『スーパーヅガン』は竹書房の漫画雑誌『近代麻雀オリジナル』1981年6月号から1989年9月号まで連載された、片山まさゆき作の麻雀漫画である。同時期に連載されていた『ぎゅわんぶらあ自己中心派』と共に、片山の二大出世作かつ代表作の一つである。また、ここでは13年後に続編として連載された『スーパーヅガンアダルト』についても記述する。タイトルの意味は「つかん」=「ツキ(運)がない」を大げさにした表現。作品内でも運のなさの深刻さにつれて「つかん」「ヅガン」「スーパーヅガン」などの表現が頻出する。物語後半では負けが込むと主人公の周囲に「ツカンポの花」が咲くようになる。主人公がとことんツキがなく、麻雀に負け続ける様を描くという作風は、過去現在を問わず麻雀漫画においては異色中の異色である。また、学生(連載当初)が主人公の麻雀漫画も極めて珍しいものであった。この作品のコンセプトはあくまで麻雀を主体とした日常世界であり、そこにギャグタッチを強く採り入れている。また、他の片山作品と比べてラブコメディー色も強い。一方で、『ぎゅわんぶらあ自己中心派』で見せたようなパロディ世界はあまり見られない(冒険RPGや昔話のパロディなどが数話あるのみ)。麻雀の描写も時折本格的な描写はあるが、登場キャラの役満連発などかなり誇張が入っており、麻雀理論や闘牌シーンを忠実に描いた『ノーマーク爆牌党』などとは視点が異なっている。最初は『ジャンシリーズ』(サブタイトルの最後が「〜ジャン」で終わる)が5回連載された(単行本1巻巻末に収録)。絵はまだかなり稚拙だが、豊臣ら4人のキャラ設定と麻雀シーンの正確さは変わらなかった。その後『スーパーヅガン』のタイトルに直して連載する。連載当初は全く不人気だったが、後に安定した人気を誇り、連載半年後には『近代麻雀オリジナル』の看板漫画にまで成長し、当時の社長もこの作品をプッシュしたという。連載は8年に及び、連載終了してからもアニメ化(同氏の作品としては初であり、2015年現在唯一である)も果たしている。また、ツキの無さを示す「つかん」という言葉は雀荘で流行するほどであった。全9巻(大判)。その13年後に続編『スーパーヅガンアダルト』が連載されたが、こちらは未完のまま連載が終了した(3巻まで刊行)。『スーパーヅガンアダルト』では、スーパーヅガンの世界観に加えて、『ぎゅわんぶらあ自己中心派』のような、世相を反映したパロディ話もかなり登場するようになった。また、早見と再会するまではストーリー漫画のような側面も持っており、前作と比較するとかなり背景が描き込まれている。なお同じキャラクターが登場する作品として『片山まさゆきの麻雀教室』が存在するが、これは「フレッシュマガジン」に発表された作品の為、詳細は『ぎゅわんぶらあ自己中心派』側を参照。片山まさゆき曰く、「作中の不条理な豊臣の打ち込みについては、役満の三家和などの明らかに嘘っぽいものは別として、私自身が実際に体験したものである」と、最終巻のあとがきにて語っている。この後書きでは、他にこの作品をすごく気に入っていたこと、そして続編を描く気はなかったことが書かれている。主人公、豊臣はかつて常に学力No.1を誇るエリート高校生だったが、織田率いる不良グループに絡まれ、麻雀ですってんてんにされてから、全てのツキを奪われてしまい、以後は何かと金を巻き上げられる真っ暗な青春を送っていた。そんなある日、ひょんな形で高校時のクラスメート、早見明菜(ヒロイン、後述)と再会。彼女は、すっかり変わり果ててしまった豊臣にショックを受けるも、自分の想いを赤裸々に告白、そして彼に麻雀をやめるように懇願する。しかし、彼は腐れ縁の連中と麻雀を断ち切ることができず、連日借金を重ねる有様であった。痺れを切らした早見は素人ながら麻雀を覚え、彼の仇を取ろうとする。しかし早見自身が驚異的なツキの持ち主であったために、今度は彼女もすっかり麻雀の虜になってしまうのだった。その後は主人公豊臣とヒロイン早見、そして不良グループの織田、明智、徳川などを中心に、色んなゲストキャラを巻き込み、面白おかしい麻雀シーンが描かれていく。片山漫画のテレビゲーム化は『自己中心派』が大変有名だが、実はX1による『ヅガン』の方が先である。内容は基本的に『自己中心派』と同じ「麻雀のゲーム化だが、打ち手を務める各キャラクターが漫画に忠実に再現されている」もの。だが発売が中国地方の中小ソフトハウスだった為、その後の知名度は高くなかった。後年他に、スーパーファミコンで2作品が発売されている。その他1992年10月~1993年3月まで、当時としてはまだ珍しい深夜アニメとして、フジテレビ系列にて放映。全42話(総放送回数21回)。制作はキティ・フィルム。アニメ制作はスタジオディーン。平均視聴率は2.7%。エンディングテーマは三波春夫が歌う『ジャン・ナイト・じゃん』(作詞:三波春夫、作曲・編曲:CHOKKAKU)。オープニングテーマはなく、パトカーのサイレン音をバックに刑法186条の条文(当時の刑法は文語体)が表示されるのみであった。ABパート間のアイキャッチには馬場プロ製作の「何を切る?」を採用、毎回異なる問題が出題され、CMをはさんで解答が表示される趣向となっていた。月刊連載をアニメ化する場合、作品量が少ないためアニメ版オリジナルエピソードが作られることもあるが、当作は既に連載終了していたため全てのエピソードが原作から採用された。原作では全員が高校・大学・社会人と成長していったが、アニメ版においては主要キャラは全員20歳で固定となっている。それゆえ、原作連載時の時系列は大きく異なっているものがある(たとえば、早見との再会話は、アニメでは第1話となっており、尾沢竹書坊初登場話『無敵のムカフーン打法』はその後のエピソードだが、原作では尾沢竹書坊初登場話の方が連載順序が古い)。この番組を最後に、1981年10月スタートの『うる星やつら』以来11年半続いた、フジテレビとキティフィルム共同制作のアニメ番組シリーズは廃枠となった。また、フジテレビにおけるスタジオディーン作品の放映は、1995年4月開始の『クマのプー太郎』(水曜19:30-20:00)まで2年間のブランクが生じることになる。2000年代にはCS放送局MONDO21で放送され、2014年頃にはAT-Xでも放送されている(再放送ではあるが、初放送扱い)。
出典:wikipedia
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