宇宙戦艦(うちゅうせんかん)は、SF作品に登場する、現実の海上艦船の軍艦に近い運用される架空兵器の総称や等級を表す呼称で用いられる。宇宙空間における戦闘を主目的とした宇宙船。「星の海」での宇宙空間戦闘を描いた作品には、現実世界の第二次世界大戦で使用された軍艦、空母、要塞、戦闘機などの海軍軍事兵器が転用されることが多く、宇宙戦艦もその一つである(第二次世界大戦以降の海軍兵器が転用されることは、ほとんどない)。特に宇宙空母や航宙駆逐艦、宇宙巡洋艦などの現実の軍艦の種類を模した戦闘艦の等級が複数登場する場合には、主として艦砲やミサイル等の火力兵器を有し、装甲等により一定の打撃に耐える戦闘艦のうち、最大のものを現実世界の戦艦と同様の性格を持つ艦艇と設定されることが多い。SFの勃興期に登場した最初期の宇宙戦艦は、1920年代からアメリカにおいて登場したスペースオペラ作品中で活躍するものである。『レンズマン』シリーズのドーントレス号などが代表的なものにあげられる。映像の分野では、やはりアメリカにおいて1966年から放映された『宇宙大作戦』(スタートレックシリーズ)に登場するUSSエンタープライズ、あるいは映画の『スター・ウォーズ』に登場する宇宙戦艦など、地球上における「戦艦」というイメージからは程遠い物となっている(エンタープライズはじめ宇宙艦隊の船のほとんどは、分類上は深宇宙探査船であり戦艦ではない。ただし防衛も任務の一つであるため、戦艦クラスの武装がなされている)。SFの勃興期である20世紀初頭において、現実世界では戦艦は現役かつ最強の兵器だった。その後戦艦という艦種が消滅するという事は想像の範囲外であって、遥か未来の宇宙を航行する武装した大型宇宙船に「宇宙戦艦」の名前を与える事は、極めて自然な事であった。一方で未来世界・宇宙空間の兵器のデザイン等に現在の地球上の兵器のイメージを反映させる必要は無かった。よって欧米のSFにおける宇宙戦艦が、現実の戦艦とは似ても似つかぬものになるのは当然だった。また、現実の宇宙船は高高度航空機に準じる存在であり、それをふまえた考証面からも欧米SF、特に映像作品の宇宙戦艦(というより宇宙船全般)の描写は、水上船舶というより大型航空機に近い物が多く、戦闘シーンも空中でのドッグファイトに近い。ただし、原語では単にwar ship(軍艦)、military ship(軍用艦)、armed ship(武装船)あるいはcruiser(巡洋艦・巡航艦)などと呼ばれていたり、現代の分類とは異なる独自の艦級が設定されている場合でも、邦訳の過程で"宇宙戦艦"にされてしまう場合もあるため注意が必要。「スタートレックに登場した宇宙船のクラス一覧」も参照。実際にはFPSの「セット」であり、普通の建築物に準じる存在。現実世界の大艦巨砲主義の戦艦のイメージを引き継いでいる。背景として海野十三の作品など、第二次世界大戦前の空想科学の系譜を、戦後の特撮やマンガ、アニメにおいて引きずった面があった事。日本の特撮・マンガ・アニメが最盛期を迎えた戦後において、現実に存在する戦艦が過去のものとなりつつあり、戦艦と名前のつくものに、その過去のイメージが反映された事。高度経済成長期頃までは戦争体験者が社会で大きな位置を占め、文化的には太平洋戦争を省みる風潮が強く存在しており、戦争映画の様態や昭和30年代の戦争漫画ブームなども影響している。特に『宇宙戦艦ヤマト』の大ヒットが、日本における水上艦色の強い宇宙戦艦のイメージを決定したと言える。(リメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199』では「恒星間航行用超弩級宇宙戦艦ヤマト BBY-01」)本作の宇宙戦闘は厳密なレギュレーションの元に行われる「スポーツ競技」に近いものであり、宇宙戦艦は自動化が進められ「競技選手」個人で動かす「レースマシン」に近い存在である。ガンダム世界では、戦闘での主力がモビルスーツであるため、戦艦と呼ばれる艦級でもほとんどの艦艇がモビルスーツ母艦的な能力を付与されており、現実世界に存在した航空戦艦に相当する艦も多い。なお作中で相対的に小規模な大きさで設定された輸送艇レベルのものも記載する。各艦の詳細は個別のページ参照。上記銀河英雄伝説とは対照的に、高性能だが高価で数がそろえられない宇宙艦の「一騎討ち」が宇宙戦闘の基本であり、作中では艦艇の数より各艦の「特技」が重要視されている(しかしこの設定は壮大な「合戦」に慣れた読者には受け入れられず、本作は途中で打ち切られている)。本作の艦艇区分は、「戦列艦」(機雷母艦)「巡察艦」(巡洋宇宙艦)「突撃艦」(攻撃型駆逐宇宙艦)「護衛艦」(防衛型駆逐宇宙艦)「襲撃艦」であり、宇宙戦艦に相当する艦が存在しない。艦隊旗艦任務は巡察艦(巡洋宇宙艦)が担っているが、戦列艦(機雷母艦)より小型の艦であり、巡洋艦に相当する。最大の艦種である戦列艦(機雷母艦)は、近接攻撃に脆いなど戦艦とは性質が異なり、いわば空母的な宇宙艦である。パロディ作品の『パロディウスだ!』のシリーズにも、後述するR-TYPEシリーズと同じ巨大戦艦ステージが登場。ゲームシステム上、ロボット兵器部隊の「動く基地」としての役割が強く、艦そのものの戦闘能力は必ずしも高くない。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。