていた。1906年にイギリスの数学者バーウィック()は『7つの7』という作品を発表した。これは、ヒントとなる数字が7個に対して70個以上の□があるという作品であり、見た目に美しく知的な虫食い算の元祖ともいわれる。意味のある単語を使用した覆面算(ワード覆面算)に関しては、ヘンリー・アーネスト・デュードニーが1924年に発表した SEND+MORE=MONEY という作品が最初といわれる。これらの作品は大正時代には日本にも紹介されていた。狭義の虫食い算の問題では1つの□に入る数字は1つであるが、広義の虫食い算には空欄に複数の数字が入ることもある。筆算でない問題が多いが、筆算でも上位または下位の数字をまとめて隠すことがある。筆算での出題の例虫食い算の中には、ヒント・形状・制約等から特別な名前を冠される物がある。例題 「孤独の4」例題 □には0以外の偶数が入る例題 ■で表された1桁×1桁=2桁の筆算も成り立つようにする。例題 ◇には素数(2,3,5,7)、◎にはそれ以外の数を入れる。足し算と引き算は、虫食い算より覆面算の作例が多い。理由としては□に制約がなく数字を入れ替えた別解が発生しやすいことがあげられる。以下の問題は一意解である。算数の演習問題として虫食い算が出題されるときには、1つの□に複数桁の数字が入ることがある。以下はその一例である。数学記号や関数を使用した虫食い算が存在する。これらは数学の知識が必要になるので通常の問題ほど多くは発表されていない。以下はその一例である。筆算による開平を元にした虫食い算が存在する。『虫食算パズル700選』には問題が収録されているが、現在では義務教育で教えられていないため、この形式の問題を見ることはほとんどない。例題を1問提示する。一部の虫食い算は、自由に桁数を増やすことができる。例えば上の例にある完全虫食い算は、□…(n桁)…□×□□=□…(n+1桁)…□ としても一意解である。このため、最大の虫食い算は存在しない。ただし、このような手法に頼らない大型虫食い算は存在する。1999年からパズル通信ニコリの編集長を務めている安福良直は、学生時代に商が20000桁を超える割り算の虫食い算を作成して同誌に投稿したことがある。大きすぎて掲載できないため、最初の20桁ほどが紹介された。『世界最大の虫食い算』に詳しい顛末と理論が著されている。コンピューターを用いて虫食い算を解く場合、桁数は計算時間に影響する。2つの数字の掛け算が筆算の形で与えられた問題は、NP完全であることが知られている
出典:wikipedia
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