福井鉄道80形電車(ふくいてつどう80がたでんしゃ)は、1948年(昭和23年)に登場した福井鉄道の電車である。2編成全4両が在籍、2006年(平成18年)に全廃された。80形電車の大元は1921年(大正10年)製造の南海鉄道(現・南海電気鉄道)電5形(モユニ521形)である。モユニ521 - 524の4両が福井鉄道に譲渡され、1948年(昭和23年)に入線、1両1編成の単行列車として福武線を中心に運行した。導入当初は、主電動機出力の違いによって以下のように80形・90形の2形式に分かれていた。当時の車両は片側2扉の木造車体であり、譲渡に当たって、前後それぞれの扉に福井市内の併用軌道区間での乗降用として折畳み式のステップが取り付けられていた。なお、これらの木造車体は車体更新時に廃棄されているが、うち1両分が南越線村国駅の待合所として、同線廃線まで利用された。1956年(昭和31年)には、日本車輌製造で新製された鋼製車体に更新された。これ以降もしばらく1両1編成の単行列車として運用されていたが、福武線路面区間のカーブ改良によって徐々に2両連結運転も行われるようになった。1977年(昭和52年)には片運転台化改造し2両1編成に改められた。このとき、車両番号についても再び以下のように改められた。その後も、冷房装置の搭載と日本国有鉄道(国鉄)の廃車発生品によるカルダン駆動化、尾灯交換、床面改装などが行われた。このように車体や台車などが何度か改造・更新され、ほとんどすべての部品が置き換えられているため南海時代の面影は無くなっていた。当記事掲載の写真が最終的な形態で、この時点では製造当時からの部分は残っていたとしても連結器ぐらいではないかとされる。2両編成後の車両内部はセミクロスシートで構成されていた。元々運転台があった連結部付近には座席が無く、天井面に見える運転台との仕切り跡など、両運転台時代の名残が残っていた。2編成中、81号編成はオリジナル塗装で運行していたが、82号編成はラッピングされ、広告電車として使われた。更新前から数えると福井鉄道で60年近く運行を続け、2006年(平成18年)4月1日からの元名古屋鉄道の低床車両導入により廃車の見込みとされていたが、ラッシュ時の収容力の大きさから4月21日の880形運行開始まで運行を続けた。同年6月24日・25日には、120形とともにさよなら運転が実施され、廃車となった。
出典:wikipedia
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